WCS2017ルール構築〜眼鏡バイバニラ+壁サンドパン〜

バイバニラ ひかえめ ゆきふらし
178-×-122-154-121-100 H.252 B.132 C.76 D.44 S.4
ふぶき、フリーズドライ、ラスターカノン、みずのはどう@こだわりメガネ


サンドパンR ようき ゆきかき
151-142-141-×-95-128 H.4 A.172 B.4 D.76 S.252
つららおとし、アイアンヘッドいわなだれオーロラベールきあいのタスキ


ウインディ いじっぱり いかく
175-178-101-×-102-136 H.76 A.252 B.4 D.12 S.164
フレアドライブしんそく、じならし、まもる@ホノオZ


カミツルギ ようき ビーストブースト
134-233-151-×-52-177 A.252 D.4 S.252
リーフブレード、スマートホーン、せいなるつるぎ、ハサミギロチン@こだわりスカーフ


ハリテヤマ ゆうかん あついしぼう
219-187-86-×-109-49 A.236 B.44 D.228
インファイト、ヘビーボンバー、ねこだまし、フェイント@とつげきチョッキ


カプ・レヒレ ひかえめ ミストメイカ
175-×-136-154-151-114 H.236 B.4 C.196 D.4 S.68
だくりゅう、ムーンフォース、めいそう、まもる@たべのこし


シーズン2のWCSレートで使用。
戦績は25-4でした(レートは1682→1913)


構築はほぼカンザキさんからいただきました。
(2/5の第9回ぽちゃオフで予選7-1のベスト8、2/19のほんきをだすバトル2で20-1、らしいです)



【構築概要】
バイバニラ+サンドパンを採用した霰構築。
この組み合わせで削って後続のポケモンで倒す立ち回りが基本になりますが、サンドパンは攻撃的な型ではなくオーロラベールを使う型、バイバニラもその恩恵を大きく受ける拘り眼鏡型、で採用しているところが特徴的です。


【構築経緯】
まず私が個人的にサンドパンに興味を持っていました。特性の雪かきで高い素早さから動くことができて、このルールで後手に回りたくないガブリアスカプ・テテフに有利な点が魅力的です。
また、BW時代に砂かきサンドパンの構築を考えたものの完成には至らなかった思い出があり、今度こそサンドパンを使ってみたいという思いがありました。


当初はジメンZサンドパン+スカーフバイバニラで苦手な炎・鋼にも隙を見せずに上から猛攻を仕掛ける構築を考えていましたが、「吹雪+威嚇込みZ地震でHP振りウインディが落としきれない」「拘りスカーフを持ったカミツルギの台頭」の2つが大きく、この形での構築は一旦諦めました。
そんなとき、2月のバトルロードグロリア関東予選でカンザキさんがバイバニラ+サンドパンの組み合わせを使っており、翌日にあったぽちゃオフの相談に軽く乗りつつ話を聞くことができたので、自分でも構築を使ってみようと思いました。


構築としては、気合の襷サンドパンオーロラベールを使いつつ拘り眼鏡を持たせたバイバニラで吹雪。削った相手にサンドパンで更に削りを入れつつ、後続のウインディカミツルギの攻撃圏内に入れていくのが基本方針。また、それと同時に壁を盾に瞑想カプ・レヒレを展開する勝ち筋を作ることもできます。
天候パーティやトリックルームパーティに対しては、ハリテヤマを選出して猫騙しを絡めつつ相性補完のとれた組み合わせでじっくり戦っていきます。


