WCS2018ルール構築~サンダーグロス+カプ・テテフ~

 

メタグロス ようき クリアボディ
155-187-150-×-111-134 A.252 D.4 S.252
(155-197-170-×-131-178)
しねんのずつき、じだんだ、みがわり、まもる@メタグロスナイト

 

カプ・テテフ ひかえめ サイコメイカ
158-×-112-176-136-140 H.100 B.132 C.76 D.4 S.196
サイコショックマジカルシャインエナジーボール、めざめるパワー(炎)@とつげきチョッキ

 

○サンダー おくびょう プレッシャー
194-×106-146-133-145 H.228 B.4 C.4 D.180 S.92
10まんボルト、めざめるパワー(氷)、おいかぜ、みきり@デンキZ

 

○FCランドロス さみしがり いかく
181-187-99-135-107-138 H.132 A.36 C.76 D.52 S.212
じしん、だいちのちから、いわなだれ、とんぼがえり@こだわりスカーフ

 

ガオガエン わんぱく いかく
194-136-154-×-111-90 H.188 A.4 B.236 D.4 S.76
フレアドライブ、とんぼがえり、ねこだまし、どくどく@フィラのみ

 

トリトドン ひかえめ よびみず
217-×-103-135-110-57 H.244 B.116 C.84 D.60
だいちのちから、れいとうビーム、まもる、じこさいせい@ジメンZ

 

9/7開催の第88回POKeDEXオフ・チーム戦で使用。
チームで予選5-1決勝1-1で3位決定戦に勝利して総合3位。個人戦績は予選5-1決勝1-1で3位決定戦勝利と通算7-2でした。

 

 

【構築概要】
メタグロスとサンダーを主軸にしたパーティ。メタグロス構築と言えば、攻撃範囲の広さと優秀な耐性を活かしてサイクル戦を得意とする傾向がありますが、カプテテフを採用することでサイクルで対応できない部分をサイコフィールドの効果を活かして攻撃的に対応することを狙います。

 

【構築経緯】
7世代のダブルバトルでカプテテフを採用したパーティで結果を残したことがほとんどなかったので、カプテテフを採用したパーティを作る目的からスタート。

 

サンムーンが発売されてカプテテフが登場してから、採用したパーティで私が唯一まともに勝てたのがWCS2019サンルールでのレシラムのパーティでした。そもそもカプテテフというポケモンは、攻撃性能こそ高いものの耐性が少ないため、どちらかと言えば交代を重ねるサイクル戦よりも前のめりに攻撃する対面系統の戦い方の方が得意で、特性のサイコメイカーも先制技による妨害を阻止できるためそういう動きと相性が良いです。実際に、先述のレシラムのパーティでもそのような使い方ができているため構築にハマっていると言えます。
(※レシラムのパーティにおけるカプテテフ…追い風下での制圧を目指す上でサイコメイカーによって猫騙しを防げる、エスパー技が通らない鋼タイプをレシラムで睨めるのでカプテテフも攻撃役として腐りにくく、適度に削ったら襷カミツルギで仕留められるため対面系統の動きになる)

 

一方、WCS2018ルールでカプテテフが採用されることが多いのはメタグロス構築ですが、この構築は相性補完の優れた組み合わせでサイクル戦を行う戦い方を得意にしている印象だったので、耐性の少ないカプテテフを併せられるイメージがありませんでした。
なのでメタグロス構築では相性補完の取りやすいカプレヒレを採用する形の方が好みだったのですが、相性補完の分かりやすさから行動を読みやすいのか相手が強気の選択をして不利になりやすいことが多く、それを防ぐためにはこちらも相手の交代先を的確に当てるなどいわゆる読みの場面を求められることが増えたように感じていました。
その課題の解決としてカプテテフ+思念の頭突きメタグロスがマッチしていると考えました。思念の頭突きは比較的一貫性の高い技なのでサイコフィールドによる火力補正を乗せれば、読みを当てて的確に技を打ち分けなくてもダメージレースを有利に戦うことができると考えました。

 

ということで、既存メタグロス構築の基幹であるメタグロスサンダーにカプテテフを投入。サイクル戦に無理が生じた部分をカプテテフと合わせて攻撃的に出る形で対応していくことを目指します。
補完のポケモンとしてまずはランドロスを採用。メタグロスの地面弱点を補いつつ、威嚇でサンダーの安定感を上げることを目的としており、サンダーと並べて地震での制圧を狙える点も相性が良いです。
残り補いたいポイントとしては主に「炎耐性・ゴースト耐性・対雨・対トリパ」で、そのためにバンギラスモロバレルを採用するかガオガエントリトドンを採用するかに絞りました。最初に採用した4匹の型を考えていたときに「サンダーに熱風を入れるスペースがなく相手のカミツルギが重い」「ランドロスの性格を寂しがりにする関係で物理耐久にやや不安」という課題が発生したのでガオガエンを採用した方が良いと考えて、6匹目のトリトドンで対雨・トリパを見ることにしました。

