BW2新要素による5thGSへの影響

BW2の新要素を加えた5thGSルールの雑感。
もちろん、対戦する機会はまだないので机上論と言えばそれまでです((


色々と書くとかなり長くなるので注目を集めていると思われるポケモンだけに留めておきます。まあ、それでも長いのですけれど((



グラードン
グラードン自身は特に新しく習得した技などはないのですが、夢特性の伝説ポケモンが解禁されたことを受けて相対的な強化に繋がっています。
トップメタにいるカイオーガディアルガなど攻撃を耐えるポケモンが優先的に採用される傾向にあるGSルールでは、地面技の一貫性が高くなっていることがよくあります。特に、地震は範囲攻撃であり物理攻撃でもあるため環境の動き方次第ではかなり刺さる技になっていることが多く、グラードンはその地面タイプの中で最も火力の高いポケモンです。
しかし、地震は範囲攻撃であるが故に火力が3/4に落ちる補正を受けてしまいますし、グラードン自身の特殊耐久が高くありません。なので、攻撃を耐えられて反撃で逆に倒されてしまうことがグラードンの弱点であり、グラードンが弱点を克服するためには相手を倒してしまうことで反撃の攻撃を受けないようにすることになります。その方法ですが、グラードン地震を打つ関係上、隣には攻撃を受けないポケモンを置く必要がありました。ラティオスやサンダーでは火力も足りず氷の一貫性が気になり、最も安定する組み合わせはクレセリアになります。そのクレセリア自身は打点が足りていないため、グラードンの火力を底上げする形でしか戦えないのが今までのグラードンでした。
しかし、BW2で夢特性にテレパシーを持つディアルガパルキアギラティナが解禁されたことにより、グラードンの隣に置けるポケモンの組み合わせが増えました。隣に浮いているポケモンを置かなくてはいけないという制約から解放されて構築の難易度が易くなっただけではなく、隣のポケモンで相手に攻撃していける組み合わせが誕生したことによりグラードンに掛かる負担も減りました。
ドラゴン+地面の攻撃範囲の組み合わせが強力なのはシングルを中心に猛威を奮っているガブリアスを見れば分かるくらいなので、グラードン+ディアルガorパルキアは今後強力な組み合わせとしてトップメタに君臨するのではないかと思っています。


ディアルガ
夢特性のテレパシーが解禁されました。それ以外に強化された点は特に見当たらないのですが、テレパシーによってディアルガの隣に置けるポケモンの種類が広がったことにより相対的な強化と言えるのではないでしょうか。
また、特性が発動しないことで素早さが判別できず速いのか遅いのかはたまたトリックルームなのかを確認するのが難しくなりました。相手にすると厄介ですが、自分で使う場合に相手の素早さを判断できずに見誤る可能性も十分にあるために一概にどちらがいいとは言えないかと思います。


パルキア
夢特性のテレパシーが解禁されました。それ以外に強化された点は特に見当たらないのですが、グラードンの相対的な強化やフォルムチェンジしたキュレムの存在を受けて素早さが一歩早く打たれ強さのあるパルキアは強化されたように思います。
テレパシーで嬉しい要素は地震ばかりに目が向きますが、個人的に面白いと思うのは味方の大爆発を無効にする点です。パルキアの守るタイミングに合わせて大爆発を選ぶ必要がなくなったのは非常に強力なのではないかと思います。


ギラティナ
夢特性のテレパシーが解禁されました。それ以外に強化された点は特に見当たらないのですが、環境に高火力のポケモンや組み合わせが増えていったことを考えると相対的にはやや評価が落ちるのではないかと思います。
今まで吹雪を打つ強力な組み合わせとして挙げられていたユキノオーミュウツーミュウツーに強いことがギラティナの魅力でしたが、キュレムの強化によって生まれるユキノオーキュレムの並びに対してギラティナでは対抗できなくなっています。またギラティナの火力が高くないのでグラードン入りのパーティに対してもやや遅れを取る形となりますし、物理耐久を引き上げても隣のテレパシーディアルガがかなり重たい構成になってしまいます。
テレパシー自体はグラードンと並べるときしかほぼ恩恵を受けないので苦手なディアルガバンギラスグラードンで排除しながら瞑想する型か素早さの判別をされずにシャドーダイブで奇襲する拘りスカーフ型のときに使い道ができるかと思います。
因みに、オリジンギラティナグラードン+クレセリアの組み合わせに非常に強いのが魅力的でしたが、グラードン+ディアルガなどの組み合わせやフォルムで持ち物が判別されてしまう点を考えると使いづらくなったのではないでしょうか。


○ルギア
夢特性のマルチスケイルが解禁されました。しかし、ルギアはプレッシャー+羽休めで居座って本領を発揮するポケモンなのでマルチスケイルの方が優秀だとは思いません。
マルチスケイルの良い点を挙げるとするならば、後発から交代で出す際の負担を減らすことができることに尽きると思います。また、ルギアは火力が低く展開が遅いからこそプレッシャー+羽休めを利用して戦うので、拘り眼鏡を持たせた展開の早めなルギアならばマルチスケイルの方が優秀に感じると思います。


○ホウオウ
夢特性の再生力が解禁されました。しかし、ホウオウもルギア同様に居座ってこそ強いポケモンなのでプレッシャーの方が強力だと思います。
再生力の良い点を挙げるとするならば、交代したときにブレイブバードの反動ダメージを回復できることにあります。苦手な相手を排除してから居座って詰ませる戦法が強い従来のホウオウとは違い、拘りスカーフなどを持たせてガンガン攻めていく型(つまり羽休めが入らないような型)で扱うときに使いやすい特性だろうと思います。あともう一つは特性が発動しないので素早さが判別されないところです。
そもそもホウオウが倒されるときはだいたい岩雪崩や潮吹きなどの苦手な大技を受けたときで、蓄積ダメージでホウオウを倒そうとする場合は羽休め+守る+プレッシャーで間に合うことが多いので、再生力+羽休めはそこまで生きないのではないかと思います。


