○カプ・コケコ おくびょう エレキメイカー
155-×-106-125-108-200 H.76 B.4 C.76 D.100 S.252
10まんボルト、マジカルシャイン、めいそう、まもる@フェアリーZ
175-187-151-×-112-118 H.156 A.116 B.4 D.12 S.220
(175-198-171-×-132-158)
アイアンヘッド、バレットパンチ、じだんだ、まもる@メタグロスナイト
189-×129-187-160-142 H.108 B.148 S.252
(189-×-129-220-180-142)
しおふき、ねっとう、れいとうビーム、まもる@あいいろのたま
○レックウザ いじっぱり エアロック
208-170-110-×-148-124 H.220 D.220 S.68
(208-220-120-×-148-144)
ガリョテンセイ、しんそく、つるぎのまい、おいかぜ@バンジのみ
○ガオガエン しんちょう いかく
201-136-116-72-128-101 H.244 A.4 B.44 D.52 S.164
フレアドライブ、バークアウト、とんぼがえり、ねこだまし@とつげきチョッキ
176-×-143-115-193-84 H.244 B.60 D.204
ねっとう、こごえるかぜ、しぜんのいかり、ひかりのかべ@ウイのみ
7/28の第46回伝説厨オフで使用。予選4-2で同率2位の予選落ち。
シーズン16のWCSレート途中から使用して17-3で1770程度(暫定約20位)
【構築概要】
伝説ポケモンの組み合わせとしてカイオーガとレックウザを選択した構築。
範囲攻撃が強力なカイオーガで圧力を掛けながらメガレックウザの剣の舞を積むような戦い方をしますが、レックウザに追い風も搭載することでカイオーガによる制圧を主軸に置いた戦い方もできるようにしています。
この組み合わせだとゼルネアスに対しては有利に戦えないので、その場合はレックウザではなくメタグロスをメガシンカさせて対応します。
【構築経緯】
テーマは「オーガレックの研究」で、今年の全国大会で私が注目していたプレイヤーの多くがカイオーガ+レックウザの組み合わせの構築を使っていたので、自分でも使って理解を深めたいというのがきっかけです。
カイオーガは雨しおふきによる制圧力こそ高いのですが、「威力が残りHPに依存すること」「素早さが中途半端な高さであること」から素早さ操作技を絡めて使いたいです。その手段として、ここでは追い風を選択。また、別の構築で使用感が良かったことと選出の歪みにくさを考えてレックウザに追い風を搭載することにしました。
まず、必要だと感じたのは水タイプへの打点です。カイオーガに雷を採用する技枠を捻出しづらく、相手のカイオーガやカプレヒレの処理が遅れるとレックウザも致命的なダメージを受けやすいことから、水タイプを素早く削る手段を取り入れたいです。
ここでZ技を持たせたトゲデマルやカミツルギの採用も考えたのですが、「レックウザで追い風をすると威嚇に弱い並びになりやすいこと」「カイオーガを安全に着地させるまでに時間がかかり追い風下で制圧力をあまり発揮できない」点が気になりました。これを解消するために追い風要員としてサンダーを採用。追い風で制圧力を発揮できない課題は、レックウザに剣の舞を持たせることで追い風が切れた後も息切れしないような形を取って解消できますが、剣の舞と追い風を同時採用しつつ脅威を発揮するには守るを不採用にする必要があり、追い風要員としては不安が残ります。そこで追い風要員をもう1枚採用することで役割を分担させることを狙います。サンダーは水タイプへの打点を併せ持った追い風要員ということで自然と選出がしやすい点で適任でした。
4匹目としてはガオガエンを採用。威嚇と猫騙しが展開作りにも阻害にも便利なことは言わずもがな、炎タイプがカイオーガの苦手を補完する意味でも重宝します。
また、ここまでの4匹ではゼルネアス構築が厳しいので専用の対策を用意する必要があり、単純にゼルネアスの処理速度が早いポケモンを求めてメガメタグロスを採用しました。メガメタグロスを選んだのは「ゼルネアスの取り巻きに採用されるポケモンにもある程度打点があり腐りにくいこと」「素早さ関係的に苦手なポケモンに縛られにくいこと」の2つです。レックウザとメガシンカが同居する形になりますが、レックウザはメガシンカなしで選出してもカイオーガを通すための役割自体はこなせる上にゼルネアスにはあまり強くないので無理に選出する必要はないと思いました。
最後の1匹としては対トリックルームを見据えてカプレヒレを採用。耐久が高めなので場持ちがそこそこ良く、敢えて素早さを遅くすることでカイオーガやグラードンにトリックルーム下で先制して干渉できます。
