12/21〜24にかけてwi-fi大会で“クリスマスカップ”と呼ばれる大会が開催されます。
ルールは6匹から4匹を選出するダブルバトルですが、禁止要素がペラップ・ダークホール・フリーフォールだけとなっており、通常のランダムマッチで使用することのできないいわゆる伝説幻のポケモンを制限なく使用することができます。
GSルールとは使用できるポケモンが違ったりそもそも伝説枠という制限がないので別のルールとしての要素が強いですが、伝説ポケモンに関しての計算や感覚などはGSルールを通してある程度通ずる部分はあると思うので、楽しみなルールだと思い今回も考察をしてみます。
〜合計種族値が600より高いポケモン〜
・アルセウス
・カイオーガ
・ディアルガ
・パルキア
・グラードン
・Wキュレム
・ミュウツー
・ギラティナ
・ルギア
・ホウオウ
・レックウザ
〜合計種族値600のポケモン〜
・ミュウ
・デオキシス
・ジラーチ
・ビクティニ
・バンギラス
・ランドロス
・メタグロス
・クレセリア
〜合計種族値が600より低いポケモン〜
・コジョンド
・テラキオン
・トゲキッス
・ナットレイ
・ドーブル
・ユキノオー
・レパルダス
・ハピナス
○アルセウス(合計種族値:720)
→合計種族値は圧巻の720。うまくイメージができない方に説明をするのならばクレセリアと同じ耐久種族値を誇りボルトロスよりも素早さが高く、ガブリアスやラティオスに迫るほどの火力をすべて両立させています。更には、持ち物によってタイプを変えることができて技も神速や滅びの唄まで網羅できるほどに攻撃から補助まで豊富に取り揃えているため、まさにポケモン種族の頂点に立つべきポケモンと言えるでしょう。
まずマルチタイプで考えられるタイプとして代表的なものをまとめておきます。最も分かりやすい強さを発揮できるのはプレートを持たないノーマルタイプでしょうか。先制技の神速をタイプ一致で使うことができて、たとえば命の珠を持たせて攻撃に特化すればHP振りのカイオーガ程度であれば半分削れるほどで高い耐久力を生かして剣の舞を積むこともできるので優先度の高い先制技で相手の行動に大きく圧力を掛けることができます。他には、ノーマルアルセウスから神速を受けない点で優秀なゴーストタイプやドラゴン技に強く出られる鋼タイプ、地面の一貫性を失くすことができる飛行タイプやカイオーガグラードンの主力攻撃両方に強く出ることのできる草タイプなど。その他にも地震が強力な地面タイプや一貫性のある攻撃でバンギラスにも強く出られる格闘タイプなどが候補に挙がると思います。タイプを変えるためにはプレートを持つ必要があるので他のアイテムを持てないことがデメリットになります。
コスモパワー・剣の舞・自己再生・・・などなどとにかく隙を見せることが許されないポケモンでありながら、見せ合いの段階では相手の持ち物が分からないためタイプを判別することすらできないと対策する側としては非常に厄介なポケモン。テラキオンなどで格闘技を通して対策しようにも実際に出てきたのは物の怪プレート持ちだったという展開はあってはならないので、対策するとすれば一貫しやすい攻撃で火力を無理やり押し込むしかありません。このルールでは伝説ポケモンの数に制限はないため、伝説のポケモンのスペックを使ってアルセウスを1:1交換に持っていく対策が賢明だと思います。
アルセウスが複数匹採用したいほど便利なポケモンなのですが1匹しか採用できないので、アルセウスにさせるべきこととアルセウスにわざわざさせることではないことをしっかり区別していきたいです。
○カイオーガ(合計種族値:670)
→合計種族値は670しかなくやや心許ないですが、GSルールでも猛威を奮ったように火力と攻撃範囲が非常に優秀なポケモン。特攻種族値150のパワーから威力150の範囲攻撃を特性の雨降らしによって1.5倍の火力に押し上げながら命中100で放つことができるのでスペックの低いポケモンが来てもすべて火力の押し付けで潰しきることができるのが特徴です。因みに、C222カイオーガの雨75%潮吹きがどの程度の火力か分かりやすく言うと、ラティオスの拘り眼鏡流星群よりやや低い程度のものになります。
GSルールでは伝説ポケモンが2匹までという制限がありカイオーガに強いという理由だけで勢力を伸ばす一般ポケモンもいましたが、今回のルールでは伝説ポケモンの使用数に制限がないため伝説ポケモンに多いドラゴンポケモンを選出することでカイオーガ対策を取りやすくはなっているため、一瞬でも隙を見せるとカイオーガが足を引っ張りかねないことも起こり得るでしょうから安易に採用することはしづらそうです。
