WCS2019ルール・サンシーズン構築〜レシラム+グラードン〜


〇レシラム ひかえめ ターボブレイズ
179-×-121-217-141-142 H.28 B.4 C.220 D.4 S.252
あおいほのお、ねっぷう、おいかぜ、まもる@サイコシード


グラードン いじっぱり ひでり
190-200-162-×-131-126 H.116 A.92 B.12 D.164 S.124
だんがいのつるぎ、じだんだ、がんせきふうじ、まもる@オボンのみ


カプ・テテフ おくびょう サイコメイカ
146-×-97-180-136-161 H.4 B.12 C.236 D.4 S.252
サイコショックムーンフォース、にほんばれ、マジックルーム@こだわりスカーフ


カミツルギ ようき ビーストブースト
134-225-151-×-60-177 A.188 D.68 S.252
リーフブレードせいなるつるぎ、はたきおとす、みきり@きあいのタスキ


〇FCランドロス おくびょう いかく
171-149-110-151-100-157 H.52 C.204 S.252
だいちのちから、くさむすびストーンエッジ、とんぼがえり@とつげきチョッキ


モロバレル のんき さいせいりょく
219-×-121-105-115-31 H.236 B.156 D.116
くさむすび、キノコのほうし、いかりのこな、まもる@オッカのみ


9/16開催の第40回あんぐらオフでダブル部門で使用。予選6-1決勝1-1で総合4位。
(※記載内容と実際の対戦で使用したものが異なる場合があります)



【構築概要】
伝説枠にレシラムを採用した構築。もう1匹の伝説枠であるグラードンの特性日照りで天候を晴れにして、レシラムの火力の高い炎技での制圧を狙っていくのが基本的な戦い方になります。
ほとんどの炎タイプはカイオーガに弱いところが弱点ですが、レシラムの場合は特殊耐久が高くドラゴンタイプを併せ持っていて水技を等倍で受けることができるので、ある程度は攻撃を耐えることができます。また、環境の中心にカイオーガがいる関係で、炎技に対する耐性はあまり重要視されておらず、一般枠の多くのポケモンは晴れレシラムに手出しできないことが多いため優位に戦いやすいです。


【構築経緯】
構築のスタートは「レシラムが意外と強そうだと感じた」ところです。環境の中心にカイオーガとゼルネアスが存在するので、ドラゴンタイプは淘汰されて草タイプのポケモンカイオーガに対抗することが多くなります。そのため炎技に対する耐性は重要視されておらず、一度天候を晴れにしてしまえばカイオーガが交代する間に取り巻きに炎技で大きく削りを入れてダメージレースを有利に戦うことができます。
同様の炎タイプ伝説としてはホウホウが存在しますが、ホウオウに比べると「ガオガエンの威嚇で火力を削がれない」「水技を等倍で受けることができる」「範囲攻撃の熱風のダメージ効率が良い」という点が優れています。


ということで、まずはレシラムが戦いやすい環境を作るために天候を晴れにできるグラードンを採用します。天候を晴れにする方法は他にもいくつかありますが、単体性能の低いポケモンを選出にほぼ必ず抱えることになってしまいます。グラードンを補完要員として採用するのはスペックを最大限活かせているとは言えないかもしれませんが、スペックの高いグラードンだからこそ補完で採用しても選出のパワーを落とさずに済みます。また、現環境で炎技に耐性を持つメジャーなポケモンであるガオガエンの処理速度が早い点も相性が良いです。
次に採用したのはカプテテフです。レシラムはカイオーガの水技を等倍で受けることができるものの、雨状態で受けると大きく痛手を負ってしまいます。終盤にはそういった状況も考えられるため、特殊耐久を上げるためにシード系アイテムを持たせたいと考えました。シード系アイテムは持ち物を素早く消費することで、レシラムに耐性のあるガオガエンからの打点である叩き落とすに耐性をつけられる点も優秀です。特殊耐久を上げるためにはカプテテフかカプレヒレを採用する必要がありますが、カプレヒレと晴れのシナジーが悪いことからカプテテフを採用。レシラムが鋼タイプに強いのでカプテテフのエスパー技も通りやすくなっています。
ここまでの選出ではグラードンを一度場に出した後に水技を交代で受けられるポケモンがいません。そのため、カイオーガに交代で出せて処理速度が早いポケモンを採用したいと考えました。そこで気合の襷カミツルギを採用。レシラムで削った相手を仕留めていく動きを考えると素早さの高いカミツルギは相性が良く、レシラムで削りづらいガオガエンや比較的打点のあるサイコショック持ちカプテテフに対しても打点を持てるところが評価できます。


