2013年 冬ドラマ感想

2013年冬ドラマの感想です。
視聴していたのは次の2作品です。


失恋ショコラティエ
「ロストデイズ」


「ロストデイズ」に関しては別記事で犯人予想をしたので、それも踏まえた上で思いきりネタバレすることを前提にして感想を書きたいと思います。



>「失恋ショコラティエ
高校時代に一つ上の先輩に一目惚れした主人公が彼女に振り向いてもらうためにあれやこれやと努力を重ねて、彼女がチョコが好きだからという理由でフランスでショコラティエの修行を積み帰国して出店するほどにまでなったものの、帰国後に会った彼女は既に婚約者がいて・・・それでも諦められない主人公の片思いを描いた物語。
原作はコミックで、前に本屋を訪れた際に表紙絵とタイトルだけ見て買ってみようかと思ったことがあったので多少なり興味はありました。一番視聴を後押ししていたのは新ドラマ一覧を掲載したサイトであらすじを見ていたときにヒロインの説明で「天然系小悪魔女子」と書かれていたことで天然っぽく演じる小悪魔風がどんなのか見てみたいと思わせてくれたところでした。
見始めて思っていたのと違ったとまず感じたのは予想以上に主人公にチャンスがあったことです。主人公がずっと片思いをしているというので、それだけ長い間想いを寄せているのに一度も何もなかったように最初から今に至るまで恋愛対象として見られていないのか、そうでないなら遠くから思いを寄せているだけで気付いてもらえないパターンのどちらかだという印象に繋がっていたのですが、そのどちらでもなくずっと何番手かの控え選手としてキープされているような感じでした。おかげで、何かあればヒロインの方から主人公にアクションを掛けてくることもあり全くのノーチャンスではないようです。というか、ノーチャンスだったらドラマとして成立しないですよね((
で、ちゃんと肉体関係を持つ友人がいます。少女漫画が原作なことを考えると、そういう設定があるのはなんとなく意外に思えました。でも、この関係が終盤に恋に繋がって実ってしまったら、この作品はそれを推奨するだけのドラマになってしまうなどと思いつつ眺めていました。
見どころだったのはお決まりの妄想演出とサエコさん・オリビエの恋愛名言(?)的なものでしょうか。夢のような展開…と思いきやただの妄想でしたという演出を挟んでくることが日所に多く、物語の中盤前には「はいはい、どうせ妄想なんでしょう」と思うようになったもののこういう風になったらという妄想展開を見ることができるのは面白かったです。恋愛名言的なものに関して、サエコさんがそれを言うのならともかく、物語の序盤で「僕は二次元にしか興味がないから恋愛したこともない」(曖昧)というようなことを言っていたオリビエというキャラになぜ達観したような感じで恋愛について話す役割を与えたのかはよく分かりませんでした。
紆余曲折を経て、主人公は最終回でどこかで繋がるかもしれないと思い続けた長い長い片思いに「失恋する」という決断をつけることができました。その過程を描くためのドラマだと思っていたので、最後にちゃんと失恋をしてくれて非常に良かったです。気になったのは周りのキャラクターで、オリビエとまつりに関しては意外にも早く中盤で繋がったので後半はまた一悶着あると思っていましたが平和に過ごして終わっておりました。また、関谷君は井上さんを触発するために置かれたキャラクターのように見えますが、彼が何をどうしたいのかという部分はあまりはっきりと描かれておらず井上さんに断られるにしてももう少し描写があっても良かったのかなと思います。オリビエとまつりが平和だったのはドラマスペシャルで続編をやって主人公が帰国してきたときに一悶着ある方がエピソードとして面白そうだという見込みなのかもしれませんね。
どうやらドラマは人気だったようで、ドラマの放送時間に視聴しながらツイートをしている人をそこそこ見掛けました。私はすべて録画して後々観ていたのですが、ツイッターからネタバレをされることがなくて良かったです。
番組の終わりには失恋じゃんけんというコーナーが設けられていて、要するにサザエさんのように出演者とじゃんけんをするだけなのですが、11話通して通算が1-7-3くらいの成績でした。特に録画を3話連続で観たときは3連続でパーを出せばどれか勝てるかと思ったものの勝てず。個人的にじゃんけんは運試しなどではなく競技であると思っていて、そこそこ得意なつもりになっているのですが、画面の向こう側にいる人とじゃんけんをするとなると生ものではないので競技としての対戦がやりづらいのではないかとか思っていました((


