見せ合いあり64構築〜重力グラードンWキュレム〜

エルフーン おくびょう いたずらごころ
135-×-106-129-95-184 B.4 C.252 S.252
ムーンフォース、くさぶえ、アンコール、まもる@きあいのタスキ


○ゲンガー おくびょう ふゆう
143-×-110-152-96-170 H.60 B.236 C.12 D.4 S.196
(143-×-130-192-116-192)
たたりめ、ヘドロばくだん、さいみんじゅつ、まもる@ゲンガナイト


グラードン ようき ひでり
175-199-160-×-114-156 A.228 D.28 S.252
(175-229-180-×-114-156)
だんがいのつるぎ、ほのおのパンチ、つるぎのまい、まもる@べにいろのたま


○Wキュレム ひかえめ ターボブレイズ
201-×-110-244-120-147 H.4 C.252 S.252
ふぶき、れいとうビームりゅうせいぐんりゅうのはどうこだわりスカーフ


ヤミラミ しんちょう いたずらごころ
157-96-98-×-125-71 H.252 A.4 B.20 D.228 S.4
ねこだまし、フェイント、さきおくり、じゅうりょく@だっしゅつボタン


○FCランドロス ようき いかく
165-197-110-×-100-157 H.4 A.252 S.252
いわなだれ、とんぼがえり、だいばくはつ、まもる@いのちのたま


9/19のバトルロードグロリアオンライン大会で使用。
スイスドロー予選を7-0で1位抜け、決勝1-1でベスト8止まり。



【構築概要】
重力をコンセプトに、伝説枠にグラードンとWキュレムを採用した構築。命中不安定ながら強力な範囲攻撃である断崖の剣・吹雪を必中の攻撃技として積極的に使って攻めていきます。また、重力は命中の補強がメインで火力が上がるわけではないので、ダメージレースで有利に立つために眠り技で相手を行動不能にするポケモンを取り巻きに揃えて、重力の恩恵を最大限活かして戦います。


【構築経緯】
「Wキュレムを使いたい」をテーマにした構築。キュレムの評価ポイントは「グラードンが苦手としがちなボーマンダカイオーガレックウザにそこそこ強い」と「氷技の一貫性が高い(いわゆる伝説枠で半減できるのはカイオーガのみ)」だったので、グラードンと組み合わせることを考えました。氷を半減する鋼タイプに対してもグラードンが強めなことから、お互いに相性補完がとれています。
ただ、伝説を2匹しか採用できないルールで普通にWキュレムを使おうとすると、どうしてもゼルネアス構築よりパワーが低くなりがちです。それを解決するために、重力を採用してWキュレムには範囲攻撃の吹雪を主力にさせる方向性で構築を考えます。


まず重力を使うポケモンとしてヤミラミを採用。悪戯心で先制して使うことができるので、味方がそのターンに重力の恩恵を受ける行動を自然ととれる点が優秀です。そして、特性が肝っ玉のガルーラ・メガミミロップを無視すれば、相手の猫騙しに関わらず重力を使うことができる点で安定感もあります。
次に採用したのはエルフーンです。攻撃役と重力役を選出したときにまともな素早さ操作技を取り入れられずに素直に殴り負ける可能性が十分にありえたので、悪戯心からの草笛で相手の動きを止められるエルフーンでカバーできるようにしたいです。
5匹目にはメガゲンガーを選択。カイオーガを相手にして天候の奪い合いが発生した場合、先に崩れるのは数値が低いポケモンが多いこちら側であることが目に見えていたので、影踏みのメガゲンガーを使ってうまく天候をコントロールしたいと考えました。また、催眠術を覚えるので重力との相性も良く、眠らせたポケモンを逃さない意味でも強力です。
最後の1匹は霊獣ランドロスを採用。カイオーガの入った構築にはなるべくメガゲンガーを繰り出していきたいですが、その際に並べるポケモンとして相性が良さそうだと感じたことが理由です。威嚇でメガゲンガーの耐久を底上げしつつ、カイオーガより素早い蜻蛉帰りで相手の交代を見ながら対面を作れそうなところが評価ポイントでした。


(参考:最強の重力パ使いになりたい!-【VGC2016】S14スペレ最高9位&JCS約1750【GS】)
6匹を確定した後に悩んでいたヤミラミの持ち物とエルフーンの技構成について、参考にいたしました。
なお、グロリアオンライン大会ではご本人様とマッチングして5匹ミラーから選出までミラーした模様((