こうして、基本選出は固まったので残るポケモンで苦手な相手への補完を考えていきたいです。
主に苦手だと感じていたのは「断崖の剣グラードン」「葉緑素+眠り粉」「イベルタル入り」の3つです。これらに対抗するための案がまとまっていなかったのですが、オフ会の会場に着いてからこれを使うことを決定して、育成済みの中からまともそうなランドロスモロバレルを選択しました。イベルタルへの対抗手段が薄いですが、それほど数は多くないと思い割り切ることにしました。


【個別解説】

★レシラム
<持ち物:サイコシード>
レシラムの高い特殊耐久を底上げするための持ち物。
先述の通り、ガオガエンの叩き落とすに耐性がつく点も優秀です。
<技構成:蒼い炎、熱風、追い風、守る>
強い単体攻撃の蒼い炎、強い範囲攻撃の熱風、大事に扱うための守る。最後の技は高い耐久を活かして味方のサポートをするための追い風。熱風のダメージ効率の良さが魅力的ですが、晴れ熱風程度の攻撃は少し耐久のあるポケモンなら簡単に耐えることができるので、そういうポケモンを倒し切るために蒼い炎が必要になってきます。
基本的にはレシラムは攻撃役として扱いたいので自身で追い風を使うのは相性が悪いようにも見えますが、グラードンと並べて攻撃的な並びを形成したり相手の追い風に対抗する必要があるので不利にならないための技と考えれば使い勝手は良いです。ドラゴン技の採用については、カイオーガは晴れていれば蒼い炎で3割程度削ることができる上にレシラムへの打点が乏しいため、有用な場面が対パルキアギラティナ・レシラム辺りでしかなく、どうしても優先度は落ちてしまいます。
<実数値:179-×-121-217-141-142 H.28 B.4 C.220 D.4 S.252>
素早さ振り切り。晴れ蒼い炎でH202-D119ゼルネアス1発。C182カプテテフの拘り眼鏡サイコショック耐え(15/16)。
素早さについては同速になる伝説ポケモンも多いのですが、カイオーガ以外では火力や耐久調整を重視するポケモンが多いと思ったので、火力を底上げするため特攻に性格補正。それでも対グラードンで先制することは重要なので素早さには振り切りました。


グラードン
<持ち物:オボンの実>
カイオーガに対して交代で繰り出すことになるので繰り出し性能を上げるためにオボンの実。
突撃チョッキと迷いどころですが、天候の奪い合いになったときにグラードンが守るを使えることが重要だと考えたので不採用。半分回復木の実は発動すれば突撃チョッキと同程度の耐久を得られますが、交代で繰り出した際に75%削れているということは次の攻撃は耐えられないことを意味するので、不採用でした。
<技構成:断崖の剣、地団駄、岩石封じ、守る>
レシラムの補完役としてガオガエンを着実に倒すための地団駄、攻撃役として期待する場合にリターンが大きい断崖の剣、大事に扱うための守る。最後の技はホウオウをはじめとした飛行タイプに抗う手段を持たせるため岩石封じを採用しました。ランドロスイベルタルグラードンで処理するのは難しいため、素早さを下げて別のポケモンで対処できるようにしたいです。
草タイプが多く炎のパンチが採用されることも多いですが、レシラムで倒すことができるため必須だとは感じませんでした。
<実数値:190-200-162-×-131-126 H.116 A.92 B.12 D.164 S.124>
レシラムの晴れ75%熱風+地団駄でH200-B110-D154ガオガエン1発ずつ。C156ルンパッパの命の珠晴れハイドロポンプ+C222カイオーガの晴れ75%しおふきをオボンの実込み耐え(255/256)(ただしルンパッパの攻撃が下2つの乱数を引いた場合はオボンの実が発動しない)。A222グラードンの拘り鉢巻き75%断崖の剣をオボンの実込みで2発耐え(約90%)。残り素早さで追い風で素早さランク+1のゼルネアス抜き。自然の怒りを意識してHPは偶数。
天候を奪うためにカイオーガに交代で出すので特殊耐久重視の配分。グラードンミラーを考えると極力素早さを高めて使いたいのですが、回復木の実を持つことも多いガオガエンを倒せるかどうかは重要だと考えたので火力も少し上げています。
因みに、あんぐらオフでは努力値を振り直す時間がなく、ほぼDSベースの配分で使っていました(HP奇数で自然の怒りでオボンが発動しない始末)。