評価を大きくしたい理由としては、このポケモンがカイオーガであるからです。GSルールからも連想されるようにとにかく水技のイメージが強すぎることとその水技を半減にする程度では押し切られることも多々という強力な印象を相手に与えているため、カイオーガの水技に弱いポケモンの選出がしづらくなることと選出されたカイオーガをHPが満タンのまま放置することはできません。幸いカイオーガはドラゴン弱点ではなく高い特殊耐久でドラゴンからの猛攻を耐えることができるので、このルールではカイオーガであるという牽制とその点を大きく生かしていきたいです。
○ディアルガ(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高め。鋼タイプにしか半減されない点で攻撃面で優秀なドラゴンタイプと耐性面で優秀な鋼タイプの両方を併せ持つため攻守共に優秀なポケモン。ドラゴンタイプが弱点にならないドラゴンというだけでも非常に強力で弱点は格闘と地面の2つだけです。
GSルールでもよく見た通り、このポケモンは優秀な耐性からトリックルームを使えることも大きな特徴の一つっであります。しかし、トリックルーム役としての安定感を持たせながら攻撃役としての側面も持たせようとするのは意外と難しく、トリックルームをするために耐久を高めると火力が足りずにトリックルームをしてから活躍できるような火力を持たせるとトリックルームをするのに不安が残ります。そもそもトリックルームをするまでにディアルガが削られてしまうというのがもったいないという側面もあります。これらのことから特にBW以降のGSルールではディアルガを後発に置いた方が強いという印象がありましたが、このルールではディアルガ以外にも火力を引き出せるポケモンはいくらでもいるのでディアルガが削れてしまおうが多少火力がなかろうが気にならないところがポイントです。
耐性が優秀とは書いたものの特殊耐久には不安が残るのでトリックルームを使うならば最低でも控えめHDベースの配分でC222拘り眼鏡流星群くらいは耐えるように配分しておきたいです。また、トリックルームを使わせないことで対策しようとする構築も十分に考えられるので集中攻撃や一撃を狙う攻撃を耐えるためにオボンの実やヨプの実が候補になるでしょうか。トリックルームを使う型がすべてではないので火力増強アイテムにも気を付けたいところですが、個人的には伝説ポケモンの火力が高すぎるせいで猫騙しなどの補助がないとトリックルームの起動は安定しなさそうだと考えています。
○パルキア(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高め。半減にできるタイプの攻撃は多くないものの弱点がドラゴンタイプだけでありながら伝説ポケモンのドラゴンタイプの中では最速なのでタイマン性能が高めなポケモン・・・ここにカイオーガの水技に対しても脅えなくていいという評価を加えるとBWGSルールでの評価とだいたい同じようになります。因みに、伝説ドラゴンで最も速いのはアルセウスです((
耐性が少なくても数値で誤魔化して勝負できたのがGSルールでのパルキアですが、スペックの高いポケモンが同時に場に出ることが多いこのルールでは耐性が少ないことはやはり評価を下げる要因になりそうです。それでもホワイトキュレムを中心に他の伝説ドラゴンよりも素早さが一歩速いという点で一定レベルの評価はできそうです。
採用するならば最低でも満たして欲しいラインはホワイトキュレムを一撃で倒すことなので火力を増強する持ち物を持たせていきたいところです。候補は白玉・命の珠・拘り眼鏡になると思いますが、HPが削れる命の珠はともかく他の持ち物を持たせる際には行動回数をしっかり稼げるように努力値は耐久を中心に配分したいところです。アルセウスの素早さの関係でパルキアの苦手なミュウツーの性格が臆病になりがちなのも追い風ですし、拘り眼鏡を持たせた場合には最低限の耐久に配分をしても亜空切断でHP振りアルセウスを2発で倒せるラインをしっかり確保できるのがポイントです。
○グラードン(合計種族値:670)
→合計種族値は670しかなくやや心許ないですが、攻撃が抜群に高く範囲攻撃の地震をタイプ一致で使うことができます。特に、GSルールでもあったように伝説ポケモンを中心に地面タイプの技が一貫しやすくなっているのが特徴です。反面、特殊耐久がかなり低いポケモンなので弱点を突かれたりするとあっさり倒されてしまうというところが難しいところです。