この6匹の使用感は悪くはなかったのですが、カプコケコが採用されたミラーマッチでの勝率が安定しませんでした。既存の役割をある程度維持しつつ、それを解消するためにサンダーの代わりに瞑想カプコケコを採用することにしました。
サンダー採用時は「追い風を使ってカイオーガレックウザ自身の関係性を逆転させる」であったのに対して、カプコケコの場合は「カプコケコ自身がカイオーガレックウザの苦手を睨む」というアプローチの違いなので、既存の役割自体は維持できると考えます。サンダーの場合は追い風カイオーガを安定して展開できるので多くの試合で分かりやすい有利状況を作れますが、カプコケコ採用時もそれは立ち回りで対応できる範囲だと思えたので、追い風要員がレックウザのみになることはそれほど気になりませんでした。
【個別解説】
★カプ・コケコ
<持ち物:フェアリーZ>
ミラーを有利に戦う上でメガレックウザを縛るためにフェアリーZ。
Z技を使わないときの火力の低さが気になっていたので拘り眼鏡も候補でしたが、耐久に努力値を振るとたいした火力を出せなかったので、小回りの利く瞑想で火力を補えば良いと考えました。
<技構成:10万ボルト、マジカルシャイン、瞑想、守る>
メインウエポンの10万ボルト、メガレックウザを縛るZ技の媒体となるマジカルシャイン。火力不足を補うための瞑想。大事に扱うための守る。
デンキZではないためカイオーガに対してはそれほど強くないですが、素直に動いてくることは多くないのでその間に瞑想を積んでより圧力をかけます。そこで仮に行動されていても瞑想で特殊耐久を上げることで被害を抑えられるのが強みになります。
<実数値:155-×-106-125-108-200 H.76 B.4 C.76 D.100 S.252>
素早さ最速。A232メガレックウザのランク+2神速耐え(15/16)。C222カイオーガの75%しおふき耐え。Dランク+1でC232カイオーガの75%根源の波動2発耐え。
レックウザで無天候状態を作ることでカイオーガの攻撃を耐えることを狙って耐久振り。足りない火力は瞑想で補いますが、フィールド10万ボルトでHP振りカイオーガ2発やZマジカルシャインで無振りメガレックウザ1発のラインは確保できています。
<持ち物:メタグロスナイト>
メガシンカのため必須。
対ゼルネアスをこなす上でアイアンヘッド、威嚇で確定数を崩されたり物理耐久が厚い場合にも対応できるようバレットパンチ、ゼルネアスの取り巻きに採用されやすいガオガエンやグラードンへの打点となる地団駄、大事に扱うための守る。
冷凍パンチや身代わりなどもあれば試合で有利に働く場面は多そうですが、上記の技を不採用にしてまで採用するほどの優先度ではありませんでした。
<実数値:175-198-171-×-132-158 H.156 A.116 B.4 D.12 S.220>
アイアンヘッドでH201-B116ゼルネアス1発。A255グラードンの75%断崖の剣耐え(14/16)。C201メガレックウザのオーバーヒート耐え(14/16)。最速ランドロス抜き。
まず最低限の火力を確保。素早さは最速ゼルネアス抜きを確保したいのですが、メガレックウザに倒されることを避けたかったので耐久振り。ゼルネアスの取り巻きに多いポケモンを考えてグラードンとランドロスを意識した素早さ設定にしました。
ゼルネアスが耐久に厚い場合はアイアンヘッドで倒せませんが、その場合は素早さが遅くカイオーガの攻撃が先に通ることも多いはずなので、バレットパンチと合わせてそれを対処します。
<持ち物:藍色の玉>
ゲンシカイキのため必須。
<技構成:しおふき、熱湯、冷凍ビーム、守る>
メインウエポンのしおふき、ワイドガードに関わらずグラードンやツンデツンデなど役割対象を処理するための熱湯、構築内で倒せるポケモンが限定的であるメガレックウザやモロバレルへの打点となる冷凍ビーム、大事に扱うための守る。
雷は採用できると非常に良いのですが、技の優先度的に採用できず。根源の波動は後手で打たされる場合に勝ち筋を残せる技になりますが、HPが削れた場合に仮想敵に安定してダメージを稼げる熱湯の方が負け筋を減らす意味で優先度が高いと思ったので不採用にしました。
<実数値:189-×-129-220-180-142 H.108 B.148 S.252>
素早さ振り切り。A232メガレックウザの命の珠ガリョウテンセイ耐え、A201ツンデツンデのZストーンエッジ耐え。C201ゼルネアスのランク+2ムーンフォース耐え。
