2012春ドラマの第一印象

今期観てるドラマに第一印象。
既に4話近く観ているので、第一という表現は不適切かもしれません((


鍵のかかった部屋
未来日記-ANOTHER:WORLD-
ハンチョウ〜警視庁安積班〜」
「放課後はミステリーと共に」
Wの悲劇
三毛猫ホームズの推理



並べた順番は、観る前に期待の高かった順番。
今期は6本のドラマを観ていますが、たぶんこれは今までで最も多い量になると思います(「ホタルノヒカリ」をやっていた時に5本観ていた記憶はあります)。
本当は、「カエルの王女さま」や「もう一度、君にプロポーズ」「リーガル・ハイ」「ATARU」などにも興味はあったのですが、消化しきれないということで仕方なく切ることにしました。


>「鍵のかかった部屋
警察が自殺と判断するような密室事件を弁護士と“鍵オタク”の主人公で調査して事件を解き明かしていく物語。主人公は警備会社の社員なので刑事や探偵ではないことから劇中で扱われる事件は密室事件に限定されるという今までにあまりないタイプのミステリーです。
主人公は鍵と錠が好きなだけなので、密室を打ち破ることに関して興味があっても誰が事件の犯人であるかということに関しては興味がないという設定がミステリーとしては珍しいです。
主演は嵐の大野智。嵐の知名度が飛躍的に上がったあたりからバラエティ番組などでよく目にするようになりましたが、ドラマで大野智を見るのは初めてです。興味はあっただけに設定が面白そうなドラマなら観てみたいと思っていたのがようやく叶ったことになります。主な登場人物は、密室を解くという依頼を持ちかけた弁護士役の戸田恵梨香と彼女が所属する事務所の上司である佐藤浩市の2人。戸田恵梨香の雰囲気が最近見ていたものと少し違う気がして新鮮ではありますが、彼女が適役だったのかと言われればそうでもなく歳の近い有名な女優でも代役が務まるのではないかとここまでは感じています。
鍵に関する豆知識が入るので聞いていて面白い部分はありますが、密室のトリックはあまりレベルは高く思えません。こういうときに登場するトリックの多くは現実的に考えると失敗する確率が比較的大きいものばかりですが、そもそも現実的にも成功する確率が高いトリックであれば現実で取り入れられていますし、それが知れ渡るとトリックとして通用しなくなるので、ミステリー小説のトリックは失敗する確率もあるけれどたまたまうまく決まったようなものの方がいいのかなと思いました。となると、突発的に殺人を犯してしまう設定がもっとも無難でしょうね。
今後の展開なのですが、この記事を書くために確認したいことを少し調べていたら考える前にネタバレしてしまった部分があったのでちょっと書けなくなってしまいました((
原作もタイトルは「鍵のかかった部屋」ですが、どうもこれに違和感を覚えています。“かかった”というのが密室ではなく何かしらで密室状態が作られたという部屋の状態を示していますが、個人的に「鍵のかかる部屋」の方が好みですね。ただ、部屋にかける鍵はトリックであるということから「鍵のかかる部屋」だと全ての部屋が対象となってしまうのでそれもあまり良いとは思えませんね。とりあえず、促音便があまり美しく感じませんでした((


