「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」の感想

12/13より公開の映画「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」を観てきたので感想を。


仮面ライダーの映画は本編とは違って何でもありなお祭りであることを前提とした認識でいるため、一応ツッコミは入れるもののそういうものだとして観ています。
振り返って書いているのでネタバレ要素しかありませんが、「凱武の最終話に疑問符を浮かべたひとは観た方が良いと思う作品」というのが個人的な感想だったということだけここに記しておきます。



観に行った日は公開初日でした。前々日にチケットを予約して行きましたが、私の行った映画館ではなぜか11時の次が18時となっていて、休日に家族が通いやすそうなお昼から夕方の時間帯がなくて、そういうものなのかなと思いました。
公開初日だったこともあり、仮面ライダードライブの0話にあたるDVDを来場者特典でもらうことができました。このDVDの内容はグローバルフリーズの起こる前のプロトドライブの話ではありましたが、16分程度なので内容は深くありませんでしたね。
一つだけ気になったのは、プロトドライブの戦闘シーンで誰かが声を入れていたこと。クレジットは俳優の名前だけで誰が誰を演じていたのかが出ていなかったので、誰かがプロトドライブに変身していたのかを隠すための演出なのかもしれません。気になったのは、プロトドライブの声を聞いた感じだと、チェイスに非常に似ていて、全く登場のないチェイス役の上遠野さんの名前はクレジットに載っているんですよね。そうすると、チェイスがプロトドライブ説が生まれるのですが、14日放送の本編ではハートを見たベルトさんがハートの存在を覚えていて非常に恐れていたので、チェイスとも面識があってもおかしくない気はします。
一番シンプルなのはチェイスとベルトさんは面識がなく、チェイスがプロトドライブに変身してグローバルフリーズのときに戦っていたということでしょうか。執拗に仮面ライダーに執着を持っているのもそのせいかもしれません。


映画の構成は凱武編・ドライブ編・ドライブ&凱武編という構成になっているので、凱武編からスタート。紘汰と舞のいる遠い星に機械生命のメガヘクスが現れて星と融合、侵略者と戦った凱武はメガヘクスが次の狙いを地球に定めていたことからそれを追って地球に行きます。
舞さんが囚われるまでが一瞬過ぎて面白かったです。あと最近観たドライブでもそういう傾向があるのかと思いますが、負けるにしても一方的に負けるような演出が少ないような気がします。強敵が現れると、相手にダメージが全く通らなくて圧倒的な強さの前に負けることは昔は結構あった気がしますが、今回のメガヘクスとの対戦でも五分っぽく戦いつつも紙一重ではなく結局負けるような描き方がされていました。
紘汰の創造した星であるためか、凱武が空中を自由自在に飛び回っていました。あからさまなCGアクションは好きではないのですが、劇場での音声の臨場感があったのでそこそこ良く映りましたね。因みに、音声なのですが結構大きくてセリフを聞き取れない箇所が多数ありました((


地球・沢芽市にメガヘクスのメカ(?)が落ちて凱武は敗戦。爆発に巻き込まれる様子をそれぞれ見ていた元仮面ライダーたちの中でも戦極ドライバーを持つ呉島兄弟は紘汰の代わりに戦うことを決意。
光実が私服でキャンパスっぽいところを歩いていたので、大学生になってからの話なのでしょうか・・・実は時系列をちゃんと覚えていないのですが。。貴虎は建設現場に出向いて作業着を着ていたのが面白かったです((
そんな斬月と龍玄の前にメガヘクスとそのデータから生み出された(?)戦極凌馬が立ちはだかり、ドラゴンフルーツのロックシードで変身する凌馬と貴虎の一騎打ちに。データから生み出されたら意思を持っているようには思えないので、この時点では「本編で戒斗に倒されたときにメガヘクスと出会い、機械を取り込むことで生命として息を続けられた」のかと思って観ていました。
ゲネシスドライバーと斬月では不利なのですが、どんなときも諦めなかった葛葉紘汰の意志を受け継いだ貴虎が見事に凌馬を撃破。本編での貴虎は強い意志を持っていながらも覚悟を持って実行するところには至らなかったので、固めた決意を貫き通すような描写があって良かったです。貴虎が倒した相手は人間ではないというところもうまくできていると思いました。
一騎打ちの最中、光実は舞を救い出していました。彼もまた本編では最愛の彼女を最後まで救うことができなかったので、今度こそ自分がという決意が垣間見えて良かったです。舞を救出したときのヒールが片足だけはずれて転がっている描写はリアリティがあっていいですね。


そして、2人はメガヘクスと戦うことになりますが、メロンエナジーのロックシードが都合よく出てきました(光実が持ってたけどこれも舞が創造した?)。貴虎は斬月・真となって戦います。紘汰から手に入れた黄金の果実を取り込んだメガヘクスに立ち向かう兄弟2人の戦いは熱いです・・・!「光実、撃て!俺を信じろ!」とメガヘクスを押さえつける貴虎と一瞬躊躇いながらも撃つ光実なんかは見てて感動してしまいました。
そうやって黄金の果実をメガヘクスから奪い取り、黄金の果実にデータをバックアップしていた(メガヘクスが劇中でそういう表現をしていた)のか紘汰が黄金の果実から復活。今度は3人でメガヘクスに向き合い、一度は撃破しますがメガヘクスが大量発生して困惑するところで一度凱武編は修了。元がデータだからすぐに復元できるのかなと思っていたら「復活しているんじゃない、最初から何匹もいたんだ!」と紘汰が言っていたのでたぶん見当違いです((
凱武本編ラストもそうでしたが、ここでも龍玄と戦う凱武のフォームはオレンジアームズではなくて極アームズなんですよね。紘汰と光実が共闘するという意味では2人とも初期のフォームであってほしいとは思っていました。


