2011冬ドラマ「早海さんと呼ばれる日」の感想

「早海さんと呼ばれる日」を見終えて。



僕とスターの99日」に続く「ドラマチックサンデー」の枠です。
裕福な家庭でお嬢様として育てられた主人公が結婚相手の貧乏家族で嫁として主婦業を奮闘する物語。公式サイトを終わってから覗いてみたのですが、主人公が家族を導けるような花嫁として成長していくのが話の本筋みたいです。


早海家はあまり例を見ない家族なのかもしれませんが、日常を描くお話には突然変異を遂げるような設定は取りづらく細かいところを丁寧に描いていく必要がありますが、その点に関してはしっかりとしていたかなと思います。また、話が進むにつれて主人公は家事に慣れて家族の一人ひとりが更生されていく展開を1〜2話使って一人ひとりに焦点を当てていく方式が取られていることが多いですが、スポットを当てられていない人間も今後スポットを当てることを意識して描かれていた形は良かったと思います。これはまだうまく説明ができないのですが、ほぼ毎回のように不思議と次回の展開が気になるような終わり方ができていたと思います。
みんなただ怒鳴って不満をぶつけて胸倉掴んで・・・が中心のドラマでそれが視聴者に響くかどうかは二極化するんじゃないかなと思いながら私は視聴していました。
最終回付近で優梨子と恭一、出て行った母の話を一緒にまとめようとしていますが、母の話の展開がやや薄かったように思えます。視聴しているときも全11話だと思っていたらいつの間にか最終回だったのであと1話分あればうまくまとまったのではないでしょうか・・・製作上の制約もあると思いますのでやや残念。


また、ふと思ったのは「人が変わるきっかけ」。ドラマではダメダメだった人が何かをきっかけにやり直す・前に進むという展開はよくあるものですが、ここで大事なのは何をきっかけにそうすることにしたのか。特に、今回の次男が変わったきっかけには「自分が知らないところで父親になっていたということを知った」ことでしたが、現実を生きる人間はこれくらい大きなきっかけがないと変われないのかなと思うと寂しく思えました。


松下奈緒の配役は「ゲゲゲの女房」の明るく前向きなイメージから来たものだと私は思っています(因みに、「ゲゲゲの女房」はあいにく観ておりません)。
俳優・女優は役のイメージに合う人を配役させるのが普通だとは思いますが、今後松下奈緒にはストーカーのような少し醜い役を演じてほしいなと思っております。自分のイメージは自分で守っていく必要があるので、俳優・女優の方がそういった仕事を受けないという選択もできますが、色々な役に挑戦するのもきっと彼彼女らの成長に繋がると思うので保守的にならずに演じて欲しく思いますし、配役を考える側も適度にそういうギャップなどを考えて選ぶと面白いような気がします。もっとも、私はイメージにないものが来たら「新鮮」ととらえる方ですが、多くの視聴者は「イメージにあわない、配役ミス」と捉えてしまうのかもしれませんが((


この枠は月曜9時などに比べると掛けられている期待の大きさなどが違うと思うので続編は特にないでしょうが、続編が欲しいという感じは私にはよく分からなかったですね。
そもそも作品は適度な場所で終わるのがいいと私が思っていることもあって、続きがあるなら続きの展開を気にしても作品に終止符が打たれたらその後を“想像”するのが読者や視聴者の楽しみ方だと思っております。まあ、今のところ何も想像なんてしてないんですけどね((