ダークホール使用禁止を受けて拘りスカーフ持ちの素早さはどうなるか

拘りスカーフ持ちの素早さについて。



ダークホール対策も兼ねて拘りスカーフを持つポケモンの素早さは最速ドーブルの139を越える値が重要視されていました。しかし、ランダムマッチではダークホールが使用禁止になったことで、以前に比べるとドーブルに一方的に支配されることが少なくなるので無理して139以上の素早さを確保する必要性が薄くなり、別のポケモンに対する汎用性を上げる方がよさそうです。
では、実際に拘りスカーフを持ったポケモンの素早さはどうなるのか。


1.性格補正がなければS139に届かないポケモンたち
2.性格補正があってもS139に届かないポケモンたち
3.その他、ドーブル@スカーフの影響を受ける素早さのポケモンたち


1.性格補正がなければS139に届かないポケモンたち


シャンデラ
→特攻に性格補正をかければラティオスを倒せるという明確な利点があるため、この分類にいるポケモンの中では最速にしないシャンデラは最も増える可能性が高いです。ただ、個人的にはシャンデラを採用するパーティは相手のシャンデラが厳しくなっていることが多い(気がする)ので、今まで通りに最速で使うのがいいような気はします。拘りスカーフのシャンデラは先制技の不意打ちで縛るという対処の仕方があるので最速でも50%でしか勝てないのならそういった対策を用意して素早さに性格補正をかけない手もあります。誤解を生まないように補足しますが、シャンデラを最速にすることでシャンデラ対策ができたとは考えていないです。あくまで勝ち筋が残る可能性です。


トゲキッス
→シングルバトルだったら変に素早さを下げるよりは最速にしてエアスラッシュで怯ませる方が役割を持ちやすいことがありますが、ダブルバトルだったら別だと思います。エアスラッシュこの指止まれ神秘の守りトリックなど全て拘りスカーフと相性のいい技が揃いますが、ドーブル対策という意味では神秘の守りの価値が低くなり、それにより素早さを140以上にする必要性も薄くなります。猫騙しより速いこの指止まれを打てる点は魅力の1つなので極端に言えば最速マニューラ抜きのS130まで数値を落としてもよく、種族値按分に比較的恵まれているトゲキッスはその減少分を別に充てることで役割をこなせる範囲は広がりやすく、素早さを落として耐久を上げるトゲキッスは増えるのではないでしょうか。


ロトム
ドーブルがいなくなってもシャンデラがいる以上、素早さをどうするかは今までの選択と変わらないと思います。水ロトムハイドロポンプシャンデラを縛りたいですし、氷ロトムシャンデラの熱風耐え調整をすると火力が残念なことになるのでシャンデラの前で一度は動けるように臆病が選ばれるのではないでしょうか。炎ロトムと草ロトムは雨や砂に入っていることが多くシャンデラを意識する必要が薄く今までのようにバンギラスを意識した素早さに落ち着くのではないでしょうか。飛行ロトムは…よく分からないですけど、エアスラッシュとトリックやめざめるパワーを両立できるのがポイントですが、拘りスカーフを持っている相手でエアスラッシュを打ちたい相手がいないこととめざめるパワーが刺さるポケモンもいないので臆病にする必要性はそこまでなさそうですので特にドーブルの影響は受けないでしょう。




2.性格補正があってもS139に届かないポケモンたち


バンギラス
ドーブルがいても一定数以上いたポケモン。寧ろ、ダークホール対策を切るパーティで採用されていたことが多いと思うので影響はなく、ダークホールの対策を切ってしまうのがまずいと思った人も採用に踏み切ることができるのではないでしょうか。主な利点は、交代で砂へと天候を奪った直後に先手攻撃を仕掛けることで立て直す隙を与えにくくできることとラティオスを縛れるということです。


