ファイアーエムブレム・エンゲージ 初回プレイの感想

ファイアーエムブレム・エンゲージ」をプレイしたので感想。


因みに、私がプレイしたことある過去作品はこちらです。
封印の剣
烈火の剣
聖魔の光石
新・暗黒竜と光の剣
「風花雪月」


★プレイの概要
難易度はハード・クラシック・オンライン接続なしで誰かが脱落したらリセットするルールでスタートしました。戦略を味わうならルナティック、支援会話を回収するならノーマル、を選ぶのでハードをプレイする良いタイミングは初回だけでした。また、ダウンロードコンテンツは購入したものの、ほぼ使いませんでした。
プレイ時間は約60時間、最終章だけ難易度をノーマルに変更してクリアしました(※)。従来の作品に比べるとハードでも戦闘が難しく、最終章のクリアに膨大な時間をかけそうだったことが理由になります(他のゲームへの取り組みを多少疎かにしてでも発売直後にプレイしたのは物語のネタバレを踏みたくなかったからで、これ以上時間はかけられませんでした・・・ので時間のあるときに再度チャレンジしたいです)。
風花雪月をプレイしたときも、魔物のブレイクを知らなかったり騎士団をつけなかったり色々と無知な状態で1周目をクリアしましたが、今回も紋章士の細かい部分など理解できていない部分もあるので、知識を得ながらゆくゆく2周目以降を楽しめればと思っています。
(※追記…少しだけ知識を入れてやり直したらハードでも普通にクリアできました)


★大雑把な感想
・ストーリーはイマイチ、そもそも個人的な好みからはずれていそうなので仕方ない
・キャラクターもイマイチ、とはいえ接したキャラクターが偏っているので余地はある
・戦闘システムは良い、1周目も難易度を下げたもののやり応えがあった
・指輪が12個あることが分かるのだから、12人は育成しないと最後持てあますのでは(そうなった
・UI周りも微妙、SPや経験値や能力値など「この画面でこの項目を表示してほしい」が足りていない
・…これだけ微妙と書いてはいるが、戦闘システムを楽しめるユーザなので、ゲームを楽しむことはできている(


以降はネタバレありなので続きから。



★全体的な感想
このゲームは「キャラクター性の強い風花雪月で興味を持ったライトなユーザ」「シミュレーションRPGが好きで昔にプレイしたことある少しコアなユーザ」の両方をターゲットに作られた作品だと感じました。そのため、ライトユーザ寄りにストーリーは王道にして、コアユーザ寄りに戦闘システムに深みを持たせて双方に楽しんでもらえるようにしていると感じます。何より紋章士の存在は大きく、ライトユーザには過去作に興味を持ってもらう足掛かりとなり、コアユーザには懐かしさと共に手にとってもらうような戦略でしょうか。
私はどちらかと言えばコア寄りにあたる側だと思いますが、その立場から比較すると全体には物足りなさを感じました。ここでは「物語」「キャラクター」「戦闘」「その他」に分けて書きます。


〇物語
12の指輪を集めるために各国を巡り、皆で結束して大敵に立ち向かう…というシンプルかつ王道なストーリーになっています。
目覚めたての神竜の子が等身大のキャラクターから立派な神へと成長していく物語ではあると思うのですが、過去の作品と比べると各国同士の繋がりや過去の因縁みたいなものがあまりなく、どうしても薄っぺらく感じてしまいました。12人の紋章士が一堂に会するのも一般的には熱い展開なのでしょうが、それが端的に好みではないというのも大きいです。こういう大集合作品は「お祭り感の勢いが大事なので細かいことは考えてはいけない」と割り切った解釈を必要としないと受け入れることができないのですが、1周目はそこまで大胆な解釈をしていたわけではなかったので仕方がないでしょう。
あと気になっているのは、戦闘でのボスキャラの撤退が多すぎることです。勢力同士の争いや戦争ともなれば本当に人は命を落としてしまう…というリアルでシビアなファイアーエムブレムの世界観が好きだったので、戦闘で勝っても描写が軽い感じがなかなか馴染みません。因みに、これ自体は風花雪月から思っていて、多少は仕方ないにしても、アイビーやモーヴ・マロンなどは複数回の撤退描写があって個人的には盛り上がりに欠けました。


