各種ジュエルについて〜BW2時代のジュエル使用頻度調査〜

ポケモンXYではいわゆるジュエルアイテムが登場しないという噂があります。


ジュエルアイテムは第5世代のBWで登場。タイプごとに存在するので全部で17種類、各タイプに対応する攻撃技を使用したときに最初の一度きりその威力を1.5倍にするという消費アイテムです。
第5世代の対戦環境が前世代に比べてかなり攻撃的なものに加速していったのも各種ジュエルの存在が非常に大きく、拘りアイテムと同じ火力をノーリスクで打つことができるので積み技を重ねたり身代わりや守るで様子を見たりしながら戦えるなど拘りアイテムに比べて立ち回りに柔軟性を持たせることができます。


そんなジュエルアイテムですが、個人的にはあまり使わなかった印象の方が強かったので第6世代で登場しなくてもあまり困っていないです(むしろそういう相手を想定せずに助かる面の方が大きいかもしれません)。
ということで、どれくらいジュエルアイテムを使用していたのかをちょっと調べてみることにしました。


BW2発売以降の当ブログの記事で「パーティ」というカテゴリーに入っている記事の中から6匹のポケモンで構成されているものをパーティの対象として調べてみました。結果はパーティ数36のうち25匹が各種ジュエル持ちというもので、全部で216匹なので構成比は11.6%といったところでしょうか。



まずジュエル25個の内訳は
8匹…ドラゴン
3匹…水、格闘、地面、飛行、エスパー
1匹…電気、悪
となっていて、17種類のうち半分も使用していないことが分かります。
それでは各タイプごとに見てみます。<ドラゴンジュエル>
キングドラボーマンダ×2、ラティアスラティオスガブリアスディアルガパルキア
カイリューを除くと主要なドラゴンポケモンはだいたい網羅しているのではないでしょうか。ガブリアスを除いてダブルバトル形式のパーティのポケモンとなっています。
ガブリアスはシングルバトルで使用しており、剣の舞と組み合わせることでスイクンのような高い耐久のポケモンを一撃で倒すことができるようになります。これを実現するにはたとえば拘り鉢巻き火力の逆鱗2発が必要になり剣の舞+逆鱗や逆鱗2発という技の選び方では相手を倒すのに必要な行動回数が変わってきてしまいます。それでいて、相手の隙を見て剣の舞や身代わりを使用していく型であるためジュエルの特性をしっかり生かしきれていたでしょうか。
残りはパルキアを除くと全員が流星群を所持。一発の火力が大きく半減されにくい流星群で一気にアドバンテージを稼いでいく使い方が多かったです。また、この中ではディアルガが該当しますが流星群と竜の波動を両立していてジュエル発動タイミングをうまく使い分けていく使い方をすることもありました。<エスパージュエル>
ミュウツー×2、ゴチルゼル
ミュウツーはBWGSルールとクリスマスカップルールで1回ずつ。
ミュウツー自身は耐久が低いポケモンなので相手を仕留めきらないと反撃の一手でやられてしまいやすいため「攻撃は最大の防御」とでも言えるような性質でジュエルを活用できています。
ゴチルゼルはラッキーの構築で使用したときのポケモンであり、オボンの実が余っておらず食べ残しでは回復しきれないため持たせたものです。ジュエルサイコショックカポエラーが1発、ラッキーの地球投げと合わせてローブシンが1発ずつとなっており、1.5倍も火力増強ができればこのように補助寄りのポケモンに持たせても意味を持って機能してくれるところがあるのもジュエルのまた一つの強さでしょうか。<みずのジュエル>
スイクンカイオーガ×2
→多くの人が経験していそうなのはニョロトノだと思いますが、水のジュエルのニョロトノは使ったことがありません。
スイクンはシングルバトルで使用しました。このジュエルにはカバルドンウルガモスを一撃で倒すことができるという意味で1.5倍の火力に意味があり、同時に神速を持たせているため狙った相手以外でもジュエルハイドロポンプ+神速でタイマンの関係を逆転することができるところに汎用性を見出すことができます。
カイオーガは実際に使用したのは水技がハイドロポンプ一本のものだけで、もう一つの型に関しても主力攻撃技であるしおふきを強化するというよりも濁流を強化するという意識が強くHPが残っているときに一度きりの眼鏡しおふき火力が打てればラッキー程度の認識でしかありません。<かくとうジュエル>
ローブシンズルズキンビリジオン
ローブシンがトリプル、ズルズキンビリジオンがBWGSとなっております。
火力が同程度のズルズキンビリジオンはジュエルを持たせることでディアルガバンギラスを一撃で処理できるというはっきりとした理由がありましたが、格闘技の通りが良いルールだったので単純にメインウエポンとして使っても持ち物が腐らないというところがジュエルの強みです。
ローブシンはあまり使う機会はなかったので実践できていませんが、後攻でドレインパンチを打つと先手で受けたダメージを回復することができるのでジュエルドレインパンチで火力を上げて次のマッハパンチ圏内に入れつつ自身の回復量を増やして取り巻きや後続のポケモンにも対応できるようにするという立ち回りができます。<ひこうのジュエル>
トルネロス×3
→すべてトルネロスでアクロバットを有効活用するための持ち物になっています。飛行のジュエルがないとなるとXYではアクロバットをどう有効に活用できるようにするかを考える必要がありそうです。アクロバットの威力が高いため有効活用するためにジュエルを持たせていたので、仮にアクロバットでない技が主力であれば飛行のジュエルを持たせることはなかったかもしれません。<じめんのジュエル>
グラードン×2、ドリュウズ
ドリュウズオールスターカップグラードンがクリスマスカップとグローバルショーダウン、とどれもランダンムマッチにはない特殊なルールでの使用になっています。どのポケモン地震を主力技としていて特にどのルールも地面タイプの技の通りがかなり良くなっています。地震は範囲攻撃となっているので持ち物の一度の発動で1.5倍の火力を2匹に押し付けられるのは非常に強く、ドリュウズグラードンも繊細に扱わなくてはならない上に地面技を無効にする相手もいるだけに拘り鉢巻きは持たせにくく(味方を巻き込むことがあるかもしれないという点も)、命の珠を持たせた場合は威力の低い岩雪崩を打つ度にHPを削ってしまうのでジュエルを優先して採用していました。<でんきのジュエル>
ライコウ
トリプルバトルで壁を貼る役割のライコウで使用した1回。一応、猛威を奮っていたトルネロスに対して光の壁を貼られても倒すことができるという名目ではありましたが、どちらかというとパーティに上から殴る強い火力が一つもなかったので連携で倒せる範囲を広くしておきたいというところに意識は向いていました。電気タイプの技は通りが良いことが多いのでこのように不特定の相手をなるべく削っておきたいという使い方もできます。<あくのジュエル>
レパルダス
レパルダスの悪のジュエルと言えばイカサマの火力を上げるために用いられることが多いですが、このレパルダスはアンコールを思わせて身代わりや守るを躊躇したミュウツーを仕留めるために不意打ちを使用していました。序盤から意表を突いたジュエルでアドバンテージを握ってそれを逃さずに勝つようなパーティが多かった第5世代を代表するまさに不意打ちとなるような使い方ですね。



