WCS2009ルールの対戦会をする界隈があるということで、ちょっとした情報整理(私は参加しない)。
実際取り組んでいたころのことを忘れてきており、今回は自分の中で今考えてみてそれなりに咀嚼できたものを10個選んで載せただけなので、このルールを象徴するパーティを網羅できていない部分もありますが、それはそれということで(?)。
当時の記憶がしっかり残っている人から見たら色々とツッコミどころはあると思いますが、ツッコミをもらえるなら当時の正しいことをちゃんと認識できるので、それは幸いですね。
〜構築〜
【No.1 クレセグロス】
【No.2 クレセサンダー】
【No.3 ラティグロス】
【No.4 ヤンマドラン】
【No.5 封印爆破トリパ】
【No.6 太鼓暗示トリパ】
【No.7 雨パーティ1】
【No.8 雨パーティ2】
【No.9 霰パーティ】
【No.10 浮遊レジスチル】
【No.1 クレセグロス】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
クレセリア | サイコキネシス | 電磁波 | 威張る | リフレクター | 食べ残し |
メタグロス | コメットパンチ | バレットパンチ | 地震 | 守る | ラムの実 |
ギャラドス | 滝登り | ストーンエッジ | 電磁波 | 守る | ソクノの実 |
カビゴン | 恩返し | 炎のパンチ | 自爆 | 守る | オボンの実 |
【説明】
エンドーさんが和歌山大会で優勝して、いわゆるエンドースタンと呼ばれるようになった、おそらくWCS2009ルールにおける最もスタンダードな組み合わせ。スペックの高いポケモンの組み合わせなのでカスタマイズ性能も高いが、方針としては汎用性トップクラスのカビゴンメタグロスを高耐久のクレセリアでサポートしてより有利に戦えるようにする形を基本とした構築である。
【解説】
今回はクレセリアの電磁波でサポートをする形。電磁波ミラーを見つつ威張るで味方の突破力を上げられる神秘の守りを採用することが多いが、後述する封印爆破パーティを意識してリフレクターを採用。威張るは長く場に居座るクレセリアが腐らないようにする技でもあり、耐久も相まってクレセリアがラスト1匹になっても勝ちを拾える可能性が十分にある。攻撃技がサイコキネシスなのは対ゴウカザルやキングドラの身代わりを破壊することを意識。特攻に全く配分していないとH193D115サンダー(C182ラティオスの命の珠流星群耐え)の身代わりを破壊できないので冷凍ビームも選択肢に入る。
メタグロスの型は説明不要レベル。個人的には「この型のメタグロスを採用できる構築が強い」という意識もあるほど。威張るを使う場合はクレセリアより素早さを遅く設定したいが、メタグロスミラーのいたちごっこが怖い。
ギャラドスはメタグロスの苦手な地面・炎に対して耐性がある点が優秀。ラティオスが10万ボルトを搭載していることが多いので持ち物はソクノの実。相手のギャラドスの処理が重たいのでストーンエッジを採用。電磁波の枠は挑発や竜の舞も十分選択肢に入る。因みに、この枠にはラティオスを採用する場合もあり、その場合は苦手なサンダーに強くできたり炎タイプから打たれる鬼火の受け先として被害が少なく済む。
カビゴンも汎用性トップクラスのポケモンであり、ここまでで若干薄い特殊方面への耐性をカバーできる。今回はオボンの実でタイマン性能を高めつつ、一発逆転を狙える可能性のある自爆を搭載している。リフレクター込みならクレセリアを巻き込みながらで意表を突けるかもしれない。
今回は電磁波を軸にした形だが、初手クレセリアメタグロスには「瞑想クレセリア+スカーフメタグロス」という形もあるので意識しておきたい。
【No.2 クレセリアサンダー】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
サンダー | 10万ボルト | めざめるパワー草 | 身代わり | 見切り | 食べ残し |
