アニメ「WORKING!!」の感想

WORKING!!」を視聴したので感想を。


ポケモンの新作が発売されて、作業の数が増えた(しかも時間を掛けたからといって必ずしも成果が得られるとは限らない)ので、何かの作業をメインに置きながらついでにポケモンの作業をしているという形を作れるようにと思い、アニメを観ることをメイン作業としました。
今回は、その中で気になっていた作品である「WORKING!!」を選びました。記事タイトルでは「WORKING!!」(一期の表記)としましたが、二期まで観ています。



とりあえず、一期は店長っぽくない店長の振る舞いから始まるわけですが、この時点ではどんな物語なのかも各キャラクターがどういう性格なのかも全く分からないだけに始まり方としてはちょっと濃いようにも思えました。二期はバイト先まで走る種島を描くところからスタートしていて、そういう始まり方の方が掴みやすそうです。


というわけで、主人公である小鳥遊(「たかなし」ってちゃんと変換で出るんですね)がファミレス・ワグナリアでアルバイトを始めるところから物語がスタートするわけですが、全体の流れがあって展開が組まれているというよりは小さなエピソードをたくさん詰め込んだ流れの展開がされていて、それが1話目から最後までほぼ同じ形で続いていきます。
そもそも原作は4コマ漫画だそうで、DVDではなくテレビ放映時に観ていたら「どのタイミングでCM入っているの?」と思うくらいテンポ良く軽快でコミカルなやりとりが続いていて面白かったです。
逆に言えば、4コマ漫画の小さな起承転結がたくさん詰め込まれているので、具体的にどのようなエピソードがあったかを順々に語ることは難しく、いま記事を書いているときのように全体感を振り返ると具体的にどういうところが面白かったか説明しづらいですね((


個人的に好みである物語のキャラクター構成は
・男女のバランスに大きな偏りがない
・メインキャラは多くても7人前後
・相関図を書いたときにサブキャラ同士での繋がりがほとんどない
というものなので、ワグナリアで働いている(作中で「働く」という行為をしてるかはさておき)個性的なメンバーはこれを満たしているという風に言えます。


今回「WORIKING!!」を観て「女の子を描く作品には男の子キャラは重要な存在だな」と感じたのが一番大きな気付きで、上記のような自分の好みを整理できました。
たとえば、10人くらいの女の子全員がメインキャラというアニメもあると思いますが、これを性別という属性単位でカテゴライズすると10人全員が同じキャラクターということになってしまいます。そこから個々に違いを生むために個性という単位で区分けをしているのだと思いますが、属性に関わらず登場人物に個性を持たせることはどんなシナリオでもあることなので特別工夫をしているようには感じません。
そういうわけで、性別という属性でカテゴライズしたときに区分けができる男の子キャラがいることは重要だと思いました。同じ8人という人数でも「男の子3人、女の子5人」と「女の子8人」では聞いただけで印象が違います。


男女のキャラがバランス良く登場することで
・物語の流れにアクセントが生まれる
・そもそも性別という属性が違うことからキャラクターとしての幅が広がる
・色恋沙汰が生まれたりして、そういう女の子の描写が見れる
というメリットがあるように思います。「WORIKING!!」は特にコメディ作品であるので、男女のバランスが良いことでボケにもツッコミにも幅が生まれたりアクセントがついたりしていたところが非常に良かったです。


気になるほど良くない点はありませんでしたが強いて言えば、小鳥遊家の姉妹に関わるエピソード(特に家の中での出来事)が物語の進行と脈絡なく急に登場することが何回かあったことでしょうか。
キャラクターが嫌いではありませんし話がつまらないわけではないのですが、脈絡なく登場する家庭内エピソードがワグナリアでのエピソード展開に繋がっているというわけでもなかったように見えるので、差し込むタイミングを変えても良かったのではないかと思います。


