最強タケシ決定戦使用パーティ〜輝石イシツブテ+Zイワーク〜

5月中旬に開催されたヒメコさん主催の最強タケシ決定戦に参加してきました。


ルールは「先発イシツブテ+後発イワーク固定のタケシ11(シングル22)」です。


参加者16人で総当たりの対戦を行い、10-4(未消化1)で3位という結果に終わりました。
優勝を目指して取り組んでいたのですが、優勝者との試合をプレイングミスで負けてしまったのが大きく、結果としては残念なものになりました。とはいえ、最低限の勝率を収めることができた点は良かったです。


対戦ログと対戦相手の情報などは別記事で書きます。


〜パーティ〜
イシツブテイワーク


イシツブテ ようき がんじょう
115-106-120-×-77-79 A.44 D.212 S.252
じならし、ちきゅうなげ、ないしょばなし、ステルスロックしんかのきせき


イワーク おくびょう がんじょう
111-58-181-54-93-134 H.4 B.4 C.28 D.220 S.252
だいちのちから、がんせきふうじ、じならし、まもる@ジメンZ



【構築概要】
イシツブテに進化の輝石、イワークにジメンZ、を持たせた構築。
タイマンで打ち負けしにくい進化の輝石イシツブテステルスロックを撒いて後発イワークの頑丈を発動させないようにしつつ、最後はイワークのタイマンになるので、最速ジメンZでタイマン勝負を仕掛けます。
考察してみると思っているよりも戦略の幅が広くて、どういう環境になるかが読みづらかったので、どの相手にも最悪五分程度は勝負できるような構築を目指しました。


【構築経緯】

ポケモン 種族値 タイプ1 タイプ2 特性
イシツブテ (40,80,100,30,30,20) いわ じめん いしあたま がんじょう (すながくれ)
イワーク (35,45,160,30,45,70) いわ じめん いしあたま がんじょう (くだけるよろい)

使用可能ポケモンは上記2匹のみです。このルールの大きな特徴は以下の3点だと考えました。


1.イシツブテイワークはタイプが全く同じ
2.イシツブテよりイワークの方が素早さが高い
3.イシツブテイワークも特性が頑丈


2匹ともタイプが同じなので基本的に交代は得策にならず、イシツブテが倒し合う形でスタート。先に出てきたイワークイシツブテを倒した後にイワークのタイマンとなり、これを制した方が勝利。また、イシツブテイワークも特性が頑丈なので、ただ火力を高めれば良いわけではありません。
つまり、いかにイワークのタイマンで差をつけられるかが重要であり、そのために「イシツブテで相手イワークの頑丈をどうやって削るか」「イシツブテが相手イワークの起点をどう回避するか」の2点が勝負を分ける大きなポイントになると考えました。


まずはイシツブテの型を考えます。
イシツブテにはイワークの頑丈を削る役割を与えたいですが、初手でイシツブテのタイマンを制しても自身のHPが削れてしまうため、普通に戦うと死に出しで出てきたイワークにそのまま倒されてしまいます。そのため、イワークのHPを削る手段としては「不意打ち」「ステルスロック」「レッドカード」が考えられます。
不意打ちはイシツブテが倒される際にHPを削ることができますが、イワークに身代わりやロックカットを積む隙を与えてしまうため、起点回避の観点から考えるとイマイチです。レッドカードに関しては、どちらのイシツブテが先に動くかで最適解が違うので、同速を避けて素早さを遅くした方が良さそうですが。「大爆発で素早くイワークの起点を作ろうとするイシツブテ」や「イワークを引きずり出すも相手イシツブテの頑丈を崩せず、最後にイワークと頑丈イシツブテのタイマンになる(不意打ちがある場合はタイマンで勝てない)」ので安定しません。また、投げつけるや泥かけを使うイシツブテと対面した際に、追加効果でイワークにダメージを与えられないと負けなので、それは避けたいと思いました。
このような理由から、不意打ちやレッドカードは不安定だと思えたので、ステルスロックイワークの頑丈を削る方針で考えることにしました。また、レッドカードの記述でも書きましたが、イシツブテは倒される前にイシツブテの頑丈を削る必要があるので、地均しを合わせて採用することにしました。地均しでイシツブテのHPを削りながら素早さを下げることで次のターンに先制してステルスロックを使うことができます。