クレセリア | 冷凍ビーム | 電磁波 | 威張る | 神秘の守り | ラムの実 |
メタグロス | コメットパンチ | バレットパンチ | 地震 | 守る | オッカの実 |
カビゴン | 恩返し | 炎のパンチ | 鈍い | 眠る | カゴの実 |
【説明】
サンダーとクレセリアという安定感のあるポケモンを軸に場を整えてメタグロスやカビゴンを後発から万全の状態で繰り出していく形の構築。メタグロスを先発に置く場合に比べるとスタンダード構築のミラーなどに強めだが、展開速度の早いパーティに対しての強さがやや劣るだろうか。
【解説】
サンダーの型は場持ちを重視して身代わり食べ残し型。サンダーがのらりくらりと戦うことでクレセリアで場を整える後手気味な立ち回りをしても頭数を減らさずダメージレースに負けにくい。守るよりPPの少ない見切りを採用しているのは守るを封印するパーティを意識。このパーティだとドサイドンやラグラージの相手が厳しいのでサンダーにはめざめるパワー草を搭載するのが良さそう。サンダーの配分と言えば、「ラティオスの命の珠流星群+バレットパンチ耐え」が有名であったが、少なくとも素早さは最速クレセリア以上に設定して身代わりで電磁波を防ぎたい。
クレセリアはラムの実+神秘の守りでミラーを厚く意識。トリックをされた際にラムの実を渡してしまい電磁波を回復されるのは少し癪である。メタグロスとカビゴンが交代や死に出しから登場する遅めな展開が多くなるのでやはり状態異常に対する対策は欲しい。基本的には電磁波で相手の素早さを奪いつつ、威張るで味方の火力を上げたりサンダーの身代わりやカビゴンの鈍いの起点とする(カビゴンを出すころにはクレセリアが倒されている気がするが)。隣にサンダーを置くと身代わりラティオスの相手が厳しいので攻撃技は冷凍ビームにするべきか。
後発には耐久耐性の安定感が高いメタグロスを採用。構築で炎耐性があるのがカビゴンしかいないので、神秘の守りで状態異常のケアをすることを考えてオッカの実を持たせて打ち合いの安定感を高めている。神秘の守りさえ決まっていれば威張るで火力を上げることもできるので強力。
ラストのカビゴンは電磁波から展開するポケモンとして採用。身代わりサンダーがメタグロスに強いので鈍いカビゴンは採用しやすくなっている。
【No.3 ラティグロス】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
ラティオス | 流星群 | 10万ボルト | 威張る | 守る | 気合いの襷 |
メタグロス | コメットパンチ | バレットパンチ | 地震 | 守る | ラムの実 |
ギャラドス | 滝登り | ストーンエッジ | 電磁波 | 守る | ソクノの実 |
カビゴン | 恩返し | 炎のパンチ | 自爆 | 守る | オボンの実 |
【説明】
ロマンサーさんが千葉大会で優勝して、いわゆるロマンスタンと呼ばれるようになった、WCS2009屈指のバランスの良さを誇るスタンダードパーティ。電磁波クレセリアに対しては厳しい戦いを強いられるが、ラティオスを採用していることからパーティの素の火力と素早さが上がり中速相手にも隙を見せづらく、個々の役割もはっきりとしているため扱いやすいタイプ相性の優れた構築となっている。
【解説】
ラティオスはミラーや雨キングドラに対して強くなることができる気合いの襷型。技構成は流星群、ギャラドス対策の10万ボルト、流星群を打った後にもメタグロスの火力を上げる仕事ができる威張る、大事に扱うための守るの4つとなっている。威張るの枠は神秘の守り・めざめるパワー地面・天候技なども候補に挙がるが、個人的には威張るが好み。
メタグロスは既に出てきた型であるようにテンプレートな型になっている。メタグロスで削ってラティオスの攻撃圏内、ラティオスで削ってメタグロスの先制技で縛る、といった立ち回りが基本になる。
