第64回POKeDEXオフ使用パーティ〜粘土壁ラティオス+スイクンローブシン〜

8/11開催の第64回POKeDEXオフに参加してきました。


ルールは全国ダブルで3人チームによるチーム戦。
当初組んでいたメンバーが参加の見通しが立たなくなり一度参加をキャンセルしましたが、同じように欠員が出たエルムさん雪影さんのチームに拾っていただく形で参加することができました。


予選は個人3-2でチームが4-1とそこそこには貢献して予選1位通過することができたものの、決勝トーナメントではチームは準決勝で負けて更に3位決定戦でも負けてしまいベスト4という結果に終わりました。特に、決勝トーナメント以降は私は全敗だったので個人通算で見ても3-5となりチームで一番足を引っ張る存在となってしまいました。


〜パーティ〜
ラティオス、FCランドロスバンギラスローブシンボルトロススイクン



ラティオス おくびょう ふゆう
165-×-102-166-136-178 H.76 B.12 C.124 D.44 S.252
りゅうのはどう、リフレクター、ひかりのかべ、まもる@ひかりのねんど


○FCランドロス ようき いかく
164-197-110-×-101-157 A.252 D.4 S.252
じしん、いわなだれ、とんぼがえり、まもる@きあいのタスキ


バンギラス ゆうかん すなおこし
207-181-141-119-128-62 H.252 A.84 B.84 C.28 D.60
いわなだれかみくだくだいもんじ、まもる@ヨプのみ


ローブシン いじっぱり てつのこぶし
212-176-116-×-117-65 H.252 B.4 D.252
ドレインパンチマッハパンチ、れいとうパンチ、ビルドアップ@たべのこし


ボルトロス おだやか いたずらごころ
184-×-90-145-144-135 H.236 D.244 S.28
10まんボルト、でんじは、どくどく、ちょうはつ@オボンのみ


スイクン ひかえめ プレッシャー
207-×-136-132-136-127 H.252 B.4 C.76 D.4 S.172
ハイドロポンプれいとうビーム、めいそう、ねむる@カゴのみ


ラティオスのリフレクター光の壁(以下ではまとめて壁技という表現で省略することも)を中心にしたいわゆる壁構築と言われるジャンルのパーティ。壁技は昔から存在していて組み込まれているパーティも普通にあるため一つのジャンルとして壁構築とい呼ばれるものができあがるのは不思議なように思えますが、壁構築と通常のパーティに採用される壁技の位置付けは割と違うような気がします。


通常のパーティで使われる壁技というのは、そのほとんどが互角かそれ以上に有利な状況で使うものです。相手のとる行動は大きく分けて攻撃技・補助技・守る・交代のいずれかになりますが、守るを使ってきた場合には壁を貼ることでよりアドバンテージが広がり、うまく攻撃を受け流すために交代を使ってきた場合もこちらが余程の高火力で攻撃を仕掛けていない場合は相手に微弱なダメージしか与えられず体勢を立て直されるよりも壁を貼った方がアドバンテージになることが多いです。また、相手が攻撃してきた場合だけこちらがリスクを負いやすくなっていますが、仮に2回攻撃を耐えるポケモンだった場合にはダメージを2/3倍に抑えることができるので3回分攻撃を耐えることができるようになるので壁を貼ったポケモンの行動回数は同じだけ保証されます。
隣のポケモンとの組み合わせもあるのですべての状況で言えるわけではありませんが、このように壁技は今あるアドバンテージをなるべく失わないようにするため、要するに「今ある状況を不利にしないように使い有利・互角を保持していくための技」であると言えるでしょうか。


それに対して壁構築と呼ばれるパーティの壁技はとにかくまず壁を貼ることを重要視します。壁を貼っているターンも攻撃などはされてしまいますが、試合の開始直後に貼った壁を利用して試合全体の総合的なダメージレースで優位に立てるように拘りアイテムや積み技など火力や耐久を増強させるギミックを使って一気に有利局面を作っていくのが基本的な戦術になります。
したがって、「壁を貼った状況を作ってから有利状況を作り出していくための技」という扱い方をしており、そのような従来使われていたような壁技との扱い方の違いから「壁構築」と呼ばれるような構築ジャンルが誕生したのではないでしょうか。


