ゲーム「名探偵ピカチュウ」の感想。

「名探偵ピカチュウ」のゲームをクリアしたので感想を。


DSの「おもいで記録帳」によるとクリアまでのプレイ時間は9:05でした。
因みに、体験版(?)などは全くやったことがなく、完全に初見でした。


○大雑把な感想
・推理の難易度は低い、推理ゲームとしては物足りない
ポケモンが日常に溶け込む世界観の演出がとても良い
・ゲームクリアには時間がかかるので映画でサクッと観るのがコスパは良さそう(実写である必要はなさそう)


ネタバレを含むので続きから。



○あらすじ
舞台はポケモンと人間が共に暮らす街・ライムシティ。青年ティム・グッドマンは2ヵ月前にこの町で行方不明になった父親ハリーを捜すために訪れるが、そこで自分とだけ言葉を通わせることができる不思議なピカチュウに出会う。このピカチュウはどうやら父親の元相棒だったのだが記憶を失くしているらしく、一緒にハリーの消息を追うことに。


○世界観
このゲームの一番良かったところは間違いなくこれだと思います。
従来のポケモン作品も人間とポケモンが共に暮らす世界が舞台ではありますが、それらは主人公がポケモンを捕まえたり戦わせたりして旅をする冒険世界としての側面が強いです。それに対して、今回はそういった冒険要素もなく「街に野生ポケモンがいる、パートナーのポケモンと共に仕事をする」など日常にポケモンが溶け込んだ生活感が強く、ポケモンと共に暮らす世界としてのリアリティがすごくありました。
また、アニメーションや声優も良かったです。一番分かりやすい例は「従来のポケモン作品ではエレベーターに乗るときに何もボタンを押さないが、この作品はちゃんと押す動作がある」だと思うのですが、人間やポケモンの所作が細かく演出されています。声優もまるで洋画の吹き替えのような雰囲気を醸し出しており、世界観の再現にとても貢献していたと思います。


○ゲームとしての面白さ
背景は良かった反面、ゲーム性としてはイマイチでしょうか。
物語の流れとしては章構成になっており、「事件に遭遇、それを解決するために聞き込みで情報を集める、情報を整理して推理する、稀にアクションゲームがある」を繰り返して真相に辿り着く…を繰り返す形になります。
まず、アクションゲームは要らなかったと思います。そもそもアクションの要素が「タイミング良くAボタンをタイミング押す」「Aボタンを連打する」の2種類と乏しい上に、成功可否に関わらず物語が進行することが多いので、何のためにやっているのかよく分かりませんでした。
次にメイン要素である推理なのですが、難易度は易しかったです。ピカチュウの誘導に沿って入手した情報を当てはめるだけなので間違うことが少なく、仮に間違ったとしてもペナルティがあるわけではないので何度か試せば突破できます。自分がプレイしてきた「逆転裁判」「ダンガンロンパ」などの推理要素を持つゲームとは明らかに対象年齢が違うため、この辺りは仕方がないでしょうか。
もう一つ気になったのは、章によってボリュームの差異が大きいことです。特に2章が異様に短かったように感じていて、確かに犯人もいなければ洞窟から脱出を試みるだけなので無駄に長くても嫌ですが、どうしても気になってしまいました。最終章もクライマックスの割には一瞬で解決できる短さだったので、結構あっけなく終わった感じでした。


○ストーリー
意外性はありませんでしたが、特別違和感のあった部分もなく無難にできていたと思います。
黒幕についてはだいたい予想がついていましたね。そもそも黒幕が身近にいるのはお決まりなので新しい登場人物が出る度に疑っていたのですが、2章の洞窟でRを使ったポケモンと遭遇したのは偶然ではないと考えたら、GNNのメンバーに候補が絞られますよね(なお途中までエミリアがヒロインキャラであることに気付かず疑いを持っていた)。
また、ハリーの行方ですが、これも大方予想がつくように「ハリー=ピカチュウ」だと思ってストーリーを進めていました。ピカチュウの習性である「コーヒーが好き・二足歩行の方が移動しやすい・技を出せない」というのは人間ハリーのそれであり、ミュウツーと細胞を回収する約束をしたことへの対価や事件解決後の「どちらを選ぶか決めましたか?」という問いから、事故の際にミュウツーが意識と身体を上手い具合に操作したことが伺えます。結局、その真相について語られることはありませんでしたが、敢えてミステリアスな部分を残すところがハードボイルドな探偵というところでしょうか(?)。


○総評
「世界観が良い」「ストーリーもまあ良い」のでポケモンのキャラクターや世界が好きな方にオススメできる内容であり、ポケモンの冒険世界を経験したことある方にも新鮮な感覚を味わえるポケモン世界として経験してみてほしいと思いました。とはいえ「ゲーム性がイマイチなのにクリアまで10時間かけるほどの価値があるか」と問われると確かにその通りで、この作品の世界観をちょうど良く味わうには映画が最も良いと思いました。
幸い、この作品を題材にした映画が作成されるそうで、実写でなくアニメーションの方が良さそうという気持ちもありますが、それはそれで楽しみにしたいと思います。


○その他小ネタ
・1Fのカフェの上に探偵事務所・・・どこかで見た構図ですね()
・探偵事務所の助手アマンダの腰が細すぎないか・・・?
・1話でネックレスを盗まれた少女の付き添い、ヒロインのエミリアなんですけど母親でも姉でもなかったのか((
・3話まででRの発動条件に眩い光を浴びることがあると思ってたけど全くそうではなかった
ヒンバスミロカロスに進化するのはこの世界でも定番シーンでした
・というかヒンバスが醜いって思ったことがない()
・GNN入ってすぐの「ミミッキュがいなくなった」は無視して進めてたけど、後でちゃんと回収されてた
・闇オークション失敗したのが気になってここだけリセットしてやり直した()
・カーニバルでR散布事件を起こすクライマックス、未然に全て防ぐ結末でしたがミステリー的にはもう少し危機一髪感が欲しかったかも。。
・9時間でクリアできるパッケージゲームって購入価格と見合っているのだろうかと考えたけど、私はオフの景品でいただいたのだから購入コストはないことに気付いた(