次にイワークの型を考えます。
ポイントとなる点は2つあると考えています。一つはイワークが頑丈を抜きにして戦える型であることです。こちらがステルスロックを撒く機会があるということは、当然相手にも撒く機会があります。そのため、頑丈を盾に2回行動することは基本的に考えない方が良いでしょう。もう一つは、C振りイワークの攻撃はD振りイワークステルスロック込みで耐えられるということです。そのため、火力を底上げして攻撃を1回で済ませるか相手の攻撃を2回耐えて2回で倒すことを考えたいです。
結論から言うとDS基調+ジメンZを選択しました。耐久に振ることでスカーフ型にも強く、ジメンZでD振り程度であれば一撃で倒すことができます。D振り以上に耐久を引き上げるメリットはフィラの実や進化の輝石で攻撃を2回耐えるようにするくらいしかなく、その場合は相手の火力が低いためこちらが2回攻撃を耐える可能性もありそうです。また、最速にすることでジメンZミラーでも5割の勝負には持ち込めるので、この型が幅広く勝てると考えました。


ぽんさんと考察して翌日、お互いの形を見せ合ったら持ち物とやることがほぼ同じだったので、それを煮詰めていきました。


【個別解説】


イシツブテ
<持ち物:進化の輝石>
相手2匹の頑丈を削る役割を安定してこなすために耐久を上げる進化の輝石。大地の力+不意打ちなども耐えるためイシツブテのタイマンにも勝ちやすく、ステルスロック+レッドカードの型に交代させられた場合も耐久が高いので最後にイワークの攻撃を耐える可能性が十分にあります。
<技構成:地均し、地球投げ、内緒話、ステルスロック>
後発から出てくるイワークの頑丈を削るためのステルスロック、先発イシツブテの頑丈を削りながらステルスロックを撒く機会を作るための地均し。この2つで役割をこなすことができます。
残る2つには起点回避を考えて内緒話と地球投げを採用。内緒話は身代わり守るに関係なく必中で特攻を下げることができるので、先に出されたイワークにロックカットなどの積み技を使われても後発イワークが攻撃を耐えやすくなります。地球投げは相手の風船に対抗するための攻撃技です。それだけを考えるとめざめるパワーで良さそうですが「内緒話をされても安定したダメージを出せる」「弱点保険を発動させない」「イシツブテの性格を陽気にできる(下降補正の場所ができる)」ところが優れています。
レッドカードイシツブテを考えると不意打ちも欲しかったのですが、レッドカードは相手の型との噛み合いによっては勝てる可能性があるので、可能性を0にしないための他の技を優先しました。
<実数値:115-106-120-×-77-79 A.44 D.212 S.252>
素早さ最速。地球投げ+地均しでH115B120イシツブテ1発ずつ(13/16)、残り特防。
地均しを打って相手が白いハーブ持ちだった場合にも5割で先制できるように素早さは最速。地球投げで安定した火力を出せるので火力にも振らず特殊耐久を底上げすることができます(A132C90イシツブテのめざめるパワー草+不意打ちを耐える)。


