第34回伝説厨オフ使用パーティ〜雨イベルタルクチート〜

10/2に開催された第34回伝説厨オフに参加してきました。


予選は6-3で3位通過、決勝トーナメントは通算3-1で総合3位という結果でした。
今回でORAS環境の伝説厨オフは最後だったようです。BW2環境・XY環境のラスト回はどちらも準優勝だったので、今回は優勝できるようにと目指しましたが、あとちょっと足りませんでした。



〜パーティ〜
レパルダス、ゲンガー、カイオーガイベルタルクチートドータクン


レパルダス おくびょう いたずらごころ
139-97-76-138-70-168 B.48 C.248 S.212
イカサマ、めざめるパワー(水)、ねこだまし、でんじは@しずくプレート


○ゲンガー おくびょう ふゆう
143-×-88-170-95-174 H.60 B.64 C.156 S.228
(143-×-108-210-115-196)
ヘドロばくだん、めざめるパワー(氷)、おにび、まもる@ゲンガナイト


カイオーガ ずぶとい あめふらし
207-×-145-177-161-114 H.252 B.172 C.52 D.4 S.28
(207-×-145-207-181-114)
しおふき、ねっとう、れいとうビーム、まもる@あいいろのたま


イベルタル おくびょう ダークオーラ
207-135-116-163-135-158 H.44 B.8 C.128 D.132 S.196
バークアウト、デスウイング、ふいうち、まもる@じゃくてんほけん


クチート いじっぱり いかく
155-133-106-×-93-71 H.236 A.124 B.4 D.140 S.4
(155-155-146-×-133-71)
アイアンヘッド、ふいうち、はたきおとす、まもる@クチートナイト


ドータクン なまいき ふゆう
174-109-145-×-176-47 H.252 B.68 D.188
アイアンヘッド、さいみんじゅつ、スキルスワップトリックルーム@メンタルハーブ


イベルタルは非理想個体
ドータクンの素早さは非理想



【構築概要】
伝説枠にカイオーガイベルタルを採用した構築。メガシンカは2匹採用しており、メガクチートイベルタルの不意打ちで削れた相手を仕留めていく方針、メガゲンガーで相手の交代を封じながらイベルタルカイオーガで場を掌握していく方針、の2つの戦い方を大きく軸に置いています。



【構築経緯】
イベルタルを使いたい」というテーマを元にスタート。というのも、ちょうど1年前の伝説厨オフでイベルタルの入った適当なパーティを使った結果、伝説厨オフで初めてで唯一の負け越しを喫することになってしまったので、そのリベンジをしたいという思いが強かったからです。


イベルタルの特徴としては以下のようなものが上げられます。

  • 悪技の一貫性が高い(とはいえメガガルーラのノーマル技・メガボーマンダの飛行技などの方が一貫性がある上に火力が高い)
  • 役割対象となるエスパー・ゴーストタイプは補完で採用されるポケモンが多く、明確に強い相手が少ない
  • ゼルネアスに絶望的に弱い


これらの特徴を踏まえた上で、以下のような方針で考えることにしました。

  • ダークオーラの恩恵を活かすべくイベルタル以外にも悪技を使えるポケモンを採用する
  • ゼルネアスには他で対策を厚くする
  • イベルタルの役割は後付け的に考える


伝説枠はフェアリー耐性のあるグラードンも候補でしたが、グラードンでゼルネアスに対抗しようとするとカイオーガ+ゼルネアスの構築が重くなりがちなことが大きく却下。また、グラードン案を進めていくと取り巻きがよくある組み合わせになりがちで、最終的にイベルタルの必要性が分からなくなることも多かったです。
そこで、まずメガクチートと合わせて使うことを決めました。クチートはガルーラ・ボーマンダに比べると汎用性は落ちますが、グラードン以外には比較的強い性能を持っており、強力な先制技の不意打ちはダークオーラの恩恵を受けるのでイベルタル以外にも悪技を使えるポケモンを採用する要件にも叶っています。そして、メガクチートで戦いづらいグラードン対策として伝説枠にはカイオーガを選択しました。