【個別解説】

エルフーン
<持ち物:気合の襷>
行動保障用の持ち物。重力下での草笛の命中率を100にする広角レンズも魅力的ではありますが、重力の恩恵を受けるポケモンが一度しか動けずに倒れてしまうようでは困るので、命中に関しては割り切りました。
<技構成:ムーンフォース、草笛、アンコール、守る>
採用理由の草笛、猫騙しなどによる切り替えしに対抗するための守る、は必須。相手を眠らせた後のために攻撃技は欲しく、グラードンが苦手なレックウザボーマンダにダメージを稼げることを評価して攻撃技としてムーンフォースを採用。
最後の技は素早さ操作技の追い風と悩みましたが、アンコールを採用。最も決め手となったのは、先のURLにもあるようにヤミラミが肝っ玉猫騙しを打たれて脱出ボタンが発動した場合にエルフーンを出して影踏み+アンコールでメガガルーラを止められると思ったことです。単純ながら重力ターンを稼ぐ守るなどをアンコールできるのが強力で、重力下でも命中90しかない草笛よりも安全に使えるところが評価できます。
<実数値:135-×-106-129-95-184 B.4 C.252 S.252>
素早さ最速でCS振り切り。防御4振りで威嚇込みA177メガガルーラの捨て身タックル最高乱数以外耐え。
草笛を打って暇になった際は攻撃に参加することになるので、なるべく火力を高めて使いたいと思いました。


★ゲンガー
<持ち物:ゲンガナイト>
メガシンカのため必須。影踏みで眠った相手を逃がさず天候合戦も有利に戦いたいです。
<技構成:祟り目、ヘドロ爆弾、催眠術、守る>
影踏みを活かすために場持ちを良くする守る、重力の恩恵を受ける催眠術、ゼルネアスに有効な打点になりメガガルーラにダメージを与える手段となるヘドロ爆弾、の3つは必須。
最後の技は身代わり・凍える風などがあると便利ではありますが、有利なはずのドータクンを一切攻撃できなくなるのでゴーストタイプの攻撃技を選びます。候補はシャドーボールと祟り目で、ドータクンを見据えてランドロスとの連携を考えるとシャドーボールを採用したいところですが、催眠術との相性に優れる祟り目の方が汎用性は高いということで結局祟り目を使いました。特殊耐久に厚いグラードンすら2発で葬れるので2ターン以上眠る場合はタイマンで勝てます。
<実数値:143-×-130-192-116-192 H.60 B.236 C.12 D.4 S.196>
メガシンカ前で最速ガブリアス抜き、メガシンカ後に最速ゲッコウガ抜き。A177メガガルーラの不意打ちをほぼ耐え、ヤミラミのフェイント+ヘドロ爆弾でH162B95D66ドーブルをほぼ1発、祟り目でH174D166ドータクン2発(状態異常なら1発)。
ゼルネアスに先制してヘドロ爆弾を打つための最低限の素早さを確保して、隣のメガガルーラの不意打ちに怯まず攻撃技を選べるように物理耐久に厚くしました。


グラードン
<持ち物:紅色の玉>
ゲンシカイキのため必須。
<技構成:断崖の剣、炎のパンチ、剣の舞、守る>
重力の恩恵を大きく受けられる断崖の剣は必須。また、大事に扱うために守るも必要になります。2つ目の攻撃技は重力が決まっていないときに地面耐性のあるポケモンを攻撃できて最も火力が出る炎のパンチ。最後の技としては剣の舞を採用、重力ターンを稼ぐ守るに合わせて使うことで、限られた重力ターンの中で後続まで一気に倒せるようになります。
この技構成だとボーマンダレックウザなどの相手は厳しいですが、重力さえ決まっていればしっかり攻撃できるので、炎のパンチの汎用性の高さを買ってドラゴンクローなどは不採用としました。
<実数値:175-229-180-×-114-156 A.228 D.28 S.252>
素早さはミラーも意識して最速。C172メガボーマンダの75%ハイパーボイスほぼ2発耐え、残り攻撃。
素早さ操作技がないことからなるべく多くの相手を上から制圧できるよう最速は必須。グラードンで相手を倒し切ることを目標にしているため攻撃に多く配分しました。