【個別解説】

バイバニラ
<持ち物:拘り眼鏡>
吹雪で雑に相手を削ることに期待しているので、その要請と最もマッチする拘り眼鏡。
<技構成:吹雪、フリーズドライ、ラスターカノン、水の波動>
メインの吹雪以外の技は滅多に選ぶ機会がないので、終盤の展開を意識して採用。水タイプに打点を持てるフリーズドライギガイアスやミラーで打てるラスターカノン、炎タイプに打てる水の波動、としました。
水の波動を打ちたい相手は岩・炎・鋼タイプになるので、雨+ガラガラなどを除けばめざめるパワー地面を採用する方が良さそうです。
<実数値:178-×-122-154-121-100 H.252 B.132 C.76 D.44 S.4>
A233カミツルギのスマートホーン最高乱数以外耐え(A162ウインディの命の珠フレアドライブを壁込み耐え)。C161カプ・レヒレの拘り眼鏡75%濁流を壁込みで3発耐え、ルカリオの命がけ耐え。残り特攻。
原案のカンザキさんはHCベース配分(霰と合わせてカプ・コケコを1発で倒せる)ですが、カミツルギ+カプ・レヒレの組み合わせに対しても強引に居座れるように耐久を重視して配分(上記の調整から分かるように壁があれば集中攻撃を耐える)。
素早さに配分しないことにより、初手でペリッパーと対面しても天候を奪えることの方が多いです(追い風で最速カプ・コケコを抜くペリッパーより遅い)。


サンドパンR
<持ち物:気合の襷>
スカーフカミツルギの前でオーロラベールを確実に使うための行動保障用の持ち物。また、終盤に威嚇ウインディや拘りカミツルギの出し直すクッションとするために、サンドパンが生き残ることが重要になります。
<技構成:氷柱落とし、アイアンヘッド、岩雪崩、オーロラベール>
採用理由であるオーロラベールガブリアスへの打点となる氷柱落とし、カプ・テテフへの打点となるアイアンヘッド。最後は特別必要なものがなかったので、ウインディを少しでも削れる技で相手にとって最も脅威となる岩雪崩を採用しました。
<実数値:151-142-141-×-95-128 H.4 A.172 B.4 D.76 S.252>
素早さ最速。壁込みでC161カプ・レヒレの拘り眼鏡75%濁流2発耐え、アイアンヘッド+霰ダメージでH145B96カプ・テテフを最低乱数以外1発。
万が一、拘りスカーフのガブリアスウツロイドが繰り出されても最速であれば縛ることができます。攻撃に振り切れば無振りカプ・テテフを最低乱数以外1発にできますが、壁技から入ることになるのでこの配分になりました。


ウインディ
<持ち物:ホノオZ>
取り巻きを決めた際にZワザが組み込まれていなかったので採用。
削った相手を神速で縛る役割とカミツルギ対策の両方をこなすために拘りアイテムは持てず。耐久は壁で底上げされているので火力を上げたいという要請がある中で、ホノオZはフレアドライブの弱点である耐久を削る点を補いながら火力の底上げができるので、構築とマッチしています。
<技構成:フレアドライブ、神速、地均し、守る>
削った相手を仕留めるのに便利な先制技の神速、カプ・レヒレのサポートになる素早さ操作の地均し、立ち回りを組み立てる上で必要な守る。最後の技は鋼タイプへの打点となる炎技が欲しく、神速の火力が欲しかったことから物理技のフレアドライブを採用しました。
<実数値:175-178-101-×-102-136 H.76 A.252 B.4 D.12 S.164>
攻撃全振り、C200カプ・テテフのフィールド込みサイコキネシス耐え、地均しで性格補正のないフェローチェ抜き。
カプ・レヒレムーンフォース+神速で特殊耐久厚めのガブリアスも高乱数で倒せるため攻撃に振り切っています。


カミツルギ
<持ち物:拘りスカーフ>
先発で削ったポケモンを一掃する役割を持たせるために素早さを上げる拘りスカーフ。
<技構成:リーフブレード、スマートホーン、聖なる剣、ハサミギロチン>
メインウエポンのリーフブレードカミツルギや鈍いカビゴンへの打点になる聖なる剣、カプ・テテフを縛れるタイプ一致のスマートホーン。最後の技は不利な状況でもチャンスを掴めるハサミギロチン。高い素早さとマッチしており、カミツルギを倒せるポケモンを一撃で倒してしまえば、鋼の耐性でそのまま一撃技を打ち続けることで詰めることも不可能ではないです。
瓦割りはオーロラベール対策に便利ですが、少なくともキュウコンには強めの構築だと思っているので不採用にしました。
<実数値:134-233-151-×-52-177 A.252 D.4 S.252>
素早さ最速。攻撃と素早さに全振り。
相手のカミツルギが厳しいので素早さを最速として五分で渡り合えるようにしました。耐久は壁で誤魔化します(C161カプ・コケコのフィールド込み命の珠10万ボルトは耐えるようになる)。