今回はそのような壁構築を目指してパーティを組みたいと思います。
壁を貼る役として汎用性の高そうなポケモンとしてはラティオスラティアスクレセリアライコウなどがあげられます。クレセリアは挑発を受けるとすぐに置物になってしまうことがネックで、ラティオスはこの中では一番即死する可能性が高くラティアスもそこまで安定しているとは言い難いです。安定感だけで言えばライコウが最も高いと思うのですが、ライコウは地面技や格闘技などを一貫させやすくなってしまっているので壁を貼ってから交代をしたいときに後続のエースポケモンに負荷がかかりやすそうだと思いました。ということで今回はラティオスを壁貼り役として採用しました。この時点でロトムトゲキッスも候補には挙げてよかったかもしれません。
次に選んだのは壁を貼りながら有利な状況を作るお膳立てができるボルトロスです。足りない耐久を壁によって補うことができることと適度に耐久がなく退場しやすい点から後続に繋げるには非常に良いと思いました。
壁を貼ってから展開するポケモンとしてはローブシンハッサムを用意しようと思っていたのですが、この2匹の技構成の関係で威嚇ポケモン+シャンデラウルガモスなどに対して有利になれないのが厳しいと思ったので、ローブシンをはずしてスイクンを採用することにしました。しかしスイクンに守るを入れなかった関係でナットレイがやや重たくなりボルトロスなども厳しくなってしまったことから結局ハッサムローブシンに変更しました。クレセリアを処理するスピードがかなり遅くなってしまったので壁と相性の良い技だと思っている毒々をパーティ内に仕込んでいくことにします。
残りの2匹はまず雨パーティとトリックルームパーティへの対策としてバンギラスを投入しました。最後の1匹は威嚇でボルトロスラティオスをサポートができるランドロスにしました。


>ラティオス(選出:先発2+後発0=2)
壁を貼るのが役割です・・・とは書いたもののスイクンランドロスの威嚇と合わせて単体でも瞑想できそうなことやラティオスを一発で倒してくるポケモンが多く威嚇+瞑想の方が安定すると思ったことからコンセプトポケモンであるにも関わらず、たったの2回しか選出しませんでした。しかも、その2回は1ターン目に守る→2ターン目に先制で倒されるという出落ちをしているのでただの一度も壁を貼れていません((
技構成はリフレクターと光の壁が確定。この個体を単体で考えたことがあったので攻撃技はそのままの竜の波動、最後は無難に守るとなっています。これは雨パーティに対してラティオス+何かから何かをバンギラスに交代した際にラティオスキングドラを縛るために守るが必要だと思ったことが一つ、次に流星群を打ってしまうと壁を貼ったあとに置物になってしまい交代するにも後ろのポケモンはなるべく傷つけたくないときに居座ってできることがあった方が良さそうだと思ったので安定した打点になる竜の波動にしています。
努力値配分は無理している感じが漂っている辺りあまり強くなさそうに思えます。素早さは最速を維持しつつ竜の波動でH151D116キングドラを上2つの乱数以外で1発にできるようにして、C216シャンデラシャドーボールを上2つの乱数以外で耐えるようにしています。おまけでA200ハッサムの+2バレットパンチも耐えるようにはなっています。竜の波動は強そうでしたが、無理させている方が弱く感じるので別の型で使うべきだとは思います。


>FCランドロス(選出:先発5+後発1=6)
電気・格闘・地面など受けづらい技に対して耐性を持ち特性が威嚇と優秀なポケモン。砂嵐でダメージを受けないことから気合の襷との相性はそこそこ良く、周りのメンバーのためにダメージを受けてもらうポケモンとして活躍させられればよいかと思いました。
技構成は地面技、岩技、スイクンとの縦の相性が良かったりランドロスで技を受けてから後攻で打つのが強力な蜻蛉帰り、守るという無難な構成です。地面技はローブシンスイクンが守るを使えない関係で大地の力にしたいところですが、ボルトロスラティオスと並べた際に攻撃ができないのは弱そうだったことから地震を選択。岩技は岩雪崩かストーンエッジでどちらも追加効果が強力な技でありますが、先述しているようにランドロス地震を打てずに思うように攻撃できない場面が増えると思ったので相手を怯ませてこちらの積み技を使うチャンスを作れる岩雪崩を採用しました。しかし、ストーンエッジでないとボルトロスなどが厳しかったりもします。
気合の襷を持たせていることとダメージ量にはそこそこ期待したいことから配分は攻撃と素早さにすべて振り切りました。


