インターネット大会「バトルレジェンド」ルール構築~バンドリ+Stayしがちムゲンダイナ~

 

バンギラス いじっぱり すなおこし
175-178-155-×-120-113 A.60 B.196 S.252
いわなだれイカサマ、でんじは、ちょうはつ@きあいのタスキ

 

ドリュウズ ようき すなかき
189-156-107-×-87-154  H.28 A.4 B.212 D.12 S.252
10まんばりき、アイアンヘッドいわなだれつるぎのまいじゃくてんほけん

 

○ムゲンダイナ おくびょう プレッシャー
223-×142-179-118-180 H.60 B.212 C.108 D.20 S.108
ダイマックスほう、かえんほうしゃ、まもる、じこさいせい@りゅうのキバ

 

トゲキッス おだやか はりきり
191-×-134-×-165-100 H.244 B.148 D.116
あくび、このゆびとまれ、サイドチェンジ、まもる@ぼうじんゴーグル

 

ウインディ ひかえめ いかく
196-×-101-154-102-127 H.244 B.4 C.156 D.12 S.92
かえんほうしゃ、バークアウト、おにび、まもる@マゴのみ

 

○Wロトム ひかえめ ふゆう
154-×-129-154-128-125 H.228 B.12 C.116 D.4 S.148
10まんボルトハイドロポンプあくのはどう、わるだくみ@オボンのみ

  

インターネット大会「バトルレジェンド」でげべぼさんが使ってレート1752。
10/11の同ルールの仲間大会でワイルドが使って8-3の25位(405人参加)。
10/12の同ルールの仲間大会でワイルドが使って11-2の1位(382人参加)。

 

【構築概要】
伝説枠にムゲンダイナを採用した構築。ドリュウズのダイスチルやダイアースを利用して耐久を引き上げながら特性のプレッシャーと自己再生を活かして詰めを狙うのが基本的な勝ち筋になります。
ムゲンダイナにはダイマックスに有効なダイマックス砲があるので、ドリュウズを序盤からダイマックスさせて上手く凌がれたとしても、相手の中盤以降のダイマックスにある程度対抗手段を持たせることができます。また、ドリュウズの刺さりが悪い場合はロトムを軸に選出をします。
構築名は和田光司「Butter-Fly」の歌詞から(場に居座りがちなムゲンダイナを指して)。

 

【構築経緯】
一部の伝説ポケモンが使用可能なルールですが、8世代で登場したザシアン・ザマゼンタ・ムゲンダイナの3匹はダイマックスができない特殊なポケモンになります。その代わりに、ダイマックスに対して2倍のダメージを与える専用技を覚えるので、一般ポケモンダイマックス+8世代伝説の組み合わせは相手のダイマックスに強いポケモンを増やしつつ自身もダイマックスができるところで魅力的でした。
その中で、ムゲンダイナが自己再生を覚えることを知りました。ムゲンダイナは飛び抜けた火力こそないものの素早さと耐久種族値が高めで、場に居座り続ける形で相手のダイマックスに圧力を掛けられる点でザシアンとは違う強さがあると思っていました。その動きを実現する上で、自己再生は非常に相性が良いです。

ということで、ムゲンダイナの構築を考えるにあたって、ダイマックスするポケモンは別に用意することになりますが、まずバンギラスドリュウズを採用しました。
伝説ポケモンには地面弱点のポケモンが多いので単純にドリュウズの刺さりが良く、ダイスチルやダイアースによる耐久の能力ランク上昇が自己再生ムゲンダイナと相性が良いです。火力が高いポケモンの攻撃が飛び交うルールなので、安定的に積み技を使えるポケモンが限られていたり、ダイナックル・ダイアシッドを強く活用できるポケモンも多くないので、ムゲンダイナで詰める勝ち筋を作りやすそうです。
バンギラスドリュウズの砂かきを発動させるための役割が強いですが、ムゲンダイナの弱点であるエスパータイプに強いので相性は悪くないです。また、電磁波を習得するので相手の追い風やダイジェットにも強く、ムゲンダイナで詰める動き際にも麻痺撒きは便利です。