メタグロス
→大爆発が弱体化しましたが、威嚇で攻撃が下がらない先制岩雪崩使いはギャラドスなどで相手にするのが面倒です。また、プラチナ時代によく見たようにトリックを使うことができて、他のポケモンに比べるとトリックで行動を封じてから汎用性の高さで動けるというのは魅力です。当時はメタグロスの汎用性が圧倒的なほどに高かったこともありドーブルより遅いにも関わらず数を見ましたが、最近あまり見ないことを考えると増えることはないかもしれません。ただ、採用しやすくなってるのは確実です。


ニョロトノ
ニョロトノ+キングドラと選出しても素早く攻撃できるのはキングドラだけで寧ろ隣にニョロトノを出す必要が足を引っ張りがち、という問題をニョロトノに拘りスカーフを持たせて解決する手段です。ただ、ドーブルの対処をしていたのは結局隣のすいすいポケモンなのでこれも今さら急に数が増えることはないのではないでしょうか。
余談ですが、スカーフのニョロトノを使うならルンパッパ@球根とあわせて猫騙し+波乗りから攻めていくのがいい気がします。


ユキノオー
バンギラスと同様に天候を霰にしてから先制の攻撃で立て直す隙を与えません。バンギラスの場合は砂で強化されるポケモンが元々速いので砂パーティとしても採用されていましたが、霰パーティで軸にしたいポケモンは素早さを高める手段がないことを考えるとユキノオーに拘りスカーフを渡している場合ではないと思うのでユキノオーinスタンダードというパーティでないと使われないと思います。ただ、絶対零度は恐怖です。


○グレイシア
→すっかりとロトムの影に隠れてしまいましたが、氷タイプで最も特攻が高いです。ロトムが選ばれてた理由はグレイシアに比べて電気や鋼に対して耐性を持っている点だと思いますが、ドーブルを抜けないという理由からロトムを選んでいた人がグレイシアに切り替えると増えるかもしれません。相手にしたくないポケモンNo.1なだけに困ります。




3.その他、ドーブル@スカーフの影響を受ける素早さのポケモンたち


テラキオン
袋叩きを意識したS122やS129の拘りスカーフ持ちが採用しやすくなります。気合の襷は持てませんが、攻撃に性格補正をかけて耐久も上げることができるので、万が一袋叩きに成功しなくてもある程度は戦えそうです。


ランドロス
シャンデラを上から攻撃できますが、砂パーティや雨パーティに入るとシャンデラが選出されません。となると、バンギラスを意識した素早さに抑えることで火力と耐久の両方を増強することができます。特に、ランドロスは素早さに振ってしまうとラティオスの流星群を耐えない耐久になるか砂の力+大地の力でメタグロスが倒せない火力になるかということがよくあったので、この使い方であれば高種族値も生いきるのではないかと思います。


○ルンパッパ
今まではすいすいでドーブルが抜かせる素早さが最低ラインになっていましたが、その必要性が薄くなったので他に努力値を回すことができるようになりました。全員選出のトリプルバトルと違って相手が雨だと分かればシャンデラ@スカーフを出さないので思い切って素早さを切っても大丈夫なのですが、蝶の舞ウルガモスや雨以外の天候を意識するなら今までと変わらないでしょう。




まとめると…
シャンデラの存在を考えると、性格補正をかけてドーブルが抜かせるようなポケモンたちの素早さに関してはそこまで変わらない
・最速にしてもドーブルを抜かせなかったポケモンの拘りスカーフは増える可能性があり、特にバンギラスが増えると思われる
ドーブルを抜かせるポケモンでも拘りスカーフや特性で素早さを補うので素早さを極端に切って火力や耐久を増強する型は増えると思われる


という感じでしょうか。
ドーブルがいなくなったら、大事になってくるポイントはS145のシャンデラとS124のバンギラスになると思います。その中間にいるドーブルを意識しなくてよくなったので、バンギラスを意識した素早さにすると、20近い値を別の能力値に注ぎ込んで有用な調整をすることが可能になります。それで汎用性を上げるポケモンたちの登場は怖いですね。