ギャラドスはメタグロスと縦の相性が良く、ラティオスに飛ぶ鋼技を半減する貴重なポケモンでもある。やはりギャラドスに打点を持つことと雨状態のキングドラやルンパッパを削る目的でストーンエッジを採用して、電磁波で体勢を立て直せるようにしたいが、挑発・竜の舞・雨乞いなども候補に入る(実際のロマンサーさんのパーティには雨乞いが採用されていた、はず)。
カビゴンはトリパやここまでで辛い電気タイプ対策となっている。クレセリア入りの構築と比べると交代と守ると攻撃を軸に立ち回りを組み立てるので鈍いなどは噛み合っておらず、やはりこちらも逆転が狙える自爆を搭載しておきたい。
【No.4 ヤンマドラン】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
メガヤンマ | 虫のさざめき | 電光石火 | 日本晴れ | 見切り | 気合いの襷 |
ヒードラン | 熱風 | 大地の力 | 挑発 | 守る | シュカの実 |
ラティオス | 流星群 | 10万ボルト | 身代わり | 守る | 命の珠 |
カビゴン | 恩返し | 地震 | 守る | 眠る | ラムの実 |
【説明】
鋼タイプとしてヒードランを採用している構築。メタグロスよりラティオスや雨パーティに弱いところが気にはなるが、隣に配置するメガヤンマでそれらに対しては睨みを利かせている。素早さ操作技こそないものの、天候技・挑発などを搭載しているおかげで相手に自由な展開を許しづらくなっており、対応範囲の広いメタ色強めのパーティという印象。
【解説】
メガヤンマはラティオスや雨パーティに対して睨みを利かせる目的で採用。その役割から虫のさざめきと日本晴れは必須。電光石火を採用しているのはLv.1ドーブルを安全に処理することを目的としている。性格はラティオスを一撃にできる控えめを選択したいが、その場合は2回加速しても雨状態の臆病キングドラに先制できない。
メタグロスに有利な鋼タイプのヒードラン。メガヤンマに雨対策で搭載した日本晴れはヒードランの火力の底上げにも繋がる。挑発は電磁波クレセリアやトリパに対して有効。メガヤンマの電光石火と合わせることでLv.1ドーブル絡みに対しても有利に戦うことができる。サブウエポンは相手の先発ヒードランに打点がないことを防ぐための大地の力やラティオスやキングドラを意識した竜の波動もあり。因みに、配分は「シュカの実を合わせてサンダーの10万ボルト+メタグロスの地震耐え」で防御に厚めに配分した型も多かった、はず。
後発で採用しているラティオスはヒードランとの縦の相性が良い。命の珠流星群の火力が高いので、先発で少し削れば簡単に攻撃圏内に持っていける。サブウエポンはギャラドスを意識した10万ボルトにしていて、メタグロスを採用している場合と違って熱風+10万ボルトでメタグロスを倒せる可能性がある。
最後に万能ポケモンであるカビゴンを採用。ヒードランに打点を持つことが重要なのでサブウエポンには地震を採用。鬼火を打たれても炎タイプに役割を遂行できるようにラムの実を持たせて最後の技にはカビゴンの疲弊をリカバーできる可能性のある眠るを搭載。
因みに、考案者であるミガワリさんはカビゴンの枠が「滝登り、アクアジェット、滅びの唄、守る@ラムの実」のマリルリ、ヒードランの大地の力が竜の波動、ラティオスの10万ボルトがめざめるパワー地面、となっていたはず。たしかに先制技がほしい。
【No.5 封印爆破トリパ】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
アグノム | 大爆発 | 大文字 | 挑発 | 見切り | 命の珠 |
ヨノワール | ナイトヘッド | 封印 | トリックルーム | 守る | 食べ残し |
カビゴン | 捨て身タックル | 炎のパンチ | 自爆 | 鈍い | シルクのスカーフ |
メタグロス | コメットパンチ | バレットパンチ | 地震 | 大爆発 | ラムの実 |
【説明】