 

ただし、雨パーティをはじめ水タイプに対してはドリュウズの刺さりが良くないので、別の軸も考える必要があります。そのためにWロトムトゲキッスを採用しました。Wロトムは鋼技を1/4の耐性で受けられるのでザシアンを前にしてもダイマックスして戦いやすく、ドリュウズが苦手な水タイプのダイマックスに強く出ることができます。ただし、ロトムは悪巧みをしないと火力が足りないポケモンであるため、それをサポートする目的でトゲキッスを併せて採用した形です。
最後にどちらの選出にも噛み合う盤面コントロール要員としてウインディを採用しました。威嚇・鬼火・バークアウトでダイマックスエースを守ったりムゲンダイナ詰めを支える動きを期待します。

  

【個別解説】

 

バンギラス
<持ち物:気合の襷>
最低限1回の行動を保証する気合の襷。
弱点が多くダイマックス技で一撃で倒されるケースも多いので、相手の初手ダイマックスを凌ぐのに有効に働きます。

<技構成:岩雪崩、イカサマ、電磁波、挑発>
万遍ない削りができるメインウエポンの岩雪崩、相手の展開封じに使える電磁波と挑発。最後の技はザシアンの身代わりを壊せて弱点保険ソルガレオなどにも有効なイカサマを採用、ダイマックスさせた際に強い打点となるのも嬉しいです。
電磁波は相手の追い風やダイジェットに打つことでドリュウズやムゲンダイナが先制できる状況を維持するために使います。次点で欲しい技は守るで、エスパー伝説を相手にする際はバンギラスの重要度が少し上がるため大事に扱えると便利でした。更に欲を言えば、バークアウトも採用したかったです。

<実数値:175-178-155-×-120-113 A.60 B.196 S.252>
素早さ振り切り。A182ウーラオスの水流連打耐え(99.8%)。残り攻撃。
電磁波との相性を考えて素早さ振り。エスパータイプ伝説がガオガエンバンギラスに強い連撃ウーラオスを採用する可能性を見込んでいたので、それに一撃で倒されることを防ぐために防御に配分。
素早さランク-1状態で麻痺した最速ソルガレオを抜くためには性格を陽気にする必要がありますが、事前の仲間大会では性格は意地っ張りが6割くらいだったので、汎用性を考えて攻撃に性格補正を掛けました。

 

ドリュウズ
<持ち物:弱点保険>
ダイマックスに対して弱点を突いて素早く処理しようとする動きを逆手に取れる弱点保険。
相手がダイマックスを使うタイミングが同時だった場合は、バンギラスが気合の襷を活かして簡単に凌ぐかドリュウズへの致命傷を狙って弱点保険が発動するかの展開に持ち込みやすいため、比較的優勢を維持して戦いやすいです。
<技構成:10万馬力、アイアンヘッド、岩雪崩、剣の舞>
ダイアース媒体の10万馬力、ダイスチル媒体のアイアンヘッド、自身で天候変化を行える技としてダイロック媒体で最も汎用性のある岩雪崩。最後の技は展開を重視して隙が大きい相手と対面した際に利用する剣の舞を採用しました。
範囲攻撃の地震も便利ですが、味方を巻き込む使いづらさと中途半端に相手の弱点保険に触れたくないことから、単純に威力も高い10万馬力を選択。守るはあると便利ですが、ダイマックスしてしまえば良いという考えもあり優先度から不採用(ムゲンダイナが相手のダイマックスに比較的強めなので躊躇なくダイマックスさせやすい)。

