2011秋ドラマ「家政婦のミタ」の感想

ドラマ「家政婦のミタ」を見終えて。
まあ、ありきたりなことしか書きません。



全体を通してみると、そこそこ面白かった方ではないでしょうか。
序盤のうちは家族の一人一人に焦点を当てるようなエピソードだったので、人が一般的に持ってるとされてる感情を持っていない三田さんが相談事に対して型破りな手法を取ることで荒療治のように問題を解決していく物語だと思っていましたが、そんな三田さんに興味を持った家族が今度は三田さんを救済しようという展開へと変わりました。


視聴率が良かったみたいですね。三田さんの行動がいわゆる普通ではないことだったり、阿須田家の父・恵一が子供をどう思っているのかを問われた際に「…分からないんだ」と言ってしまうダメっぷりだったり、まともな人間があまりいなかったにも関わらずそんな家族が結束していくところが共感を得たのかは分かりませんが。


正直、自分は三田さんの過去にはあまり興味がありませんでした。というよりは、三田さんの過去は謎に包まれたまま家族が再生していく様子で終わっていく展開が望んでいたものだったので、後半の三田さんを救いたいという流れは必要がなかったんですね。まあ、その流れの上で三田さんは一度お暇をいただいてまた戻ってくるのですが、阿須田家で働く条件を玄関で話している時点での表情は笑顔とは言えなかったのかもしれませんが、少なくとも私にはそれまでのような無感情の表情には見えませんでした。


最終回に関しては、残念ながらあまり感動がなかったですね。食卓のシーンは役者自身が台詞を考えたみたいですが、なんだかちょっと不自然な感じがしましたね。そんな中ですごいよくできていたと思ったのは、風間さんにも「母は事故死だった」と伝えることができたこと(まあ、帰郷して再上京してきてばったりの流れもアレですが)。そして、もう1つは恵一と同じ会社にいて常務令嬢と婚約をしていたあの人(名前は忘れてしまいました)がうららのお見合い相手の物語でオチに使われたこと。重要ではないキャラですが、ストーリーの上で恵一が会社からいなくなって仕事を任せられて風間さんをついで感覚で慰めて恵一に殴られるシーンなど設定上は必要なキャラとストーリーだったので、それをコメディのオチに使うという発想はなかったです。


よく「なんでこのシリアスな流れの中にコメディ的な要素を詰め込むのか」というのは聞きましたが、現実的な話を突きつけられるとシリアスに考えるのでそこにお笑いがあるのは非現実的ですが、三田さんの存在自体があまり現実的とは言えないため深刻なテーマの中にもお笑い要素を取り込む余裕があります。そもそも想定の範囲外を行く言動を起こすキャラクターが描かれているのだから、それくらいあった方がいいと思いますけど。


あとは比較的役者さんの働きがよかったと思います。
松嶋菜々子が老けたとか相武紗季がうざいとか聞きましたが、どっちも役作りだと考えたらとても立派なものだと思いました。同じくダメな父親を演じた長谷川博巳もよかったと思います。


視聴率が取れることが分かったためなのか、制作側は第2弾や特別編を暗示させるような終末としました。
ただ、三田さんが無感情でなくなってしまった以上、今後の展開に求められるものはないので次回作があってもちょっとぐだぐだになるのではないでしょうか。まあ、人気作品がそうやって堕落していく様子を見るのは今に始まったことではないですが。