「早子先生、結婚するって本当ですか!?」を2話まで観た感想

「早子先生、結婚するって本当ですか!?」を2話まで観た感想。


一度観ると決めた作品は基本的に最後までちゃんと観ようと思っているのですが、そうできないほど面白くないと感じて視聴をやめることにしたからです。
たいして面白くないだけならまだ観続けられたのでしょうが、観ていて痛々しく感じたのが大きな理由になります。



男らしい性格からか縁なく34歳独身を迎えた小学校の教師が本気で婚活に挑む物語。原作は4コマエッセイらしいです。
このあらすじだけ見てイメージしていたのは「男勝りな主人公が婚活をするにあたって、女性らしさを纏おうと努力するも、結局は自然体が一番・・・という展開を少しコミカルに演出」というようなものでした。
今回、松下奈緒がショートカットにしたことも話題で、彼女の上品でしっかり者の女性というイメージとは違った役柄が観てみたいというのは前々から思っていた(個人的な希望はストーカー気質な怖い女性でしたが)ので、その意味でも期待を持っていきました。


しかし、実際に視聴してみると予想していたものとは全然違いました。
まず主人公。女っ気がないとかそういう話ではなく、もはや人間としてダサい。淡々とした性格ではありますが、心の声を映すナレーションを聞いているとサバサバしている感じというよりは単に無気力・無希望な感じに聞こえてしまいます。
次に物語。リアリティのある日常感を演出したいのか分かりませんが、変に間が長い部分が多いように感じます。それぞれの個性を出したいのか独特の節で喋るキャラクターが多いような気がして、そこにギャグを挿し込んでいるのですが、そういうキャラクターってだいたい面白くなくてシラケた風に感じる場面が非常に多いです。全体的に抑揚がない印象もあります。
また、見どころとなる部分は主人公が悟ったように語る部分にあり(?)、1,2話では「ひとりの夜は時々寂しくもなります」「良い人はたくさんいる、好きな人がいない」というような内容でした。ただ、これは「あぁ現実は無常だね」と言っているようにしか聞こえず、そこから何かを見出していく感じが全く見受けられません。


ざっくりまとめると、「無希望感さえ漂う主人公を個性アピールの強いキャラが取り巻き、抑揚のなく面白味のない日常を『現実ってこうだよね』と言っているだけのドラマ」という風にしか映りませんでした。もしかすると、主人公がまだ結婚に対する意識が薄くて色々と迷っているからこそなのかもしれませんが、シラケるギャグのせいで観ているのが痛々しくて視聴を続けられないと思いました。
フィクション作品は、それがただの絵空事と映らないようにリアリティが必要とされますが、リアリティを追究し過ぎると今度はドラマ性がなくなりリアルで十分となってしまうので、バランスのとり方は難しそうです。この作品はその後者が強く出てしまっている印象があります。


冒頭に書いたように「これを面白いと感じる人はどういう感性・視点なのか逆に気になる」ので、少し考えてみました。
考えてはみたのですが、この物語に共感できるということはその人が「無希望に抑揚のない毎日をなんとなく過ごしている」のではないでしょうか。この作品を面白いという人及びその人の日常を批判したり軽蔑しているつもりではないのですが、今のところこれが個人的に一番自然な解釈になっています。
なので、個人的には合わなかったということで3話以降の視聴はやめますが、ドラマが終了したころに色々な方の感想を見るのを楽しみにしたいと思います。