12/4に開催される第2回ヒストリアカップに参加するために、バーチャルコンソールのポケモン赤緑青ピカチュウ版(以下、初代VC)をプレイしました。
当然、一から対戦できる環境を整えることになるので、その参入障壁は高いと言えるでしょう。しかし、その高さがどれくらいか言及されていることはあまり見たことがありません。ということで、今回は私が実際にオフ参加に向けて準備で行ったことを書き記したいと思います。
苦労話を自慢したいわけではありませんが、膨大な時間を充てることになるので覚悟を持って臨む必要があると思っていて、それを知らずに取り組んだ私のような人を後世に生まないための教訓として見てもらえれば幸いです。
いわゆるセレクトバグを使わない真面目な方法になります。
○工数概要
- ステータスは5つ・個体値は16パターン、だが孵化遺伝も個体値固定もないので、厳選はひたすらやるしかない
- 10/8〜10/22くらいまでに4匹厳選、妥協ラインは素早さ15の他9以上に設定
- ニンテンドウカップ'97はLv.50〜55のポケモンが使用可能であるため、予め育成前に育成するレベルを定めておく必要がある
- 要するに、一度Lv.55で育成した後に「Lv.50で使いたい!」となると、新たな個体を用意しなくてはならない
- 6匹の個体を用意したころ30時間だったプレイ時間が、努力値振り・レベル上げを完了したころには93時間になっていた
- 日付に直すと10/22〜11/6の16日間、1日平均で5〜6時間プレイしていたことになる
- 育成後はポイントアップ周回、「1周約2時間で5個回収」「3個*技4つ*6匹=72個」なので周回だけで14周(30時間)は必要になる
具体的な方法など含めた詳細は続きから。下記項目について書きます。
因みに、私が所持しているのは、緑・青・ピカチュウ版がそれぞれ1本ずつです。
〜メインロム殿堂入り〜
〜四天王討伐要員の育成〜
〜対戦個体の厳選・育成〜
〜アイテム周回〜
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〜メインロム殿堂入り〜
・対戦ロムはピカチュウ版推奨
・ピカチュウ版の場合、「研究所でのライバル戦に勝利」「22番道路(トキワシティの西)でのライバル戦は行わない」を推奨
・余計なアイテムはなるべく受け取らない
まず、対戦ロムがピカチュウ版推奨である理由です。
これは「対戦中にPPが切れたときに悪あがきをしっかり発動させられる仕様がピカチュウ版にしかない」からです。
赤緑青では、ポイントアップなどでPPを増やした状態でPP切れを起こすと「わざののこりポイントがない!」表示しか出ず悪あがきが発動しません。対戦を有利にするためにPPは増やすのに、悪あがきを出せずに負けるようでは本末転倒なので、それを防ぐためにピカチュウ版にするのが良いでしょう。
次に、ライバルとの対戦について。
これは「育成時に使うツールがライバルの手持ちのイーブイがブースターに進化することを前提に作られている」からです。
ピカチュウ版では、ライバルの手持ちのイーブイが進化する分岐条件があり、それは「研究所でのライバル戦」「22番道路でのライバル戦」の勝敗で決まります。2勝するとサンダース、研究所で勝利して22番道路で敗北(対戦しないのは敗北扱い)するとブースター、研究所で負けるとシャワーズ、になります。
因みに、私は最初に見たサイトで「分岐条件は勝敗数」と見たので、研究所で負けた後に22番道路で勝利しましたが、気付いたらシャワーズに進化していました。大差ないと思ってそのまま進めました。あくまで推奨です。
最後に、余計なアイテムを受け取らない件。
これは「手持ち・パソコンを含めて持てる道具の数がかなり少ない」からです。
そのままの通りです。例としては、タウンマップやフラッシュの秘伝マシンが挙げられます。とはいえ、道具の輸送が不可能なので技マシンなどを持ち続けている意味もあまりないので、釣り竿系アイテムなどは受け取っても良いと思います。
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〜四天王討伐要員の育成〜
・四天王周回の目的は「経験値」「お金」の2つ
・個人的にはドードリオ「ドリル嘴、トライアタック、捨て身タックル、空を飛ぶ」が低コストなので推奨
・カビゴン「捨て身タックル、猫に小判、破壊光線、サイコキネシス」も一応候補
・カビゴンだと自爆抜け(わざと負けることでエンディングを短縮)ができる・・・らしい
まず、四天王周回の目的。先述の通り「経験値」「お金」の2つです。