地震の威力は100ですが、範囲攻撃となると威力が3/4倍になるため何かしら火力を増強する手段は欲しいところです。候補としては威張る+ラム・命の珠・ジュエル・拘り鉢巻などになりますが、威張る+ラム程度ではHPに振ってあるカイオーガやパルキアにさえ攻撃を耐えられてしまうという側面がある上にグラードンの隣のポケモンの素早さにも気を遣わなければいけません。命の珠ではHPに振ったディアルガをほぼ倒すことができないので結局ディアルガを縛りきるためには集中攻撃が必要とされます。そういう意味ではやはりオススメは地面のジュエルになります。
先にも書いたように地震の圧力が強い割には、特殊耐久が低めなので何かしらの素早さ操作手段をつけて運用したいところです。電磁波では展開速度が若干遅いのが気になるので追い風かトリックルームを使うのが有効な手段のように思えます。いずれにせよ、ディアルガパルキアギラティナレックウザなどの素早さ操作手段を持つ伝説ドラゴンが特性のテレパシーやタイプなどで地震を受けなくなっているからこそグラードンを運用することができるので、ドラゴン+地面の火力で一気に押し切れるようにしていきたいです。
○Wキュレム(合計種族値:700)
→合計種族値は700とアルセウスの次に高いポケモンであり、伝説ポケモンに多い種族値90から一歩抜けた素早さと圧倒的な特攻種族値170という数値を誇るポケモン。耐久の数値はHPが高めなので悪くはないものの氷タイプが加わったことによって耐性面があまり優秀だと言えません。
伝説ポケモンの数に制限がないので、キュレムを大事に扱う必要性は薄いので攻撃面に特化した型を採用していきたいところです。パルキアの前でも守るを使用することができて火力が抜群なドラゴンジュエルが個人的には最も適切なアイテムのように思えます。縛られていることも多いので拘りスカーフを持たせても良さそうな気はします。
また、ドラゴンタイプとしての側面ばかり見ていましたが氷タイプの技もそこまで通りは悪くなく、当たりさえすれば吹雪はかなり強いと言えるので吹雪でゴリ押しを計るのも悪くはなさそうです。その場合、ユキノオーを採用しても霰ダメージを受けないので気合の襷をキュレムに持たせるという選択肢もあるでしょう。
○ミュウツー(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高めです。サイコブレイクという威力命中共に安定した攻撃技を持ち合わせているので自身より遅い伝説ポケモンにも比較的大きなダメージを狙っていけるところも当然ながら、最も特徴的なのは種族値が600より高いポケモンの中で唯一アルセウスよりも素早さが高いというところにあると思います。
アルセウスの強力な技の一つに神速がありますが、ミュウツーを使っていれば確実にアルセウスより先に行動ができるため相手のアルセウスがミュウツーを縛るためには神速を打たなければなりません。また、神速がない場合にも上からの行動でダメージを稼いだりすることができるので何もできずに一方的に倒されるということがないように思えます。地味に弱点が少ないことも非常に優秀で
個人的には、光の壁・リフレクター・挑発が注目している技です。これらの技は先手で使えると非常に強い面を持ちながら補助技を打っただけで退場という虚しい展開を避けたいのである程度耐久の高いポケモンに使わせたいです。ミュウツーはそういう意味ではミュウツーは条件を満たしていて攻撃性能も高いポケモンで腐りにくいのでうってつけのポケモンなのではないかと思います。因みに、GSルールでもこれらの技を持ったミュウツーは弱くありませんが、せっかく制限のある伝説ポケモンに補助技を使わせてしまう方が勿体ないことの方が多いのであまりオススメはできません。
○ギラティナ(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高めです。ゴーストタイプなので一貫しやすくなっているアルセウスの神速やコジョンドテラキオンなどの格闘技に対してワンクッション置くことができます。また、白金玉を持たせてフォルムチェンジすることで特性が浮遊になるので、地震に対しても一貫性を防ぎやすくなっています。