>「未来日記-ANOTHER:WORLD-
漫画原作がアニメとなり実写化された作品。私の周りにはアニメに詳しい人が多く、聞いた話ではドラマはオリジナルの要素が多いらしくここでは私が観ているドラマ作品を中心に書くことにします。
未来日記という未来の出来事を予知するアプリ(?)の入った特殊なスマートフォンを渡されて負けた人は存在が消失するというサバイバルゲームに巻き込まれた未来日記所有者7人を巡る物語。
「戦わなければ、生き残れない」をキャッチコピーにしていた仮面ライダー竜騎を思い出していました。あの作品も主人公は他の人と勝負をして倒すというサバイバルゲームで生き残れば願い事が1つ叶えられるというストーリーだったので通じる部分が多いです。
面白いのは、ゲームに負けて消えていく人は未来日記を見て自分が死ぬことを知ってからその未来を変えるために他人を蹴落とそうと行動を起こしているということです。よく「タマゴが先か、ニワトリが先か」という話をしますが、自分が死ぬという未来が先か狂気に走るのが先なのかが分かりません。日常を生きる彼らがサバイバルゲームを始めても誰も傷つけない未来を望むのが自然なはずなので命を落とす未来を見ていなければ狂気に走ることはなく、物語を見る側としては「ニワトリが先」のように見えますが当然結論は出ません。
また、誰も傷つけない未来を望んでいる人たちであれば、そのまま穏やかに時を過ごせばいいだけですが自分が死ぬ未来を見ることで戦うことを迫られていますね。これだけ聞くと、未来日記を見なければ良いだけですが、スマートフォンが壊れるとゲーム失格とみなされるので、手離すこともできないというのが設定の良いポイントになっていると思います。
主役の岡田将生剛力彩芽はどちらも今ノリに乗っている俳優であり、本郷奏多福田麻由子にも興味はあるので個人的にかなり見やすいドラマになっています。番宣で見た佐野史郎インパクトも強かったですが、ようやく出てきましたしね。


>「ハンチョウ〜警視庁安積班〜」
人情派刑事ドラマ「ハンチョウ」シリーズの5期目。主人公は1〜4期までは神南署の強行犯係の係長でしたが、今回で警視庁へと異動になり登場人物なども一新されました。
主演の佐々木蔵之介が好きだからということで、シリーズを通して観ていました。3期までの印象が少し薄いのですが、脳内でマンネリ化してると感じていた部分があったからだと思っており、その次の4期では序盤から安積に対する脅迫状が送られてくるなど新しい展開が広がっていて楽しめたので、今回も観ることに。観るまで異動したことに気付いていませんでしたが((
所轄では主人公が部下からの人望が厚いキャラクターでしたが、異動に伴いまずそれを築き上げるのに苦労をするのかなと思ったら意外とそうでもなく。小澤征悦の役が「最後の判断は自分でします」とは言っていて彼の過去に関する話はまだ今後ありそうですが。そういえば、このドラマでの比嘉愛未の役もそうですが、最近のドラマはパンツスーツの女性の役が多いような気がしますね。
特捜一課を創設したのも刑事部長が何やら思惑があるようなのでそれに関しても今後解き明かされていくと思いますが、2期にまたがってシリーズを放映しないとスケールが短い気がしますし、1話で主人公が「なぜ特捜を創設したのか、この4人なのか」という質問を既にしているので警視庁編のシリーズ1でそれを解決できないまま5期が終わり、「ハンチョウ〜警視庁安積班〜」と6期目が始まるのはちょっと変ですよね。創設に何か過去の事件を引きずるような意図があったのなら、このシリーズが終わる頃には特捜が解散になる可能性も十分にあるのでその後の展開も考えて期待です。


>「放課後はミステリーとともに
東川篤哉の小説が原作。大ヒットした「謎解きはディナーの後で」も観ておらず原作にも手を出していないので、どういう風合いなのかがあまり分かっていません。
深夜枠のドラマですが、2話完結の構成を取っています。そして、私は4話までに1話と3話を録画し損ねてしまったので事件編を一度も観れていません((
川口春奈速水もこみちに興味があったのですが、コメディー寄りの割にはあまり笑う要素がないような気がします。後述する「三毛猫ホームズの推理」やそれを見て思い出した「キミ、犯人じゃないよね?」が大きな存在としてあるからかもしれませんが。コメディとしてのはリアクションが大きいという印象だけ残りました。また、事件としての出来栄えはともかく2つの事件を見た限りトリックの発想は良かったと思います。
切ることにしてもいいのですが、切った時間を他のドラマに充てて途中参戦するのはあまり好かず、録画できていたら作業をしている時間につけてみようというスタンスで見続けることにします。