イワーク
<持ち物:ジメンZ>
能動的に最も火力を発揮できる持ち物。守る貫通なので食べ残しでステルスロックのダメージを回復して頑丈を発動させようとする動きに強く、必中なので影分身や泥掛けを利用してくる相手にも強いところが評価できます。
<技構成:大地の力、岩石封じ、地ならし、守る>
メインの攻撃技は大地の力。Z技を使って一撃で勝負を決めに行くので、これ一本で十分です。残る3つはいきなりZ技を打てない特殊なケースを想定して採用した技になります。
岩石封じは風船イワークの風船を割る手段で、地ならし+大地の力で打ち負けてしまうことを避けるため風船を割りながら素早さを下げて同速に持ち込めるようにする必要があります。
地均しは相手の食べ残しイワークがこちらのイシツブテを倒すタイミングで回復してHPを満タンにした場合に使います。岩石封じ同様に地均し+大地の力で打ち負けることを避けるための技ですが、岩石封じでは食べ残しでダメージを回復されてしまうので、回復が追い付かない地均しが必要です。
また、守るはロックカットからのZ技をやり過ごすための技で、イシツブテの内緒話が入った場合は守るを挟むことで次の大地の力まで耐えるようになります。
めざめるパワー草個体ですが、風船以外の型には大地の力を打てば良くて、風船の型には岩石封じで対抗できるので不要だと判断しました。
<実数値:111-58-181-54-93-134 H.4 B.4 C.28 D.220 S.252>
素早さ最速。C90イワークのめざめるパワー(C82イワークの大地の力)+ステルスロック耐え(15/16)。H110D106イワークをZ大地の力+ステルスロックで1発(15/16)。
ジメンZイワークの打ち合いに強くするために素早さは最速。また、スカーフイワークや輝石イワークに打ち負けないために耐久に努力値を割きました。火力がかなり低めですが、特殊耐久をこれ以上伸ばす場合は進化の輝石を持たせないとあまり旨味がないと思ったので、仮想敵としては十分だと判断しました。


【構築総評】
立ち回りで取れる選択肢が少ないので、構築段階で勝負が決まることになるでしょう。そのため、ずば抜けて高い勝率を叩き出すには環境にどの戦術が多いのかを見極めて勝てる戦術をぶつける必要がありますが、環境1発目ということで見極めは難しく、どの戦術にも最悪五分程度には持ち込める構築を目指すことにしました。その意味では、2匹が最速であり持ち物が進化の輝石とジメンZという数値を最大限引き上げて戦うような型になっており、ポケモンで重要なのは素早さと数値の高さということを改めて感じることになりました。
基本的には同速以上に持ち込む勝負ができると思っていますが、不意打ち持ちやレッドカードのイシツブテはやや安定しないと感じていました。私自身は立ち回りが安定しないので採用を見送りましたが、読み勝つ自信があるなら勝率を高められる構成なので、もしかしたらそちらを取る方が良かったのかもしれません。また、イシツブテには相手イワークの起点回避として内緒話を採用しましたが、Z地震を使うロックカットイワークには勝てないと思って割り切っていました。
もう一つの構築案として「ステルスロックを撒いたイシツブテが大爆発で相手の頑丈削りながら退場、イワークでロックカットを使って全抜き」というものがあり、これは自分が対策として採用しているように内緒話に弱いです。ただ、内緒話を使うイシツブテには1回しか当たらなかったので、この構築案で同速勝負を避ける方が勝率は高められたかもしれません。


【対戦シミュレーション】



1ターン目。こちら地均し 相手45%、相手地均し こちら60%
2ターン目。こちらステルスロック。相手めざめるパワー こちら落ち。死に出しイワーク。
3ターン目。こちら大地の力 相手落ち。死に出しイワーク。
4ターン目。相手ジメンZ こちら1%(頑丈)、こちらジメンZ 相手落ち。<ひとこと>
イシツブテがステルスロックを使ってこない場合はイワークの頑丈が残るので打ち合いは有利。2ターン目で同速に負けるとステルスロックを使えないが、相手もステルスロックを使わないので、3ターン目に不意打ちでイワークの頑丈を削られる以外は五分に持ち込める。3ターン目に守るを使って不意打ちの有無を確認するのが良いのかもしれない(確認しても不意打ち自体を回避できるわけではない)。
イシツブテが投げつける型で同速に負けた場合は頑丈が削られて1ターン動けない可能性があるが、こちらは進化の輝石なので2ターン目の攻撃を耐えることができる。また、誘惑・内緒話・Z技で特殊耐久を上げる型に関しても、攻撃技が地均しと地球投げなので大きく問題にはならない。
初手でステルスロックから入ると2ターン目に同速負けしたときにイシツブテの頑丈を破壊できず、ほぼ負けが決まってしまうため、風船以外の型に対しては1ターン目は地均しを打つ。