〇キャラクター
支援会話などを掘り下げてないのでまだ余地はあるものの、イマイチだと感じています。
その一番の理由としては王族周りの人間が多すぎることでしょうか。4つの国に王子王女が合わせて2人存在していて、彼らにはそれぞれ2人の臣下がいる・・・全体で36人なのですがこれで24人を占めます。もしかしたら各キャラクター自体は魅力的な要素を持っているのかもしれませんが、「王子とその臣下」という属性要素が強く、深掘りしてみたいという興味心に繋がりませんでした。
また、確認した範囲では支援会話にがあまり中身がない気がしています。前作の風花雪月が出身地・生まれ・紋章と様々な境遇の人間が揃っていたこともあって深みのある会話にしやすかったという面もありますが、例えば「クロエと言えば珍味好き」というように「このキャラクターは一言でいうならこれ!」という要素以外が会話の中で見えなかった気がしています。同様に、紋章士との絆会話もお互いに一言ずつ話すだけで、こういうものならわざわざ個々に設定しなくても良かったと思います。


〇戦闘
面白かったです。色々な都合のせいでラストをノーマルにしてクリアしていますが、まさかハードモードでこんなにやり応えがあると思っていなかったので楽しめました。
前作の風花雪月と比べて、武器相性や特効がはっきり出やすいのが昔の作品をプレイしていた身としては嬉しく、ブレイクの要素が加わったことでそれが如実に出て戦略に深みが増しました。エンゲージもターン制限のある強化なので使いどころを考えるのが面白いです(言っても1周目は緊急的な場面以外では持てあますことが多かった)。
イマイチに感じる点としては、王族専用のクラスが多すぎるところでしょうか。過去の作品と違って、気に入ったキャラクターを好きな兵種にすることができるのは魅力の1つであると思うのですが、王族キャラ8人全員に専用兵種が設けられているのはやり過ぎと感じます。付随するスキルも特有のものとなるので逆張りでない限り専用兵種以外を選ぶ動機はなく、選択肢は多いものの実質的な自由度は高くないように感じました。


〇その他(すぐ思い出せた限りの点)
・OPがいきなり歌い出しでイントロがないのが微妙、歌ってる方の声質的にも神聖さとか荘厳さとかそういうものを感じない。。
・マップでキャラクターを選んだときにキャラクターを動かせるようになった…が別に魅力とは思わない
スキルポイントの設定が微妙、単純にポイントが高すぎる点とそのために気軽に試せない点
・マップもソラネルも散策が微妙、キャラクターゲームとしての要素なのだろうが中途半端な出来栄えな気がする
・仲間手帖が見づらい、手帖みたいに1枚ずつめくっていく・・・のはリアルに再現しなくていいと思う(こういう不便さが興味を薄れさせている面も少なからずある)
・散策や遭遇戦や外伝が物語に自然と溶け込めていない印象、この辺りは聖魔の光石もそうだったかもだが、風花雪月が自然過ぎる(物語として急いでいたら寄り道してる暇ないよねみたいな話)
・鍛錬の間で現在の経験値が見れない、紋章士の間のスキル継承で選択しないとSPが見えなかったり装備スキルしか表示されない、戦闘で元の能力値が見づらく計算がしづらい場面がある、戦闘でキャラクターにカーソルを合わせたときに表示される攻撃範囲が広すぎて見えない(ないしはキャラクターが表示されるせいで見れない)、などUI的に不便なものが多く感じた。
・風花雪月でも感じていたが主人公の名前は固定で良い、せっかくボイス付きの台詞があるのに不自然に感じてしまう
DLCの紹介動画にヴェイルがアクセサリーつけている描写を出すのはいかがなものか、その時点ではまだ仲間になってなかったのでネタバレである。。