>バンギラス(選出:先発1+後発3=4)
雨パーティやトリックルームパーティ対策の補完ポケモンです。壁を貼ると有利な相手には圧倒的に有利に立てるようになるので拘り鉢巻を持たせて受けにくい悪技や岩技をガンガン一貫させていく方針も考えていましたが、素早さが高くないと使いづらいだろうと思ったことと結局格闘技で一撃で倒されてしまうことが多そうで壁の恩恵が薄いと判断したことからトリックルーム対策に素早さを下げつつ無難にヨプの実を持たせて格闘ポケモンの前でも動かしやすくしています。砂ダメージで消耗を加速させることができる意味では相性は悪くないと思います。
技構成はクレセリアへの打点となる噛み砕くとハッサム対策の大文字、トリックルームをうまく凌ぐための守るが確定。残る1枠は難しかったのですが、ウルガモスに対する打点がないのは困りそうだったので岩雪崩としました。
努力値配分はまず特攻に配分をしてH175D125シュバルゴを大文字で確定1発、噛み砕く+砂嵐ダメージ1回でH151B116キングドラが2発で倒せる程度の攻撃を確保することを目標にしつつ、特殊耐久はロトムの拘り眼鏡ハイドロポンプ耐えを意識してC165程度までなら確定で耐えるように。残りは防御に配分してヨプの実を発動させてA211ローブシンの命の珠アームハンマーを威嚇込みで最大乱数(リフレクターの場合は上から乱数2つ分)を除いて耐えるようにすることでクレセリア+ローブシンの並びを作られてもクレセリアを殴れるようにしました。素早さに関しては、トリックルーム下でハッサムクレセリアシャンデラなどを攻撃していけるように遅くして相手の雨パーティに対しても黒い鉄球を所持されていなければ初手から繰り出していけるようにしました。最遅にしていないのはトリックルームがないときに選出した場合にトリトドンなどに抜かされてしまうのを嫌ってです。また、電磁波を撒いたときに素早さ補正を掛けていないラティオスを抜かせるかどうかなどの違いもあります。今回は大きく影響した場面はありませんが、パーティにトリックルームを採用していないと敢えて素早さを下げるバンギラスは使いづらいという印象が個人的にはあります。


>ローブシン(選出:先発1+後発6=7)
「壁構築を使ってみたい」と銘打ったところで壁役は光の粘土と確定させてしまいましたが、それはこのポケモンを使うならば光の粘土を持たせた方が良さそうだと判断したからです。高めの火力とそこそこの耐久を持っているため壁があれば積み技も使いやすく積んでからの攻撃展開への移行も早ところだけでなく、メインの攻撃技を通しながら回復して耐久力を補えるというところが非常に強力です。持ち物は食べ残しとしてドレインパンチを打たない場合にも回復をできるようにします。
技構成はメイン技のドレインパンチ、壁を貼っている間にアドバンテージの取りやすいビルドアップ、ビルドアップを積んでいれば無理やり先制で縛れる相手が多くなるマッハパンチ、までは確定。最後の技は格闘技との相性を見て冷凍パンチを採用しました。見切りを入れることができないため有利に戦いを進めるためにはやはり光の粘土の持続ターンが必要になってきそうです。
努力値配分は特に足りていない特殊耐久を中心に配分して物理方面はビルドアップで補いたいです。物理方面でもトルネロスのアクロバットラティオスサイコショックを意識してHP中心の配分になり特殊耐久はC177サザンドラの眼鏡流星群耐え程度と心許ない、ビルドアップを一度積んだ状態のドレインパンチメタグロスをほぼ半分削れる火力だということに気が付いたので性格を意地っ張りにして攻撃をそのラインまで上げました。


>ボルトロス(選出:先発7+後発0=7)
悪戯心からの補助技を中心に後発のポケモンのサポートをするポケモン。壁を貼ることで足りない耐久を補うことができて適度な速度で退場できるという絶妙なポケモンになります。
技構成はメタグロスハッサムへの打点となる10万ボルト、場を整えるための電磁波、積み技を使う際など相手の状態異常技から身を守るための挑発までは確定。最後の技は積むスイクンローブシンが壁を貼れば比較的耐久が高めになるため、積んでいる間にもダメージを稼ぐことができて相手の処理速度を早められる毒々を選びました。毒々と壁は相性が良いと思っていて、今回は特に後発のポケモンが粘り強くも戦えるポケモンなので噛み合いやすいと思いました。
素早さに関してはキノガッサニョロトノを確実に抜けるようにしつつミラーに関しては不毛な争いになりそうなので今回は諦めました。定数ダメージを受けた後でもラティオスの攻撃を耐えたり雨パーティ相手に戦ってもらう必要があるため残りはHPを偶数にして怒りの前歯を受けたときにオボンの実が発動するようにしつつ、すべて特殊耐久を引き上げるように配分しています。