WCS2009ルールで最も強いジャンルとも言われる構築。ヨノワールでトリックルームを使って守るを封印しながら自爆や大爆発で一気に勝負を決めるのが基本的な動き方になる。初手から大爆発を覚えるアグノムと並べることで相手に強い圧力を掛けることができる。
【解説】
アグノムは初手から大爆発の圧力を掛ける役割。高い素早さが魅力的で厄介な相手には挑発を刺すこともできる。今回持ち物に命の珠を持たせているのは「初手からアグノムが縛られている状態がそう多くはないこと」「ヨノワールにとって厄介な挑発持ちであるギャラドスを威嚇込みで倒すことができること」が理由となる。
ヨノワールはコンセプトから封印トリックルーム守るまで確定。ヨノワールのトリックルームを阻止する相手はアグノムで挑発するか大爆発で吹き飛ばすことを目標にして、トリックルーム・封印・居座りの流れで最も機能する食べ残しを持たせたが、スカーフドーブルを意識するとカゴの実でも良さそう。攻撃技をナイトヘッドにしているのは守るを封印できない見切りサンダーの身代わりを破壊する目的で、ヨノワールが最後の1匹になっても多くの相手に打点を持つことができる。
カビゴンは守るを封印した後に爆発で相手を倒すポケモンなので自爆は必須。どうせ爆発することになるので攻撃技は威力の高い捨て身タックル、メタグロスに対する打点の炎のパンチ。最後の技を鈍いにしているのはヨノワールカビゴンの並びでは相手のメタグロスの処理が重いためでシルクのスカーフを持たせることで+1自爆でメタグロスを倒せるようになる。
メタグロスはすべて攻撃技という構成。アグノムとカビゴンで頭数を減らせればメタグロスだけでも詰めが狙える可能性は十分にあり、その場合は大爆発を採用しなくても良いかもしれない。
アグノムの枠にはドーブルが採用されることもあり、その場合はヨノワールに威張るを搭載してマイペース+大爆発のギミックも狙える。ヨノワールに威張るを採用している場合はカビゴンやメタグロスにラムの実キーの実を持たせると火力を引き上げることができる。
【No.6 腹太鼓暗示トリパ】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
ドーブルLv.1 | がむしゃら | 猫騙し | ダークホール | この指止まれ | 気合いの襷 |
ヨノワール | 影打ち | 岩雪崩 | トリックルーム | 自己暗示 | ラムの実 |
カビゴン | 恩返し | 炎のパンチ | 腹太鼓 | 守る | オボンの実 |
メタグロス | バレットパンチ | アームハンマー | 岩雪崩 | 自己暗示 | オッカの実 |
【説明】
ポケモンフェスタ2007で日本一になったモルフさんの構築を原形としたもの。トリックルームを決めてからカビゴンで腹太鼓を使いメタグロスで自己暗示を使うのが最終的な狙い。ドーブルはレベル1のがむしゃらを使うことで大打撃を与えられるので相手に強い圧力となり退場しやすくもなっており、ヨノワールにも自己暗示を覚えさせることでコンボをスムーズに繋ぎやすくなっている。
【解説】
ドーブルは猫騙しとこの指止まれでトリックルームをサポート。場に残っても腐らないがむしゃらとダークホールという構成。がむしゃら+ヨノワールの岩雪崩ではメタグロスが倒せないが、メタグロスをそこまで削れるなら十分か。ミラーを考えてレベル2にする場合もある。
ヨノワールの技はトリックルームを必須としてカビゴンとスムーズにコンボを狙う自己暗示。残りは攻撃技で先制技の影打ちと範囲攻撃の岩雪崩という構成。理想はメタグロスに繋ぐことなので、ヨノワールが自己暗示後に場に長く残っても負担を掛けられるように攻撃に配分していきたい。持ち物は事故防止のラムの実。
カビゴンの技構成は腹太鼓型のテンプレ。A143程度+5炎のパンチでHPメタグロスが一撃となるので、最低限の火力を確保したら残りは腹太鼓使用後のことを考えて耐久に配分したい。