>「ロストデイズ」
テニスサークルの卒業旅行でヒロインの別荘に行った大学生とその別荘に居座っていたヒロインの兄を含めた7人の恋愛事情を主とした人間関係とサスペンスを描いた物語。全10話の構成となっており、1話ごとに物語の時間が1日進むという作りになっている点と物語の冒頭で殺人事件が起こることを予告されていた点が興味を惹くところでしょうか。
物語にも興味はありますが、視聴動機は石橋杏奈はがヒロインだったことです。桐谷美玲と同時期に存在を知ったSeventeenのモデルであり友人から「最近、また注目されるようになってきた」という話を聞いたので観てみましょうというところです。他のキャストを眺めていると仮面ライダーキバの主演を務めた瀬戸康史仮面ライダーWの主演を務めた桐山漣仮面ライダーフォーゼで福士蒼汰に続く2番手ライダーを演じた吉沢亮が出演するようで私の需要をとても満たしているように感じていました。
まず第1話の時点では特に誰も死ぬことなくミキと付き合っているナツにリカがキスをしてそれをサツキが目撃するところで終わり、正常に回っていた歯車が狂い出すような演出でした。ここから人間関係にズレが生じてきて最終的に殺人事件が起こってしまうような感じです。殺人事件というと誰が殺すのかを予想することが多いですが、登場人物が全員で7人と少なく相関図にすると全員が矢印で繋がりそうなので誰が殺すかだけでなく誰が死ぬのかを予想する面もあるのかなと思いました。
というわけで、この辺りから7人の人間関係が入り乱れていく様が描かれていきます。キャストが好きだったこともあってか特に飽きることはなかったのですが、毎週不謹慎ながら「まだ誰も死なないのかー」と思って観ていたので何かしらの行き違いが発生しているだけの回を観ると面白くないと感じる人もいたのではないでしょうか。
予定では4泊5日の旅行のはずで1話で1日進む10話構成だったため、6日目以降はどうなるのだろうと思っていましたがレンタカーの鍵が行方不明になり帰れない模様。元の予定が崩れたのでそろそろ事件が起こるかと思っていたのですが、意外と話は進まず。8話の次回予告(7話目を見た時点での予告)で「次回、衝撃の第8話」という風に書かれており、最初から殺人が起こることをほのめかしていた割りには衝撃展開が来るまでが遅いように感じてしまいました。
ということで、ようやくサツキが死んでしまい同じ話でリカも手首を切って最終話を迎えます。ここの段階で犯人予想をしました。サスペンスの意外性のある展開作りからリカやワタルが犯人では面白くないこと、ナツとマナは挙動不審に見えるけれど内に秘めていた思いを出していることで本音が見えていること、などから秘密事のないように見える主人公のシノかお嬢さまキャラに一貫性があって裏の顔があるかもしれないヒロインのミキと予想を立てていました。しかし、これだけ盛り上がる展開だったにも関わらず最終回は予想を裏切りよく分からないものでした。
まずずっと謎だったワタルが描いていた絵の話。何を隠していたのかと思えば、顔が掛けないままの自画像で事件には何の関連性もなさそうな上に、自信に満ち溢れていたワタルが社会にうまく馴染めずに今のような変人に豹変してしまったという部分はあまり興味もないことを語るにも説明が雑でした。しかも、妹のことを一人の女性として見ていることを本人の前で明かされてしまい暴動に出るかと思えば、あっさり「東京に帰った」ようでその後物語に登場することもありませんでした。
意識を取り戻したリカが事件について知ってることを話しますが、まさかのサツキ殺しの自白。そのときの経緯から自分が4年間どういう思いで過ごしてきたかを語りますが、そこにはヒロインに対する劣等感で恨みや憎しみというほどの強い感情はなく、殺人動機もサツキにその劣等感を見透かされて馬鹿にされたのが許せなかったという瞬間的なものでした。あまりに淡々としていたので、また誰かに脅されたり誰かを庇っているのかと思いましたが、そんなこともなく。謎が残されていそうだったサツキのノートには彼女の本音として「先輩たちのことが大好きなのに逆の言動ばかり出ちゃう」と書かれていただけで、それもどこまで不器用なのかと。。
みんなでサツキの遺体のあるところまで行ったもののなぜかコートを掛けてそのまま放置、一旦主題歌が流れつつ帰りの車に乗ったので、まだ続きがあることに期待するも血のついたオレンジの手袋がヒッチハイクを求めるシーンを映して終わってしまいました。オレンジの手袋は劇中でワタルが着用していたようで、この人物はワタルかワタルを殺した連続殺人犯かという予想も立てられているみたいですが、個人的には「謎はほとんど明らかになったけれど釈然としない人がいるだろうから意味深な終わり方をしておけば良いだろう」みたいな演出にも見えました。崖から突き落とされたサツキは即死ではなく連続殺人犯に殺されて帰りの車で全員が皆殺しにされる、なんていう展開にする理由もよく分かりません。全員死ぬのであれば車ごと崖から転落がまだ納得できそうな気がします。
ところで、セリフとして「俺たちは仲間」という類の言葉がよく出てきていましたが、仲間ってなんでしょうね。というのも、現実的な話をすると大学で同じサークルだったメンバーを「友達」ということはあっても「仲間」という人はあまりいないような気がします。ということは、友達とは別に敢えて仲間という表現を使っているような気がして、どのような定義で使われているのかというのとその関係になるための敷居の高さはどうなのかということが気になりました。おそらく、深読みした結果がこのようなシナリオだったように作中での深い意図はないような気がします()
殺人事件が起きることを最初にほのめかしておきながら事件が起こるのは終盤、それまでに描いた人間関係から複雑な事情があって殺人を犯した犯人が炙り出されるのかと思いきや人間関係を崩す発端を作った人が犯人で2つ目の事件だと思っていたのも殺人をしたことの後悔からの自殺未遂という素直な展開、それを秘密にすることで仲間になるわけでもなく方向性が分からないまま、という印象です。犯人予想記事を立てるくらいには期待度が高かったので終わり方のあっけなさに結構落胆してしまいました。特に、私は物語は終わり方が一番大事だと思っているので話の途中がいくら面白くてもエンディングが冴えないとその作品をなかなか好きになれず、今回の作品がまさにそれでした。キャストが好き、人間関係の部分に時間を掛けて展開を急がないのもそこそこ好き、主題歌含めてBGMも結構好き、で最終話次第ではDVD購入まで検討するほどだったので良い作品だったと思えずにちょっと残念です。