wi-fi大会「イッシュファイナル」〜五月雨トリパ+トゲキッス〜

8/26〜8/28に開催されていたwi-fi大会「イッシュファイナル」に参加しました。
ルールはORASを利用したトリプルバトル、5世代までに登場したポケモンのみ使用可能でメガシンカ禁止、いわゆるマークなしポケモンも使用可能です。


2日目:19-2
3日目:16-4


ということで、35-6で最終レートは1858で4位でした。
残り試合を対戦すれば1位を狙えた可能性もありますが、対戦を続けなかったことを含めて、構築の完成度と見合った納得いく結果だと個人的には思っています。


〜パーティ〜
カポエラードーブルブルンゲルヒードランユキノオートゲキッス


カポエラー いじっぱり いかく
157-146-116-×-141-94 H.252 A.140 B.4 D.84 S.28
インファイトねこだまし、フェイント、ワイドガード@カゴのみ


ドーブル ようき マイペース
131-40-87-×-65-139 H.4 B.252 S.252
ねこだましダークホールこのゆびとまれ、よこどり@きあいのタスキ


ブルンゲル れいせい のろわれボディ
207-×-94-146-126-58 H.252 B.28 C.220 D.4
しおふき、おにび、トリックルームじこさいせい@ラムのみ


ヒードラン れいせい もらいび
190-×-135-200-126-73 H.188 B.68 C.252
ふんか、かえんほうしゃ、だいちのちから、まもる@シュカのみ


ユキノオー れいせい ゆきふらし
167-144-98-154-106-58 H.12 A.252 B.20 C.220 D.4
ふぶき、ウッドハンマーかわらわり、まもる@いのちのたま


トゲキッス ひかえめ てんのめぐみ
183-×-130-180-136-103 H.180 B.116 C.188 D.4 S.20
マジカルシャインエアスラッシュはどうだんこのゆびとまれ@こだわりメガネ



【構築概要】
イッシュ地方までのポケモンのみ使用可能ということで、BWトリプルで最強と謳われた五月雨トリパをベースにした構築。
(※五月雨トリパ…「カポエラードーブルブルンゲルユキノオーシャンデラモロバレル」の6匹、BW時代にサミダレさんが構築した非常に完成度の高いトリパ)
やることは非常に単純でドーブルカポエラーのサポートからブルンゲルトリックルームを展開しつつ、各種タイプの範囲攻撃を中心にひたすら攻撃して制圧を狙います。


【構築経緯】
まず、5世代のトリプルバトルに対する印象は以下のような感じです。
BW初期:ドーブルダークホールが対策必須
BW中盤:公式によりダークホールが禁止になり、ダークホールに抑制されていたジャンルの構築が頭角を現す
BW2:バンギラスを主軸にしたスタンダードが様々な戦術を数値で無理やり淘汰する形で一つ抜きん出る


これに「6世代要素であるフェアリータイプの追加」「5世代要素のジュエル系アイテムの消失」が加わったのがおおよそ今回のルールです。そのため、勝手こそ違うものの5世代トリプル環境に倣って、ドーブルバンギラスを主軸に対応範囲の広い構築を組みたいと思いました。
まずバンギラス構築から考えてみたものの、どうしてもドーブルダークホールに後手に回りやすいです。ドーブルとの併用も考えましたが、バンギラス構築は6匹のタイプバランスと数値で対応範囲を確保しているため、そこに耐性も耐久もないドーブルが入るとバランスが崩れてしまいます。
というわけで、バンギラスは使わずドーブルを使う方針で構築を進めることにします。ここで雨パーティや袋叩きパーティにしっかり戦えるようにしたい構築を考えるとユキノオー入りのトリパが最適だと考えたので、その方向で構築を進めます。


トリックルーム役としてまずはブルンゲルトリックルーム使いの中でも濁流・噴火・吹雪などの範囲攻撃に耐性を持っている点が優秀で、自身も範囲攻撃のしおふきで攻撃役になれます。また、自己再生によって2回目のトリックルームや終盤のタイマン勝利が狙えます。
ドーブルユキノオーブルンゲルと来て、攻撃相性の良い炎タイプを採用したかったのでヒードランを選択。いわゆる五月雨トリパにはトリックルームを使えるシャンデラが採用されることが多かったですが、「初手でブルンゲルに代わってトリックルームを選びたい場面があまりない」「攻撃に参加しつつ2回目のトリックルームが狙えるほど耐久が高くない」「ヒードランと違って格闘を封殺しやすかったが、6世代では叩き落とすの採用が増えてそうでもなくなった」などの理由から、耐性面・単純なスペック面からヒードランの方が扱いやすいと感じました。
そして、ここまでで相性が絶望的なバンギラスに対する駒としてカポエラーを採用。威嚇・猫騙しという便利な要素を両立できるポケモンで、ズルズキンと比較するとフェイントを習得する点で範囲攻撃の多いこの構築との相性に優れます。
最後の6匹目にはサザンドラバンギラスに打点を持てて且つ格闘タイプに強いポケモンが採用したかったので、6世代要素のフェアリータイプのマリルリトゲキッスを頼ることにしました。マリルリはこのルールでトップクラスのスペックを持つポケモンで貴重な物理技主体のポケモンでしたが、最終的にはトゲキッスを採用。対角まで届くエアスラッシュがミラーを戦う上で試合を有利に進めるポイントとなると思ったのが大きな理由です。