ギラティナは他のドラゴンポケモンに比べると火力が圧倒的に低い上に最も簡単に火力を出せそうなシャドーダイブは攻撃の展開にどうしても時間がかかってしまうので、アルセウスの神速を交代でかわしたところでギラティナが干渉できない間に隣のポケモンから順々に崩されてしまいやすいです。電磁波や鬼火といった補助技もありますが、鬼火ははずれてしまう可能性がある上に一度のはずしがかなり痛手になりやすく、電磁波に関してはアルセウスには神速があるのでそれでもなお仕事をされてしまいやすいです。
なかなか欠点ばかりが目立つギラティナですが、一番特徴的なのはやはりゴーストタイプで猫騙しの妨害を避けながら追い風が使えるというところにあると思います。追い風してからも攻撃には参加しづらいので味方に威張るを打ったり2回目の追い風を防ぐためと狙われたところに道連れを当てるのが強いように思えます。一応、無振りでもC222ディアルガのジュエル流星群までならハバンを持たせることで耐えることができるようになっています。また、地味に影打ちという先制技があるという点も見逃すことはできません。
○ルギア(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高めで素早さと耐久が抜群に高い代わりに火力面がかなり乏しいという伝説ポケモンとしては特徴的な面を持っています。GSルールではプレッシャーを活かした羽休めでのタイマン性能を発揮できる型や夢特性のマルチスケイルを利用して先発のポケモンのクッションのように後出しをする型が多く、いずれにせよ火力面には期待ができないのでパーティのサポートを行うのがメインとなりますが、それはこのルールでも変わりなさそうです。
全国ダブルの延長からGSルールに取り組んだ方はルギアの扱い方を全国ダブルのクレセリアのそれと勘違いする方も多いですが、全国ダブルのクレセリアは最後にクレセリア1匹が残っても勝てないという場面が多いため(実際は電磁波威張るのストップコンボで無理やり逆転できる可能性が残っていることも多いですが)クレセリアには麻痺を撒き終えたら早く退場してもらった方が良いことも多いのに対して、ルギアは麻痺を撒きながら最後の1匹に残ってしまってもプレッシャー+羽休めを易々と突破できるポケモンはそう多くないため勝ちきることができます。そういうわけで、ルギアはクレセリアと違って積極的に生存させた方が良いポケモンなのですが、今回のルールでは火力のインフレが更に高まったため、今度は全国ダブルのクレセリアのようにルギアを使い捨てる扱い方が求められているかもしれません。
それでも味方が守りながらルギアで麻痺を撒いている間にアルセウスなどは剣の舞など積み技を使ってくる可能性が十分にあるためどうしても不利になりがちな気はするので、使うならばアルセウスには効かないものの即効性のある拘りスカーフトリックを決めて火力増強アイテムと行動の自由を奪ってしまうのが強いのではないかと考えています。トリックをしてから電磁波を撒き始めるという感覚でその他には威張るや光の壁などを採用してもいいかもしれません。
○ホウオウ(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高めで特殊耐久が抜群に高いという点で注目したいところですが、GSルールでは有利なポケモンと苦手なポケモンがはっきりしていて頻出するポケモンではおおよそバンギラスとテラキオン以外の一般ポケモンには強いという点が強力だったものの、このルールには低火力なポケモンは参戦しづらいのでプレッシャーも利用した身代わりや羽休めで居座って戦う戦法が通用しにくいと言えるでしょう。
このルールでホウオウの着目すべき点は、飛行タイプであるため地面・格闘技の一貫性を抑えることができるという点と意外と相手に飛行技を通しやすい点だと言えます。また、追い風を使用することができる高い特殊耐久と追い風を決めてからの火力という点でホウオウとは非常に相性が良いように思えます。そのため、耐久と攻撃を重視して配分をしたいところですが、カイオーガやパルキアなどを考察した際に耐久に振らない型を使用するのは難しそうだという判断をしていて、ホウオウでは攻撃を特化してジュエルを持たせてもそれらを中乱数で突破できる程度にしかならないので、このルールではなかなか使う気にはなれなさそうです。
○レックウザ(合計種族値:680)
→合計種族値は680とやや高めです。物理に逆鱗とVジェネレート、特殊に流星群と強力な技を打ち分けることができて先制技の神速を使用することができます。最大の特徴は天候をシャットアウトできる特性のエアロックであり、このルールではカイオーガの水技の火力を抑えたり砂嵐で特殊耐久を引き上げることで伝説に立ち向かってくるバンギラスに対して強く出ることができます。
