見せあいあり64構築〜ホウオウグラードン追い風トリルスイッチ〜

○ガルーラ ようき せいしんりょく
181-147-100-×-100-156 H.4 A.252 S.252
(181-177-120-×-120-167)
すてみタックル、ふいうち、れいとうパンチ、ねこだまし@ガルーラナイト


ボーマンダ むじゃき いかく
170-165-100-153-90-167 A.76 C.180 S.252
(170-175-150-163-99-189)
ハイパーボイスりゅうせいぐんすてみタックル、まもる@ボーマンダナイト


グラードン れいせい ひでり
189-170-160-147-142-85 H.116 C.140 D.252
(189-200-180-202-142-85)
ふんか、だいちのちから、だんがいのつるぎ、まもる@べにいろのたま


○ホウオウ いじっぱり プレッシャー
206-167-140-×-174-114 H.228 A.12 B.240 S.28
せいなるほのお、ブレイブバード、おいかぜ、じこさいせい@オボンのみ


クレセリア おだやか ふゆう
223-×-156-102-178-105 H.220 B.124 C.52 D.112
サイコショック、めいそう、トリックルームつきのひかり@メンタルハーブ


ナットレイ ゆうかん てつのトゲ
179-160-154-×-136-22 H.236 A.252 B.20
パワーウィップ、ジャイロボール、やどりぎのタネ、まもる@いのちのたま


グラードン、ホウオウ、クレセリアは非理想個体



ホウオウグラードンという2匹の炎タイプの伝説を軸にした構築。
ガルーラ・ボーマンダの2匹のメガシンカを使い分けながら、ホウオウの追い風・クレセリアトリックルームでパワーの高いグラードンを活かし、ホウオウで詰める展開を見据えていきます。ホウオウを選出しづらいカイオーガに対してはゼルネアスも同時に睨めるナットレイをぶつけて攻撃的に対抗します。


ホウオウは伝説ポケモンとしては貴重なフェアリー耐性を持ち、ゼルネアスにジオコントロールを許してもムーンフォースを2発耐える特殊耐久を持っています。また、ゼルネアスと組み合わせられることが多いゲンシグラードンに対しても炎・地面に耐性があるので岩技を除けば比較的強く出ることができます。しかし、ホウオウがゼルネアスに強いのはあくまでタイマンに限った話で、ゼルネアスを素早く処理できるわけではないので、ホウオウがムーンフォースを耐えようとも隣がゼルネアスに次々と薙ぎ倒されることになり抑止力としては不十分だと言えます。これはグラードン相手でも同じことが言えます。
ということで、ホウオウの使い方としては「攻撃を受けている間に素早さ操作技などを使い、取り巻きがゼルネアスやグラードンと戦いやすいようにしつつ自身も攻撃に加勢する」のが良いと思いました。


今回はグラードンを同時に採用してホウオウに追い風を搭載。追い風グラードンの制圧力の高さは言うまでもなく、グラードンミラーに関してもホウオウが余裕を持って攻撃を耐えて追い風を使える上に追い風使用時に受けたダメージを回復することができるので、安定して先手をとり続けることができます。追い風ではどちらもジオコントロールゼルネアスの素早さには追いつけないものの、ゼルネアス以外には先手がとりやすくなるのでフェアリー耐性を盾にして有利な打ち合いに持ち込めます。また、グラードンと同時に採用することで、ホウオウの聖なる炎の火力が上がる点も見逃せません。


ホウオウの型が「聖なる炎、ブレイブバード、追い風、自己再生」で決まり、守るを採用するスペースがないことからカイオーガ入りには極力ホウオウを選出したくなく、ホウオウを選出しないとゼルネアスにも弱くなってしまうことから、この2匹に強いナットレイを採用。しかし、ナットレイカイオーガゼルネアスの攻撃に耐性があるものの所詮半減なので交代で出すと大きく削られてしまい、素早さが遅いせいでそのまま畳みかけられやすく対策としては不十分です。そのため、ナットレイの「カイオーガゼルネアスに1回は交代で出すことができて一撃で仕留められる」点を活かすべく、トリックルームを組み込むことにします。グラードンホウオウとも決して素早さが高くないので追い風一辺倒では戦いづらい点でもトリックルームとの相性は良いです。トリックルーム要員としては耐久の安定感が高いクレセリアを採用します。
5匹目としてはここまでで対策の薄いレックウザや威嚇が欲しいことからメガボーマンダを採用。最後の1匹は追い風・トリックルームの発動の補佐ができる猫騙し要員を採用したく、猫騙しを覚えるポケモンの中で強力なメガガルーラを採用して6匹を決めました。


★ガルーラ
<持ち物:ガルーラナイト>
メガシンカのため必須。
<技構成:捨て身タックル、不意打ち、冷凍パンチ、猫騙し>
採用理由である猫騙し、無振りカイオーガを一撃にできる可能性のあるメイン技の捨て身タックルが確定。今回の構築ではメガボーマンダランドロスが重いので冷凍パンチを採用。威嚇が入ると冷凍パンチではメガボーマンダを倒せないこと・捨て身タックルと合わせてゼルネアスを縛れる可能性があることから不意打ちを最後の技として選びました。
<実数値:181-177-120-×-120-167 H.4 A.252 S.252>
ゼルネアスに先手をとる最速と冷凍パンチや捨て身タックルの火力を考えて攻撃振り切り。メガガルーラに同速負けしてしまうと辛いですが、初手にガルーラを出されないこともそこそこあったので単体パワーを重視した型で結果的には良かったです。


