『エースと呼ばれる人は何をしているのか』を読んだので感想を。
○読んだきっかけ
このブログのURLや私のTwitterのIDにもある「エースワイルド」というのが私を指す呼び名として定着しているようで、「エース」という愛称で呼ばれることも非常に多くなりました。そんな中でこのタイトルの本を見つけてしまったので、タイトルだけで気にならないわけがありません((
それに加えて、著者がアイドルなどの振付師であり「エース」という表現は特にアイドルのことを指していたというのを知ったこと、更には私個人が最近のポケモン対戦で「予選は抜けるけど決勝を勝ち上がれていない」という課題があってそれと戦うにあたって何かヒントになるようなことがあるかもしれないと思ったことが理由となります。
○本書の内容
早速、序章でエースについての定義的な説明があります。
「エースの資格は、自己を確立し、自信を持ち、前に向かって進む、ことができる人」
これは著者がアイドルの振付指導を通してエースと呼ばれる人を数多く見てきた中で、そういう人々には成長するために必要な正しい考え方にを持っているという共通点があるという発見から来ています。つまり、エースとはこれを実行できて輝いているひとすべてを指しているのであり、誰でもエースになることができますし、ある集団の中にエースが複数人いることもあります。
著者がダンス指導を担当していたアイドル・AKB48の話題は何度も挙がりますが、AKB48は最初期から絶対的エースとして前田敦子がセンターに君臨していました。センターは「チーム全体の中心のポジションに立ち、『チームの顔』として振るまう人のこと」を指していて、エースの資格を持っていることに加えてセンターとしての特性を備えていなければ務めることはできません。しかし、センターの適性を持っていなくても、エースの資格があれば他のポジションで輝くことができます。
・・・という内容で、資格の要素を掘り下げてより具体的に記載しているものになります。
○感想
この本の定義で言えば私もエースの資格があるひと。自分の生き方と近く共感できるものが多かったです。本書の中で、「『十代の小娘の話が自分たちの役に立つわけがない』と決めつけたりしている方がいるかもしれません。」という箇所があるのですが、そう思ってしまう人こそエースの資格を持っていないように思いました。「素直に正直に自分や周りの物事を見つめ」「良いものも悪いものも謙虚に受け入れる」「そこから目指すものを明らかにしつつ」「正しい努力をする」というのがおおよそのアプローチでしょうか。
発見は大きく2つです。1つ目は「目先のスキル向上が内面の自信を生む」ということ。本書の例では、スピーチが苦手だった社長がそれを克服した結果、肩書通りに自信に溢れて見えるようになったというもの。自分もアルバイトで同じような経験をしたことがあって、大事なことだと共感できることながら意識していないと意外と忘れがちな内容だと思いました。
もう1つは「『自信』と『危機感』のバランスを研ぎ澄ませ」ということ。アイドルの話題が多い本書では、モーニング娘。のセンターであった安倍なつみが後藤真希の加入によって危機感を感じてセンターとしての努力を怠らなかった話、その一方でOGとしてグループを結成した際には逆にそういう危機感の意識が希薄になっていたという話が挙げられていました。「自信やプライドは肥大化すると良くなくて、それに歯止めをかけるのが危機感にあたり、危機感は常に意識していないと薄れていくものだ」とは言うものの危機感を覚えるというのはなかなか難しいです。
○余談1
「正しい努力の元に運が降りてくる」という表現が本書の中でされていますが、これは結果が努力と運の掛け合わせで決まるだからという意味で納得です。
どれだけ努力をしても機会に恵まれないことは起こりえますし、逆に全く努力をしなくても圧倒的な運を引き当てたことで上手くいく場合も存在します。しかし、そういったタイミングの良し悪しというのは不定のものなので、私たちにできることはいつ幸運が舞い込んできてもいいように努力をし続けるということでしょうか。因みに、ここでいう努力は正しい努力を前提としているので、その方向性が間違っていた場合はその限りではありません。
○余談2
「謙虚は良いことだが遠慮は良くない」というのは前々から個人的に思っていることであり、本書にも書かれていました。少なくとも私は「物事に臨むときに驕った態度でいると足元を掬われるので謙虚な姿勢で臨む必要があるが、遠慮して自分の欲しいものが手に入るほど世界は甘くない」といった考え方のつもりです。
というわけで、これらは別物だと思っているのですが、どうやらこれを混同する人というのは多いようです。謙虚は控えめなつつましい態度を指しますが、これは必要以上に出しゃばらないというだけで自分の立ち位置というものをしっかり理解できた上での態度ととることができるでしょうか。そうすると、謙虚と遠慮を混同してしまう人というのは自分の立ち位置を正しく理解できてなくて必要以上につつましい態度をとっているということになります。
これらを混同しないようにするためには自分の立ち位置を理解する必要があり、本書にあるエースの資格を持てるようにすれば自然と解決できることなのではないかと思います。
○余談3
本書を読んだのは2014年の11/9です。11/8に参加した夜空杯というオフ会の決勝が11/10に持ち越しとなり、それまでモチベーションを継続することと足りない部分を補完すること、という意味でいいタイミングで手に取れたと思います。タイミングや巡り合わせが大事だというのは何度か書きましたが、本書のタイトルからも分かりますよね。こういうタイトルじゃなければ手に取ることはなかったわけですから。