ランクマッチ・レギュレーションB構築~追い風キバアロー+タイカイデン~

〇テツノツツミ(フェアリー) おくびょう クォークチャージ
133-×-135-165-90-206 H.12 B.4 C.164 D.76 S.252
フリーズドライ、こごえるかぜ、アンコール、まもる@ブーストエナジー

 

〇ハバタクカミ(ほのお) ひかえめ こだいかっせい
159-×-102-171-162-157 H.228 B.212 C.4 D.52 S.12
シャドーボールマジカルシャイントリックルーム、ふういん@オボンのみ

 

ファイアロー(じめん) おくびょう はやてのつばさ
179-90-92-114-95-174 H.204 B.4 C.156 D.44 S.100
ねっぷう、フェイント、おいかぜ、にほんばれ@おんみつマント

 

〇タイカイデン(でんき) ひかえめ ふうりょくでんき
158-×-87-172-82-157 H.100 B.52 C.252 D.12 S.92
10まんボルト、ほうでん、エアスラッシュ、まもる@いのちのたま

 

〇イダイナキバ(はがね) ようき こだいかっせい
190-178-151-×-88-143 A.212 D.116 S.180
じしん、ぶちかましインファイト、みがわり@しろいハーブ

 

〇アラブルタケ(じめん) いじっぱり こだいかっせい
187-188-127-×-120-107 H.4 A.188 B.60 D.4 S.252
かみくだく、ふいうち、クリアスモッグ、いかりのこな@きあいのタスキ

 

2月中旬くらいまでランクマッチで使用。
60戦ほどで勝率70%越え程度の戦績。

 

 

【構築概要】
イカイデンとイダイナキバを中心とした追い風パーティ。
基本的にはファイアローの追い風でタイカイデンを強化しながら展開、生き残った方とイダイナキバを並べて範囲攻撃を中心に攻め立てます。後発にはテツノツツミを置いて追い風が終わった後の失速を防ぎます。
この選出だとどうしてもトリックルームに弱くなってしまうので、その対策として封印ハバタクカミとアラブルタケを採用しています。

 

【構築経緯】

イダイナキバに着目したところからスタート。シリーズ2ではいわゆるパラドックスポケモンが解禁されましたが、これらのポケモンには地面技の通りが良いと感じていて、特にぶちかましはこれまでにない単体攻撃で威力が高い技だということもあり強力だと感じました。


中速気味の素早さを解消するためにいわゆる素早さ操作技でのサポートを合わせて使いたいと考えましたが、その筆頭である追い風・凍える風では万全なサポートとはなりません。特に、追い風状態でもブーストエナジーで素早さを上げたたテツノツツミ・ハバタクカミを抜くことができず、特殊耐久が低いこともあって普通に打ち合うと負けてしまいます。ただ、ブーストエナジーで素早さ優位を取ってくるポケモンは先発で出てくることが多く一度交代すれば素早さは元通りになるので、先発のポケモンでそれらを倒すか交代させて後発からイダイナキバを展開すれば良さそうです。
ということで、方針としては「先発:追い風要員+何か、後発:イダイナキバ+何か」を基本形として考えることにしました。

 

まず先発に置く追い風要員ではないポケモンについて、先述の通りブーストエナジーを発動させたテツノツツミ・ハバタクカミに対して圧力を掛けられることが要件となりますが、ここではアタッカーとしてのタイカイデンに着目しました。特性の風力電気のおかげで味方が追い風を使っているターンが隙になりにくく、火力もハバタクカミを一撃で倒せるほどになるので十分です。また、イダイナキバと並んだ際には範囲攻撃の放電が打ちやすいだけでなく、安易な飛行テラスタルによる地面技対策を抑制できる点も魅力的です。

次に追い風要員ですが、隣に置くタイカイデンの耐久が心許ない上に追い風の発動で火力が上がる関係から高い優先度で使えることが望ましく、ファイアローを採用しました。高い優先度で追い風を使えるポケモンにはヤミカラスもいますが、生存した場合に相手に圧力を掛けられるかの観点でファイアローの方が優れていると感じました。

基本選出の最後の1匹ですが、このままではイダイナキバを追い風状態で動かせるターンが短く、後半の失速が懸念となります。それを防げるポケモンとして、テツノツツミに白羽の矢が立ちました。イダイナキバがブーストエナジーのないハバタクカミに先制するだけであれば凍える風でも十分で、テツノツツミの素早さから先制して使うことでイダイナキバがダメージを受ける機会を減らすことができます。また、イダイナキバの地面技を半減する草・飛行タイプに対してタイプ一致の氷技で自然と打点を持てる点で攻撃面の相性も良いです。