物語についてあまり書けないので、代わりにメインキャラの印象について書いてみます。
小鳥遊宗太は物語の主人公でありツッコミ役でありながらミニコン(?)のおかげでボケ要員にも移り変わることができるのが良いですね。デリカシーに欠けていますが、ツッコミができる常識人ならデリカシーも併せ持つのではないかと思ったり。。
轟八千代の声優が喜多村英梨だとは思いませんでした。アニメは数少ない作品しか観ていませんが、喜多村英梨が出演していることは結構多く、演じるキャラクターの性格が結構ばらばらなのにどんなキャラも演じられるところが魅力的ですね。
自分の情報は話さないのに他人の情報は人よりも耳に入れる相馬さんにはなんだか共感を覚えました() 爽やかさと腹黒さは相関があるように思いましたが、なぜなのでしょう。。
佐藤さんの種島いじり。「背伸びた?」「えっ、ホント!?」「いや、嘘。」・・・って件は私も誰かにやったことがあった気がして思わず笑ってしまいました。二期まで観てる感じだと轟想いが想うだけで終わらないように見えるので、そこをちゃんと進めてくれるシナリオには好印象です。
山田の投入タイミングは結構良かったと思います。1話目で各キャラを確立させる前からいきなりコメディでスタートしているので、山田のようなトラブルメーカーが加わるのは物語が進行してからで良かったです。山田ファミリー(願望)の中で店長がどういう位置付けなのか分かりませんが、「山田、店長が笑っているの見たことないです」とか言って店長を笑わせるために奮闘するネタがあったら面白いなと思いました。


で、伊波まひるがかわいい。これの何が大きいかというと、ここしばらくアニメや漫画を見てもキャラクターをかわいいと思えることがあまりなかったいうところで伊波まひるを見ていて「かわいい」と思えたところです。
極度の男性恐怖症で近づいた男性を本能的に殴るほどで危険人物のように思えますが、小鳥遊にヘアピンを褒められてから毎日違うヘアピンをつけるようになったり、「伊波さんかわいい」という小鳥遊の音声を録音してお家でも休憩中でもひたすらそれを聴いていたり・・・と、とても純真です。その上、女性客への接客は完璧と言われる(作中で接客しているのを見たことない)ほど優しくて気遣いができる・・・とその本質は非常に女の子らしい女の子だと言えます。
ただの純真な女の子ではなく、主に小鳥遊に対する暴力的な振る舞いがあるから女の子らしい仕草がより映えて見えるという一種のギャップ効果なのかもしれません。それでいてずるいのは、ギャップを演出する要素は性格ではなく本能に刷り込まれているというところです。たとえば、いわゆるツンデレもギャップ効果による魅力があるものだと思いますが、この場合は「純真な女の子らしくもできるけど、性格的にそうしたくない」というところから発生しているのに対して、伊波まひるは「どうしたいかじゃなくて、どうしようもない」という側面があり暴力的な振る舞いをしてしまうことについて「そういう病気だからしょうがない」という風に思わされてしまうところですかね。
女性対応は完璧とはいえ劇中では男性にオドオドしてる場面の方が圧倒的に多いです。オドオドするキャラクターとしては明るい髪型のショートカットというのはすごく珍しい気がします。アニメでの髪色いや髪型はキャラクター性とのリンクが強い傾向があり、ショートカットや明るい髪型はサバサバしたり活発な女の子のイメージがあるだけに、これもひとつのギャップ効果なのかもしれません。
個人的には、小鳥遊にマジックハンドでほっぺたつねられてるのに気付いてなかったときの表情とデフォルメで目が白い点になってるときの表情が特に好きです。


前に「とらドラ!」を観たときに「2回は観ないと」って自分で書きましたが、さすがにコメディを2回連続で続けて観るのはきつそうなので時期を置いてになると思います。
また、聞いた話によると三期をやることが決定したそうですね。構成を何期まで見据えて製作しているのか分かりませんが、小鳥遊と伊波の関係や佐藤と轟の関係や家出中の山田を探す兄も登場したりと少しずつ物語は進展しているので、次でどうなるか期待したいですね。