★キャラクター紹介
※最終章直前のステータス
※上級へのクラスチェンジは全員下級Lv.20になってから実施
※上級の2週目はLv.20に上乗せして表記


普通に強い:ルイ、エーティエ、アイビー
まあまあ強い:フラン、ユナカ
あまり強くない:リュール、クロエ、セリーヌ
育てていない:モーヴ、オルテンシア、それ以外


〇雑感
編成としては、いわゆる前衛約が務まるキャラが1人しかいないのが弱いです。一番王道な流れだとアルフレッドやディアマンドを育てていくことになると思うのですが、ブレイクされて反撃のダメージを与えられないことが多かったので使いづらく感じたのが理由になっています。それでも中盤までは問題なく戦えていたのですが、終盤はスタート地点を分断されるマップが増えて、片方は前衛がいない状態で進軍しなくてはいけないため生存が難しかったです。また、キャラを9人程度しか育成していなかったので、分断マップでは単純な駒数不足も感じました(特に異形ルミエルと戦う25章がきつかったのですが最終的には不要なユニットを出撃させずレスキューで分断された味方を回収するルートでクリアしました)。
また、なぜか終盤はこちらの火力も速さも足りていないという場面が多く、次々に来る増援の対処が難しかったです。特に壁役が前衛の1枚しかいないので後ろでリブローを振るだけのキャラを出撃させて誤魔化したりしていたのですが、道具屋に売っているリブローの在庫数に制限があったことに最終章付近で気付きました(章クリアで在庫が復活するものと思い、積極的に使ったり消耗の激しいものは売却したりしていた)。
あとは連携のキャラが1人もいなかったのでチェインアタックをあまり活かせませんでした。ルキナのスキルにデュアルアタックがついていることに終盤まで気付けていなかったり、それによって全く関係ないキャラにデュアルアシストのスキルをつけたりと無駄道が多かったです。この辺りはルナティックをやるときの反省として活かしたいですね。


〇リュール
クラス:神竜ノ王
継承スキル:『回避+15』『剣術・柔Lv.1』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
13 50 8 26 10 30 24 24 19 15

主力が上級Lv.20前後で終わったのにフル出撃にも関わらずレベル13とあまり戦闘に参加させられなかった。というのも速さが全然伸びず(これでもはやての羽を1回使っている)2回攻撃を受けたりブレイクされたりで前に出ることが全くかなわなかった。他者の感想を聞いている限りはどうにもそんなに弱いことはないらしいので何が違ったのかが気になるところ。
唯一活躍したのは25章で、ボス付近の敵が固定であるゆえに前に出ることができて、エンゲージ+を活用して味方の行動からスキル『以心』を発動させることでボス撃破に一躍買った。


〇ルイ
クラス:ジェネラル(槍)
継承スキル:『勇将』『異形リベンジ』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
22 67 15 37 1 30 10 48 11 14

リュールと並んで唯一の皆勤賞であり編成唯一の壁役。ブレイクが利かない兵主であることが最大の特徴で、初登場時から物理に対しては全くダメージを受けない硬さを誇り、苦手な魔法攻撃に対してもシグルドの指輪で再移動を活用することで圏外に逃げたり、逆に移動力を生かして先制のスレンドスピアで一撃で倒すことができたので、複数に囲まれない限りは対処ができた。
終盤はチェインアタックで凄まじいダメージを受けるようになったので、アイクの指輪でエンゲージ技『天空』を活用する動きになったが、そのせいでせっかく取得した継承スキル『勇将』があまり意味をなさなくなった。『異形リベンジ』がついているのもSPが足りずめぼしいものが特になかったからである。
25章をクリアするために力のしずくと魔よけを1つずつ使っている。


〇エーティエ
クラス:スナイパー
継承スキル:『HP+7』『速さ+3』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
22 46 8 33 1 33 29 19 9 25

物攻・魔攻が40を越えて追撃まで狙える唯一のキャラ。編成ユニット数が少なかった外伝で育成の足並みを揃えるために1回はずしたのみでほぼ皆勤。安定して前衛を貼れるのがルイしかいなかったので、そういった事情からも飛行兵の大群が苦手だったのでセアダスと合わせて多用、いなかったら間違いなく物語中盤を乗り切れなかったのでブーツも1つ使用した。
終盤はずっとリンの指輪を使用。『流星群』を使うにあたって強い弓を自然と手持ちにできる点は良かったが、『残像』を壁役にせざるを得ない場面が多々あり詰めてきた相手に弓では反撃できないことは気になった。また、そもそもエーティエを複数回動かさないと相手を倒しきれず状況を打開できないシーンも多かったので、『速さの吸収』を継承して別の紋章士の指輪を装備させたかった(SP間に合わず…)


〇アイビー
クラス:リンドブルム
継承スキル:『速さ+3』『速さの吸収』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
22 50 10 16 34 23 24 27 32 10

魔攻が40を越える唯一のキャラ。どこではずしたか記憶にないがほぼ皆勤。魔法主体にしては守備が伸びるのが嬉しく、低めの速さを『速さの吸収』で補うことでカバーできたので、終盤のエースキャラとなっていた。
指輪は特に拘りはなかったが、『速さの吸収』がついてからは弱点がほぼなくなったような感じだったので、セリカの指輪で火力を増強していた。耐久が悪くないとはいえ1人で前に出れるわけではないので『ワープライナ』の強さはあまり感じられなかった。