1ターン目。こちら地均し 相手45%、相手地均し こちら60%。
2ターン目。こちらステルスロック。相手ステルスロック。
3ターン目。こちら地球投げ 相手落ち。死に出しイワーク。
4ターン目。イワークロックカット、イシツブテ内緒話。
5ターン目。イワーク大地の力 こちら落ち。死に出しイワーク。
6ターン目。こちら守る 相手ジメンZ こちら70%。
7ターン目。相手大地の力 こちら1%、こちらジメンZ 相手落ち。<ひとこと>
相手イワークがイシツブテを起点にしてくる動きには内緒話で対抗する。特攻を下げれば相手イワークのジメンZ(守る)+大地の力を耐えるので、こちらもジメンZで反撃できる。
相手イワークが風船の場合は、ジメンZ耐えのために内緒話を使う必要がないので地球投げで風船を破壊する。仮にそのまま倒されたとしても、イワークが岩石封じ+ジメンZとすることで五分以上は確保できる。
相手イワークが拘りスカーフの場合は、大地の力+ステルスロックをこちらイワークが耐えるように調整しているのでジメンZで勝ち。



1ターン目。こちら地均し 相手45%、相手地均し こちら60%。
2ターン目。こちらステルスロック。相手ステルスロック。
3ターン目。相手大地の力 こちら落ち。死に出しイワーク。
4ターン目。イワーク大地の力 相手落ち。死に出しイワーク。
5ターン目。相手大地の力 こちら1%。こちらジメンZ 相手落ち。<ひとこと>
B-1で示したように内緒話を考えるとイワークでイシツブテを起点にできないので、すぐにイシツブテを倒す。
相手イワークが風船の場合は、B-1同様に岩石封じ+ジメンZで五分以上は確保できる。大地の力+ステルスロックを耐えるように配分しているので、有利なことが多い。



1ターン目。こちら地均し 相手45%(レッドカード)、相手めざめるパワー イワーク15%。
2ターン目。こちらイワーク⇒イシツブテ、イシツブテ不意打ち。
3ターン目。こちら地球投げ 相手落ち。死に出しイワーク。
4ターン目。イワーク大地の力 こちら25%、こちら地均し イワーク60%。
5ターン目。イワーク大地の力 こちら落ち。死に出しイワーク。
6ターン目。イワークジメンZ 相手落ち。<ひとこと>
自分で使うとミラーや投げつける泥かけといった事故が嫌で使えないレッドカードだが、相手にすると厄介。
2ターン目にイワークが素直に不意打ちで倒されると負けなのでイシツブテに交代する。ここで普通に攻撃されると負けだが、レッドカードを持つ以上は不意打ちを打つと思いたい(レッドカード側はイシツブテでイワークを処理しないと、イワークvs頑丈が残ったイシツブテとのタイマンで最後に負ける可能性がある)。
2ターン目に不意打ちをかわしたら、相手イシツブテの素早さを下げているので地球投げでそのまま処理する。イワークとの対面で1発攻撃を耐えるので、地均しで素早さを下げつつHPを削る。この流れが通れば勝ち(スカーフの場合は同速)。3ターン目にイシツブテが不意打ちを受けても、こちらのイシツブテは進化の輝石なので、イワークの攻撃を耐えられる耐久があります。