 

【個別解説】

メタグロス

<持ち物:メタグロスナイト>
メガシンカのため必須。耐久・火力・素早さの全てを引き上げることができます。

<技構成:思念の頭突き、地団駄、身代わり、守る>
先述の通りメインウエポンは一貫性の高い思念の頭突き、エスパー技を半減する鋼タイプや悪タイプ代表格のガオガエンに有効な地団駄をサブウエポンに採用。最低限のサイクルを行うために重要な守るを採用して、最後の技には身代わりを採用しました。
「読み当てて的確な技を打つ」を思念の頭突きである程度解決できますが、悪タイプで威嚇持ちのガオガエンに対してはそれができず読みをはずして反撃で致命傷を負わされる可能性もあります。身代わりはそういう場面での様子見に便利で、ガオガエンが蜻蛉帰りなどを打っていた場合には身代わりを残した状態で後続のポケモンと対面することができるので状況をより有利なものにできます。
メタグロスには冷凍パンチやアイアンヘッドを採用されることも多いですが、フィールドさえあればその対象の多くには思念の頭突きでも十分な打点が確保できると考えて不採用としました。回復手段を持つエスパータイプはこちらへの有効な打点が少ないのでガオガエンの毒々と併せて見ます。困るのはこちらの取り巻きへの攻撃性能の高いサーナイト・カプテテフ・バンギラスなのですが、相手も主軸のポケモンでリスクを冒して攻めてくることが少ないという前提の元ならある程度戦えます。

<実数値:155-197-150-×-131-178 A.252 D.4 S.252>
素早さ最速。C172ランドロスの大地の力耐え(14/16)。残り攻撃。
フィールド思念の頭突きでH165-B105サンダーを1発で倒すには攻撃が196以上必要で、HPが4の倍数になると身代わりを置ける回数が変わってしまうので結果的に全振りになりました。

 

カプ・テテフ

<持ち物:突撃チョッキ>
構築に水・炎耐性のあるポケモンが少なく、そういった相手に相性補完を利かせるのではなく、カプテテフで無理やり削りを入れてメタグロスで縛るという立ち回りを目指すため、カプテテフの打ち合い性能を高めるための突撃チョッキ。
また、大きなメリットとしてカプ系+メタグロスの組み合わせで厳しいメガゲンガーにタイマンで勝てるようになることがあります。

<技構成:サイコショックマジカルシャインエナジーボール、めざめるパワー炎>
メインウエポンとなるエスパー技、削りに便利な範囲攻撃のマジカルシャイン、構築的に重いメガラグラージカミツルギを処理する手段としてエナジーボールとめざめるパワー炎を採用。エスパー技は1つしか採用できなくなりましたが、特殊耐久を引き上げることの多いメガゲンガーやメガリザードンYとの打ち合いを意識してサイコショックを採用しました。
サイコショックではサイコキネシスと違ってフィールド補正込みでもカプコケコを倒すことができませんが、序盤はボルトチェンジで逃げていくことの多いカプコケコに対して綺麗にヒットする場面は少なさそうなので優先度が下がって不採用。ムーンフォースも強力ですが、同じフェアリー技としては味方の攻撃圏内まで程よく削るマジカルシャインの方が使い勝手が良かったので不採用としました。

<実数値:158-×-112-176-136-140 H.100 B.132 C.76 D.4 S.196>
最速ドーブル抜き。C233メガゲンガーのヘドロ爆弾+毒ダメージ1回耐え(15/16)。A222メガラグラージの雨滝登り耐え(15/16)、A233カミツルギのランク-1Zリーフブレード耐え(14/16)。残り特攻で目安はフィールドサイコショックでH176-B136カプレヒレ2発。
追い風で雨下ルンパッパを抜いたり性格補正のないジャラランガを素早く倒せるよう素早さ振り。最低限の耐久を確保して削り能力を上げるために残りを特攻に振りました。
ただ、サンダーより遅い素早さ設定はイマイチだったので変更した方が良さそうです。少し削れたガオガエンマジカルシャイン+デンキZの順番で動かして回復木の実を発動させずに倒したい場面が多いのですが、現状はそれができません。また、ゲンガー構築相手には2匹を先発で並べるのですが、サンダーのプレッシャーが先に発動することにより相手目線からはカプテテフの拘りスカーフを考慮外に置けるようになってしまい行動の選択肢を広げてしまうのがよくありません。