初代VCでは一度倒したトレーナーとは戦うことができないので、効率的に経験値とお金を稼ぐ方法はこれしかありません。
育成するポケモンに投与するドーピングアイテムの購入、努力値を振ったポケモンのレベル上げ・・・と育成には欠かせません。
次にドードリオ推奨の理由。
これは「空を飛ぶを覚える」「主要技を自力で覚える」「大真面目に努力値を振らなくても良さそう」の3点です。
「空を飛ぶを覚える」が重要な理由を説明する必要があると思いますが、そのためにはまず学習装置の仕様を説明した方が良さそうです。初代VCの学習装置は「全体の50%を対戦に出たポケモンで均等に分配して、残り50%を戦闘に出たポケモンを含む手持ちポケモン全員で均等分配」仕様です。そのため、四天王討伐要員+育成したいポケモンの2匹で四天王周回に臨むのが効率的です。そして、ライバルを倒した後はマサラタウンに戻ってしまうため移動のために空を飛ぶを覚えるポケモンが手持ちに欲しいです。
ということで、空を飛ぶを習得できるポケモンで四天王討伐をするのが望ましく、ドードリオはドリル嘴とトライアタックという命中100の高威力技を自力で習得するので周回に適しています(ポイントアップを使う余裕がない点でPPが多いのも良い点)。岩タイプのポケモン以外はこの2つの技で一撃にでき、捨て身タックルの技マシンを使えば、シバの1匹目のイワークとワタルのプテラも一撃にできます。破壊光線があればシバの2匹目のイワーク・ライバルのサイドン(赤緑青)も一撃にできるかもしれませんが、破壊光線は技マシンを入手するのにお金を必要とするため、コストと見合っていないように感じます。
○ドードリオを使う場合の技選択
- カンナ:全員ドリル嘴で倒す
- シバ:初手のイワークは捨て身タックル、残りはトライアタックで倒す(2匹目のイワークは2発かかる)
- キクコ:全員ドリル嘴で倒す
- ワタル:プテラは捨て身タックル、それ以外はトライアタックで倒す
- ライバル:たぶん全員ドリル嘴で倒せる、赤緑青の場合はサイドンに捨て身タックル(急所なら一撃)
もう1匹の候補のカビゴン。
これは「猫に小判を使って四天王討伐中にお金を増やせる」ことが理由になります。ただ、コストと見合っていないように感じます。
まずはカビゴンの個体。ストレスなく進めるためにワタルのプテラに先制できる素早さが欲しいですが、そのためには素早さ個体値13以上で努力値をほぼ振り切るところまで求められます。1匹に努力値を振るだけで6時間以上とられる(詳しくは後述)ので結構面倒です。
もう1点は空を飛ぶを覚えない点。ドードリオの項目に書いたように2匹で四天王をクリアした後は毎回トキワシティまで歩いてポケモンセンターで空を飛ぶポケモンを引き取る必要があります。
一応、自爆で敢えて負けることで時間を短縮する小技もあるようですが、初代VCは相手の技が貧弱だったり行動がランダムだったりと倒してもらうのが意外と難しいので、それはそれでストレスになる気がします。負けて取られるお金を少なくするためにスーパーボールに換金しておくらしいですが、それが効率的かは試していないのでちょっと分からないです。
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〜対戦個体の厳選・育成〜
・厳選で理想値を引く確率は1/65536、地道に試行回数を稼ぐしかない
・努力値振りは以前より効率的に行うツールがあるものの、1匹あたり6時間以上はかかる
・レベル上げは四天王周回、これも予想以上に時間がかかります・・・。
まず、厳選について。
初代の個体値は0〜15の16段階でステータスは5つ。孵化システムもなければ個体値固定もないので、地道にやるしかありません。
妥協ラインを決めるのは難しいですが、乱数が絡まない素早さの最速のみ確定として残りは特殊・HPなどの高さを見つつ適当に割り切るのが良さそうです。主要なポケモンの多くはイベントで入手できるので、野生ポケモンを捕まえる必要がないのは良いところでしょうか。ケンタロス・ルージュラはCPU交換、イーブイ・ラプラスは人から貰う、フリーザー・マルマインなども固定シンボルなので最悪はマスターボールで対応できます。
因みに、HP個体値の決まり方ですが、これは以下のように他ステータスが奇数か偶数かで決まります。この仕組みのおかげでジャッジがいなくてもドーピングアイテムを使わずに個体値が判別しやすくなるのは良いところかもしれません。
[HP個体値]= A + B + C + D
A…攻撃個体値が奇数の場合8,偶数の場合0
B…防御個体値が奇数の場合4,偶数の場合0