パルキアやミュウツーには一方的に縛られてしまうのでオススメの持ち物は気合の襷です。エアロックのおかげで天候ダメージが入らない点でもレックウザとは相性の良いアイテムです。しかし、このルールでは火力増強した高火力技も飛び交う上にアルセウスが神速という先制技まで持ち合わせているため気合の襷で保身に入らなければならないレックウザの火力には意外と期待ができません。そのため、拘りスカーフを持たせての運用も考えはできますが、Vジェネレートを打った場合には素早さが下がってしまうため拘りアイテムで連打できるものでもありません。
○ミュウ(合計種族値:600)
→合計種族値はたったの600しかないので、これまでに書いてきたポケモンに比べるとかなり見劣りしてしまいますが、技マシンや教え技などで習得できる技ならばどの技でも覚えることができる器用さを持ち合わせています。最も特徴的な技は猫騙しと変身で、いくら器用といえどもこの技がなければ話題に挙がることはなかったかもしれません。
基本的には変身する前は攻撃を仕掛けるポケモンではないので、努力値を振る場所が耐久と素早さだけであるという点も良いポイントです。HP種族値は100あるので、変身後のステータスは比較的高いものとなります。
考察段階で変身する対象として挙がるのはアルセウスで、猫騙し+積み技から変身を決めると変身の仕様で能力変化までコピーできてしまうので剣の舞を積むアルセウスとの組み合わせの強力さが挙げられていますが、ミュウ+アルセウス以外の組み合わせで探したときに良い組み合わせを見つけておかないと猫騙しの便利さに頼ってミュウを選出したことがハイスペックな伝説ポケモンを選出できなかったことに比べてディスアドバンテージになることも十二分に考えられるので、使用する際は構築段階でしっかりと考えておきたいです。
○デオキシス(合計種族値:600)
→合計種族値はたったの600しかないもののフォルムチェンジによって尖った種族値で戦うことができるという点で一芸ありそうなポケモン。フォルムがノーマル・アタック・ディフェンス・スピードとありますが、耐久だけ見ればどれも足りないようにしか思えないので記載のない限りはアタックフォルムであることを前提にします。
攻撃・特攻の種族値がそれぞれ180とトップクラスを行く破壊力を持ち合わせていますが、メタグロスのバレットパンチで死に兼ねない程度にしか耐久はないというかなり尖ったポケモンです。選出する以上、一度は動いて欲しいので持ち物は必然的に気合の襷となるでしょう。デオキシスには神速という先制技もあるので、気合の襷で一度耐えながら行動をして相手の神速に縛られても最後に神速を先制で打ちながら退場することで2回行動することができます。地味に素早さ種族値も150と高く特攻最大を維持しながら最速アルセウスやミュウツーまで抜くことができるのでほぼ一度は動けると思っていいのではないでしょうか。
特攻に特化したサイコブーストはC202パルキアの命の珠流星群並みの火力があり神速と合わせて耐久に振っていないアルセウスなら倒すことができるようにもなりますが、ディアルガに通らない点やバンギラスへの決定打を持たせた場合にカイオーガにはわざわざ打ちたくないという点が気になってしまいます。あくまでデオキシスにも一芸あるというだけでしょうか。
○ジラーチ(合計種族値:600)
→合計種族値はたったの600しかなく、鋼エスパーという優秀なタイプの組み合わせのおかげで弱点が炎と地面だけになってはいるものの特別目立った技を覚えるわけではないのですが一応地雷要素のあるポケモンとして増触れておくことにします。
最も有効な戦術は特性の天の恵みを最もうまく利用できる拘りスカーフでの運用でアイアンヘッドで6割怯みと思念の頭突きで4割怯みを狙うことができます。トリックや電磁波といった技を使うことができる点でも天の恵みを有効に使う動きはしやすく、神速やマッハパンチなどの先制技に対しても等倍以下で抑えることができる点で拘りスカーフとの相性は良さそうです。
このルールにおける怯みはとても強力なのは間違いないですが、カイオーガなどを抜くためには素早さに性格補正をかけなければならず、攻撃を伸ばすことはできないため技の威力が低いジラーチで都合の良い確率を引き続けるのは難しいため、ジラーチを採用するのならばジラーチを選出したことがディスアドバンテージにならないようにスキルスワップなどのコンボを組み込むのが良さそうな気がします。
