外野手として上手いと言われるために一番必要なこと

良い外野手と言われる条件の中には「足が速く守備範囲が広い」「肩が強く進塁を防げる」などいろいろとありますが、外野手として上手いと言われるために一番必要なことは「ポジショニング」だと思っています。


話はいきなり飛びますが、小学生や中学生の野球を見ているとだいたいチームの中で野球が一番上手い人が投手、続いて内野手が順々と決まり、外野手が決まるのはそれからでしょうか。
これは試合の中でボールに接触する機会の差が大きいです。野球で勝つためには失点を少なくすることで、そのためには失策を減らすことは重要です。なので、ボールの接触機会が多いポジションに野球が上手い人を置くのは自然な思考だと言えます。


プロ野球の有名な外野手を見渡してみても、別のポジションからコンバートされて外野手になった選手が多いです。
プロ野球界は当然野球が上手い人間が集まる世界なので、アマチュア時代にはチームの中でも野球が上手くて投手や内野手を務めていた人間も多く、コンバートはプロ野球という集団の中で野球が上手い人を再度振り分けていった結果発生していると言えます。


また、外野守備は他のポジションに比べてボールに接触する機会が少ないだけでなく、その動きも単純です。
外野守備の動きは大雑把に言うと「自分の守備範囲に来た打球を追う」「自分以外の守備範囲に来た打球に対するカバーリングをする」の2つで、内野手がする牽制・中継・挟殺・併殺などの動きがありません。
そのため、走る・捕る・投げるという野球の基礎ができていれば外野守備は務まり、特にプロ野球に進むような人間のほとんどはその基礎ができているため、プロ野球界では外野手にコンバートされて成功する機会も多いのでしょう。


このように考えていると、外野手としての素質は「走る・捕る・投げるの野球の基礎ができている」ことにあるように思えます。足が速かったり肩が強かったりすると外野守備が上手いのは間違いないですが、それは外野守備が上手いというよりも野球が上手いという表現の方がより正確な気がします。
野球が上手ければ外野守備は務まるので、そこから外野守備の上手さに差を生むのはポジショニングになるでしょう。足の速さや肩の強さが同じ程度でもポジショニングが一歩違うだけで捕れる打球や刺せるランナーが変わってくるのでその一歩を守れるかどうかに守備の上手さの違いが出ます。もちろん、外野にコンバートされた選手が最初に苦戦するようにボールの追い方など身につけるべき項目もいくつかありますが、それは練習を重ねればある程度できるようになるので、より経験を積んだり思考の末に辿り着くポジショニング能力が大事だと考えています。


「同じ野球の上手さならポジショニングで守備の上手さに違いが出る」というのは外野手に限った話ではありません。しかし、内野守備はもっと細かいことが要求されるので、ポジショニング能力で守備の上手さに違いが出るのは外野守備が最も顕著ではないかと思います。


私も経験したことがありますが、アマチュアの外野手経験者には「自分が外野をやるよりも、いま内野でレギュラー張ってる選手が外野をやる方が肩も強いし上手いのではないか」という経験をしたことがある人は意外と多いのではないでしょうか。
そういうことも考えると、外野手が外野手として意地を見せて生きるためには外野を守ることでしか経験できないポジショニング能力を鍛えることが大事ではないかと私は思います。