 

これで基本選出は固まりましたが、この形ではトリックルーム構築にほぼ無抵抗です。そのため、5匹目として封印ハバタクカミを採用しました。封印による対策は十分とは言えないものの、追い風や凍える風を軸とした基本プランをなるべく崩さずに行えることが魅力的で、選出に一貫性を持たせる方が勝率の確保に繋がると考えました。

ただ、その中でもグレンアルマ+イエッサンを採用した構築はトリックルームを基本戦術とするかどうかが更に分かりづらいので、ここにハバタクカミと併せて選出できるポケモンは必要と考えました。また、今さら触れるのも遅いですが基本選出がヘイラッシャ+シャリタツの組み合わせに打ち負ける可能性が高いです。その2つの要件を無理やり叶えられるポケモンを探した結果、アラブルタケが悪くなさそうだったので補完として最後に採用しました。

 

【個別解説】

★テツノツツミ
<持ち物:ブーストエナジー>
後発で素早さのサポートをすることが役割となるので、ミラーで先制できるブーストエナジー
テツノツツミは先発で選出されることが多いと考えていたので、後発のブーストエナジーはミラーになりにくい点も嬉しいと思いました。

<テラスタイプ:フェアリー>
テツノカイナから一撃で倒されずドレインパンチで回復されないことを一番の要件として、対ヘイラッシャ・シャリタツを考えたときにいっちょうあがり・流星群を無効にできるフェアリータイプ。
イダイナキバと並べて終盤の詰めを行うことを考えると、地震を受けない飛行タイプも候補ではありますが、テツノツツミとイダイナキバが並ぶのは試合が決する直前なことが多く、撒き込み地震やぶちかましとの打ち分けで十分だったので不採用。次点はカイリューの神速で返り討ちに遭わないゴーストですが、そもそもテラスタルが残っている場面は多くないです。

<技構成:フリーズドライ、凍える風、アンコール、守る>
追い風が切れた後の素早さサポートとして強力な凍える風、地面技に耐性のある草・飛行タイプを強襲する技としてフリーズドライ、イダイナキバが地震を打つ選択肢を取りやすくする守る。最後の技は追い風を凌ぐ守るなどを起点にできるアンコールとしました。特に、テツノツツミは試合終盤に出ていくので残数が減った後のアンコールは刺さります。
水技を持たせると単体での攻撃範囲に優れますが、氷技が通りにくい炎・鋼に対してはイダイナキバで強襲できるので不採用。フリーズドライの枠は草・飛行を倒す役割遂行の目的なので威力の高い冷凍ビームも候補になりますが、ヘイラッシャ・シャリタツに対して対策が十分ではないので、その2匹にも刺さるフリーズドライを優先しました。

<実数値:133-×-135-165-90-206 H.12 B.4 C.164 D.76 S.252>
素早さ最速。C187ハバタクカミのムーンフォース耐え。A167ヘイラッシャのランク+2テラスタルいっちょうあがり耐え(15/16)。残り特攻。
「149-×-147-148-81-206」などとして物理耐久を重視すると拘り鉢巻きカイリューの神速を2発耐えて安定感は増しますが、イダイナキバの地面技に耐性のあるポケモンを削る役割も与えているのでなるべく火力を高めるようにしています。

 

★ハバタクカミ
<持ち物:オボンの実>
封印後の場持ち能力を上げるためのオボンの実。グレンアルマのサイコフィールド下のワイドフォースを2発耐えることができるようになります。
トリックルーム補助で採用されるモロバレルなどに強くなれる防塵ゴーグルも候補ではありますが、相手からの遂行火力も高くないので汎用性を重視しました。

<テラスタイプ:炎>
弱点の鋼タイプを消す目的で炎タイプを選択。トリックルームのエースとして採用されがちなコータスの炎技に耐性を持つ意味でも重宝します。
上記の要件を満たすだけであれば水も候補ですが、トリックルームを補佐する役割のテツノカイナに弱点を突かれるのを嫌って炎にしています。他の要件があるとすれば、グレンアルマのエスパー技に耐性を持つために悪タイプでしょうか。

<技構成:シャドーボールマジカルシャイントリックルーム、封印>
採用理由になっているのでトリックルームと封印が確定。残る技はコータスのHPをある程度削れる技としてシャドーボール、最後の技は封印が成功したときのアドバンテージを考えてタイプ一致のマジカルシャインとしました。
封印している間にトリックルーム要員を削っておきたいので、マジカルシャインよりムーンフォースの方が強いと考えていますが、イエッサンやブリムオンのマジカルシャインを封印できるとアラブルタケの気合の襷を温存できるので、その方が勝ちに繋がりやすいと判断しました。