C…素早さ個体値が奇数の場合2,偶数の場合0
D…特殊個体値が奇数の場合1,偶数の場合0
次に努力値に関して。
初代の努力値はすべてのステータスに最大まで努力値を振ることができるので、振り切る以外に選択肢はありません。
現在の努力値の仕組みは各ステータスの上限が255でその合計の上限が510となっていますが、初代は各ステータス合計の上限が存在しません。そのため、すべてのステータスに努力値を振り切ることができます。そして、努力値上限は255ではなく63002となっており、倒したポケモンの種族値がそのまま努力値となり全ステータスに加算されます。そして、この努力値の値に応じた努力レベルを基にステータスが決定します。
また、初代の努力値稼ぎと言えば「ドーピングアイテムを使った後にニドラン系統を1000匹倒す」という方法が有名ですが、上記の仕組みを知っていれば必ずしもニドランを倒す必要があるわけではないことが分かります。そこで登場するのが「育成プランナー」というブラウザで使えるツールです。このツールは22番道路のポケモンを無作為に倒して努力値を稼ぐことを前提に、育成前のレベルから育成後のレベルまでに必要な経験値を基に必要なドーピングアイテムの個数・無作為に野生を倒す数・四天王周回数などの目安を計算してくれます。出現率が高くはないニドランをひたすら待つよりはよっぽど効率は良くなるでしょう。実際に育成プランナーを使ってみると、特殊を上げるリゾチウムは10個必要なのに対して素早さを上げるインドメタシンは3個程度しか必要でないことが多いです。これは22番道路に出現するポケモンの特殊種族値が低いことが理由で、特殊が最大になるまで野生ポケモンを倒す間に他ステータスの努力値の方が多く手に入るので、その他のステータスのドーピングアイテムの数を抑えることができていることが分かります。とはいえ、育成プランナーを使ったとして「ドーピングアイテムは必須+野生ポケモンを850匹程度は倒す必要がある」ことから努力値を振るだけでも1匹あたり6時間以上はかかってしまいます。
注意点としては、「学習装置を持たないこと」でしょうか。ポケモンを1匹倒して種族値と同じ努力値が入るのは経験値を100%分手に入れたときだけであり、学習装置で経験値を分け合うと努力値も分け合うことになります。そのため、野生のポケモンを倒すのは育成するポケモン自身でなければならず、学習装置を利用しても複数のポケモンを育成する効率が上がるわけではありません。
また、「努力値稼ぎ中のポケモンをボックスに預けると、稼いだ努力値に応じた努力レベルの下限値まで努力値が戻る」という情報もあるようですが、こちらに関しては定かではありません。
(育成プランナー:http://www2u.biglobe.ne.jp/kakeru/pokemon/planner.htm)
そして、レベル上げ。
四天王討伐要員の育成でも書いたように、レベルに関わらず不要なポケモンは手持ちに入れずに行う方が効率は良いです。
手持ち2匹で臨んだとしても、四天王討伐要員が75%分の経験値を持って行ってしまうので時間はかかります。
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〜アイテム周回〜
・対戦で必要なポイントアップは1周で5〜8個しか手に入らない
・周回は赤緑青のいずれか推奨、約2時間でポイントアップ5個入手を繰り返す
・具体的な周回方法について後述
まず、アイテム周回の必要性について。
対戦で使う技マシンやポイントアップを入手するためです。通常のプレイでは技マシンはほとんどが1個しか入手できず、ポイントアップも最大で8個しか入手できません。パーティ6匹のすべての技のPPを上げるのであればポイントアップは72個必要になるため、最低でも9周は必要になります。
9周もしていたら必要な技マシンは全て揃いそうなので、ここではポイントアップの入手のみ考えています。因みに、ポイントマックスは存在しません。
次に周回の推奨ロムが赤緑青のいずれかであること。
これは御三家と呼ばれるポケモンを使った方が周回が早いからです。最初にもらったポケモンを別ロムでレベル上げして周回を進めていくことになるので、ピカチュウでは色々と物足りないです。
因みに、ポイントアップが8個手に入るのはピカチュウ版のみですが、うち3つはハナダの洞窟での入手になります。セキチクシティまでクリアすれば5つ入手できるのは赤緑青でも同じなので、手間を考えるとセキチクまでを繰り返す方が良いでしょうか。