しおふきがメインウエポンになることから先制できる相手が多い方が強いので素早さに振り切り。「75%しおふきでH145-D96カプコケコ1発」「冷凍ビームでDランク-1デルタストリーム下のメガレックウザ1発」という火力とゼルネアスレックウザと打ち合う最低限の耐久を確保するために性格は控えめにしました。
<持ち物:バンジの実>
耐久に大きく努力値を割いたことで普段耐えられないような攻撃を耐えられるようになったので、その後の微弱な攻撃で倒されることを防ぐために半分回復木の実を持たせます。
レックウザは性格が多彩ですが特殊耐久を下げる機会が一番少ないと予想されるのでバンジの実を選択。
<技構成:ガリョウテンセイ、神速、剣の舞、追い風>
メインウエポンとなるガリョウテンセイ、カイオーガと同時に選出しながら素早さ操作技を自然と採用するための追い風、追い風での圧力を活かしながらレックウザ自身が脅威となるための剣の舞、剣の舞と相性が良く追い風がなくてもカイオーガで削った相手を仕留められる神速。
レックウザに対してガオガエンの威嚇と猫騙しで切り返しをする動きをされやすいので、剣の舞を持たせる場合はそれをやり過ごす守るが重要だと思っていたのですが、カイオーガと並べることで安易なガオガエン交代を許さないことから他の構築に比べてそれほど気になりませんでした。
<実数値:208-220-120-×-148-144 H.220 D.220 S.68>
性格補正のないランドロス抜き。C147カプコケコのZマジカルシャイン耐え(14/16)、Dランク-1時にデルタストリーム下でC255カイオーガの冷凍ビーム耐え(15/16)。
交代での繰り出し、追い風の発動、剣の舞を絡めた崩し、と幅広い役割をいくつかこなすために行動回数を確保すべく努力値のほとんどを耐久に配分。ランク+1ガリョウテンセイでH201-B111ガオガエンを処理するために性格は意地っ張りに設定。カイオーガとの素早さ関係から型の判別をされにくくするために、 最低限味方のカイオーガより素早さを高めました。
<持ち物:突撃チョッキ>
ルナアーラのカクトウZやカイオーガの水技での即死を避けるために突撃チョッキ。
メジャーな半分回復木の実でしぶとくサイクルを回せるのも強力ではありますが、ガオガエンの即死は負けに直結しやすく、負け筋を少なくできる突撃チョッキの方が魅力的に感じました。
展開作りに便利な蜻蛉帰りと猫騙しを採用。カイオーガが苦手とするナットレイをはじめとした草タイプへの打点となるフレアドライブと味方全体の特殊耐久をサポートするバークアウトで技を埋めました。
カプコケコやカイオーガと相性が良い地均しも技の候補にありましたが、ゼルネアスに対してそれほど余裕があるパーティではないのでバークアウトを絡めて打ち合うことは重要と考えました。
<実数値:201-136-116-72-128-101 H.244 A.4 B.44 D.52 S.164>
C232カイオーガの雨75%根源の波動耐え、C183ゼルネアスのランク+2 75%マジカルシャイン2発耐え。A232メガレックウザの命の珠ガリョウテンセイ耐え(13/16)。追い風で最速ミュウツー抜き。
ガオガエンがミラーしたときに素早さが高い方が取れる選択肢は多いと感じていたので、最低限の耐久だけ確保してできるだけ素早さを上げました。対トリパを意識して素早さを上げすぎない選択肢もありますが、後述の通りカプレヒレを遅くすることで対策します。
<持ち物:ウイの実>
守るを持たないことからZ技の標的とされやすく、Z技を被弾した後も通常の攻撃を耐えるように回復量の多いウイの実。
ウイの実は発動条件が厳しいですが、特殊耐久をかなり高めた上で光の壁やバークアウトを絡めることから相手から受けるダメージがかなり小さくなるので、物理バランス良く振り分ける場合より発動機会を多くできそうです。
<技構成:熱湯、凍える風、自然の怒り、光の壁>
対ルナアーラ・ネクロズマを特に意識しているのでパーティ全体でそれに強くなれる光の壁。トリックルーム下でグラードンを素早く処理するための熱湯、カイオーガを削る手段となり場に残っても腐りにくくなる自然の怒り、対ウルトラネクロズマで便利な味方の素早さサポートとなる凍える風。
メイン技は自然の怒りと相性が良い潮水も候補ですが、雨熱湯であれば特殊耐久に厚いグラードンも一撃で倒せて、トリックルーム下で行動させないことに価値があると思ったので潮水は不採用。凍える風はカプレヒレ自身は恩恵を受けにくいですが、取り巻きは大きく恩恵を受けられるので、採用する価値があります。
<実数値:176-×-143-115-193-84 H.244 B.60 D.204>