○ホワイトキュレム
→フォルムチェンジして新登場。合計種族値700とアルセウスに使用できるポケモンの中で最も高い数値になっています。特攻が目立って高く最速を維持したまま控えめディアルガと同じ火力を出すことができるので、自分より遅いポケモンには大きな圧力を掛けることができます。
しかし、もはやGSルールでは拘り眼鏡流星群や潮吹きなどが飛び交っていることもあり、強化アイテムがないとたいして火力が出せないかと思います。それでいてディアルガのように耐性が優秀なわけではないので案外耐えて倒しやすいのではないかとも思っています。
それでも油断すると強力な存在として立ちはだかるので、昔のキュレムとは別格で要注意ポケモンの一員として名を連ねるレベルにはなったと思います。


○レシラム
→教え技により相対的な強化を得ました。念願のタイプ一致範囲攻撃である熱風を習得しました。たったそれだけのことですが、今まではレシラムを使うくらいならディアルガやめざめるパワー炎ラティオスでいいと言われていたくらいなのでアイデンティティはできました。また、大地の力を習得したことでバンギラスに向かって流星群を打つ必要性が薄くなり、追い風による素早さ操作までできるポケモンとなりました。
それでもレシラムを扱うのは難しいですが、環境のどこかに存在するレベルのポケモンとなったので今後に期待です。


ランドロス
→フォルムチェンジして新登場。グラードンの項でも書いたように、攻撃の高い地面タイプというだけでかなりチャンスがあります。
また、フォルムチェンジして特性が威嚇になっています。これは良い点が大きく2つあり、一つは同じような地面タイプ+テレパシーの組み合わせのミラーに対して威嚇を掛けることで強く出られること。そして、もう一つはランドロスの隣に置くテレパシーのポケモンの代わりに特性の発動で素早さを見極められることです。
素早さ種族値が91なのが魅力的ですが、攻撃に補正をかけるとグラードンと同じくらいの火力を持つこともできるので最遅でトリックルームから攻める型も今後現れるかもしれません。密かにグラードンのオーバーヒートの需要が上がったのではないかと思っています((


ボルトロス
→フォルムチェンジして新登場。電気タイプのポケモンでメジャーなポケモンは少ないですが、パルキアより速く雷2発でタイマンで勝てる可能性があるポケモンだったので少しだけ注目をしています。
草結びを覚える分、グラードンに打点を持てる点が他の電気タイプに比べて優れていますが、ディアルガギラティナのどちらかを攻撃できなくなっていることが多々あるのでやはり扱うのは難しそうです。
格闘・地面・草・電気に耐性があるのは優秀で、カイオーガに飛んでくる攻撃のほとんどを半減できるのでもう少し考えてみないと分かりませんが、何かしら強いのではないかと思います。


ユキノオー
→言わずと知れたGSルールの一般枠で強いポケモン。今までのようにカイオーガの雨攻撃を緩和する目的で採用しながらグラードンの対策にもなるので相対的に評価は上がりました。
ディアルガorパルキア+グラードンの組み合わせで素早さ操作をするならばトリックルームになりますが、そのトリックルーム下でグラードンに圧力を掛けられる草ポケモンの中でもドラゴンへの打点に困らないポケモンとして見ています。


コジョンド
→言わずと知れたGSルールの一般枠で強いポケモン。手助けを習得しましたが、コジョンドの攻撃は割と通りやすい方ではあるので技スペース的にもイマイチ。
意地っ張りでも素早さがカイオーガより速いのがポイントでしたが、キュレムの登場を受けると陽気一択になるのではないでしょうか。そして、A177のコジョンドのけたぐりでH200B120のブラックキュレムが確定1発とよくできています。


○リオル
→新たなこの指止まれ要員。悪戯心で技を繰り出すことができるので、4世代のようにこの指止まれでどんなに速い猫騙しでも吸い寄せることができるようになりました。
進化の輝石を持たせてもたいした耐久にはならないという点から格闘タイプとしての側面を活かせるように攻撃に振るのが良さそうな気はします。一応、攻撃を最大まで上げておくとHPに振ったディアルガを6割以上削れるそうです。


キノガッサ
→これは思いつきですが、草で格闘というタイプだけでGSルールではチャンスがありそうです。
夢特性のテクニシャンによるタネマシンガンの火力が凄まじく、全弾命中すると少しHPに振った程度のパルキアなら倒せますし、2回当たれば無振りのカイオーガは乱数で倒せてしまいます。けたぐりを覚えないので馬鹿力を採用することになりますが、ディアルガにダメージを取れる草タイプであり、それでも手が出ない相手にはキノコの胞子を当てればいいので暇することはほとんどないと思います。
猫騙しや怒りの粉などの味方を補助する技を覚えないところが残念なので構築には組み込みにくいですが、スペックは高いと思いました。


パッチール
→地雷コンボ。特性の天邪鬼をスキルスワップすることでドラゴンポケモンの流星群の火力を引き上げることができます。
パッチール自身も猫騙しやフラフラダンスを覚えたり、天邪鬼を渡す前は馬鹿力を打てば攻撃と防御を上げることができますし、格闘タイプのメインウエポンのけたぐりの威力が20しかないので油断すると一方的な展開を作られると思うので対策は必要だと思います。


とりあえずはこんなものでしょうか。
8月になると夢特性が影踏みのゴチルゼルも解禁されるようで環境にはまた進展があると思いますが、考えてみたい構築は結構あるのでぜひ使ってみたいですね。