自己暗示のアンカーになるメタグロスはトリックルームが切れた後でも先制技と優秀な耐久耐性で殴り合えるポケモン。自己暗示以外はすべて攻撃技として範囲攻撃の岩雪崩とメタグロスを一撃で倒すためのアームハンマーと先制技のバレットパンチとなっている。自己暗示をする際に大きなダメージを負ってしまうことを避けるため持ち物は耐久を向上させるものとしてオッカの実。理想はメタグロスに打点のあるポケモンを腹太鼓したポケモンで攻撃しながらの自己暗示であるが、ヨノワールカビゴンではヒードランに打点を持ちづらいのでそれの対策となる。
ドーブルではなくハリテヤマが採用されたり、メタグロスがプレートコメットパンチでメタグロスを一撃で倒せる型になったり、テンプレート浸透故に対策の対策を目的としたカスタマイズもあるが、必要な要素がほとんど集約された完成度の高い構築になっている。
【No.7 雨パーティ1】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
メタグロス | コメットパンチ | 地震 | 岩雪崩 | 大爆発 | 拘りスカーフ |
ゲンガー | シャドーボール | 挑発 | 雨乞い | 守る | 気合いの襷 |
ルンパッパ | ハイドロポンプ | 草結び | 冷凍ビーム | 守る | オボンの実 |
キングドラ | ハイドロポンプ | 竜の波動 | 毒々 | 守る | 命の珠 |
【説明】
雨パーティのテンプレートと思われる型の一つ。威嚇が効かないメタグロスの大爆発で相手を倒しつつ隣のゴーストタイプが雨乞いをすることでスムーズにすいすいのポケモンを死に出しすることができる。
【解説】
メタグロスはゲンガーの雨乞いを妨害する相手を先手で吹き飛ばすために拘りスカーフで採用。地震は初手でメタグロスを迎えた場合に打点を持つ手段となり、岩雪崩は雨で辛いメガヤンマギャラドスサンダー辺りに有効。
今回は雨乞い役にゲンガーを採用しているが、不意打ちでラティオスに打点を持つミカルゲやトリックルームを警戒させるヨノワールが採用される場合もある。ゲンガーはメタグロスやクレセリアに打点を持つことができるので雨攻撃と合わせて相手を倒しやすい点やユキノオーに攻撃される前に天候を奪えるのが良い。電磁波や守るによる対策を防ぐために挑発を持たせている。
ルンパッパはすいすい発動時に広い範囲を攻めていけるように攻撃技を3つ搭載。持ち物がオボンの実なのは低い耐久を上げるため。主にゲンガーから交代でルンパッパを繰り出す際にダメージを抑えられる点、ラティオスの命の珠流星群やメガヤンマの虫のさざめきを受けた後に回復することによってメタグロスのバレットパンチで縛られずに済むという点、が大きい。キングドラと並んでそのまま制圧することになるので波乗りを搭載したいが、切るなら守るになるだろうか。
キングドラは雨状態でエースとして活躍できるように命の珠を持たせてラティオスを竜の波動で倒せるようにしている。因みに、濁流はHGSSからの遺伝技なので使えない。毒々はヌケニン対策。
雨の持続ターンは5ターンしかないので、短いターンの間で一気に勝負を決める必要がある。メタグロスの大爆発である程度被害を与えられていれば良いが、両方守るからスタートされた場合は雨乞いこそ決まるものの少しシビアな展開となる(両方守るは大爆発に合わせないと次のターンに格好の標的になってしまうので、あまり選ばれない…というところだろうか)。
【No.8 雨パーティ2】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
ルンパッパ | ハイドロポンプ | 草結び | 冷凍ビーム | 猫騙し | 神秘の雫 |
サンダース | 雷 | 嘘泣き | 雨乞い | 守る | 湿った岩 |
カビゴン | 恩返し | 岩雪崩 | 自爆 | 守る | オボンの実 |
キングドラ | ハイドロポンプ | 竜の波動 | 身代わり | 守る | 命の珠 |
【説明】
こちらも雨パーティのテンプレートと思われる型の一つ。ルンパッパの猫騙しを合わせて安全に雨乞いを使ってからルンパッパがそのまま攻め込む形をとることができる。