<実数値:159-×-102-171-162-157 H.228 B.212 C.4 D.52 S.12>
C187ハバタクカミの1.3倍シャドーボール耐え(15/16)。1.3倍シャドーボールでH131-D156ハバタクカミ1発。最速コノヨザル抜き。残り防御で目安はA201イダイナキバのぶちかまし耐え(15/16)。
守るを不採用にしているので、場持ちを良くするため耐久振り。素早さが最低限はあるので追い風での運用もできないことはないです。

 

ファイアロー
<持ち物:隠密マント>
猫騙しでテンポを取られることを避けるために怯みの追加効果を防げる隠密マント。
基本的には追い風を使った後は退場してくれた方が嬉しい場面も多いので、タイカイデンの放電で巻き込んで中途半端に生き残る気合の襷は不採用。

<テラスタイプ:地面>
イカイデンの放電に気兼ねなく巻き込めるようにするために地面タイプを選択。
隠密マントを持たせることである程度猫騙しの対策はできているので、「ファイアローを温存させながら放電を打ちたい」という限定的な要求に応える目的で選びました(タイカイデンがテラスタルしていないので放電の火力も低く刺さる場面は少ないが、再戦時の選択肢にできる)。
次点は草タイプ。猫騙し+水技のような相手に強く、味方の放電や地震に巻き込んでも1発は耐えることができます。

<技構成:熱風、フェイント、追い風、日本晴れ>
採用理由の追い風。ファイアローとイダイナキバが並んだ際に、互いの弱点を消しつつイダイナキバを強化させられる日本晴れ。追い風を凌ぐ守るやワイドガードを対策できるフェイント。最後にメインウエポンとして日本晴れの恩恵も受ける熱風を採用しました。
イカイデンの放電に巻き込まれて倒れることも多いですが、生き残った際に攻めに貢献できるかを考えた技選択です。生存したファイアローはHPが削れていないことも多く2回目の追い風の選択肢も取りやすくなるので、自らHPを削ってしまうフレアドライブブレイブバードは不採用。他に強い物理技もないので特殊メインにするのが良いと考えました。
ファストガードを採用するとタイカイデンの運用が安定するようにも見えますが、風力電気が発動していないタイカイデンを守る価値が薄いので不採用としています。

<実数値:179-90-92-114-95-174 H.204 B.4 C.156 D.44 S.100>
A204カイリューの拘り鉢巻きテラスタル神速耐え。A211テツノカイナの猫騙し+C187ハバタクカミの命の珠シャドーボール耐え(253/256)。最速テツノワダチ抜き。残り特攻。
初手で追い風を発動させる役割なので耐久重視。特攻はタイカイデンのテラスタル10万ボルトやエアスラッシュを合わせて熱風で無振りハバタクカミやHD寄りモロバレルが倒せるようなラインにはなっています。

 

★タイカイデン
<持ち物:命の珠>
打ち分け可能なアイテムの中でハバタクカミを放電で1発で倒す火力を確保できるものが他になかったので命の珠。
拘り眼鏡を持たせる案もありましたが、放電で拘ると選択肢が狭くなることや守る+ファイアロー退場を待ってイダイナキバと並べる選択肢を取れなくなることなど、技固定のデメリットが大きいと思いました。

<テラスタイプ:電気>
風力電気と合わせて電気技による火力の実現を目指すため電気タイプ。

<技構成:10万ボルト、放電、エアスラッシュ、守る>
風力電気とテラスタルを合わせたときの火力が凄まじく、ファイアローを退場させることも可能な放電をメインに採用。味方を巻き込まずに打てる電気技として10万ボルト、電気技を半減する草タイプへの打点となるエアスラッシュ、大事に扱うための守る。
相手からすると放置しづらいポケモンなので守るの価値は高く、守る+追い風としても風力電気は発動するので盤面を調整するのに便利です。メインの電気技は凍える風や追い風との相性が良いエレキボールも候補でしたが、素早さを落とした配分したことで威力が出づらくなったことと元々の役割であるハバタクカミ・テツノツツミの削りを放電以外で行うことを考えると10万ボルトの安定感が優れていると感じました。