自然の怒りを意識してHPは4n。素早さは最遅カイオーガ-1。A232メガレックウザのランク-1ガリョウテンセイ2発耐え。C189ルナアーラのルナアーラZ+光の壁下で同シャドーレイ耐え。
主にルナアーラやネクロズマ絡みでの選出が多いので、特殊耐久を重視して配分。特攻は無振りですが、雨熱湯でH207-D155グラードンまで確定で倒せるので特に配分はしませんでした。
【総評】
対戦会での結果こそ出ませんでしたが、自分の中ではある程度納得感があるところまで考察ができてオーガレックに対する理解が深まったので、その点では良かったです。
オーガレックの組み合わせは当初「カイオーガを通すためのレックウザ」という印象が強く、素早さが中途半端で且つ雨攻撃を通せるタイミングもやや限定的な部分があるカイオーガをそこまでしてサポートする価値があるのかそもそも懐疑的でした。しかし、実際に使ってみるとカイオーガが頻出のガオガエンに対して強いことが非常に大きく、相手のガオガエンの行動を制限してこちらのガオガエンやレックウザが活きる場面を増やせることが強みだと思いました。また、その中でカイオーガを通す方が有効な場合には追い風を使うように動きを切り替えられるメガレックウザ自身のスペックの高さを感じました。
瞑想カプコケコの採用によってオーガレックミラーで優位に立てること自体は増えたものの、ゼルネアスレックウザに対して安定しないという課題は残っております(メガメタグロスがメガレックウザに先制される関係から立ち回りがシビアになります)。その点追い風サンダーの方が優れているとも言えますし、対ゼルネアスレックウザの意味ではZミミッキュの採用も検討しましたが、取り巻きにモロバレルがいる場合は結局苦戦を強いられそうです。
【おまけ:途中まで採用していたポケモン】
○サンダー おくびょう プレッシャー
175-×-106-160-118-167 H.76 B.4 C.116 D.60 S.252
10まんボルト、ほえる、おいかぜ、みきり@デンキZ
・素早さ最速(最速ゼルネアス抜き)
・A232メガレックウザのランク+2ガリョウテンセイ耐え(15/16)
・C255カイオーガの雨75%根源の波動耐え(15/16)
・C201ゼルネアスのランク+2 75%マジカルシャイン耐え(13/16)
・Z10万ボルトでH176-D181カイオーガ1発
<ひとこと>
当初採用していた追い風要員。デルタストリームの恩恵を受けるので通常より安定感の増した運用ができます。カプコケコに比べると上からの圧力に苦戦した立ち回りを強いられますが、勝てる相手には安定して戦いやすい印象はあります。
こちらの伝説枠より速い最速カイオーガを見るために素早さ振りのデンキZ。吠えるはゼルネアス+レックウザの並びに選出してゼルネアスに抵抗手段を持つ目的とメガゲンガーによる影踏みを解除するために採用。レックウザが耐久に厚いおかげで剣の舞を使いやすいことからナットレイを倒せるポケモンとして見れるので熱風は不採用、グラードンには選出しなさそうなことからめざめるパワー水も不採用。
後述のスカーフレックウザを採用する場合は相手のレックウザと対面してもスカーフが判別されないよう素早さを160以下に抑えるべきかもしれませんが、それほど耐久が向上するわけでもないのにゼルネアスやイベルタルに先制できなくなるのは気になります。
○レックウザ さみしがり エアロック
189-188-99-185-136-130 H.68 A.4 C.116 D.204 S.116
(189-221-108-215-146-150)
ガリョウテンセイ、りゅうせいぐん、だいちのちから、おいかぜ@こだわりスカーフ
・性格補正のないルナアーラ抜き
・Dランク-1時にC232カイオーガの冷凍ビームをデルタストリーム込み耐え(14/16)
・メガ前にC200カプテテフのムーンフォース耐え
・流星群でH211-D151メガレックウザ1発(15/16)
・ガリョウテンセイでH145-B105カプコケコ高乱数2発(最低72ダメージ)
<ひとこと>
カプコケコを採用するまで相手のカプコケコやメガレックウザが辛かったので、それを解消するために拘りスカーフのレックウザを検討。メガシンカ前後で素早さが変わるので相手に縛り関係を誤認させやすいのがポイント。カイオーガの攻撃を通したい場面で出落ちすると困るので、メガシンカ前の耐久を意識した配分になっています。
スカーフで拘るデメリットを判別されにくい奇襲性能の高さで目を瞑ることにしていたのですが、カプコケコが最速でない場合やサンダーと並べたときなど特性発動順で判別されやすい瞬間が意外と多いところが気になりました。
【感謝】
レモネードさん:瞑想カプコケコの着想をくれた、デンキZで使ってたみたいですが(