2018年夏ドラマの感想。

2018年夏ドラマの感想。
結構面白い作品が多かった気がします。因みに、秋ドラマはたぶん観ません((


「探偵が早すぎる」
「GIVER 復讐の贈与者」
「健康で文化的な最低限度の生活」
「彼氏をローンで買いました」



○「探偵が早すぎる」
【主演】
滝藤賢一広瀬アリス
【あらすじ】
ごく平凡な大学生活を送っていた主人公だったが、実は彼女は財閥一族の隠し子であり、ある日父親である会長の死とその遺言によって5兆円の遺産を相続する権利を得る。これをよく思わない財閥一族の者たちは彼女を事故に見せかけて殺害することで相続の権利を奪い返そうと刺客を送るが、「早すぎる」探偵が事件が起きるより早く未然に防いで彼女を守るというミステリー風(?)コメディ。
【感想】
「事件を未然に防ぐ探偵」という発想が斬新で面白いと思ったので視聴することにしました。因みに、この記事を書くまで主演の「滝藤」を「遠藤」だと勘違いしていて遠藤憲一と同姓同名だと思っていました((
結論から言うと今まで観てきたドラマの中でも最上位に食い込むくらい面白かったです。まずミステリーとして非常に奇抜で、未然に解決されてしまうため事件が起こりません。そのため、明確な証拠はなく犯行手口を予想することが非常に難しいです。とはいえ、知らぬ間に事件が防がれてしまっては視聴者として乗り切れない部分があるのですが、それをカバーするのがコメディ要素でしょうか。そもそも、探偵のキャラクターが非常に癖が強く、主人公との普段の掛け合いからトリックを明かすシーンまで何をやってもコミカルに映るほどで、事件と探偵をテーマにしながらも本質はコメディドラマだと思いました。
コメディ作品という意味ではキャストが非常に大事だったかなと思います。主演の滝藤賢一については言うまでもなく、ヒロインの広瀬アリスが非常に良かったです。清純派キャラとして通っている妹の知名度の方がどうしても高いということもあって別路線を行く必要があると思いますが、表情・動作ともやりきっている感じが痛快でした。また、主人公を見守る家政婦は演者が水野美紀であるということがまず全然分かりませんでした。財閥側の人間もマザコン御曹司が「風格はあるけど中身は小物」という財閥そのものを見事に表すキャラになっていて、これを演じる桐山漣のメリハリのある演技も良かったです。
唯一、難点があるとすれば主人公の大学の友人の体型が太ましかったことくらいですね・・・。


○「GIVER 復讐の贈与者」
【主演】
吉沢亮森川葵
【あらすじ】
人間の心が欠落した主人公が復讐代行業者の中心人物として復讐を実行していくミステリー。
【感想】
主演が吉沢亮森川葵なので観ようと思いました。しかし、1話目は録画を撮り損ねて見れず。3話については冒頭のシーンに惨さに耐えることができなかったので観ませんでした。基本的に1話完結なのですが、後の回で1話の続きがあったり3話は協力者が仲間になるまでの回想だったので重要な回を見落としたことになります()
通して見ると、見るに堪えない惨殺があったのは2,3話だけだったように思います。序盤は依頼を通じて依頼者とターゲットによる人間ドラマに軸を置いていて、この辺りは結構面白かったです。終盤は代行業者の主人公を取り巻く構成になっていたのですが、最終話まで業者の目的が見えてこなかったこともあり、少しついていけない感じはありました。
GIVERとTAKERが何を意味しているのかイメージがつかないままでしたが、難病に侵された代表が復讐を通じて人間の感情のざわめきを見たいということで、代行という形でそれをgiveするというものでした。最終回で周りの人間がほぼ全員いなくなり狂気の戦闘の果てに主人公も人々の感情を与えられていた側だったという締め方だったのかなと思います。
とはいえ、このドラマの中で最も印象的だったのは女性ゲストの配役と撮り方。B級アクション映画にありがちですが、テレビ東京深夜枠なので(?)女性をセクシーに撮ること自体を結構重視しているように感じました。その中でも特にゲスト登場だった川島海荷と小倉優香が良かったです。川島海荷は純朴な感じで高校を卒業して現在はキャバ嬢をやっているということで私服が少し派手めになった女の子の役で、彼女に対してはこれまで観てきた作品の中でもっとピュアなイメージを抱いていたので、大人びたギャップが鮮明でした。小倉優香はテロの実行犯とビルに閉じ込められるスリリングな状況に置かれた女の子の役で、タンクトップ・ショートパンツという抜群のスタイルが活きる衣装が危険な状況と非常にマッチしていました。こういったところからも攻めの姿勢を感じたのは良かったところです。


