初代VCで対戦ルールの環境を把握するまで。

初代VCで対戦ルールの環境を把握するまで。


対戦環境整備の記事を書きましたが、育成についての記事しかないのはちょっと気持ち悪い(?)と思ったので、対戦についても少し触れることにしました。
対戦環境やポケモン個別については私の主観になります。

  • 能力値計算
  • ダメージ計算
  • 主要な技の仕様
  • ニンテンドウカップ97準拠ルールの大雑把な対戦環境
  • ニンテンドウカップ97準拠ルールの私的キャラランク


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〜能力値計算〜
種族値

  • 現在の「とくこう」「とくぼう」が「とくしゅ」で一括りになっている
  • つまり、特殊攻撃を使う場合・受ける場合いずれも「とくしゅ」の値で計算される
  • その他のステータスに関しては基本的に現在と変わりない


個体値

  • 0〜15の16段階
  • HPの個体値は「こうげき」「ぼうぎょ」「すばやさ」「とくしゅ」の個体値で決まる
  • 具体的には各ステータスの個体値が奇数であればそれぞれ+8,+4,+2,+1として、その合計をHPの個体値とする


努力値

  • 現在とは大きく違い、各ステータスに最大65535まで振れる
  • 努力値に応じた「努力値レベル」が設定されていて、ステータス計算には「努力値レベル」が用いられる
  • (振り切らない選択肢がないので努力値配分という考え方がない)


○性格補正

  • そもそも性格という概念が存在しない


○ステータス計算式

  • 計算式は「 {([種族値]+[個体値])*2+[努力値レベル]}*[レベル]/100 + A 」
  • 努力値レベルの最大値は63、現在と変わりない
  • Aの値は「HPの場合→[レベル]+10」、「それ以外の場合→5」
  • つまり、個体値の最大値が異なること以外は現在と共通


〜ダメージ計算〜

  • 計算式は「 (([攻撃]*[技の威力]*B/[防御])+2)*[タイプ一致補正]*[タイプ相性補正] 」
  • Bの値は「レベル50〜52の場合→0.44」、「レベル53〜54の場合→0.46」、「レベル55の場合→0.48」
  • つまり、基本的には現在と同じ。持ち物や特性の補正がないので寧ろ現在よりシンプル


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〜対戦の仕様〜


○持ち物
持ち物という概念が存在しない。


○技:「ふぶき」
命中90追加効果3割。追加効果の凍り状態は「火傷の追加効果のある技を受ける」「黒い霧を使う」以外では解けない。
実質的には瀕死状態であるが、場に残って相手の起点になるので、寧ろ瀕死よりひどい。


○技:「はかいこうせん
命中90威力150。攻撃を受けた相手がそのまま倒れたり身代わりが攻撃を受けた場合には反動がない。


○技:「だいばくはつ」
命中100。威力170。相手の防御を半分にしてダメージ計算を行う(実質的に威力340)。
先制で大爆発が決まった場合、そのターン相手は行動できない仕様。
また、身代わりに大爆発が当たった場合、大爆発を使用したポケモンは瀕死にはならない。


○技:「みがわり」
HPの1/4を削って使用。残りHPと身代わりのHPが同じ場合は身代わりでHPが0になって瀕死になる。
身代わりで防げるのは、毒・混乱・能力低下・技の追加効果。
眠り・麻痺・宿り木の種・炎の渦などの拘束技、は身代わりでは防げない


○技:「どくどく」
命中85。猛毒状態なったポケモンが一度交代して再び場に出た場合、猛毒ではなく通常の毒状態となる。
宿り木の種と同時に使うと宿り木のダメージ増分も2倍になる。


○技;「かげぶんしん
回避ランクの確率が大幅に違う(1回使っただけで命中100の技を避ける確率が約3割)


○技:「さいみんじゅつ」「あくまのキッス」
それぞれ命中は60,75。相手を0〜6ターン眠り状態にする。
眠りから起きるターンは「めをさました!」で終わり行動ができないので、眠り続けさせられると一度も行動できない。


○技:「まきつく」「しめつける」「ほのおのうず」「からではさむ」
それぞれ、威力15命中85、威力15命中75,威力15命中70、威力35命中75。
1〜4ターンの間、使ったポケモンは技を出し続けて、相手は技を出せなくなる(交換は可能)。
技を出し続けている間のダメージは拘束を始める1発目のダメージで固定。
先制して打たれ続けると一度も技を選べない


○技:「あなをほる」「そらをとぶ
それぞれ地中(空中)にいる間も地震(雷)などの攻撃は受けない。
また、地中にいる間に麻痺する(痺れて動けない)と、もう一度「あなをほる」を使うまで地中から出てこない(実質無敵状態)。


○急所
[急所率] = [攻撃側の素早さ種族値] / 512
素早さ種族値が130のサンダースの場合、約25%の確率で急所を引く。
攻撃が急所に当たった場合はお互いの能力ランク(上昇・下降)を考慮しないでダメージ計算を行う。