・特定の相手を倒す調整をしつつ柔軟な立ち回りができるようにする
・耐久の低いポケモンが攻撃を被弾する回数を減らすために火力を上げて相手を倒す
・範囲攻撃技でジュエルを重ねることで効率的にダメージを稼ぐ
・積み技と合わせて爆発的な火力を生み出す
・特定の狙いはないもののダメージの加算を狙うことで連携で処理できる相手を増やして立ち回りの幅を広げる
・火力がそこまでは高くないというポケモンに持たせて意表を突く


少なくとも私はこのような理由で採用するときはしっかりと目的を持ってジュエルを持たせていました。ここまでで特徴的なのはどれもタイプ一致技に対してジュエルを持たせているというところです。たとえば一番上のように特定の相手を倒す調整をしたい場合、手助け+ジュエルめざめるパワー氷でラティオスを倒すボルトロスなどのように不一致技のめざめるパワー氷にジュエルを持たせるという選択肢もあります。しかし、これではラティオスのような特定の相手を迎えない限りはジュエルが有効的に使えるかどうかだけでなく発動しない可能性も十分にあります。ジュエルが発動しない場合は持ち物なしで戦っているのと同じであるため、ジュエルを持たせるときの条件としては発動機会が多いというのが一つの目安になってくるでしょうか。ジュエルを発動した後は持ち物なしで戦うので、それも踏まえた上で選択をしたいです。


ちゃんとした確認はしていませんが、ジュエルの使用率が低かったところには拘りアイテムの使用頻度が高かったこともあげられると思います。たとえば先の例の氷のジュエルボルトロスも拘り眼鏡持ちならラティオスの前で手助けめざめるパワーを打てばよくてラティオス以外には拘り眼鏡の火力の10万ボルトを打っていくことができます。立ち回りに制約は出るものの拘りアイテムには不一致技などのサブウエポンも活きやすいというメリットがあります。ジュエルがなくなったとしても拘りアイテムの補正は1.5倍で変わらないというのが個人的に困っていないことの要因の一つでもあるでしょう。
また、1.2倍の補正を掛ける各種プレートアイテムが強くて好きなアイテムだと思えているということも要因としては大きいでしょうか。4世代から補正が1.2倍になったことは非常に大きく、乱数0.85〜1.00の最低乱数である0.85が最高乱数である1.00を越えるためには1.18倍程度の火力が求められるので1.2倍アイテムはそれを満たすことができます。具体例を挙げて説明すると「プレートラティオスの流星群は持ち物なしラティオスの流星群耐えポケモンをちょうど一撃で倒すことができる」というような感じです。1.2倍アイテムはこのように調整を崩す目的で採用することの他に耐久に努力値を回して足りなくなった火力を補完するために採用することが多いでしょうか。後者の目的を叶えるために拘りアイテムを使うことが多いので、そのような使い方をすることが最近はほとんどないのですが((