○「健康で文化的な最低限度の生活」
【主演】
吉岡里帆
【あらすじ】
都内の区役所に就職した主人公は福士事務所生活課に配属される。そこでの主な仕事は生活保護者の面倒を見るというもので、新人ケースワーカーとして主人公が奮闘する様を描きつつ生活保護のリアルなケースを描いた物語。
【感想】
主演が吉岡里帆だからという理由で視聴。駅で宣伝広告なども見かけましたがキャッチフレーズもなく特になかったので、なんとなく吉岡里帆が頑張ってる姿を描くだろうという想像以外、内容がどういったものなのか観始めるまで全く知りませんでした((
感想はと言うと、期待していたよりも面白かったです。生活保護というテーマに接することがほとんどないためか、その実態の一部を見るという意味での興味深さがありました。また、主人公が仕事で奮闘するタイプの物語は世の中に無数にあると思いますが、人と向き合わなきゃいけない側面がとても強いのが印象的でした。生活保護を受けている人間は、各々事情ががありつつも自立して生活を立てることができていない(死と隣り合わせに近い)状況で、劇中でも保護に甘んじて自分のダメさに開き直る受給者がいましたが、それを自立できるよう導いていくためにはまず見捨てず接する必要があります。私自身はそういう場合に見捨ててしまうスタンスで生きていることが多いので、それと向き合う苦労の様に対して心に残るものがありました。そういう意味では珍しい2話完結という構成は各ケースのキャラクターを深く描いていくことができるので良かったと思います。
見てて妙に気になってしまったのは主人公の仕事風景。残業と言えば「電気も消されたオフィスの中で1ヵ所だけ電気をつけて仕事してる」みたいなイメージは確かにありますが、実際にそういう風景ってまだ残っているんですかね。。
あとこれは良かったことですが、最終回の「金、振り込まれてないんですけどぉ〜!」のセリフはかなり迫力もあって印象的でした(これを見て演者が松本まりかという人だということを調べたくらいには)。


○「彼氏をローンで買いました」
【主演】
真野恵里菜横浜流星
【あらすじ】
専業主婦を夢見る主人公。そのために一流企業に勤めるエリートイケメン男性を捕まえていたが、彼の理想の女性像を演じるにあたって心労が絶えなかった。そんなある日、同じ理想の境遇を辿りつつも離婚してしまった先輩と出会ってしまい彼との生活への不安を募らせる。そんな先輩がストレスの捌け口として借金した男の借金を肩代わりする形で男を買って奴隷のように扱っていることを教えてもらい、「月々さんきゅっぱ」の響きに乗せられて主人公もイケメン男性を月々ローンで買って生活することに。
【感想】
単純にあらすじが面白そうだったので興味を持ちました。Youtubeで1話だけ視聴して気になってはいたのですが、ちょうど地上波で放送されていることを知ってすぐに録画予約しました。
全体としてはまあまあ。ローン彼氏とどういう結末を迎えるかが一番重要なことだと思うのですが、エリート彼氏から乗り換える最悪の結末にはならなかったものの、再びローン彼氏として再会するというや腑に落ちない結末でした。脚本の野島伸司ってたぶん有名だと思うのですが、以前観た「パパ活」の終盤が絶望的だっただけに今回も途中から期待できないものなのかと思って途中からハラハラしてたので、最悪を迎えなかっただけマシだと思っています()
専業主婦を夢見るキャラクターの設定は「両親がそうであり、自分が育ってきたその過程が幸せそのものだったから」というものが多いイメージでしたが、この作品の主人公は結婚生活における男女の役割を考えた上での結論が専業主婦という主張で、一つの結婚観を聞くことができたという意味ではプラスでした。演者についても、真野恵里菜の猫かぶりは結構お似合い(?)な印象でしたが、トッキュウジャーを観ていた人間からすると横浜流星のクズな感じは新鮮で良かったです。
作中で気になったことはそれほどないのですが、他人の感想を観ていた際に「これが男女逆だったらって考えると馬鹿にしてる」「今どき専業主婦理想論の押し付け」という意見が散見されていたのがとても不思議で、そういうのを踏まえた上でのフィクションだからこそ面白いと思うのですけどね。。