(参考:パメラのパラメ(配分)とか書くとこ-霰トリパ)
BW時代からトリプルバトルをしていた割には、実は五月雨トリパを使ったことがありませんでした。そのため、ジュエル系アイテム消失による火力低下がどれくらい響くのか掴めない部分があり、構築を決断できませんでした。しかし、参考URLの構築がかなり形の近い同じ6匹の組み合わせで、それが6世代でも戦えることを証明してくれていたので、構築を決定する後押しとなりました。


【個別解説】

カポエラー
<持ち物:カゴの実>
袋叩き+ドーブルの組み合わせを相手にする上でダークホール対策が必要だったのでカゴの実。また、眠り技を使う相手に対しては守る+カポエラーに交代とすることで次のターンに猫騙しでお茶を濁す動きができます。鬼火対策にもなるラムの実を持たせたかったのですが、そちらは構築の要となるブルンゲルに優先しました。
<技構成:インファイト猫騙し、フェイント、ワイドガード>
バンギラスへの役割遂行技で最も火力が出せるインファイトブルンゲルのサポートや中盤の建て直しに便利な猫騙し、トリックルームを凌ぐ相手のワイドガードや守るを打ち破るフェイント、まで必須。
最後の技は特別必要だと思うものがなかったので、マッハパンチ・不意打ちも候補に挙げながら最も汎用性の高そうなワイドガードを採用しました。積極的に使うわけではないものの、範囲攻撃を防げると嬉しい場面は多いため重宝しました。
<実数値:157-146-116-×-141-94 H.252 A.140 B.4 D.84 S.28>
A112マリルリのランク-1じゃれつく耐え、C200ヒードランの拘り眼鏡噴火最高乱数以外耐え、ランク-1インファイトでH207B131バンギラスを最低乱数以外1発、残り素早さ。
バンギラスに対する貴重な駒なので、即死しないよう耐久に振りたい」「場に残っても腐らないように火力は欲しい」・・・ということでこのような配分になりました。先発で出した場合を想定して素早さを上げていましたが、予定していたよりも後発から繰り出すことの方が多かったので素早さ個体値を下げた個体を使用すべきだったかもしれません。


ドーブル
<持ち物:気合いの襷>
この指止まれで最低2回は技を吸えるようにするため行動保障をつける気合いの襷。一番打ちたい技が猫騙しなのにトリックルームを決めて場に残ってしまうと困るため拘りスカーフでは採用せず。また、眠り対策の木の実は既に余っていませんでした。
<技構成:猫騙し、ダークホール、この指止まれ、横取り>
トリックルームのサポートとして便利な猫騙し、トリックルーム中に場に残ってしまっても攻撃を引き寄せつつ退場できるこの指止まれ、厳しい相手に対して無理やり眠りを押し付けられるダークホール、まではほぼ必須。
最後の技は候補は多いですが、横取りを採用しました。トリックルーム+封印を狙う相手に有効であることが大きく、その他にもワイドガード・光の壁・瞑想・自己再生などを奪うことができるので終盤まで残したときにも便利だと思いました。
<実数値:131-40-87-×-65-139 H.4 B.252 S.252>
素早さは最速カポエラー抜きは必須でミラーも考えて最速。残りは防御に振り切りました。
素早さ以外の配分は何が最適かあまり考えずに手元の個体を流用しましたが、ルンパッパの猫騙し+雨熱湯などを耐える可能性があるDSベースでも良かったかもしれません。因みに、特性がマイペースなのは退場して欲しい場面で回避率などが上がって倒されないと困るためです。