ボーマンダ
<持ち物:ボーマンダナイト>
メガシンカのため必須。
<技構成:ハイパーボイス、流星群、捨て身タックル、守る>
レックウザを一撃で倒す流星群、ゼルネアスに隙を見せにくい捨て身タックル、大事に扱うための守るはほぼ必須。最後の技は地味に削りが強いハイパーボイスを採用。ハイパーボイスは1発の火力こそ低いものの、等倍で通りやすいので気合いの襷や耐久調整を崩すのに便利な技で、ボーマンダが生存する見込みがあるならハイパーボイスで削ってから捨て身タックルで圧力を掛ける動きができる方が強く思えます。
<実数値:170-175-150-163-99-189 A.76 C.180 S.252>
メガシンカ前にゼルネアスを抜けることから素早さは最速。流星群でH201D120Wキュレム・H166D141パルキアを1発。メガゲンガーを一撃にできるところまで攻撃を上げるのも魅力的ですが、75%ハイパーボイス+ホウオウの晴れ聖なる炎でゼルネアスを倒せる可能性を高める方を重視して特攻に配分しました(必要なら当然捨て身タックルを打ちますが、できればハイパーボイスで隣にいるポケモンまで削っておきたい)。因みに、75%ハイパーボイス+捨て身タックルでH201B115D118程度のゼルネアスは倒せます。威嚇を掛けて相手にしたいガルーラやファイアローへの強さを考えて性格は無邪気。


グラードン
<持ち物:紅色の玉>
ゲンシカイキのため必須。
<技構成:噴火、大地の力、断崖の剣、守る>
範囲攻撃・命中100・無効タイプなしと盤面さえ整えば最も制圧力の高い噴火を主軸に選択。また、グラードンミラーを意識した大地の力、大事に扱うための守るも確定。最後の技はジオコントロールを積んだゼルネアスや交代で出てくるカイオーガを攻撃するために断崖の剣を採用しました。これはこれで強いのですが、HPが削れた途端に浮いているポケモンを攻撃できなくなる点には気を遣います。
<実数値:189-200-180-202-142-85 H.116 C.140 D.252>
トリックルーム展開を意識して素早さは最遅。追い風で最速メガガルーラは抜けるので最低限の素早さはあるように思います。ホウオウと合わせてゼルネアスに強い駒とするためには耐性だけでなく特殊耐久の数値が必要なので、C222グラードンの大地の力耐えを目安に特殊耐久を確保。特攻には残りを配分した形ですが、H157D132メガクチート(C255カイオーガの雨75%根源の波動耐え)を大地の力で1発にできる最低限の火力は備わっています。


★ホウオウ
<持ち物:オボンの実>
「これでなくてはいけない!」という持ち物はあまりないですが、自己再生を使わなくてはいけない場面を減らせる持ち物が良いと思い、オボンの実を選択。食べ残しも強力ですが、オボンの実の方が集中攻撃のケアをしやすい点が良いです。過去世代含めてホウオウはヨロギの実でしか使ったことがありませんでしたが、現環境ではホウオウピンポイントの岩技が採用されないので腐りやすく、単体パワーの落ちるポケモンをわざわざ使うのであればそこは割り切った方が良いと思ったのでヨロギの実も不採用。アッキの実はホウオウの要塞性能は上がるものの場に出してから交代することも多いと思ったので不採用。次点は電磁波や眠り技でホウオウを誤魔化そうとする相手に対するラムの実でした。
<技構成:聖なる炎、ブレイブバード、追い風、自己再生>
みがまも型・特殊型などにしない限りは、聖なる炎・ブレイブバード・自己再生までほぼ必須だと考えています。今回は先述の通り、最後の技に追い風を採用しています。余談ですが、守るや身代わりはホウオウ単体としては強いですが、先述の通りパワーの高い相手にホウオウの取り巻きから崩されてしまう点でチームプレーができないので感触は悪いです。電磁波はグラードンランドロスに入らないので、せめてもう1匹の伝説ポケモングラードンではなくカイオーガにすべきでしょうか。
<実数値:206-167-140-×-174-114 H.228 A.12 B.240 S.28>
目安はC183ゼルネアスの+2雷耐えとしてHP振り。弱点以外でホウオウを強襲する技のほとんどが物理技なので、物理技で崩されないように残りはほぼ防御に注ぎこみました。物理耐久の目安としては威嚇込みでA177メガガルーラの捨て身タックル2発耐えです。トリックルームも絡めるので素早さはほとんど配分せず、追い風で性格補正のない拘りスカーフイベルタルを抜ける値だけ確保しています。攻撃に性格補正を掛けているのはブレイブバード2発・聖なる炎2発+火傷ダメージ2回などでゼルネアスを倒すためです。