【解説】
今回の雨乞い役はサンダース。素早さが高いので挑発などを受けづらい点、ギャラドスやサンダーに対して強い点、嘘泣きで攻撃速度を上げられる点、などを評価している。耐久に振ればメタグロスの地震も耐えるので持ち物は湿った岩として雨の持続ターンを長くして戦うことができる。因みに、見切りはHGSSからの遺伝技(のはず)なので使うことができない。
ルンパッパは雨乞いをサポートする猫騙し役でありながら雨を降らせたと同時にそのままアタッカーになることができる。猫騙し+雨乞いの際にルンパッパが一撃で倒されてしまい頭数を減らされてしまうことを防ぐために気合いの襷を持たせることもあるが、今回はルンパッパのすいすい発動時の素早さをサンダースより遅くしておくことで嘘泣き+雨ハイドロポンプという流れを作ることを狙っており、ルンパッパに神秘の雫を持たせることによりクレセリアも一撃で倒すことができる。
2匹目の雨エースとしてキングドラを採用。湿った岩を使うことで雨持続ターンに余裕ができるので身代わりを搭載している。これにより電磁波・大爆発による相手の雨対策を機能させづらくなり、雨ターンを凌ぐための守るや交代に対しても強くなれる。カビゴンに自爆を搭載したので守るを採用している。
ラストのカビゴンは特殊ポケモンとの打ち合いとトリパ対策を意識して採用している。打ち合いに強くするために持ち物はオボンの実。自爆を搭載することで劣勢でも逆転が狙える。サブウエポンに岩雪崩を採用しているのはサンダーやメガヤンマ対策ということもあるが、ヌケニンに打点を持てるポケモンが1匹もいない関係と素早さ31から繰り出す先制岩雪崩によって怯みを狙ってトリパの誤魔化しを考えているからである。
【No.9 霰パーティ】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
ゴウカザル | インファイト | オーバーヒート | 猫騙し | 守る | 命の珠 |
ユキノオー | 吹雪 | 草結び | 氷の礫 | 守る | 気合いの襷 |
ボーマンダ | 竜の波動 | 大文字 | ハイドロポンプ | 守る | オボンの実 |
グレイシア | 吹雪 | 冷凍ビーム | めざめるパワー地面 | 霰 | 拘りスカーフ |
【説明】
ユキノオーで天候を霰状態にして必中の範囲攻撃となる吹雪で相手を攻め立てるパーティ。後発には同じく氷タイプのグレイシアを配置してとにかく霰と吹雪で着実に相手を削っていく戦い方が基本となる。メタグロスやカビゴンが環境のトップに君臨してはいるものの、雨パーティや攻撃展開の遅いスタンダードなパーティには刺さることもある。
【解説】
先発でユキノオーと並べるポケモンはゴウカザル。このルールで氷技に耐性のある主要なポケモンであるメタグロスカビゴンヒードランすべてに弱点を突くことができる。AS配分で「メタグロスのコメットパンチ耐え」カビゴンをインファイトで1発、「アグノムの命の珠大文字耐え」メタグロスをオーバーヒートで1発、となっている。氷耐性を持つポケモンを処理する貴重な役割の割には耐久が薄いのでしっかり守るを採用して大事に扱いたい。
ユキノオーはメタグロスの前で一度でも動けるように気合いの襷で採用。メタグロスやクレセリアに先制したいことを考えると素早さに配分しておきたい。草技はカビゴンにタイプ一致威力120で通る草結びを採用している。
後発にはグレイシアを配置。ラティオスやサンダーに有利に立つために拘りスカーフを持たせているが、冷凍ビームでも吹雪でもラティオスは一撃で倒せない。