○ビクティニ(合計種族値:600)
→合計種族値はたったの600しかなく、炎タイプが加わっていることもあり弱点は比較的多めです。オールスターカップではプレシャスボールのビクティニを使用しないとVジェネレートがないことが判明してしまうので気兼ねしている方もいらっしゃったでしょうが、現在東北地方で「蒼い焔、雷撃、凍える世界、Vジェネレート」を習得したビクティニが配布されているそうなのでまだ入手する機会はしっかりと残っています。
特性の勝利の星で味方の命中率を引き上げることができるのが特徴的ではありますが、ビクティニ自体が場持ちが良いポケモンではないため命中率の低い技を積極的に使うビクティニのウエイトが大きい構築を作るわけにもいかず無難にまとめようとするとビクティニを選出していることがディスアドバンテージとなるので全体の勝率で見たら命中85などに目を瞑った方が良くなっていることも考えられます。
そうなると、ビクティニの良い使い方はやはり命懸けが使えるところにあると思います。強大な伝説ポケモンの数が多すぎるせいで特定の天候で素早さが2倍になる特性を持ったルンパッパやドリュウズのような一般ポケモンは他ルールに比べるとかなり使いづらくなっているため、先制技を打ってHPを減らす以外には素早さ種族値100の拘りスカーフ命懸けを止めることはできません。ビクティニのHPは207まで伸びてほとんどのポケモンと1:1交換を望めるのでチャンスがないわけではなく、寧ろ使用される側は1:1交換をかなり簡単に決められてしまう可能性があることを頭に入れておかなければなりません。
○バンギラス(合計種族値:600)
→合計種族値が600しかない割には、特性の砂起こしを利用して自身の特殊耐久を高めることが可能なポケモン。特に、カイオーガの雨攻撃を弱体化させることができてディアルガやパルキアにもタイマンを貼ることができ、アルセウスも物理型で候補に挙がりやすいシャドーダイブと神速を両方半減することができる点でこのルールでも強力なポケモンだと言えるでしょう。
悪技+格闘技の攻撃範囲が非常に広いので噛み砕くとけたぐりはほぼ確定と見て間違いないでしょうか。素早さが元々遅いので種族値90の最遅ディアルガなどにトリックルーム下で先手を取れるように調整することも可能です。
○メタグロス(合計種族値:600)
→どのルールでも適度な強さを誇るポケモンですが、今回のルールでは種族値がたったの600しかないということを思い知る事になるのではないでしょうか。ドラゴン技やアルセウスの神速からのクッションになることができるという点とコメットパンチの通りが良いことも起こり得る点はあります。
アルセウスの使用率が高くなりそうなタイプに対してコメットパンチは一貫しているのでアルセウスを見たらメタグロスを選出して攻撃を通すことはできるものの攻撃をたいして強化できないコメットパンチだけで相手のクレセリアの突破を目論むのは難しいと全国ダブルのルールでも感じている人が多いように思えるので、アルセウスに対して強く出ることができるとも思えません。
このルールでメタグロスが攻撃できる回数が多くなるとはとても思えないので、1回の行動でアドバンテージを大きく取りやすいようには拘り鉢巻を持たせたいと個人的には思います。特に、強化アイテムを奪うことができるトリックや相手のドラゴンポケモンの流星群を受けてから起点にならずに退場できる大爆発はそれなりに強力かと思います。
○クレセリア(合計種族値:600)
→合計種族値600の配分を耐久にほぼ特化したようなポケモン。弱点も多くなく特性によって地面技に対する耐性もできているのでランダムマッチ準拠やGSなどどのルールでも即死することが少なくかなり高い評価を受けているポケモンではありますが、このルールでは安易に採用できるほどのポケモンではないように思えます。
どのルールでもクレセリアの低火力を補えるように高火力のポケモンと組み合わせてクレセリアで補助をするという使い方が特に目立っていますが、このルールではクレセリアで火力を補助するよりも別の伝説ポケモンを置いて攻撃を仕掛けた方が総合的に大きな火力を引き出せることが非常に多いです。逆にクレセリアを選出したときに火力を引き出せるポケモンが1匹少ないというだけでアドバンテージを与えてしまうので、それをカバーできるサポート性能を見せつけていかないといきません。