なので、ピカチュウ版で9周するか赤緑青で15周するかの選択になります。赤緑青で2時間を15周して30時間、ピカチュウ版は1周3時間ペースで回る必要があると考えると赤緑青の方が効率は良さそうですね。
そして、その周回方法について。最適か分かりませんが、私がやった方法を紹介します。
別ロムで努力値振りをするなど何かと同時に作業するつもりなので、クリア時間よりも操作性の少なさを重視しています。
- オーキド研究所でヒトカゲをもらう、ポケモン図鑑入手後に別ロムに輸送
- Lv.9に上げて「ひのこ」を覚えさせる(一気にLv.10以上になる経験値を入手してしまうと「ひのこ」を習得できない)
- 四天王を3周するとLv.40程度になる、ヒトカゲLv.38で「かえんほうしゃ」を習得するので、それまでは進化させない
- 周回ロムにリザードン「ひっかく、きりさく、ひのこ、かえんほうしゃ」を送り返す、合わせて秘伝要員を2匹送る
- 秘伝要員その1。カモネギ「いあいぎり、そらをとぶ」、クチバシティでCPU交換で入手できる
- 秘伝要員その2。ヤドン「フラッシュ、なみのり、かいりき、あなをほる」、タマムシシティでいい釣り竿で釣れる
- 四天王1週が15分とするなら別ロムでの作業は50分程度
- トキワの森は右側から道なりに進めば一本、CPU戦は1回
- ニビでジム制覇、CPUとは戦わず「ひのこ」のみで勝てる
- おつきみやまは右上方向から道なりに進めば普通に抜けられる、CPU戦は2回
- ハナダに着いたらそのままジム制覇、CPU戦は1回、CPU・カスミとも「きりさく」で倒す
- カスミを倒したら「いあいぎり」が使えるので、街の下方から「いあいぎり」でクチバ方面へ抜ける
- 「でんじは」の技マシン・サントアンヌ号に乗る(「のしかかり」・「ねむる」の技マシン)必要がなければハナダの北には行かない
- クチバに着いたらポケモン大好きクラブへ、会長の話を聞いて自転車引換券をもらう
- イワヤマトンネル用にむしよけスプレーを5個購入
- クチバジム制覇、仕掛けは第1ロックを解除したらレポートして第2を探す、CPU戦は0回、マチスは「きりさく」で倒す
- 空を飛ぶでハナダに戻り、自転車を入手してイワヤマトンネルへ
- CPU戦で草タイプが出てきたら「ひのこ」で倒す(状態異常技を受けないようにするため)
- イワヤマトンネルは「フラッシュ」が必要だがなくてもいける、必要なCPU戦は5回
- シオンに着いたらシルバースプレーを5個程度購入(なくてもいい)
- タマムシへ、ジムは無視してゲームコーナーからロケット団のアジトへ
- アジトの地下3Fを奥に進みエレベーターのカギを入手、地下2Fからエレベーターに乗り地下4Fでサカキを倒す
- ロケット団のアジトは「あなをほる」で抜けることができる(最後に回復したポケモンセンターに飛ぶ)
- シルフスコープを持ってシオンタウンのポケモンタワーへ
- タワーの5Fに回復用の結界がある、問題なく進めていればここまでポケモンセンターに立ち寄る必要がない
- ポケモンの笛を入手したらタマムシ左のカビゴンをどかしてサイクリングロードへ
- セキチクジムを制覇、リザードンはLv.48くらいになっているので「かえんほうしゃ」で苦労しないはず
- ポイントアップ1:タマムシシティ、ゲームコーナー右を「いあいぎり」で進んだ行き止まり
- ポイントアップ2:ロケット団アジト、地下1Fを真下に進んで植木が並ぶゾーンの一番右下
- ポイントアップ3:サイクリングロード、中央に川が流れてるエリアの右側、道路の右から2列目に左向きでいるトレーナーの11歩ほど下
- ポイントアップ4:11番道路(シオン〜セキチク間)、シオンから波乗りでトレーナーを回避して進み、柵のあるエリアの下側のくぼみ(鳥つかいの先)
- ポイントアップ5:無人発電所、サンダーのいるエリアから右上側に少し戻って、くぼみのあるところ
- ここまでで周回ロムのプレイ時間は遅くても1時間30分程度
- 「ふぶき」の技マシンなどが必要な場合はそのまま進める
・・・以上です。
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…といった具合でしょうか。
私が個体を育成するだけで2週間かかっているので、12/4のヒストリアカップには今から始めてギリギリ間に合うくらいでしょうか。。
シングル63なので3匹いれば対戦できるとはいえ、サンムーンの発売も控えている中で、そんな中途半端な状態で対戦するために時間を費やすのも勿体ないように思います。なので、興味のある方は、これだけの工数がかかることを理解した上で始められるのが良いかと思います。