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〜ニンテンドウカップ97準拠ルールの大雑把な対戦環境〜

  • VC対戦なので「凍り状態は1匹まで」の制限がない(先述の通り、凍りは瀕死同然で瀕死よりタチが悪い)
  • 相手を凍らせる吹雪を自然に使えて自身は凍らない氷タイプが強い
  • 氷タイプミラーはルージュラが一番強い(氷タイプの中で最も速く、悪魔のキッスで行動を止められる)
  • 上から制圧されるのを防ぐためには、それより速いポケモンを使うか素早さを奪うかしかなく、麻痺が強い
  • 麻痺技の代表格である電磁波を受けない地面タイプが強い
  • 地面タイプは氷タイプに弱いので吹雪を打たせる隙を作ってしまう
  • このような形で氷・電気・地面の関係性が存在している
  • そこに加えてノーマル・エスパーなど弱点が少ないポケモンや独自のコンボを持つポケモンが存在する


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〜ニンテンドウカップ97準拠ルールの私的キャラランク〜


S…ケンタロス
A+…ルージュラマルマイン
A…フリーザー、ラプラス、サンダース
B…サイドン、スターミー、フーディン
C…パルシェンゴローニャキュウコン、ガルーラ、ダグトリオギャロップ
D…ラッキー、カビゴン、ゲンガー、ナッシー、ファイヤー
E…その他


ケンタロス
・高速+物理打点主力の貴重な存在で、このルールトップクラスの単体性能を誇る
・格闘タイプが貧弱なので弱点を突かれることがほとんどない
・タイプ一致で破壊光線を使えるので攻撃の射程が広い
・防御の高いポケモンも吹雪で凍結を狙うことができるので安全に受けるのが難しい
・レベル50でも55ルージュラに先制してのしかかり2発で倒せる
・50ルージュラを破壊光線で倒すにはレベル54以上は欲しい(高乱数)
・性能が性能なので、どのレベルで使っても強い


ルージュラ
・氷ポケモンなので吹雪に強く、氷タイプの中で最も素早さが高い
ルージュラより速いポケモンは特殊攻撃主体のポケモンが多いため一撃死しづらい
・高速ポケモンには吹雪の凍結、低速には悪魔のキッスで不確定要素を押し付けられる
・(現代風に言うとキノガッサに近いものがあるだろうか)
・レベル51で50ケンタロスの破壊光線を確定で耐えることができる
・レベル55でも55ケンタロスの破壊光線は乱数でしか耐えることができない
・55ケンタロスの存在を考えるとルージュラをレベル54以上で使うのは難しそう


マルマイン
・全ポケモンの中で最も素早さが高く、単体性能はないもののサポートとして非常に優秀
・高速ポケモンに先制して電磁波を撒くことができるのでストッパーとしても起用できる
・(現代風に言うと、バシャーモボルトロスを後出しして悪戯心で電磁波を打つ感覚)
・また、大爆発でダメージを与えながら退場できるので自身が起点になりにくい
・レベル50でもレベル55フーディンまで先制することができる
・55サンダースに先制するにはレベル53以上必要
・サポートの役割が強いので、マルマインを高レベルで使うメリットはあまりない


フリーザ
・氷ポケモンなので吹雪に強く、特殊が高いのでタイプ一致吹雪の火力が最も高い
・物理耐久も高めなのでケンタロスとの打ち合いができる
・吹雪以外の攻撃技が貧弱なので、PP合戦になると不利になりがち
・55レベルで採用すると、50ルージュラにも先制できる
・53レベルの吹雪で55ケンタロスを2発で倒せる
・特殊が高いので、レベル50でも50マルマインの10万ボルトを2発耐えられる


ラプラス
・氷ポケモンなので吹雪に強く、氷タイプの中で総合的な耐久力が最も高い
・物理耐久と吹雪耐性があるのでケンタロスに強く、地面タイプにも繰り出しやすい
・技の選択肢が多く、10万ボルトを持てばルージュラ以外の氷タイプにも打点が持てる
・50ラプラスの吹雪で50サイドンはほぼ1発
・55ラプラスは55フーディンサイコキネシスを3発耐える耐久力
・氷タイプの中で攻守のバランスが最も良く、レベルに関わらず使いやすい


○サンダース
・このルールで2番目に素早さが高く、ケンタロスルージュラにタイプ一致技で一貫する攻撃ができる
・地面タイプには全く打点がないので文字通り無抵抗
・同様に電気タイプにもほとんど打点がないので、影分身を積み合う不毛なゲームになりがち
・レベル50でも55ケンタロスに先制できるが、55スターミーに先制するにはレベル51以上必要
・50マルマインに先制するためには、レベル53以上必要
・毒々を持てば地面タイプに打点は持てるが、眠るを持つ電気ミラーは不利(PP消費の問題)