耐久の水準はアルセウスよりも高く弱点も少なめで地面技にも耐性があるので、トリックルームを使う安定感に関してだけ言えばトップレベルなのは間違いないでしょう。個人的に注目している技は三日月の舞で、先発で雑に扱って削れてしまったポケモンを回復した状態で死に出しから繰り出すことができるようになるので疑似的ながら火力が高いポケモンを増やすことができるのでクレセリアを選出したディスアドバンテージを取り返すことができそうです。
○ランドロス(合計種族値:600)
→合計種族値は600しかないものの霊獣フォルムの特性である威嚇と主力である地面技が一貫しやすいルールであるとう点では少しだけチャンスのあるポケモンにようには思えます。攻撃がグラードンに迫る勢いで高いという点も魅力的です。
ランドロスの素早さはあまりにも遅すぎる上に特殊耐久がグラードンよりも更に低いポケモンであるので、もはや動かすには気合の襷が必要なレベルです。また、攻撃技は地震が非常に強力ですが、逆に言えば地震しか頼れる攻撃手段はなく持ち物にも制限があるので攻撃面での性能としてはあまり信用ができなさそうです。威嚇を入れながら大爆発や後攻の蜻蛉帰りで後続に繋いで起点にする方が使いやすいような気さえします。
特性の威嚇が発動することで地味に相手のカイオーガやグラードンとの素早さ関係をはっきりとさせることができるのは優秀な要素の一つであると思います。
○コジョンド(合計種族値:510)
→パルキアより素早く威力120の出やすいけたぐりを高火力で放つことができて、猫騙しフェイントワイドガード挑発などの優秀な補助技を覚える上に、特性が精神力なので相手の猫騙し持ちに対しても怯むことなく何かしらの仕事がこなせることから分かるようにGSルールでも一般ポケモンとして非常に強力なポケモン。
けたぐり猫騙しはほぼ必須級に思えます。ワイドガードは相手に警戒させておいて実は覚えさせていないという使い方が非常に強力に感じますが、このルールではとにかく1ターンに飛んでくる技が強力なものが多いので持っておいてもほとんど損がないように思えます。残りの候補として有力なのは挑発とフェイントですが、挑発は相手が守るすら使うことができなくなりますしコジョンドが手足の出ない相手が場にいても挑発で補助技を封じておくことで起点にならずに済むので強力な技に感じています。補助技を打つポケモンは耐えてからを基本にして耐久重視の持ち物を持たせていることも多いので、刺さりやすいことは間違いないでしょう。また、地味に手助けも覚えることはできます。
アルセウスと同速で相手がノーマルタイプならばけたぐりで無振りアルセウスを乱数1発にできるのでアルセウスの対策としたいところですが、見せ合いの段階ではアルセウスのタイプは分からないため場に出てきたのがゴーストタイプだった場合はコジョンドでは手足も出なくなってしまうのでアルセウスの対策とは言えなさそうです。GSルールでも相手に選択の組み合わせによるゲームを展開できましたが、コジョンドが腐りやすい場面は圧倒的に多くなると思われるのでしっかりと考えて選出をしたいところです。
○テラキオン(合計種族値:580)
→パルキアより素早く威力120で一貫しやすい高火力のインファイトを放つことができるポケモン。コジョンドと違って攻撃する面での性能しか期待できませんが、岩雪崩というタイプ一致の怯みの追加効果のある範囲攻撃を持ち合わせているので暇しにくく、岩タイプが加わっていることにより砂嵐では気合の襷を消耗しないという点が魅力的です。
拘りスカーフを持たせない場合は持ち物を気合の襷にして、岩雪崩、インファイトまではほぼ確定的です。守るもぜひ欲しいのですが、余った技スペースには手助けやファストガードを採用するのが良さそうです。特に、テラキオンはトリックルーム下ではほとんど仕事が期待できないので、手助けで味方を補助するのがせめてものという部分はあります。ファストガードは相手のコジョンドやミュウの猫騙しを防ぐことができるだけでなくアルセウスの神速を封じることができるので、本来テラキオンが先制技から守られたいポケモンでありながらも使う機会はあるのではないでしょうか。
○トゲキッス(合計種族値:545)
→一般のポケモンの中では種族値は高めとはいえども特殊耐久以外の数値はかなり低めです。最も特徴的なのはこの指止まれという技を使えることで、この技を使えるポケモンの中で最も耐久が高いポケモンがこのトゲキッスであります。