>「Wの悲劇
全く同じ容姿を持ちながら、金と権力を持っているものの財閥に縛られて生きている少女と貧乏な生活の中で金と権力に飢えている少女、2人が殺人事件を通して出会い、お互いに入れ替わって生きる物語。夏樹静子の小説が原作。因みに、ちゃんと調べてなかったら東野圭吾原作と書くところでした((
同じ容姿を持つ2人を演じる主演は武井咲。私の知る中では、「大切なことはすべて君が教えてくれた」で大抜擢されてブレイクしたという感じでしたが、どうも世間が評価するほど武井咲の魅力が分かっていないようです。今回は金と権力に飢えてそれを明らかに出してる黒い役柄を演じているので、何かそういうところでも魅力を理解していきたいところです。主演は1人でも人物は2人いるので、次に大事な役はどの方になるか分かりません。とりあえず、武田航平がいます。正装してきっちりしていてもやっぱりいいですね。また、他ドラマの主役を張っている剛力彩芽もおそらく最初の方だけだと思いますが出ています。福田沙紀「ライフ」で意地悪な役を演じて、その後少し顔が細くなったのに伴い演じる役も変わってきたように思っていましたが、また意地悪な役へと戻りましたね。
1話では入れ替わって殺人事件のアリバイを証明するだけでだいたい終わってしまい展開はこれからどうなるのかという感じでしたが、2話目を見る限りは、入れ替わった2人の新しい環境がそれぞれ自分の欲しいものが手に入りそうであることからやりたいように動き出しましたね。最近、私が観ていたドラマはシリアスなものでも友人と微笑んだりするようなシーンや笑いを取るシーンが多少は含まれているものばかりでしたが、このドラマにはそういった気を緩ませる瞬間が全くありませんね。
私が視聴すると決めたものの中では少し存在感の薄いドラマでしたが、2話目が面白かったので今後に期待です。


>「三毛猫ホームズの推理
死体・血を見ると気絶する、女性恐怖症、などと刑事に向いてないダメダメな主人公が「一家に一刑事」という家訓にしている兄と妹に支えられながら事件を解決していくミステリー。赤川次郎の小説が原作。もっとも、赤川次郎を私は知らないのですが((
観たいドラマを考えたときに上までの5本をすぐに決めて、6本消化は未経験だったので残り観てみたいものの中をどうするか考えてる最中に1話が放送されたので、観てみたら面白かったので視聴することを決めました。
主演は嵐の相葉雅紀。「鍵のかかった部屋」の項でも書きましたが、バラエティ番組を通じて嵐を見る機会は多くなっていたので、相葉雅紀は適役じゃないかなと思っています。その妹役が大政絢で、原作にはいないらしい兄役が藤木直人。因みに、この2人が出演しているというのが観てみたいという一番の理由でした((
こちらも「鍵のかかった部屋」の項で書きましたが、ミステリーのトリックは現実的な成功率は高くない方が良さそうです。しかし、しれは殺人を自殺に偽装したり自らのアリバイを確保するためのトリックに限り、人を殺す部分に成功率の高くないトリックを使ってしまうのは犯人の無計画性から本当の絵空事のように見えてしまう部分があり、1話のトリックはそれにあたる部分があったと思います。また、犯人を特定するための証拠があまり納得に足るようには思えません。
その辺りが原作ではどうなのかは全く知りませんが、ミステリー風コメディとして捉えると非常に面白く思えます。石津や主人公にダメ出しばかりする上司のと兄妹の掛け合いがテンポも良く愉快に感じます。そもそも猫のホームズがマツコデラックスになって出てくるあたりからコメディとして観る方が自然でしょうけどね。
昔、同じようなミステリー風コメディドラマに貫地谷しほり主演の「キミ犯人じゃないよね?」というドラマがありとても好きだったのですが、それを思い出します(こちらの方がかなりコメディとしての色合いは強いですが)。とにかく今期のドラマで最も期待しているので消化本数の関係で切ったりしなくてよかったと感じています。