★Wキュレム
<持ち物:拘りスカーフ>
メガレックウザメガボーマンダからの攻撃に耐性があるわけではないので、先制してしっかり処理できるよう拘りスカーフ。クロバットボルトロスに対して強くなれる点も嬉しいです。
<技構成:吹雪、冷凍ビーム、流星群、竜の波動>
重力の恩恵を受けて強力な範囲攻撃となる吹雪、コンボ系構築の障害になりやすいクロバットボルトロスなどを確実に仕留めるための冷凍ビームは必須。氷半減のカイオーガにダメージを稼げるドラゴン技は欲しく、流星群と竜の波動を同時に採用しました。竜の波動はレックウザを処理して且つ後続やカイオーガにも隙を見せない点が良く、流星群はカイオーガを半分削ることでグラードンとの集中攻撃で倒すことができる点を評価しています。
クロスフレイム・大地の力・寝言辺りも考えましたが、これらの技で拘る状態は良くなさそうだったので、タイプ一致の技のみで固めました。
<実数値:201-×-110-244-120-147 H.4 C.252 S.252>
CS振り切り。メガガルーラグラードンが吹雪で半分削れることを考えて特攻に性格補正。
少し耐久に振ればC222グラードンの晴れ75%噴火を確定で耐えますが、満タンから受ける状況がそれほどなさそうなので、キュレムミラーや素早さ無振りの追い風カイオーガなどを意識して素早さも振り切っています。


ヤミラミ
<持ち物:脱出ボタン>
重力の恩恵を活かすべくヤミラミを素早く退場させるための持ち物。重力中は眠り技や低命中技で攻めることになりますが、火力を底上げしているわけではないので1発で倒せることは少なく、眠り技も対象が1匹な上に即起きのリスクがあります。そのため、重力の恩恵を受けないヤミラミが場に残って攻めあぐねることを避けたいと思いました。
<技構成:猫騙し、フェイント、先送り、重力>
採用理由である重力、相手の猫騙しをやり過ごしたりグラードンの剣の舞との相性が良い猫騙し、は必須。個人的に欲しかったフェイントを採用すると、残りの枠が1つしかないので一種の素早さ操作技として使える先送りを入れました。
挑発も便利な技ではありますが、メンタルハーブを持ったドーブルの対策ができないので、フェイント+攻撃で気合いの襷を削りつつ早々と倒す方向で対策することにしました。重力ターンをやり過ごすための守る・ワイドガードを打ち破ったり、気合いの襷で耐えた高速ポケモンの処理など便利に使えました。
<実数値:157-96-98-×-125-71 H.252 A.4 B.20 D.228 S.4>
A146ファイアローの拘り鉢巻きブレイブバード耐え、C183ゼルネアスの75%マジカルシャイン耐え。
まず、ファイアローの攻撃で即死しないようにすることを意識。残りは特殊耐久に振ってメガボーマンダハイパーボイスを高確率で2回耐えることを狙っています。


★FCランドロス
<持ち物:命の珠>
守るを持たせて立ち回りに融通を利かせつつ、大爆発の火力を上げるための持ち物。メガゲンガーのゴースト技をシャドーボールにしていれば拘り鉢巻き大爆発と合わせてドータクンを倒せますが、祟り目を採用することにしたので拘り鉢巻きの理由は薄れました。
<技構成:岩雪崩、蜻蛉帰り、大爆発、守る>
適当にダメージを与えつつ死に出しの機会を作って対面をコントロールするための大爆発、同じく対面コントロールに便利な蜻蛉帰り、初手に出した際に猫騙しをやり過ごすのに便利な守るの3つが必須。
最後の技としては構築で苦手なファイアローを処理する手段として岩雪崩を採用しました。地面が一貫する場合は地震も強力ですが、重力を使う関係もあり打ちづらい場面の方が多いため不採用としました。
<実数値:165-197-110-×-100-157 H.4 A.252 S.252>
カイオーガに先制して行動するために素早さは最速。残りはなるべく火力を上げるために攻撃に全振り。
大爆発でメガガルーラが死なない火力ですが、逆に威嚇がかかって赤まで削れたメガガルーラを影踏みで逃さないと考えると起点として考えることもできます。


【構築総評】
普段は積極的に使えない技を躊躇なく使えるので、使っていて楽しい構築でした。
重力に対する考え方が「命中を上げるだけで火力は上がらないので、依存度が低いなら採用する意味が薄い。なので、依存度を高くして構築したいが、重力前提になるので不安」だったので、重力をコンセプトに構築を組んだことはありませんでした。しかし、このルールではずば抜けて高いスペックを持つグラードンを使えるおかげで、今回それを叶えることができた点は良かったです。
負けた試合は選出ミス。予選からの再戦だったのですが、拾えたら大きい目先のアドバンテージばかり考えた選出で負けるダメなパターンでした。とはいえ、他の試合でも非重力下での眠り技や眠りターンなどに頼らなくてはいけない場面がそこそこ見受けられので、大会予選の結果はただただ運が良かっただけとも言えます。
重力と組み合わせて有効な技が吹雪・断崖の剣・催眠術(草笛)と3種類あるおかげで、相手の選出を誘導しやすくなって戦えていると感じる場面が多いです。逆に言えば、相手が自分にとって困る選出をしてきた場合には非重力下で低命中技を振り回さなくては勝てないことも多い印象を受けました。