ここから残りのポケモンを決めていきますが、ゼルネアス対策を厚くしたいという要件を叶えるためにドータクンを採用。フェアリー技に耐性があるトリックルーム要員で、カイオーガと合わせれば弱点の炎も無効にすることができます。
初手からトリックルームを狙う動きが強いとは思えなかったので、ドータクンは後発での切り返しと考えて先発で隙を見せないポケモンを用意する必要があります。そこでゼルネアスに先制できるポケモンとしてゲンガーを採用。めざめるパワー水を持たせればグラードンも睨むことができますが、ゲンガーの技スペースが限られていることもあり、隣に置くポケモンと必要な技を分け合って対抗することにします。この組み合わせだとクチートを選出しないのでゲンガーをメガシンカさせることができます。その場合にはメガゲンガーにはめざめるパワー氷を持たせて、初手に繰り出されやすいガルーラボーマンダに対抗したかったので、隣に置くポケモンにめざめるパワー水を搭載する必要があります。
めざめるパワー水を使うポケモンの条件としては「ガルーラの猫騙しをやり過ごす手段がある」「ジオコントロールを積むゼルネアスに何かしらの対抗手段がある」「グラードンより速い」「雨めざめるパワーでグラードンをそこそこ倒せる火力がある」の4つが条件です。猫騙しをやり過ごす手段としてガルーラより速い猫騙し、ゼルネアスへの対抗手段として電磁波、を使えるポケモンから今回はレパルダスを選択しました。レパルダスメガゲンガーとの組み合わせが有名であり、影踏み+アンコールで悠長な行動を牽制できることからこちらの意図する行動が通りやすいと判断しました。


ということで、6匹が決まりました。
イベルタルには「メガゲンガードータクンなどとのミラーを意識した採用」という理由がしっかり与えられそうだったので、それを活かして戦えるようにしていきます。結果的にはイベルタル自身がそれらのポケモンを素早く処理できるわけではありませんが、強い圧力を掛けて味方が動きやすいようになっているため戦略としては成功していると思います。


【個別解説】

レパルダス
<持ち物:雫プレート>
めざめるパワーでグラードンを倒すための持ち物。命の珠は猫騙しを打ったターンに持ち物が判別されてしまうので却下。達人の帯と候補ですが、配分できる特攻の値とダメージ計算式の関係でプレートの方が火力が高かったです。
<技構成:イカサマ、めざめるパワー水、猫騙し、電磁波>
採用理由であるめざめるパワー水、初手でメガゲンガーを動かすサポートとなる猫騙し、は必須。
残る2つは場に残っても腐らないように汎用性の高いイカサマと電磁波を採用しました。特攻に大きく配分していることからイカサマではなくバークアウトを持たせても良かったかもしれません(イベルタルと合わせてバークアウトが2回入ればC232カイオーガの雨75%根源の波動も耐えられる)。
<実数値:139-97-76-139-70-168 B.48 C.248 S.212>
最速メガガルーラ抜き、猫騙し+雨めざめるパワーでH175D142グラードンを1発。残り防御でA177メガガルーラの火傷捨て身タックルを最高乱数2回以外耐え、A232メガレックウザの命の珠神速耐え(14/16)。
ニャオニクスと違って耐久水準が低いせいで、特攻に配分するとメガガルーラの捨て身タックルを威嚇込みで耐えることができません。そのために鬼火を使えるゲンガーと組ませることになりました。


★ゲンガー
<持ち物:ゲンガナイト>
メガシンカのため必須。「レパルダス+メガゲンガーからメガゲンガーカイオーガに交代してめざめるパワーをグラードンに決める」動きが仮に失敗しても、レパルダスの死に出しからメガゲンガーを出すことで交代を許さず天候を掌握できるため、影踏みがやはり強力です。
<技構成:ヘドロ爆弾、めざめるパワー氷、鬼火、守る>
ゼルネアスに大きくダメージを与えられるヘドロ爆弾、レパルダスメガガルーラから守るための鬼火、影踏みを継続させるために場持ちを良くする守る、は必須。
最後の技はメガボーマンダを縛るためにめざめるパワー氷を採用。レックウザに対しても鬼火でダメージを軽減しつつ気合いの襷を削って仕留められるようになります。
<実数値:143-×-108-210-115-196 H.60 B.64 C.156 S.228>
めざめるパワーでH171D115メガボーマンダを最低乱数以外1発、H181D120メガレックウザを火傷+めざめるパワーで1発。メガシンカ後に最速ファイアロー抜き。A146ファイアローの命の珠ブレイブバード耐え。
ボーマンダを倒す目的のため火力を重視。耐久は最低限を確保できているので、鬼火やバークアウトで誤魔化していきます。