 

★サンダー

<持ち物:デンキZ>
サイクルで無理が生じる部分を攻撃的に補うというコンセプトを考えると、サンダーにも攻撃性能が欲しいので瞬間的に火力を出せるデンキZ。

<技構成:10万ボルト、めざめるパワー氷、追い風、見切り>
メインウエポンの10万ボルト、採用理由でもある追い風を採用。また、追い風を使うべき場面まで場に居残る必要があるため見切りを採用。最後の技は対ボーマンダランドロスを意識してめざめるパワー氷を採用しました。
カミツルギを意識して熱風を採用することが多かったのですが、ジメンZや拘り鉢巻きなど攻撃的なアイテムを持たせたランドロスの数が増えていると感じていたので地面耐性のあるサンダーに打点を持たせて対処すべきだと考えました。熱風がない分は物理耐久を上げたカプテテフやランドロスの大地の力を合わせて補います。

<実数値:194-×-106-146-133-145 H.228 B.4 C.4 D.180 S.92>
A197メガメタグロスのフィールド思念の頭突き耐え。C147カプコケコのフィールドZ10万ボルト耐え。性格補正のないランドロス+2。
安定して追い風を発動できるようにするため耐久振り。めざめるパワーを搭載したのでなるべくランドロスに先制できるよう残りを素早さに振りました。特攻は無振りですが、デンキZで瞬間的ながら攻撃性能を持てるようになりカプレヒレを一撃で倒せる程度の火力はあるため、それほど気にはなりませんでした。

 

★FCランドロス

<持ち物:拘りスカーフ>
メガメタグロスより素早さの高いポケモンを対策できるポケモンが欲しかったので拘りスカーフを持たせての採用。メガメタグロスメガゲンガー・カプコケコなどに打点を持てるので適任です。

<技構成:地震、大地の力、岩雪崩、蜻蛉帰り>
サンダーと並べて終盤の一掃なども狙えるタイプ一致の地震リザードンへの打点となり高い素早さから打てると強い岩雪崩、相手の様子を見ながら交代して盤面を有利にできる蜻蛉帰り。最後の技は隣への巻き込みを気にせず役割対象を攻撃するための大地の力を採用。
バンギラスゲッコウガを考えると馬鹿力が欲しい気持ちもありますが、役割対象への遂行を考えると地震一本での運用ができないため、その場合は地震を不採用にするでしょうか。

<実数値:181-187-99-135-107-138 H.132 A.36 C.76 D.52 S.212>
ランク-1馬鹿力でH175-B130バンギラス1発。大地の力でH146-D96カプコケコ1発(15/16)。A194キリキザンのランク+1命の珠不意打ち耐え。C211メガリザードンYの晴れ火炎放射耐え。性格補正のないランク+1ジャラランガ抜き。
大地の力・地震の両方でカプコケコを倒せるようにするために攻撃に性格補正を掛けつつ特攻振り。リザードンの耐久振りを考えると岩雪崩は単体では不十分な対策となるので、行動保障が付くように無振りランドロスを1発で倒す攻撃を耐える特殊耐久を確保しました。
馬鹿力の採用を検討していた名残で素早さを落としているので、採用しないなら最速カプブルルを抜いて行動保障が付くようにした方が良さそうです。

 

ガオガエン

<持ち物:フィラの実>
交代で繰り出す機会が多くなるのでその回数を増やすべく耐久を最も大きく上げられる半分回復木の実。ハッサムの虫食いを意識してフィラの実。
特に役割対象外のポケモンから致命傷となる攻撃を受けた後も役割対象に対して繰り出せる(倒されない)HPを確保できる点が強力です。

<技構成:フレアドライブ、蜻蛉帰り、猫騙し、毒々>

盤面の建て直しに便利な猫騙しと蜻蛉帰りを採用。対カミツルギと能動的な木の実発動を考えてフレアドライブも採用。最後の技には毒々を採用しました。
メタグロスアイアンヘッドがないのでエスパータイプへの打点が不足していますが、ラティアスクレセリアなど回復手段を持つポケモンには叩き落とすが有効でない場面が多く見受けられます。そのため毒々の方が対処に向いており、そういった相手にはガオガエンを選出しやすいこともあって、選出を歪めないためにもガオガエンに持たせておくのが良いと思いました。
ヒードランの処理が重たいのでけたぐりやバークアウトも候補なのですが、火力不足・パーティの耐久不足の点から対策としては中途半端だと思ったので不採用。