>スイクン(選出:先発0+後発6=6)
水・炎技の耐性があって全抜きを狙っていける可能性が高そうなポケモン。耐久が高く壁がなくても積み技を積んでいけるポケモンなので万が一壁を貼り損ねたりラティオスが選出ができなくても戦えるかと思いました。
技は壁があってもなくても相手を起点にしていける可能性の高い瞑想、回復技の眠るまでは確定です。残る2つの技は水技と水技の効かない相手に対して打つ技になります。水技はハイドロポンプを選択。積んでから全抜きを狙うポケモンとしては命中不安定な部分がいただけませんが、熱湯スイクンと違ってハイドロポンプスイクンは攻撃体勢にすぐに移ることができる火力を持っているので何度も攻撃技を打たなくてはいけない熱湯よりも扱いやすいと思います。最後の技は主にトリトドンモロバレルに打つことを意識して冷凍ビームです。
努力値配分としては単純にHP振りをベースとしつつ最速バンギラス+αの素早さを確保して残りを特攻に割いています。1回瞑想を積んだだけでラティオスの流星群並みの火力があるため崩れにくいスイクンの耐久から連打できる状況はかなり強力だと言えます。


ところで、壁を貼ってから有利状況を作り出すとは言ったものの壁を貼ってからどのように戦うのが最も良いのかを考えるのにはかなり時間がかかった気がします。個人的に思いついたのは、拘り鉢巻or拘り眼鏡を持たせる、火力の上がる積み技を使う、威張る+ラムなどのコンボを使う、などととりあえずはどれも火力を増強する戦術になります。
個人的に一番相性が良いと思うのは威張る+ラムのギミックで火力を引き上げながらそのまますぐに攻撃体勢に移ることができてその強化されたポケモンは壁のおかげで耐久まで引き上げることができるからです。隣で暇になった補佐役も刺さっている場合は相手に威張るを打っておけば行動が不確実になるおかげで守るが使いづらかったり決まらなかったりすることもあるのでこのギミックと壁技はますます相性が良いように思えるのですが、威張るギミックを決めるためには2匹の並びを作らなくてはならず、壁貼り+補佐+ラム持ちという構成にしたときに壁を貼りつつうまい具合に退場して繋げるのが難しそうに思えます。また、それでコンボが決まらなかった場合は通常時の火力程度しか出せないためわざわざ壁貼り役や補佐役を選出したことが選出のパワーを落としてしまう意味でディスアドバンテージになりやすい気がします。
そうすると、やはり単体で火力を引き出せるポケモンを攻撃役として採用する方が良さそうです。拘りアイテムは瞬間的に火力を引き出すことができるアイテムですが、一貫しやすい技で拘らないと壁技のダメージ軽減率は所詮2/3しかないので結局ダメージレースで負けてしまう可能性が高くなります。そうすると、壁技を使うポケモンが壁を貼る以外にも仕事ができないと困るのでアイテムを有効活用するために光の粘土は持たせづらく感じます。そもそも拘りアイテムを持たせるポケモンの多くがそこそこには耐久もあるポケモンが多いため必ずしも壁を貼る必要性は薄くなっているはずなので、もしその形を作ったとしたらそれは壁構築と定義したようなものではなく拘りを活かすために壁技を入れたパーティという区分けになるのではないかと思いました。
ということから壁構築と定義したようなパーティジャンルを作るのであればやはりメインアタッカーは積み技を持っておかないといけなさそうです。強いパーティを作ることと机上論を貫くことで目的が逆になってしまっていますが、個人的には壁構築と呼ばれるようなパーティを使うのであれば積み技から全抜きするようなパーティでないと扱いにくいかなと思いました。積み技を使うポケモンが攻撃範囲を保つためには技スペースがカツカツで守るなども入りにくいことを考えると光の粘土の持続ターンがやはり大事になってくるので、壁貼り役には光の粘土がほぼ必須なような気がします。そして、今回も改めて感じた通り光の粘土を持たせるならば壁役としての安定感が最も重要視されるので、光の粘土を持たせたいと思えるのがライコウしかいないというように個人的には感じました。
また、これらのような火力を持たせるポケモンを採用することを前提とした上で壁技と毒々は非常に相性が良いと思っていました。守るを使って壁の持続ターンを稼ごうにも毒の蓄積ダメージが入り、交代などでお茶を濁そうとしても積み技の起点になり多少相性が悪くても定数ダメージが攻撃の処理速度を早めてくれます。
これらの要素をバランス良くうまく詰め込むことができるパーティを考えないと壁構築と定義したようなパーティは扱えないような気がしましたというのが個人的な感想です。