〇ユナカ
クラス:シーフ
継承スキル:『回避+10』『勇将』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
37 42 6 20 13 29 33 16 24 20

序盤のエースであり、編成で2番目に壁役を任せられる(回避と追撃を受けにくいことで無理やり前に立たされる)役割。FEの世界観と喋り方にギャップがあるところが興味深くて今のところ一番好きなキャラクター。
一番活躍したのは11章で、ユナカ1人を後ろの茂みに置いて回避で四狗を引き付けることで他のキャラクターは痛手を負わずにクリアすることができた。回避壁を期待する以上重たい武器を持たせたくなくて、火力を補うために鉄のナイフを+5まで上げて使っていたが、終盤は追撃を取れなくなることも多く鳴りを潜めた。指輪は余ったものをつけていた。
武器が鉄のナイフ一本で良かったので、力の薬・守備の薬などを持たせやすく便利だった。


〇フラン
クラス:ハイプリースト
継承スキル:『癒しの響き』『竜呪』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
21 46 4 13 26 27 34 14 32 32

序盤から後ろで杖を振り続けていただけだったが、すくすくと育って一番最初にLv.20に到達してクラスチェンジした。
気が付くと編成の中で最も速さが高く幸運も相まって緊急回避(運頼み)的な誤魔化し役として終盤は戦闘要員として機能するようになっていた。また、回復役と考えてSPを余らせていた分、最終章前に『竜呪』をつけることに成功した。指輪は余ったものをつけていたが、緊急回避で前に出すときに射程的な相性が良いルキナをつけることが終盤は多かった。


〇クロエ
クラス:ドラゴンナイト
継承スキル:『守備+2』『デュアルアシスト』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
18 60 8 24 12 28 3 19 18 24

飛行兵が好きなので初登場から天塩に掛けて育てよう・・・と思っていたものの、Lv.20到達時に守備5(一度も上がっていない)という成長にまずさを感じて魔防を多少捨ててでもドラゴンナイトの道を選び、守備を補うスキルをつけることでどうにか運用した。
速さがあるので連撃は取れたものの魔導士を2回攻撃で倒せない弱さなどもあり、終盤まで目立った活躍はしなかった印象。『デュアルアシスト』はテキストにあるスキル『デュアルアタック』がどこで入手できるものか分からなかったので試しにつけてみたのだが、結果的に意味のないSP消費になってしまった。


セリーヌ
クラス:フロラージュ
継承スキル:『HP+5』『魔力+2』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
16 41 6 22 19 21 30 16 20 39

初登場時点から火力の高さでクランに大きく差をつける形になったが、後々考えるとセリカの指輪が強かっただけな気もした。最終的に物理・魔法とも弱弱しい火力しかない割に耐久も回避もイマイチ。
スキルで差別化していくしかないと思いはしたものの、積極的に戦闘に参加できないことからSPも伸びず、終盤はアイビー・フランが戦闘に駆り出される中で杖を振る役割となっていた。


〇セアダス
クラス:ダンサー
継承スキル:『HP+10』『スキンシップ』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
29 43 9 17 7 18 27 16 15 19

踊り子クラスが便利であることから採用。男キャラというのがちょっと珍しい点もあります。
本当に踊り子としてしか運用していなかったので、あまり感想はないです。終盤はシグルドの指輪をつけて踊ってから再移動で逃げることをしていました。


〇モーヴ
クラス:ロイヤルナイト
継承スキル:なし

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
16 52 12 25 225 27 24 27 27 16

育成するつもりはなかったが、終盤に壁役が足りなくなったため駆り出されることになってしまった。杖を使える点が偉く、機動力のある回復役として機能した。
SPは初期値から高めなので何かしらスキルをつけることはできた気もするが、育成する予定ではなかったので最後までそのままだった。思ったより体格が高くないせいで速さが落ちて追撃を受けやすい点がイマイチと感じた。


〇オルテンシア
クラス:スレイプニル
継承スキル:『信仰Lv.1』

Lv HP 体格 魔力 速さ 守備 魔防 幸運
8 30 6 8 18 26 27 10 33 24

育成する予定はなかったが、19章で魔法キャラを全員攻撃に参加させざるを得なくなったときに、後方で砲台に載りながらリブローを振れる飛行兵として出撃させた。
その後も杖を振る役割として出撃させていたが、気が付いたら上級レベル8まで育っていた。ただそれだけ。