相手の拘り眼鏡やドラゴンジュエルなどを考えると努力値はすべて耐久に振ることになるでしょう。余っていれば気合の襷を持たせてもいいかもしれません。技の候補としては追い風電磁波アンコールお先にどうぞなどと様々で、敢えて素早さを下げておくことで不意のトリックルームに対してお先にどうぞから味方の攻撃を通すことでトリックルームの対策とすることもできそうです。また、攻撃技はエアスラッシュになるでしょうが、相手を怯ませることで味方を守ることもできるのでダメージは低いながらも強い技と言えるでしょう。
この指止まれという技は相手の攻撃を止めるのではなく対象方向を変えているだけに過ぎません。火力も耐久も甘めなポケモンを選出するからにはやはりそれを取り返せるだけのギミックを組み込んでおく必要があります。
○ナットレイ(合計種族値:489)
→種族値は低めながらも、その優秀な耐性だけでチャンスがあるように思わせることができるポケモン。
カイオーガに対しては水・電気半減で氷が等倍、グラードンの地面技も等倍、ドラゴン技も半減、アルセウスの神速やシャドーダイブも半減と耐性だけみればかなり優秀です。問題は展開速度が遅いことでナットレイをなかなか削れない展開でも隣から順々に崩されて最後は数多く残った相手とのタイマンで負けてしまう可能性が十分にありえます。また、炎技を誰が所持しているかを考えるのは非常に面倒なので場に出てからも安全に動けるかが確実ではないのが難しいところです。後出しするならば耐久に努力値をしっかりと振りたいところです。持たせるならば食べ残しか拘り鉢巻がオススメです。拘りアイテムでない場合は電磁波を使える点も見逃せません。
○ドーブル(合計種族値:250)
→種族値は下から数えた方が早いほどに低いながらもすべての技を覚えるというだけでチャンスが全くないわけではないポケモン。今回のルールではダークホールが使えないというのがかなり痛手になっています。
それでも、猫騙しこの指止まれを同時に覚えるポケモンは存在しませんし、キノコの胞子で相手を眠らせることもワイドガードを使うこともすべて同時にできるポケモンはいないので、少なからず使う理由はありそうです。技スペースが余るかどうか分かりませんが道連れで1:1交換ができれば面白そうですが、ダークホールのないドーブルは放置される可能性もないわけではないので難しいところです。
○ユキノオー(合計種族値:494)
→種族値はかなり低いポケモンでありながら、場に出たときに天候を霰状態にする特性の雪降らしだけで存在価値があるように思わせるポケモン。
GSルールではカイオーガやグラードンに弱くない上に、吹雪の通りが良いことが多いのでそこそこ活躍ができましたが、このルールでは耐久も耐性も素早さも火力もすべて中途半端なポケモンなので選出した際には足を引っ張りやすいポケモンなのではないでしょうか。
個人的には、吹雪をガンガン放つ構築でないと採用はできないように思えますが、吹雪連打が刺さっている構築に対してはやはり雪降らしの恩恵は大きいと思うので全く使えないポケモンではないと思います。
○レパルダス(合計種族値:446)
→種族値はかなり低いポケモンでありながら、特性の悪戯心とその習得する技だけによって存在価値があるように思わせるポケモン。
最も特徴的なのは猫騙しとアンコールで猫騙しを通しながら相手の動きを封じてこちらのポケモンを動かすことができますが、守るを使ってきた場合には優先度の高いアンコールで動きを封じることができるので非常に強力です。このルールでは交代もしづらいですし、相手の交代を誘ったところで嘘泣きを使用でき隙を見せにくいのも強い点と言えるでしょう。問題は神速の方が悪戯心よりも優先度が高いということでレパルダスの行動回数はそう多くはならないと思われるので、どこまでレパルダスの選出で場を荒らすことができるかを考えないと活躍はできなさそうです。
○ハピナス(合計種族値:540)
→種族値が低いポケモンでありながら、その特殊耐久の高さだけによって存在価値があるように思わせるポケモン。
伝説ポケモンがいくら特殊に偏重しているといえども、ミュウツーのサイコブレイクやアルセウスの神速がかなり痛手なので通常通りの採用は厳しいかと思います。猫騙しを覚えるポケモンでも選出するかどうかを悩まされるような環境であるため、エルフーンのコットンガード+ハピナスの横取りが決まりやすいことが特徴で、ハピナスが無事に物理耐久を引き上げた後には小さくなるを積むことができて、エルフーンが置き土産で伝説ポケモンの火力を鎮めながら退場して後ろのポケモンの自己暗示へと自然に繋げることができる構築であれば地雷でありながら意外と刺さっている相手が多いような気はします。