カイオーガ
<持ち物:藍色の玉>
ゲンシカイキのため必須。
<技構成:しおふき、熱湯、冷凍ビーム、守る>
最も強い水技であるしおふき、晴れグラードンへの打点となる冷凍ビーム、大事に扱うための守る。最後の技はワイドガードをかいくぐれて火傷の追加効果で雷のないカイオーガミラーを有利に戦えそうな単体の水技の熱湯を採用。
しおふき+熱湯ではなく根源の波動+雷の組み合わせで使う案もありましたが、水技が根源の波動一本の型を採用することに抵抗がありました。
<実数値:207-×-145-207-181-114 H.252 B.172 C.52 D.4 S.28>
A255グラードンの75%断崖の剣を最高乱数2回以外で2発耐え、デルタストリーム下冷凍ビームでランク-1のH181D120メガレックウザ1発(13/16)、残り素早さ。
グラードンに後出しする状況を考えて防御に厚く配分した型にしましたが、しおふきの火力が足りなくて負けた試合もあったため、配分は見直しても良いかもしれません。


イベルタル
<持ち物:弱点保険>
技構成を決めた時点で最もハマっている持ち物だと思ったので採用。鬼火・威嚇・バークアウトなどで相手の火力を削いでいくので、弱点を突かれた場合もダメージを抑えることができ、発動した場合はデスウイングの回復量が驚異的になります。
<技構成:バークアウト、デスウイング、不意打ち、守る>
相手カイオーガから味方を守りたい場面が多いので、まずバークアウトを採用。メガクチートと合わせて相手に強く行動制限を掛けられる不意打ち。また、自分がイベルタルを相手にした場合にイベルタルは等倍ダメージを蓄積させて倒すことが多かったので、そういった対策をとられることを防ぐため守るを採用。
最後の技にはデスウイングを採用。構築全体でモロバレルの処理速度が遅かったため飛行技が欲しいと思ったのが大きな理由です。ダークオーラの恩恵も受けず威力も地味な技ですが、ダメージの3/4回復は確定数をずらす意味で地味に大きいです。
<実数値:207-135-116-163-135-158 H.44 B.8 C.128 D.132 S.196>
最速FCランドロス抜き。A232メガレックウザの命の珠ガリョウテンセイ耐え、C177ボルトロスの命の珠10万ボルト耐え、C255カイオーガのランク-1雨75%根源の波動を2発耐え。残り特攻で75%バークアウト+デスウイング2発でH177D111グラードンを倒せます。
ゼルネアスと勝負することはほぼないため、素早さはカイオーガグラードンに先制できる程度に抑えました。因みに、オフ当日は上記の特防を特攻に10ほど回した型を使用していました(特に意図があるわけではなかった)。


クチート
<持ち物:クチートナイト>
メガシンカのため必須。
<技構成:アイアンヘッド、不意打ち、叩き落とす、守る>
ダークオーラの恩恵を受ける技として不意打ち、また、大事に扱うための守るとゼルネアス対策のアイアンヘッドも必須。特にアイアンヘッドクチートミラーでも重宝します。
最後の技には叩き落とすを採用。このルールにはゲンシカイキメガシンカポケモンも多く叩き落とすは一貫性が低いようにも見えますが、ダークオーラも相まって強力な技になります。特に、イベルタルドータクンクレセリアを一撃にできる悪技を採用していないので、イベルタルに意識を向かせつつメガクチートで倒す立ち回りができます。
<実数値:155-155-146-×-133-71 H.236 A.124 B.4 D.140 S.4>
C255カイオーガの雨75%根源の波動耐え。H202B137ゼルネアス(A232メガレックウザの拘り鉢巻き耐え)をアイアンヘッドで1発、ダークオーラ叩き落とすでH174B176ドータクンが下2つの乱数以外1発。
カイオーガには不意打ちを当てられればしおふきの火力を下げることができるので、根源の波動耐え。構築に電磁波が入っているものの、ゼルネアスに対してはメガゲンガーを当てることも多く、メガクチートの素早さに割く余裕もなかったことからほぼ振っていません。