ブルンゲル
<持ち物:ラムの実>
ダークホールを受けながらトリックルームを選ぶことを考えて眠り対策の木の実。麻痺・混乱などによるトリックルーム不発を防ぐためラムの実を選択。メンタルハーブはあれば便利ですが、変化技は立ち回りで対策が不可能ではないのにたいして状態異常は立ち回り防ぎきれないことから、そちらを優先します。
<技構成:しおふき、鬼火、トリックルーム、自己再生>
採用理由であるトリックルーム、HPを残していれば強力な範囲攻撃となるしおふき。自身の耐性を持って終盤に2回目のトリックルームを狙える自己再生、まで必須。
最後の技は対バンギラスマリルリハッサムなどを考えて鬼火を選択。鬼火+自己再生でタイマンを制しやすい点も評価できます(味方ヒードランの貰い火発動も一応あります)。神秘の守りは対モロバレルに欲しいですが、汎用性が高いわけでないので積極的に採用したくはありませんでした。Wロトムマリルリに打点を持てるエナジーボール、ミラーで有用なシャドーボールは採用しても良かったかもしれません。
<実数値:207-×-94-146-126-58 H.252 B.28 C.220 D.4>
A112マリルリの叩き落とす耐え、C158ユキノオーの命の珠エナジーボール+霰ダメージ耐え。HP満タンの75%しおふきでH167D111テラキオン1発。
トリックルーム役が1匹しかいないので安心感を高めるために耐久を厚くする方針もありますが、安全にトリックルームを決めたとして、その後の攻撃性能がなければ試合展開は有利に向かないため火力を重視して配分。ドーブルカポエラートゲキッスといればHP振りブルンゲルが即死する攻撃を受けてトリックルームが使えない試合は数少ないと思ったので割り切りました。また、袋叩き構築に対しては初手からしおふきを選ぶことの方が多いため、この程度の火力は必要です。
ちなみに、特性は呪われボディを選択。自身は水技には耐性があるので、水技を受けながら呪われボディを発動させて味方を守る方が構築の水技耐性が上がると考えました。


ヒードラン
<持ち物:シュカの実>
ミラー意識。不意の一撃や構築に一貫している地震での即死を避けるための持ち物。対モロバレルを厚く見るための防塵ゴーグルと迷いどころでしたが、モロバレルと対戦する機会より地面技を受ける機会の方が多いと考えました。
<技構成:噴火、火炎放射、大地の力、守る>
タイプ一致の火炎放射、ミラー意識の大地の力、大事に扱うのための守る、が必須。
この3つがあれば終盤に有利な相手を詰める立ち回りができると考えたので、最後の技は構築全体の火力を助けるため強力な範囲攻撃の噴火を採用しました。
<実数値:190-×-135-200-126-73 H.188 B.68 C.252>
A161カポエラーインファイトを最高乱数以外耐え。残り特攻。
耐性を活かして終盤に詰める役割もあるため耐久に厚くする方針もありますが、H221D113程度のモロバレルが満タン75%噴火で1発なので火力はあまり落とせないと思いました。また、素早さに関してですが、お借りできたヒードランが最速と最遅のみだったので最遅を選んでいます。


ユキノオー
<持ち物:命の珠>
構築で足りていない火力を底上げするための持ち物。メガシンカできない以上は弱点攻撃を受けたら基本的に受けたら死ぬものだと思っていたので、耐久を削っていくことがそれほど痛手にならないと思い持たせました。
<技構成:吹雪、ウッドハンマー、瓦割り、守る>
強力な範囲攻撃である吹雪と大事に扱うための守るは必須。残る2つのうち1つは水タイプを攻撃するための草技が欲しく、突撃チョッキを持つマリルリなどを考えてウッドハンマーを選択。
最後の技は瓦割りを採用しました。構築がかなり特殊寄りであるため光の壁を打開するために欲しく、自身が鋼タイプに打点を持つことで立ち回りの幅が広がります(特に、ヒードランキリキザンを意識)。
<実数値:167-144-98-154-106-58 H.12 A.252 B.20 C.220 D.4>
ウッドハンマーでH207B133バンギラスを11/16で1発。A204バンギラスの75%岩雪崩+命の珠反動を上2つの乱数以外耐え、残り特攻(霰+75%吹雪でH155D130ラティオスがほぼ1発)。
ウッドハンマーバンギラスを倒したり瓦割りでヒードランを倒す場面があったので攻撃に振って正解でしたが、耐久が薄すぎるため対雨パーティでは丁重に扱う必要がありました。