ハリテヤマ
<持ち物:突撃チョッキ>
ハリテヤマを選出する場合はサンドパンを選出できないことも多いので、カプ系統の前でも動かせるように特殊耐久を補佐する突撃チョッキを持たせます。
<技構成:インファイト、ヘビーボンバー、猫騙し、フェイント>
メイン技のインファイトお茶を濁すのに便利な猫騙しは必須。残る技は、格闘技が利きづらいフェアリータイプに隙を見せないヘビーボンバー、先制技のフェイント、で固めました。
フェイントは先制技として重宝するだけでなく、ピーキーカミツルギの行動を通したりワイドガードを打ち破れる点でも優れます。
<実数値:219-187-86-×-109-49 A.236 B.44 D.228>
C200カプ・テテフのフィールドサイコキネシスを最高乱数以外耐え、ヘビーボンバーでH175B96カプ・テテフ1発、残り防御(A159ガブリアスのZ地震を上2つの乱数以外耐え)。
フィールドさえ奪えていれば強化アイテムを持ったカプ・テテフの前でも動くことができるようになります。Z技を使うガブリアスが出てくる機会はそう多くないと思い、特殊耐久を重視しました。


カプ・レヒレ
<持ち物:食べ残し>
霰ダメージを打ち消すための持ち物。威嚇や壁と合わせることで簡単に崩されなくなるので、永続的に回復できる持ち物が強力だと感じました。
<技構成:濁流、ムーンフォース、瞑想、守る>
瞑想型で採用することにしたので、オーソドックスに水技・フェアリー技・守るを採用した構成。
レートで使っていた限りは「濁流のおかげで勝てた」場面は特になかったので、水技は熱湯でも良いかもしれません。
<実数値:175-×-136-154-151-114 H.236 B.4 C.196 D.4 S.68>
C147カプ・コケコの拘り眼鏡10万ボルトを最高乱数以外耐え。素早さは無振りカプ・テテフ-1。残り特攻。
ミラーを意識して素早さに配分していますが、カプ・テテフと対面した際にフィールドを奪えるようにこの値で留めています。


【構築総評】
少ない試合数ですが、高い勝率を出すことができました。半信半疑ながら対戦してみるとなぜか勝てるという気持ち悪さを抱えて対戦していたので、どうして勝てたのかを振り返ってみたいと思います。
まず1点目としては「純粋にオーロラベールが強い」ことです。1回の行動で物理特殊とも耐久が底上げされる性能は、単調な殴り合いで相手と差をつけるポイントになります。キュウコンを採用した構築が数を増やしたのも、「ガブリアスに強い」点以外にもこれが理由にあるでしょう。
そして、2点目は「バイバニラサンドパンの圧力が大きい」ことで、ここがキュウコン構築と大きく違います。この組み合わせは私が最初にジメンZサンドパンを考えたように相手としては攻撃的な並びを想定することが多く、高速ポケモンを軸とした高圧的な組み合わせで選出されることが少なかったです。オーロラベールを使う構築の弱点は、壁技でダメージを抑える分を上回る攻撃を繰り出してくる高圧的な並びであるため、これを退けて有利に戦えることが多かったと思います。
長々書きましたが、まとめると「サンドパンで攻撃的な並びを牽制しつつオーロラベールを使う展開が読まれなくて強い」ということでしょうか。
必中の範囲攻撃や高速からの怯みを押し付けながら最後は丁寧に詰めていく戦い方は、使っていて非常に楽しいものがありました。また、ハリテヤマの採用が肝で、バイバニラサンドパン以外の4匹でもじっくり戦うことができるようになっていたのが良かったです。


構築をくださったカンザキさん、ありがとうございました。