<実数値:189-156-107-×-87-154 H.28 A.4 B.212 D.12 S.252>
素早さ最速。DM10万馬力でH168-B136ザシアン1発。A187ドリュウズのDM地震耐え(13/16)。ランク+1時にC202レシラムの命の珠DM蒼い焔耐え。
ダイスチルやダイアースで耐久を上げながら自身の行動回数を増やせるように耐久振り。無振りソルガレオへのダメージを考えると性格補正は攻撃に掛けたいのですが、ミラーやギャラドスなどで素早さが負けている前提で動かすのが嫌だったので最速にしました。

 

★ムゲンダイナ
<持ち物:竜の牙>
特攻振りに全振りしても無振りレシラムを一撃で倒せないなど火力が心許ないので、それを補うためにドラゴン技の威力を上げる竜の牙。
原案は黒いヘドロで、これはムゲンダイナが自己再生をせずともHPを保ちやすいことから安定感はあったものの、火力が足りずに倒しきれなかった場合に隣から崩れていく展開を嫌って火力を重視しました。特に砂嵐のダメージで削れたウーラオスを倒せるかどうかに焦点を当てたので、達人の帯ではなく竜の牙です。

<技構成:ダイマックス砲、火炎放射、守る、自己再生>
メインウエポンのダイマックス砲、先述の通りムゲンダイナが場に長く居座るための自己再生と守る。最後の技はダイマックス砲が通らないポケモンの中でも最も採用率が高いであろうザシアンを意識して火炎放射を採用しました。 
ヘドロ爆弾があるとトゲキッスやピッピの処理が早くて嬉しいのですが、一応ドリュウズでも役割を持てるので、火炎放射や守るを不採用にしてまで採用する技ではないと思いました。能動的に耐久を上げるコスモパワーもありましたが、守るがないと集中攻撃などを凌げないと思ったので不採用です。

<実数値:223-×142-179-118-180 H.60 B.212 C.108 D.20 S.108>
ランク+1時にランク+1A222ザシアンの 巨獣斬2発+砂ダメージ1回耐え(255/256)。ダイマックス砲でH175-D141レシラム1発(15/16)。C197ムゲンダイナのダイマックス砲耐え(15/16)。残り素早さ。
削れた相手を仕留めるのに便利な素早さと最低限の火力は確保しつつ、残りは耐久に厚く配分しました。ザシアンの攻撃も一見するとギリギリでしか受かっていないように見えますが、巨獣斬のPPは8しかないので特性のプレッシャーで凌ぎきれる場面は多いです。

 

トゲキッス
<持ち物:防塵ゴーグル>
フシギバナ相手に選出することが多いこと、ロトムを大事に扱う際にモロバレルに優位に戦えるようにすること、を考えて防塵ゴーグル。自分のパーティで砂嵐を発生させるのでその蓄積ダメージが入らないことも地味に大きいです。

<技構成:あくび、この指止まれ、サイドチェンジ、守る>
採用理由であるこの指止まれ。自身の場持ち性能を上げるための守る、相性補完が優れたポケモンと並んだ際に効果を発揮しやすいサイドチェンジ を採用。最後は相手の展開を阻害する技としてあくびを採用しました。
攻撃技を切った弊害は全くないわけではないですが、ドリュウズロトムに守るを採用しておらず、トゲキッスと同時にそれらの疲弊を抑えたい場面でのサイドチェンジを優先しました。

<実数値:191-70-134-×-165-100 H.244 B.148 D.116>
C197ムゲンダイナのヘドロ爆弾耐え。残り防御。
C161キングドラの命の珠雨DMハイドロポンプやC167フシギバナの命の珠ヘドロ爆弾+毒ダメージ1回を耐えることが目的です。特殊攻撃を受ける機会の方が圧倒的に多いためより特殊耐久に特化する考えもありますが、相手の不意のダイマックスを凌ぐために物理耐久が全くないのも不安だったので、適度に配分しました。

 

ウインディ
<持ち物:マゴの実>
場持ち能力を上げる持ち物としてマゴの実。特にウーラオスの攻撃を耐えるのに重宝します。
ウイの実やフィラの実でない理由は物理か特殊かの判定をさせづらくするため・・・ですが性格を変えるミントが存在する今どの程度効力があるのかは分かりません。