最後に採用しているボーマンダはパーティの補完役。ゴウカザルの苦手な水・地面タイプに強く、威嚇でカビゴンに強くなりつつ(今回打点を持てる型にはなっていない)、メタグロスに打点を持つことができる。ハイドロポンプはウインディやヒードランを意識して採用。ボーマンダの苦手なラティオスはユキノオーやグレイシアで対処したいことを考えるとドラゴンを一撃で倒す流星群よりは着実に削りを入れられる竜の波動を採用したい。コメットパンチに対して交代で出す可能性と次のバレットパンチ圏内から逃れるためにオボンの実を持たせているが、ボーマンダ1匹にパーティの苦手な部分をかなり押し付けているので、達人の帯やラムの実を持たせたい気持ちもかなり強い。
相手にすると猫騙しの方向や追加効果などでよく困らされることも多かったが、環境トップにメタグロスやカビゴンが君臨している状態でわざわざユキノオーを使うのはただの苦行なのではと思う節はある。
【No.10 浮遊レジスチル】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|
ギャラドス | 滝登り | 電磁波 | 毒々 | 守る | ソクノの実 |
カバルドン | 地震 | 噛み砕く | 岩雪崩 | 守る | オボンの実 |
レジスチル | 地球投げ | 鉄壁 | 度忘れ | 眠る | 食べ残し |
クレセリア | サイコキネシス | スキルスワップ | トリックルーム | 眠る | カゴの実 |
【説明】
ギャラドスの電磁波・クレセリアのトリックルームなどでうまく場を整えながらレジスチルで鉄壁度忘れを積み全抜きを狙う構築。現在だと、この手の構築は急所による事故を防ぐために回避率を上げることが多いが、小さくなるの回避率は1段階上昇でシンプルビームなどもないのであまり現実的ではない。しかし、積み技や回復技を持つポケモンはそう多くなく、レジスチルの優秀な耐性があれば急所を連発されない限りは詰められることも多い。
【解説】
後発からの解説になるが、レジスチルの型はほぼこれ一択。鉄壁や度忘れを一度積めば食べ残し込みでメタグロスの地震やサンダーの10万ボルトなどは5発以上耐えるレベルの耐久なので、試合で一度しか有効でないカゴの実を持たせるよりも食べ残しで攻撃を受け流せる回数を増やす方が良い。地球投げはエメラルドでの教え技で、当たり前ながら定数ダメージなので強い。
クレセリアはレジスチルのサポート役として採用。レジスチルの素早さが遅いのでトリックルームを使用してレジスチルが積み技を先手で使える状況を作れるようにする。レジスチル対策はレジスチルの取り巻きを素早く倒してからレジスチル1匹に集中して試行回数を稼ぐことが多いので、それを少しでも遅らせられるように眠るを持たせている。また、ラムの実を持ったメタグロスに威張るを使って地震でレジスチルの突破を図ることも考えられるので、その対策としてスキルスワップを持っていることもあるが、場合によっては自己暗示をする型でもある。
先発に配置されたギャラドスは威嚇で火力を削ぎつつ、レジスチルの苦手な炎・地面タイプに対して強めであり、電磁波や毒々など状態異常をばら撒くことで味方をサポートする。
もう1匹の先発であるカバルドンは「メタグロスやカビゴンと打ち合えるポケモンが欲しい」「相手の天候パーティに一方的にならないように天候を変える手段が欲しい」「レジスチルに対する遂行速度が高いLv.1ドーブルの対策をしたい」といった辺りが採用理由だと考えている。特に、レジスチルが素眠りしている間も永続の砂嵐でダメージを与えられる点が嬉しい。技は地震の他はラティオスへの打点になる噛み砕くとサンダーへの打点になる岩雪崩を採用して身代わりを破壊できるようにするのが良いだろうか。
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ドクロッグエンペルト、ウインディ入り、ドータクンorムウマージのドサイドントリパ・・・など意識しておく必要がありそうなポケモンやパーティはまだいくつかありましたが、今回はここまで。10個って意外と足りないですね。。
テンプレの形を作るということで技構成と持ち物のみ考えましたが、ミラーの素早さ争いが不毛であるスタンダードなパーティなどの実数値を考えなくて良い(?)というのは非常に楽だと思いました((