サイドン
・サンダースの10万ボルト、マルマインの電磁波をはじめ電気の一貫を抑えられる地面タイプ
・岩タイプを併せ持つので、ケンタロスのノーマル技に耐性があり、氷タイプに強い打点を持てる
・氷タイプに打点を持ちつつ吹雪を覚えるので、電気タイプを受けて交代先に負担を掛ける能力が高い
・50サイドンは吹雪+地震で50サイドンをちょうど2発で倒せる
・50サイドン地震で50マルマイン、53サンダースまでほぼ1発
・50サイドンの岩雪崩で52フリーザー、52ルージュラまで1発


○スターミー
・吹雪を覚えるポケモンの中で最も素早さが高い
・高速+再生回復技持ちなので小さくなるとの相性が良い
・一方で地面タイプを呼ばない電磁波使いとしての側面もある
・55ケンタロスに先制するためにはレベル54以上が求められる
・55スターミーのハイドロポンプで50ルージュラほぼ2発
・55スターミーの10万ボルトでは55スターミーが低乱数2発



フーディン
エスパータイプの中で特攻と素早さが最も高く、サイコキネシスが一貫しやすい
・高速+再生回復技持ちなので、影分身との相性が良い
サイコキネシス以外の攻撃技が貧弱なので、対フーディンスターミーが不毛になりがち
・55スターミーに先制するためにはレベル54以上が必要
・54フーディンサイコキネシスで50ケンタロスがほぼ2発
・55フーディンの身代わりは53ルージュラのランク-1吹雪を耐える


パルシェン
・氷タイプなので吹雪に強く、防御が高いおかげでケンタロスに強い
・殻で挟むを覚えるので麻痺との相性が良く、自身が地面タイプに強いので電気と併用しやすい
・大爆発を使って退場する術も持つので、ルージュラの後出しがしづらい
(・Bランクでも良いかもしれない…)


ゴローニャ
サイドン同様に電気の一貫を切ることができる地面タイプ
サイドンと違ってレベル50だと50マルマイン地震で一撃にできない
サイドンと違って吹雪を覚えないが、大爆発を使うことができる


キュウコン
ルージュラに先制できる炎タイプで、特殊が高いのでサンダースと打ち合いができる
・自身より遅いポケモンは炎の渦でハメることが可能、サンダースから麻痺を受けた場合も穴を掘るで無敵になれる可能性がある
・55ルージュラに先制するためには54レベル以上必要


○ガルーラ
ケンタロス同様に攻撃と素早さが高くて吹雪を使えるノーマルタイプ、岩雪崩でフリーザーに強い点で差別化
・特殊の低さもあってケンタロスに性能は劣るが、ケンタロスとの併用も考えられる
・レベル55なら53ルージュラまで先制でき、50ルージュラを破壊光線で一撃にできる


ダグトリオ
・電気の一貫を切れる地面タイプの中でも素早さが高いポケモン
・火力が高くない、特殊も低い、ので上手く使わないと影分身や地割れに頼りがちなイメージ
・55スターミーに先制できるレベル54以上で使いたい


ギャロップ
・高速移動+炎の渦のコンボが使える、炎の渦で突破が難しい相手に角ドリルをぶつけることができる
・ファイヤーカイリューと違って低レベルで採用できる(起点作り+ギャロップ+高レベルの選出ができる)
・レベル50だと53ルージュラまで先制することができる


○ラッキー
・特殊耐久が非常に高いので突破手段が限られるところに、吹雪や小さくなるの不確定要素を押し付けるポケモン
・タマゴ産みがあるので、敢えて毒々や電磁波を受けることで吹雪の凍結を防いで居座りができる
・タイプ不一致技を主力にしなければいけないため、色々と不安が残る


カビゴン
・物理打点を主力にするポケモンの中で特殊耐久が高めなので、サンダースやフーディンにはタイマンで強い
度忘れを覚えて吹雪が使えるのでケンタロス同様に安全に受けるのは難しい
・素早さが遅いので吹雪には弱い


○ナッシー
・眠り粉、痺れ粉、と2種類の状態異常を覚えて、大爆発で退場もできる起点作りに向いている
・電気とエスパーに耐性があるので先発で出てくるサンダース、マルマインフーディンには強め
・一方で素早さが遅い上に吹雪が弱点なので、起点作り要員としては不安が残る


○ゲンガー
・高い素早さから催眠術を使えて、大爆発で退場ができる起点作りに向いている
・ノーマル無効+高い特殊なので地震を持たないケンタロスにはそこそこ強い
・高レベル採用も開拓の余地はありそうだが、タイプ一致技がない+安定した回復手段もないので正直微妙


○ファイヤー
・55レベルで習得する高速移動+炎の渦のコンボが強い
・55ケンタロスの吹雪+破壊光線を耐えて、大文字2発で突破することができる
・電気と氷が弱点となるので単体での運用は難しく、麻痺や眠りでのサポートが欲しい