<技構成:火炎放射、バークアウト、鬼火、守る>
盤面をコントロールするのに便利なバークアウトと鬼火、大事に扱うための守る。最後にメインの攻撃技を採用しますが、 火炎放射にしました。
鋼タイプを攻撃したい場面が多くあり、威嚇の影響も受けないことやダイマックスさせた際にダイアークとの相性が良いことから特殊技を選択。原案はオーバーヒートで、ダイマックスせずにザシアンを一撃で倒したりできますが、エルフーンなど削っておいた相手を倒す際に打って特攻を下げる動きがどうしても気になったので個人的な好みで火炎放射を選びました。

<実数値:196-×101-154-102-127 H.244 B.4 C.156 D.12 S.92>
DM火炎放射でH168-D136ザシアン1発。 マゴの実込みでA182ウーラオスの水流連打耐え(84.5%)。残り素早さ。
オーバーヒート採用時にザシアンを意識して特攻を上げた配分。対マギアナなどで特攻が高いことは重要だと考えていたので、そのまま使いました。

 

★Wロトム
<持ち物:オボンの実>
悪巧みを使ってからダイマックスする機会が多いためその際に受けた体力を回復しやすいオボンの実。
この持ち物のおかげで無理やり悪巧みを使えるので、守るを切って別の技を採用するなどの選択ができます。

<技構成:10万ボルト、ハイドロポンプ、悪の波動、悪巧み>
ロトムが脅威を持つための積み技として悪巧み。メインウエポンの10万ボルト、地面タイプへの打点となるハイドロポンプ、最後の技はDM時の攻撃範囲を広げられるダイアーク媒体の悪の波動。 
次点で欲しい技は守る。その他はサイドチェンジや鬼火などダイマックスしていないときにサポート的に使える技ですが、ダイアークで特防を下げながら攻めていくのが対ラプラスネクロズマで有効に働くので、最終的に悪の波動に軍配があがりました。

<実数値:154-×129-154-128-125 H.228 B.12 C.116 D.4 S.148>
ランク+2DM10万ボルトでH167-D136ザシアン1発(15/16)。最速バンギラス抜き。A222ザシアンのランク+1じゃれつく耐え(15/16)。
悪巧みを使って攻撃役となるのでHPと特攻を重視。とはいえ、中低速のポケモンに先制できるかどうかも重要なので素早さも最低限配分しました。

【構築総評】
一番多い選出はバンギラスドリュウズを先発に置く形で、相手の展開を阻害しつつダイスチルやダイアースの追加効果をムゲンダイナに掛ける動きを狙います。先にダイマックスを使う場合は、終盤に相手のダイマックスで切り返されてしまうことも多いですが、後発にムゲンダイナを配置することで相手のダイマックスとの打ち合いもできるので、積極的にダイマックスを使いやすくなっています。
第二のエースとして採用したロトムはムゲンダイナを強化する動きこそ取れませんが、ドリュウズの苦手な相手を補完する目的をこなせるようになっており、実際に選出割合を見てもドリュウズ軸7割・ロトム軸2割・その他1割と綺麗な形になっていました。
構築で気になるのは盤面をコントロールする動きで電磁波や鬼火の命中に不安があることでしょうか。また、先に耐久を引き上げて相手の攻撃を耐え凌ぎ打ち合う戦いをするため不意の急所でプランが崩されやすいとも言えるでしょう。

 

【感謝】
ぽんさん:構築原案、原案は状態異常+ムゲンダイナで、6匹を聞いた翌日にWロトムを提案しようと思ったら、既に最終的に採用する6匹に辿り着いていました
げべぼさん:一緒に使いながらの議論、本番は電磁波や鬼火の命中不安に苛まれたようでそこは残念

 

【余談】
私自身は回線不良に悩まされて満足に対戦消化ができませんでした。自業自得。