カプ・テテフ
<持ち物:拘りスカーフ>
拘りスカーフカイオーガに対して先制できるポケモンが欲しかったので拘りスカーフを持たせて採用。
<技構成:サイコショックムーンフォース、日本晴れ、マジックルーム>
メインウエポンのエスパー技、イベルタルへの打点となるムーンフォース、ゼルネアス対策のマジックルーム。最後の技は日本晴れを採用、カプテテフから交代でグラードンを出すことが多いのですが、相手がカイオーガに交代するタイミングと重なった場合に天候が雨になることが多いため、それを防ぐために手動の天候変化技が必要でした。エスパー技は後出しされるカイオーガや少し苦手なホウオウを大きく削ることができるサイコショックを選択しました。マジックルームは味方の持ち物の効力もなくなってしまいますが、レシラムは素早くサイコシードを消費するので問題ありません。よく聞かれたのでついでに補足すると、マジックルーム使用後はカプテテフも拘りスカーフの効力がなくなるので攻撃技を選ぶことができます。
サイコキネシスカミツルギを大きく削れるタイプ一致打点ですが、レシラムがカミツルギに強いので不採用。自然の怒りはあるとルナアーラの処理が楽になるのですが、基本的にはカプテテフはエスパー技で攻撃する方が強いため不採用。マジカルシャインは削りに便利な技ですが、レシラムにもグラードンにも範囲攻撃を採用していたので不採用としました。
<実数値:146-×-97-180-136-161 H.4 B.12 C.236 D.4 S.252>
素早さ最速。A233カミツルギリーフブレード耐え。ムーンフォースでH146-D136カプテテフ2発(252/256)。
拘りスカーフのカイオーガに先制したいのでミラーも意識して最速。レシラムのサイコシードを発動させるのが役割なので、その後攻撃役として扱えるように火力重視の配分にしました。


カミツルギ
<持ち物:気合の襷>
終盤に削れた相手を仕留めるアタッカーでありながら、グラードンを温存するための交代先となる可能性も高いので、ひとまず攻撃を1発耐えることができる気合の襷を持たせます。
気合の襷が発動するシーンは多いかもしれませんが、サイコフィールドが展開されていることが多いため先制技で縛られずに行動することができます。
<技構成:リーフブレード、聖なる剣、叩き落とす、見切り>
カイオーガへの打点となるリーフブレードガオガエンへの打点となる聖なる剣、大事に扱うための見切り、まで必須。最後の技はルナアーラの処理がやや重かったことから叩き落とすを採用しました。
追い風も候補でしたが、カミツルギは終盤に繰り出すことが多く削れた相手を倒すために攻撃範囲を広げる方が強力だと考えました。スマートホーンは主にゼルネアスに使う技ですが、他で削ればリーフブレードでも間に合うと感じたので不採用です。
<実数値:134-225-151-×-60-177 A.188 D.68 S.252>
素早さ最速。リーフブレードでH207-B111カイオーガ1発(15/16)。C200カプテテフの75%マジカルシャイン2発耐え。C182カプテテフのフィールドサイコキネシス耐え(14/16)。
持ち物が気合の襷なので基本的にASベースの配分。稀にマジックルームを使って気合の襷が効力を成さない場合があるので少しだけ特殊耐久を強化しました。
オフ会では努力値の振り直しが間に合わず、ほぼDSベースで使用。レシラムの熱風で削れたガオガエンを倒すために攻撃は215程度必要ですが、残りを特殊耐久に振り分ける程度ではあまり耐えたい攻撃を耐えてくれません。


★FCランドロス
<持ち物:突撃チョッキ>
威嚇をかけるために繰り出せる場面を多くするために特殊耐久を底上げする突撃チョッキ。
グラードンに繰り出すのに突撃チョッキを持たせるのは一見辻褄が合わないようにも見えますが、重力をされない限りグラードンからの大きな打点はないため、隣に並ぶ特殊ポケモンの技で即死しないように特殊耐久を高めています。
<技構成:大地の力、草結び、ストーンエッジ、蜻蛉帰り>
基本的に威嚇を撒くのが仕事なので対面整理の蜻蛉帰りがあれば割と十分なのですが、味方に地面耐性のあるポケモンがいないので物理型で攻撃に参加するのは難しいと思い特殊型で採用しました。ガオガエンへの打点となる大地の力、グラードンへの打点となる草結び。残る技で特別必須なものがなかったので、ホウオウへの対抗手段を増やすためにストーンエッジを採用しました。
あんぐらオフでは臆病個体の育成が終わっていなかったので「地震、馬鹿力、叩き落とす、蜻蛉帰り」で使用していましたが、特殊型であればレシラムミラーを拾えていた可能性もありました。
<実数値:171-149-110-151-100-157 H.52 C.204 S.252>
素早さ最速(最速ホウオウ抜き)。A233カミツルギのランク-1リーフブレードを2発耐え。大地の力でH202-D156ガオガエン2発。
グラードンやホウオウとは素早さ関係がはっきりしている方が良く、威嚇が仕事とはいえ火力もなく置き物になることは避けたかったので、役割対象への打点を意識してCSベースの配分。草結びで特殊耐久に厚いグラードンも2発で倒せることが多いです。