クレセリア
<持ち物:メンタルハーブ>
トリックルームで味方のサポートをすることがメインの仕事になるので、その遂行を確実にするための持ち物が必要です。眠り技を駆使するドーブルはその素早さが分かりにくく追い風から処理する方が安全だと考えていたのでラムの実は必須ではありません。交代から繰り出してトリックルーム発動を安定させるオボンの実も強力ですが、切り返す際に不意に挑発を打たれてしまうとゲームエンドになってしまうので、その対策としてメンタルハーブを持たせます。
<技構成:サイコショック、瞑想、トリックルーム、月の光>
採用理由からトリックルームは確定。残る技候補を考える前に構築全体を見回してみると、追い風展開をする際の選出が「メガシンカ+伝説2匹+クレセリアorナットレイ」となることから、追い風から入る展開でもクレセリアを選出する場合が多いです。その際にトリックルームしかできない駒になってしまうのは弱く感じたので単体性能を上げられる瞑想を持たせた型での採用にしました。クレセリアを勝ち筋にできることはほとんどないですが、脅威を見せることで相手から放置されにくくなり味方が動けるようになります。また、カイオーガを相手にしたときもナットレイの草技をカイオーガにヒットさせられるとは限らないので、カイオーガを温存された場合には瞑想クレセリアで対抗できるようになれる点では悪くないでしょうか。攻撃技のサイコショックはホウオウゼルネアスカイオーガへのダメージを考えてですが、レパルダスマニューラにダメージを与えられないのは少し気になりました。
<実数値:223-×-156-102-178-105 H.220 B.124 C.52 D.112>
カイオーガやゼルネアスへの切り替えしでトリックルームを使うので特殊耐久を重視した配分。「A172マニューラの命の珠猫騙し+叩き落とす耐え」「A232メガレックウザの命の珠ガリョウテンセイ+神速耐え」「A232グラードンの晴れ炎のパンチ2発耐え」程度の物理耐久、メガガルーラの捨て身タックル+サイコショックでH201B115ゼルネアスを倒せる程度の特攻、残り特防でC242カイオーガの雨75%根源の波動なら2発耐えることができるようになります。


ナットレイ
<持ち物:命の珠>
トリックルームからカイオーガを倒すのが役割であり、倒しきれないと味方が水技で大きくダメージを負ってしまうので、物理耐久に厚く配分したカイオーガまで倒せるように強化アイテムが必要です。拘り鉢巻はカイオーガに打った草技を別のポケモンに受けられた瞬間に大きく隙を見せるので論外。ジャイロボールの火力が結構侮れないので交代先に負担を掛けられるよう命の珠を持たせることにしました。
<技構成:パワーウィップ、ジャイロボール、宿り木の種、守る>
メガレックウザの拘り鉢巻ガリョウテンセイ耐えカイオーガまで一撃にできるパワーウィップ、ゼルネアスを一撃にしてガルーラやレックウザを8割削れるジャイロボール、大事に扱うための守る、の3つが確定。最後の技はナットレイに全く打点のない一般ポケモンとタイマンになったときの詰め手段として宿り木の種を採用しました。予想通り打つ機会はほとんどないので削れたカイオーガパワーウィップを打たなくて済むように種爆弾を採用するのが良かったでしょうか。
<実数値:179-160-154-×-136-22 H.236 A.252 B.20>
ジャイロボールの威力を高めるため素早さは最遅。残りは耐久を高めるためのHPと攻撃に全振り。命の珠の反動ダメージを考えてHPの値は10n-1として、残りを防御に振ってA232メガレックウザの拘り鉢巻ガリョウテンセイを最高乱数以外耐え。


第9回Daydreamオフで使用したものの1勝足りなくて予選落ち。負け試合は悪い不確定要素の絡むものが多かったですが、運が悪いながらもプレイヤーが下手でなければ拾えていた試合もあったので勿体ないです。1月に行われたあんぐらオフのKPを見て「グラードンゼルネアスに勝てるホウオウ構築を使うなら今だ」と判断したものの、当日は他のブロックにグラードンゼルネアスが蔓延する中でレックウザ使用者が4人もいる偏り具合でした。ただ、想定通りの動き方はできたので(プレイヤーが下手だったことを除けば)内容には納得しています。
この手の受け寄りな構築は大崩れすると逆転する手立てが少ないことから負うリスクが少ない行動をベースに動かざるをえず、相手がリスク承知でその行動をピンポイントで読んだ行動をとり、そこで悪い不確定要素を引いてしまい取返しがつかなくなる負け方が多かったです。その点でゼルネアスグラードン系の構築は強く対策をされようが個々が状況を巻き返せるだけのスペックを持ってパワーを押し付けるので不確定要素でも有利に立ちやすい点が強力だと再確認できました。
因みに、この構築は1月のINCでも使い、Daydremオフ後の夜にスタートして14-1の最終レート1704で194位でした。


対策手薄なところはたくさんありますが、既存のグラードンゼルネアス構築にはほとんど勝つことができました。
ホウオウを補完でなく主軸に置いた構築をこれまで組めた試しがなかったので、それが一つ形になった点では良かったです。