ということで、ドライブ編がスタート。
重加速現象の中で現れる伝説の怪盗アルティメット・ルパンと戦うドライブが描かれるわけですが、仮面をしていたのにあっさりそれをとって顔を明かす怪盗さん。しかも、仮面とったら演じてるのがピースの綾部だと分かったのがまたおもしろかったです。
輸送中の金の像を盗むという挑戦状が特状課に送られてきて、その挑戦を受ける特状課ですが、輸送車の運転手に変装していたため、重加速の中であっさりと逃げられてしまいます。その後、泊はルパンの隠れ家を訪れるのですが、隠れ家なんていう割にはおとぎ話の姫が済むお城のように遠目からでも目に付くほどの外装と大きさでした。かつてベルトさんが自分の意思を入れる器にしようとして諦めた強化ロイミュードZZZを保管していたのですが、老体となっていたルパンがそれを使って身体を手に入れたという経緯が明かされます。
そこにチェイスが訪れてロイミュードを利用する人間を放っておけないと戦いを始めますが、仮面ライダールパンに変身した怪盗の前に敗戦。泊も戦いますが、その力の前に変身解除させられてしまい、トドメを刺す攻撃を庇ったベルトさんが機能停止に。仮面ライダーという肩書きをルパンに盗まれてしまいます。
すごく悲痛なシーンなのに、「ベルトさん!」と叫び続ける泊がシュール((


そんな泊を霧子ちゃんが「元気出してください!」と励ましますが、アクセルはかからず。そんな泊をシフトカーとシフトカーが映し出したこれまでのドライブとしての戦いを見て、ベルトさんの力を借りて変身ができなくても自分が仮面ライダーだということを思い直して「脳細胞がトップギアだぜ!」と。因みに、この間たぶん数分程度しかない気がします((


特状課のメンバーを集めて「ルパンはこの中にいる!」という泊ですが、推理物のあるある的にはここで茶化す人間は犯人ではありません。というか、もう絶対霧子だといたので驚きはありませんでした。どこが判断する要因になったかというと励ました際に愛想笑いをしていたこと、らしいのですが、励ましをした際は霧子の表情がアップで映っていたわけではないので推理物として見ると視聴者に対するヒントが足りないと思ってしまいました。でも、私も「きりこちゃんって、元気出してください、とか言うんだ」と少し違和感を覚えながら観ていたことから十分なヒントだったのかもしれませんね。
因みに、霧子が無線で「詩島です」って言ったのも違和感はありましたが。。。


仮面ライダーとして自覚を持った泊と意識を取り戻したベルトさんの2人と一時協力するチェイスでルパンに立ち向かっていきます。「start our engine!」というセリフが良かったですね。タイプワイルドもタイプテクニックも登場しましたが、タイプテクニックは登場30秒くらいでたぶん変身する必要はなかったです((
第1話で見せた必殺技でルパンを撃破。しかし、あの大回転の中で霧子はトライドロンを運転してるんですね。撃破したところに現れたメガヘクスがZZZのデータを回収、それを追った泊が凱武と遭遇するラストシーンへと向かいます。


凱武とドライブが合流。お互いにフルーツのフォルムやタイヤが体に刺さっていることにツッコミのはご愛嬌。舞が「お互いの力を分け合って!」とドライブのロックシードと凱武のシフトカーを生み出すのですが、これで変身するドライブのフォームがシュール過ぎて、劇場で思わず口を抑えてしまいました((
メガヘクスは戒斗をデータから召喚したのですが、これが「個を一つにする…?そういう弱さが(以下略)」という感じでメガヘクスに歯向かっていたのが面白かったです。バロンに変身した戒斗や呉島兄弟がモブキャラを引き受けて戦っていましたが、ここにロイミュードの幹部の参戦はたぶんなかった方が良いと思います。


最後はメガヘクスの惑星ごと破壊するためにトライドロンで宇宙に向かいますが、ここはスターウォーズのような戦いになっており、CGベースの戦い且つ凱武とドライブのやりとりが7割くらいコメディな映画的お祭り展開でした。
そうやってメガヘクスを撃退したので、地球上にあったメガヘクスは機能停止。召喚されたバロンも動かない銅像のようになってしまいました・・・素朴な疑問ですが誰が片付けるんでしょう((
紘汰と舞は自分たちの星に戻る前に仲間と触れ合い、泊は霧子に追いかけられてという形でエンディング。主題歌の作詞作曲が歌う松岡充となっていましたが、作詞作曲を歌手が担当するパターンは結構珍しいように感じました。


・・・というのが個々の感想でした。
全体を通じて振り返ると、共演パートはお祭りだとしてドライブ編は短編として考えれば出来は悪くありませんでした。そして、凱武編は非常に良かったと思います。
紘汰が強さを持って黄金の果実を手にして世界を救った・・・ところで話は終わらず、最終話では紘汰が貴虎や光実を諭す形で終わったため、最後の1話が蛇足な気がしてなりませんでしたが、この映画によって紘汰に諭された2人がどのように変わっていったかの成長や決意や覚悟などを見てとることができました。この映画を凱武のラストとして凱武の最終話を放映としたのであれば非常に納得できる良い展開だと思いました。


凱武の最終話に疑問を持っていたため、個人的にはこの映画でようやく凱武が完結したということを味わえて良かったです。冒頭にも書いたように、凱武がそこそこ好きだった人は観た方が良い作品だと思います。