ドータクン
<持ち物:メンタルハーブ>
構築全体でボルトロスファイアローが重かったので挑発をかいくぐってトリックルームを決められるようにしました。モロバレルが重たいのでラムの実も候補でしたが、ドータクンが眠りを一度回避したら解決できるわけではないので優先度は落ちます。
<技構成:アイアンヘッド、催眠術、スキルスワップトリックルーム>
採用理由であるトリックルームドータクンカイオーガの並びで天候を即座に取り返せるようにスキルスワップ、は必須。ゼルネアスを攻撃する鋼技も必須で、先発のポケモンが電磁波を撒くこともあってアイアンヘッドを選択。
最後の技はドータクンが放置されることを防ぐために催眠術を採用。カイオーガにダメージを与えられる草結びも候補でした。
<実数値:174-109-145-×-176-47 H.252 B.68 D.188>
C183ゼルネアスの+2ムーンフォースを2発耐え。残り防御。素早さは最遅クチートより遅く麻痺したゼルネアスメガレックウザより速い数値。
本当は素早さ48でメガボーマンダなどのラインも抜ける方が良かったのでしょうが、個体用意の関係で妥協しました(メガボーマンダメガゲンガーで縛れるので、ドータクンが麻痺メガボーマンダと対面することは少なさそうです)。


【構築総評】
ゼルネアスへの対抗手段を用意しつつ、同じようにゼルネアスに対抗する構築に対してイベルタルが刺さる局面が多く見受けられたので、形としては良かったかなと思います。オフ当日はゼルネアス構築と3試合しか対戦しなかったのでイベルタルの選出機会は多かったですし、持ち物の弱点保険も発動率は3割程度ながら発動した試合は全てそのおかげで勝つことができました。特にデスウイングの地味な強さに気付くことができた点が収穫です。
勝ちきれなかったのは残念ですが、「イベルタルで負け越したときのリベンジ」という目的自体は果たせたと思います。伝説戦が主流でない1年前の時期に「(イベルタルの)記事読みましたが、(伝説戦をやってない僕から見ても)さすがに弱くないですか?」と言われたことがあるくらいだったので、かなり進歩したのではないでしょうか。
今回のオフでの負け試合は「眠り技耐性がない」「グラードンカイオーガ」によるもの。構築段階で眠り技対策に手が行き届いていないので、試合に負けたのは仕方ないですが意識して組み込みたいところです。また、グラードンカイオーガに関しては、不運と立ち回りミスによるものでしたが、イベルタル構築側が有利とは特に思っていないので対策をもう少し厚くしたい気持ちもあります。
因みに、レパルダスの枠に達人の帯ライチュウを採用すれば「カイオーガの処理速度が上がる」「電気の一貫性を消せる」という大きなメリットがあるためこちらも候補でした。今回は万が一ゼルネアスに積まれてしまっても悪戯心の電磁波を使えるレパルダスを使用しましたが、オフの対戦ではレパルダスが相手の行動を抑制している部分もあった(特に対スカーフドーブル)と思うので一長一短でしょうか。


【余談】
達人の帯ライチュウの型。
レパルダス同様に「猫騙し・めざめるパワー・麻痺撒きが可能」で、レパルダスよりも「グラードンに対するダメージが乱数2つ分ほど大きい」「物理耐久の調整が高乱数から確定になる」「特殊耐久が高くバークアウト込みでカイオーガの攻撃を1回耐える」点で優れています。


ライチュウ おくびょう ひらいしん
140-108-80-141-101-168 H.36 B.40 C.248 D.4 S.180
10まんボルト、ほっぺすりすり、めざめるパワー(水)、ねこだまし@たつじんのおび
・最速メガガルーラ抜き
・雨めざめるパワーでH175D142グラードン1発(12/16)
・C255カイオーガのランク-1雨75%根源の波動耐え
・10万ボルトでD180カイオーガにmin101ダメージ
(・A177メガガルーラの火傷捨て身タックル耐え)
(・A232メガレックウザの命の珠神速耐え)