トゲキッス
<持ち物:拘り眼鏡>
足りない火力を底上げするための持ち物。エアスラッシュが抜群となるポケモンは一撃で倒れていくことも多く、意表を突いて1匹倒すことで頭数を有利にして戦える試合が多いです。
<技構成:マジカルシャインエアスラッシュ、波動弾、この指止まれ>
バンギラスに打点のあり一貫性の高い範囲攻撃となるマジカルシャイン、対角の格闘・モロバレルなどを処理するためのエアスラッシュは必須。
ヒードランを考えると対角まで届いて便利な波動弾は結構必要だと思えたので3枠目として採用。最後の技はブルンゲルをどうしても守る必要がある場面のためにこの指止まれを採用しておくことにしました。
<実数値:183-×-130-180-136-103 H.180 B.116 C.188 D.4 S.20>
A200ハッサムの拘り鉢巻バレットパンチを最高乱数以外耐え、A204バンギラスの75%岩雪崩を威嚇込みで2発+砂ダメージ2回耐え、C158命の珠ユキノオーの75%吹雪+霰ダメージ2回をほぼ耐え、75%マジカルシャインで砂状態のH207D121バンギラスをほぼ2発、残り素早さ。
因みに、特性が天の恵みなのはミラーで少し速い素早さから怯みを狙うため。マジカルシャインの方が打つ機会が多いとはいえ、エアスラッシュによる怯み狙いの方が恩恵を受ける場面がはっきりしていたことからそちらを選択しました。


【負け試合】


【構築総評】
初手の多くはブルンゲルドーブルトゲキッスドーブル猫騙しで相手を止めてトゲキッスの攻撃を通しながらブルンゲルトリックルームドーブルが退場してからは攻撃役を並べつつ、カポエラーの威嚇・猫騙しで建て直しが行えるようにしておきます。サポートがドーブル1匹では不安なときはカポエラーを初手に出したりトゲキッスがこの指止まれを選びます。
ジュエルアイテム消失による火力低下はあまり感じませんでした。仮にジュエルが使えたとしてもカポエラードーブルブルンゲルの3匹はトリックルームのためにジュエルを持つことはありませんし、ユキノオーはAC振りなので命の珠の方が活きていて、トゲキッスは1発の火力が低く即死が少ないので拘り眼鏡の方がマッチしていたと思います(寧ろ、ジュエルがないことで相手の火力が落ちていることが恩恵だった)。
構築で特に優秀だったのはトゲキッスでした。こちらのドーブル対策にカポエラーハリテヤマを初手に繰り出す相手が多く、それをエアスラッシュで一撃で葬ることにより頭数を減らすだけでなく相手にワイドガードを使えるポケモンがいなくなり、トリックルームを決めてからの展開が楽になることが多かったです。
ただ、トリパの障壁になりやすいモロバレル対策が薄い点は気になります。実際、負け試合のうち2試合はモロバレル入りでした。今回、眼鏡トゲキッスは最も活躍したポケモンでしたが、この枠をマリルリにして「マリルリに防塵ゴーグルを持たせる」「ヒードランに防塵ゴーグルを譲ってマリルリヒードランを厚く見る」ような形をとるのも良かったかもしれません。


【余談】

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
カポエラー インファイト 猫騙 手助け ワイドガード ラムの実
FCボルトロス 10万ボルト ボルトチェンジ フリーフォール 草結び 拘りスカーフ
クレセリア サイコショック 冷凍ビーム 神秘の守り トリックルーム メンタルハーブ
バンギラス 岩雪崩 噛み砕く けたぐり 守る 黒い鉄球
ヒードラン 噴火 火炎放射 大地の力 守る シュカの実
モロバレル ギガドレイン キノコの胞子 怒りの粉 日本晴れ オボンの実

・大会までにうまくまとまらなかったバンギラス構築案
・自分が使ったようなトリパに強い黒い鉄球バンギラスから構築をスタート
バンギラスを活かすために能動的にトリックルームが使えるクレセリア採用
クレセリアバンギラスに強いハッサムに強いヒードラン、単純に強い
ヒードランバンギラスと来て、水や格闘に弱いのでそれをサポートできるモロバレル採用
・ここまで遅いポケモンばかりになってしまったので、素早さと火力のあるポケモンとしてボルトロス採用
・威嚇と猫騙しが欲しかったのでカポエラーを最後にチョイス
バンギラスヒードランの形で雨に厚くするためには日本晴れが欲しい
・対モロバレルを考えると神秘の守りは欲しい、袋叩き構築のドーブル以外は神秘を使ってからトリルを選べば良い
ボルトロスは対袋叩き(ヨプテラキオン)を考えると特殊型に、対スカーフドーブルも考えて霊獣スカーフ
ボルトロスとの並びを考えてカポエラーには手助けを採用(手助け10万ボルトで無振りボルトロスが倒せる)
・フェアリータイプも採用したい・・・ですね。