<実数値:158-×-87-172-82-157 H.100 B.52 C.252 D.12 S.92>
特攻特化。素早さは最速コノヨザル抜き。A205ドドゲザンの命の珠不意打ち+命の珠反動1回耐え(15/16)。C176テツノツツミのハイドロポンプ耐え。
命の珠充電テラスタル75%放電でH130-D155ハバタクカミを一発で倒せるので火力重視。とはいえ耐久が心許なさすぎるので泣く泣く素早さを落としました。

 

★イダイナキバ
<持ち物:白いハーブ>
威嚇によって制圧力を下げられてしまうことを嫌って白いハーブ。
その目的だけであればクリアチャームでも実現できますが、ぶちかましインファイトの耐久下降を補える点での扱いやすさを優先しました。

<テラスタイプ:鋼>
元の弱点であるフェアリー・飛行・エスパーを半減に抑えることができる鋼タイプ。
特に地面技を飛行テラスタルで回避しながらテラバーストを打ってくるカウンターに強くなります。地面テラスタルが主流な印象はありますが、耐えて複数回地面技を打つ方が強く感じました。

<技構成:地震、ぶちかましインファイト、身代わり>
通りが良い地面技を強い単体・強い範囲で打ち分けられることに魅力を感じていたので、ぶちかまし地震が確定。地面技は無効な相手がいるので、できれば何かしらのサブウエポンは欲しく同じくタイプ一致のインファイトを採用。最後の技は有利盤面の維持に繋がる身代わりを採用しました。
地面が効かない筆頭の飛行タイプに対してインファイトは半減されてしまいますが、半減でもある程度ダメージは出ることやタイカイデン・テツノツツミでカバーできる範囲だと思ったのでアイススピナーや岩雪崩といった技は不採用。身代わりは飛行テラスタルや交代によって有利を覆される盤面でリスクが少なくリターンのある様子見として活用できて、タイカイデンが放電で相手に圧力を掛けている間の展開技としても強いです。この身代わりが疑似的な守るとして使えることから守るを不採用としました。

<実数値:190-178-151-×-88-143 A.212 D.116 S.180>
追い風状態で素早さ1.5倍のトドロクツキ抜き。C176テツノツツミのフリーズドライ耐え。残り攻撃。
素早さは最速でも十分なラインに届かないので最低限に留めて、その分を耐久に振ることで最低限の行動保障を確保しようと考えた配分です。攻撃は高いに越したことはないですが、攻撃ランクが下がっていなければこの程度でも致命的なものはあまりないように感じました。

 

 

★アラブルタケ
<持ち物:気合の襷>
攻撃と素早さを中心に配分することにして耐久に不安が残ったので、それをカバーする気合の襷。
ハバタクカミと並べることで安易な命懸け+トリックルームを許さない点でも重宝します。

<テラスタイプ:地面>
ヘイラッシャ・シャリタツが相手に対して追い風プランを崩さないようにアラブルタケを組み込みたくて、その際はタイカイデンが攻撃の要になると考えたので、放電で巻き込む選択肢を取りやすくするために地面タイプ。
ただ、その場合もそもそもタイカイデンにテラスタルを切ることが多いので、ほとんどテラスタルすることはないです。素直に終盤のリーチを広げる悪タイプでも良いかもしれません。

<技構成: 噛み砕く、不意打ち、クリアスモッグ、怒りの粉>
ヘイラッシャをある程度対策できるクリアスモッグ。サイコメイカー状態でイエッサンを削れる噛み砕く。残る2つは味方への貢献度を考えて不意打ちと怒りの粉を採用しました。どちらも味方の行動保障を作る技としての採用ですが、不意打ちはアラブルタケ自身のタイマン性能も上がる点が強いです。
キノコの胞子も強い技ですが、草テラスタルでの対策やその警戒で一手損するくらいなら攻撃性能を活かして削る方が一貫したプランが取りやすいと感じたので不採用。次点で採用したい技は鋼テラスタルのヘイラッシャを押し込めるインファイトでしょうか。

<実数値:187-188-127-×-120-107 H.4 A.196 B.60 D.4 S.252>
素早さ振り切り。A167ヘイラッシャのランク+2いっちょうあがり2発耐え。残り攻撃。
上から相手を倒すパーティの流れに沿って最低限追い風状態で動かせるように素早さ振り。攻撃にしっかり配分したことで噛み砕く+ハバタクカミの75%マジカルシャインでほとんどのイエッサンを倒せるようにはなっています。

 

【感謝】
きらさん:タイカイデン+ファイアローの着想。詳細はあまり知らないものの、その並びでシリーズ2でも結果を残していたことから構築のヒントになった。また、使って楽しそうな組み合わせだったので対戦のモチベーションにも繋がっている。