2015年 春ドラマの感想

2015年春ドラマの感想。
・・・もう夏ドラマも終わりそうな時期ですが((


私がドラマを視聴する理由として「このひとが主演・出演だから」がほとんどです。
コンテンツが多様になった今の時代で面白い物語を求めるのであれば、それをわざわざドラマに期待する必要はあまりなく、するとドラマの特徴は何かと言えば実写で人間が演じるところを視覚的に観るところでしょう。そういう意味で私がドラマを視聴する理由は上記のようになっているのだと思います。
そんな今期はどちらも主演の2人がドラマの中で動いているのを観たくて視聴しました。


「戦う!書店ガール」
「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」



>「戦う!書店ガール」
とにかく本が大好きで書店員になった令嬢の主人公とアルバイトから社員になり15年間積み上げてきた40歳独身の女性副店長、この2人のコンビが書店員として店に振りかかる日常の様々な問題を解決していく様を描いた物語。主演は渡辺麻友稲森いずみ
最初に観て、上のあらすじ通りに日常的な書店の問題を頑張って解決していく様を描くドラマであったこと・OPが渡辺麻友のソロ曲であったこと、からおおよそ渡辺麻友を動かすためのドラマなのではないかと思いました。
そんな前提を置いて観始めたのですが、彼女をどういう風に動かしたいのかがよく分かりませんでした。設定からは「純粋な気持ちから物事の本質を捉えて、非常識ながら明るく真っ直ぐ周りを巻き込んで問題を解決していく」みたいなアイドルらしさのあるものをイメージしていたので、勝手ながらちょっと期待していたものと違うように思いました。純粋さや真っ直ぐな気持ちは持ち合わせていましたが自分勝手な部分が目立ち、序盤も終盤も店舗を盛り上げるイベントのために自らのコネクションを最大限に利用していくところもあり頑張り方にも説得力を感じませんでした。そんな彼女を一回り大人である副店長がうまく制御するところでコンビとして成り立つ様子を描きたかったのかもしれませんが、そこにある主人公の成長部分を描くには背景や導入なども色々と足りてなかったようにも思えます。
また、恋愛関係についても、各話につくタイトルに「三角関係」という表現を用いたくらいには物語の大きなテーマになると思わせておきながら終着したいところも過程もよく分かりませんでした。2話目で主人公が昔からの思い人にいきなり告白、しかしフラれてしまいその後の進展は…と思いきや、数話後には別の人からの告白を主人公がとてもとても軽く承諾。結局、最終的にその人と結婚するエンディングなわけですが、結婚することがストーリーに影響を与える要素もなく、ただ渡辺麻友にドレスを着せたかっただけなのではないかと。
そういうわけで、ドラマとしてはストーリーもあまり面白くなくて、期待してた渡辺麻友の動かし方ともちょっと違ったので、良い点があまり見つけられませんでした。
収穫としてはまず千葉雄大の身長が分かってイメージが変わったことです。千葉雄大ゴセイジャーの主人公であることしか知らなかったのですが、その当時を見る限りは非常に背が小さいイメージがありました。しかし、渡辺麻友と並ぶ稲森いずみと並んでいる画を観たときに背が小さくないことに気付き、調べた結果173cmと標準的な身長を持つことが分かり、ゴセイジャーの周りが特に長身だっただけだと知りました。今回演じている役からはポスト瀬戸康史みたいな雰囲気を感じましたが、男の人の身長は大事だとあらためて感じた瞬間でした。


>「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」
名門幼稚園は繰り広げられるママたちのマウンティングバトル、そんな中に飛び込んだシングルマザーの奮闘を描く(ここまで引用)・・・そんな物語。主演は木村文乃。幼稚園の母親も檀れい長谷川京子安達祐実・貫地谷しおりと名門の気品を感じさせるような役者さんが揃っています。
木村文乃は「素敵な選TAXI」の3話目に登場した回が私の中では印象に残り、1つ前のクールの「銭の戦争」をチラッとだけ観たときにも気にはなっていたのですが、ちょうどドラマが始まる前に「櫻井有吉アブナイ夜会」に出演していた回をたまたま観ていて、その姿が非常に好印象でした。一言で言うと、マイブームです((
タイトルやあらすじからは、母親同士の対決という風に聞こえて「幼稚園は子供が通う場所だけど、実際はその親が醜い争いをする場所となっていて、見栄・虚勢・皮肉・いじめなどでドロドロとした話なのでは」と思っていたのですが、2話目以降はそういう感じはありませんでした。各家庭にはそれぞれ事情や問題があり、それと向き合って戦う母親たちを描いた物語で、母親同士ではなく母親の各々の戦い(試合)という意味でつけられたタイトルなのではと納得しました。
幼稚園の園長が「幼稚園がお受験のための場所となっている」ことを良く思わず、明るく伸び伸びした学園にするための刺激として庶民的な感覚の強い主人公を敢えて入園させ、その主人公はおかしいと思ったことにはちゃんと疑問を投げかけていきます。この手の物語だと1話ごとに主人公に味方する人物が増えていくケースがよくありますが、そうでない進展の仕方だっただけで物語としてはポイントが高いです。先に書いたタイトルの意味合いのように、このドラマは主人公が学園の風土を変えていくのがテーマではなく、登場する母親たちの苦悩を描くところにテーマがあるので周りのキャラクターが簡単に掌を返すようではいけません。一瞬でコロッと人が変わることがないリアリティを楽しく観ることができましたが、その意味では「はっきり言わせていただきます」という主人公の決めセリフは「彼女が何かを変えていく物語」のを象徴するようなセリフになってしまうので、不要だったのではないかと思います。
それぞれの母親が前を向いて歩き出す最終回でしたが、檀れい演じる小田寺さん一族の話を結構引っ張り過ぎていた点だけ気になりました。瀬戸康史が演じる保育園の先生も図らずも主人公に告白する形になりましたが、断られながらもそれに対する主人公の返事のおかげで「仕事しながら子育てをする母親を保育園に受け入れる覚悟ができた」と前に進むことができるというのが素敵でした。好きになったことが報われているようで彼も幸せですね。
印象に残ったセリフとして「最近の親御さんは『ハルト君のお母さん』ではなく『希子さん』という風に呼び合う」というものがありました。子供を持ったら『ハルト君のお母さん』というように子供の親として認知される機会が増えて『希子さん』という個として見られることが少なくなる・・・という話を聞いたことがあって物悲しさを少し感じていましたが、『希子さん』と呼ばれている関係は子供の親ではなく個として認知されていることが伺えて、それはそれで子供の世界に大人が踏み込み過ぎているように見えると感じてジレンマに近い感覚を味わいました。