モロバレル
<持ち物:オッカの実>
グラードンの断崖の剣+炎のパンチを耐えるためにオッカの実を持たせます。
「炎耐性が手薄でレシラムが刺さる」と書きながら自らのパーティも炎耐性が薄いため、グラードンと同居するガオガエンやホウオウの攻撃を耐える目的もあります。
<技構成:草結び、キノコの胞子、怒りの粉、守る>
グラードンへ役割遂行するための草結び、汎用性の高いキノコの胞子、モロバレルが相手に干渉できない場面でも腐りづらい怒りの粉。最後の技はグラードンに干渉する前に倒されるのを避けるべく守るを採用しました。
グラードンはゼルネアスが同居していることも多いですが、ゼルネアスは他でも倒せるような形になっているのでクリアスモッグは採用しませんでした。
<実数値:219-×-121-105-115-31 H.236 B.156 D.116>
A222グラードンの75%断崖の剣2発耐え。残り特防。
グラードンを意識した採用なので物理耐久に寄せた配分。一応、C183ゼルネアスのランク+2のムーンフォースと75%マジカルシャインを耐えることはできます。


【構築総評】
基本選出のカプテテフレシラム+グラードンカミツルギが強く、おおよそ想定通りの動きをして勝ちに繋げることができました。一番の不安はレシラムの技の命中率が不安定なことだったのですが、要所での運が良かったことも勝因です。
対戦相手のパーティで炎技に耐性を持つのがカイオーガガオガエンだけということが多く、晴れ状態からカイオーガを引っ込める際に壊滅的なダメージを与えることでダメージレースを優位に戦うことができました。また、ガオガエンは炎技を受けるために序盤から出てくるものの、サイコフィールド下では猫騙しを使えないため有効な動きができないまま削れて後発のカミツルギの攻撃圏内に入っているということが多かったです。レシラムが鋼タイプに強いので単純にカプテテフの通りも良く、序盤から攻撃的な展開に持ち込むことができました。
課題は補完でありながら運用方法が明確でないランドロスモロバレル。オフ会ではイベルタルとレシラムミラーでしか負けておらず、苦手な相手であるトリックルーム+グラードン葉緑素ポケモンとは対戦がなかったので、この2匹を選出することがほとんどありませんでした。イベルタル葉緑素ポケモンに対してはカプコケコがいれば補完できると考えていたので、カプコケコを組み込んだパターンも考えてみたいです(カイオーガ入りと違って草タイプが重たくないので特殊型で「10万ボルト、放電orエレキネット、草結び、自然の怒り@突撃チョッキ」辺りの構成が悪くなさそう)。


QRレンタルチーム】
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-A9F9-49C8


【あんぐらオフでの選出メモ】


○1戦目 vs Hal さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:ガオガエン ゼルネアス グラードン ドータクン (カプ・コケコ モロバレル


○2戦目 vs KAT さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン FCランドロス
相手:リザードン クロバット グラードン ソルガレオ (カプ・コケコ カポエラー


○3戦目 vs 朱羅 さん 負け
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン モロバレル
相手:ライチュウ イベルタル カイオーガ カミツルギ (ルンパッパ メタグロス)


○4戦目 vs がちゃ さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:ルナアーラ カプ・コケコ カイオーガ ガオガエン (ナットレイ ルンパッパ)


○5戦目 vs ふぉんでゅ さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ (モロバレル ドータクン)


○6戦目 vs ボウズ さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:ゼルネアス ガオガエン ルナアーラ ドーブル (カプ・テテフ モロバレル)


○7戦目 vs koba さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:ルンパッパ カイオーガ ガオガエン ソルガレオ (アマージョ カプ・コケコ)


○決勝1回戦 vs トシ さん 勝ち
自分:カプ・テテフ レシラム グラードン カミツルギ
相手:ルナアーラ カイオーガ ガオガエン カミツルギ (カプ・コケコ ナットレイ)


○準決勝 vs ウォーター さん 負け
自分:レシラム FCランドロス カミツルギ カプ・テテフ
相手:レシラム カミツルギ グラードン FCランドロス (カプ・テテフ ドータクン)


○3位決定戦 vs 朱羅 さん 負け
自分:レシラム グラードン カプ・テテフ カミツルギ
相手:ライチュウ イベルタル カイオーガ カミツルギ (ルンパッパ メタグロス)