<実数値:194-136-154-×-111-90 H.188 A.4 B.236 D.4 S.76>

追い風で最速メガメタグロス抜き。C161カプレヒレのランク+1 75%濁流耐え(15/16)。A216ランドロスのランク-1 75%地震2発耐え。
カミツルギに対応したいこと、ランドロスを選出しない場合に地面技が一貫しやすいこと、を踏まえて物理耐久を中心に配分。特殊耐久は最低限の値しかありませんが、カプテテフを採用してカプコケコのデンキZを受ける場面を減らせることやランドロスの大地の力で半分回復木の実が発動しやすくなりその後のサイクルにも参加させやすい部分もあり、それほど気になりませんでした。

 

トリトドン

<持ち物:ジメンZ>
サイクルで無理が生じる部分を攻撃的に補うというコンセプトを考えたときに、耐性だけ優秀で攻撃性能の低いトリトドンが足を引っ張らないように瞬間火力を引き出せるジメンZ。
特に雨+メタグロスのような構築に対して強く出れるようになったのが大きいです。

<技構成:大地の力、冷凍ビーム、守る、自己再生>

仮想敵となるツンデツンデメガバクーダへの打点となるタイプ一致の大地の力。雨パーティに対しては呼び水を発動させるために場に残ることが重要なので守る。残る2つは地面技の通らない相手への打点として冷凍ビーム、打点がない相手を詰めるのに便利な自己再生を採用しました。
小さくなるラッキーや腹太鼓カビゴンを意識してクリアスモッグを持たせることも多いですが、取り急ぎの対戦環境が「対戦数上限がないレーティング」「使用者が限られる傾向にある対戦オフ会」だったので、ラッキーの対策は諦めることにしました。カビゴンについては別のポケモンで圧力を掛ける、選出する場合もジメンZで削りを早めることはできます。

<実数値:217-×-103-135-110-57 H.244 B.116 C.84 D.60>
大地の力でH146-D96カプコケコ1発(15/16)、Z大地の力でH201-D129ガオガエン1発。A222メガラグラージの75%地震2発耐え。C222ギルガルドのZシャドーボール耐え。
最低限の耐久と火力を確保したら見事に努力値を振れるところがなくなりました。素早さはガオガエンギルガルドとの関係性をはっきりさせるために最遅60族-1に設定しました。

 

 

【構築総評】
細かい部分では対処の難しい相手が数々残るものの、多くの構築ジャンルに対して立ち回り次第で幅広く戦える形になりました。
特に強力だったのはメタグロスの身代わりと突撃チョッキ持ちのカプテテフ。身代わりは読み負担を減らすのに便利な技で、この技を採用すると技範囲が狭まってしまうところをフィールド思念の頭突きの一貫性の高さで補えています。思念の頭突きメタグロスについては「本来メタグロスが苦手気味なポケモンへの打点となる技だが、取り巻きでそれらを削ってしまえば素早さ関係から逆に縛ることができる」点を理解していたので、威嚇と突撃チョッキで行動保障を持たせたカプテテフがその満遍ない削りを行ってくれる点で相性が良かったです。
個人的に課題に感じている部分は「晴れ+ヒードラン」「雨+ナットレイ」でこの辺りへの対策を組み込みつつ無抵抗なラッキーにも対応できる組み合わせは検討したいです(腕白メガバンギラス+襷モロバレルが一つの候補)。何はともあれ、当初の目的である「カプテテフを使って結果を残す」を納得感を持って実現できたことが一番良かったです。

 

 【感謝】
・ なさにえるさん、みんてぃあさん:突撃チョッキ持ちカプテテフの原案

【WCS2018】テヒフグロス【WCS2018Day1】 - 732ばんどうろ

【WCS2018】ケントレヒレグロスWCS ver. - ねばーせいみんてぃあ。

・くまさん:ジメンZトリトドンの着想、素早さ高めのサンダーグロスミラーの立ち回り選択肢

【全国ダブル】テテフグロスfinal - #シコーる活動日誌

144サンダーとグロスミラー - #シコーる活動日誌

・じーんさん:メタグロス構築のカプテテフが補完する部分について「下からの殴りに対しての相性が良いカプはテテフだけ」と教えてくれた、解釈が合ってたのかは分かりませんが少なくとも考えを巡らせ続けるきっかけになったので。