wi-fi大会“イーブイカップ”簡易個別考察

12/7〜9にかけてwi-fi大会で“イーブイカップ”と呼ばれる大会が開催されます。


ルールは6匹から4匹を選出するローテーションバトル。使えるポケモンイーブイとその進化系のみという異色のものになっています。
私自身がローテーションバトル自体の理解が浅いような気がしますが、相変わらずこういった特殊ルールが非常に大好きなので性懲りもなくまた簡単な考察だけしてみたいと思います。



イーブイ(55-55-50-45-65-55)
→7つの種族に進化できるイーブイ系統の進化前。唯一、進化の輝石が適用されるもののHPに振った程度ではたいした耐久を得ることはできません。特に、特殊耐久に至っては特化してもHP振りブラッキーをやや上回る程度にしかならないので耐性の面を考えても進化の輝石の恩恵を大きく得るのは難しそうです。
しかし、このルールではノーマル技を半減で受けられるポケモンがいないのでイーブイと言えどもチャンスがないわけではなく、素早さ種族値が一歩低いこともポイントでトリックルーム下では同族を除けば一番最初に動かすことができます。特性の適応力を活用するためにメインとなる攻撃技は恩返し・とっておき・空元気が候補に挙がります。とっておきも空元気も存分に力を発揮するためには2ターン必要になるので恩返しの安定感があるようにも見えますが。恩返しでは命の珠を持たせてもHP振りエーフィでさえ倒すことができません。とっておきは空元気と比べて持ち物の枠がフリーにはなるものの、とっておきを使うためには技構成に身代わりか守るは欲しくその間に隙を見せてしまい相手に積み技を使われた場合にはとっておきを回復技で受け切られてしまいPPが切れた瞬間には置物になってしまうのが難しいところです。
進化していないという点で他のポケモンに比べるとやはりスペックは劣ってしまうので、イーブイ軸で構築を開始しないとなかなか採用しづらいポケモンではあると思います。


シャワーズ(130-65-60-110-95-65)
イーブイの進化系の中でも優れた種族値配分の持ち主。HPが高いおかげで耐久面の数値も確保しやすい上に特攻が高めで火力増強アイテムを持っている可能性まであるというように多彩な型や配分が考えられるので見分けづらさが強力に感じます。
拘り眼鏡から繰り出すハイドロポンプを安全に受けられるのはシャワーズのみでHP振りブラッキーは2発で突破されてしまいます。また、シャワーズは天候を雨にすることによって火力を更に底上げすることができるので難なく相手を突破できます。
また、溶けるを積んでくる型が面倒になってきます。溶けるは2段階防御を上げるので根性や鈍いで火力を1.5倍にするブースターやブラッキーよりも積むスピードが早く素早く体勢を整えることができます。回復手段はおそらく眠るか願い事になります。夢特性のうるおいボディを選んだ場合は眠るの方が良さそうですが、眠りを覚ますためには雨乞いをしなくてはならないので癒しの鈴を使うのと変わりないように思えます。願い事の場合は守るも欲しく技スペースを圧迫してしまいますが、基本的にイーブイ系統はHPの低いポケモンばかりなのでシャワーズのHPからの願い事の回復量はかなり大きいものになると思います。


○サンダース(65-65-60-110-95-130)
イーブイの進化系の中で最も優れた素早さの持ち主。拘りスカーフを持ってサンダースを抜かせるポケモンがエーフィとリーフィアしかいないため行動回数を確保しやすいという部分からも最も強力なポケモンなのではないかと思います。
その行動回数を活かして補助を行う型か電気の一貫性を狙って拘りアイテムを持たせるかのどちらかが主流な使い方でしょうか。特に、拘り眼鏡型に関してはエーフィさえ抜ければ問題ないのであれば性格を控えめにして火力をより高めることも可能ですし、HP振りエーフィはC162の拘り眼鏡10万ボルトで1.5発になっているので初手で先制して10万ボルトが入れば光の壁を貼られてしまってもサンダースでエーフィを縛っている状況を作り出せます。
また、このルールは選出の時点で4匹が被っているミラーマッチをずっと続けていくもので選出はほぼ固定で戦うことが多くなるでしょうが、仮に不利な組み合わせの対面に出会ってもボルトチェンジでスムーズに後ろのポケモンに交代することで対面を作り直すことができるのも面白そうではあります。


○ブースター(65-130-60-95-110-65)
イーブイの進化系の中で最も優れた攻撃の持ち主。中途半端な種族値配分のせいもあってかどのルールでもなかなか使われることのないポケモンですが、使用ポケモンが8匹しかいないルールなのでさすがにチャンスがありました。それどころかなかなか強力なポケモンだと思われます。
最もメジャーだと思われるのは特性の根性を有効活用できる毒々玉。イーブイの項でも書いたようにこのルールではノーマル技を半減できるポケモンがいないため、攻撃と威力を同時に引き上げられる毒々玉+空元気は優秀なコンボとなっています。
行動回数をどのように確保するかがポイントで考えられるのは鈍いとニトロチャージ。大半のブースターが貰い火ではなく根性を選ぶせいでニトロチャージが通らないということはあまりないかと思います。
余談ですが、仮にイーブイの特性が危険予知だった場合に反応するのはおそらくブースターの馬鹿力だけだと思われるので、相手にイーブイがいて特に3匹の順番を気にする必要がない場面に限ってはブースターを後衛にしても良いかもしれません((


○エーフィ(65-65-60-130-95-110)
イーブイの進化系の中でも種族値配分はそれほど悪くなく今回のルールでは凶悪な特性を持ったポケモンイーブイ系統のポケモンは補助技が豊富だと言われることが多いですが、エーフィの夢特性であるマジックガードは欠伸や嘘泣きなどと言った技をすべて跳ね返すことができるため場に存在するだけでもそういった技を牽制することができます。
一貫しやすい技が必ずできてしまう点を補うことができるリフレクター光の壁を使用する型が好まれてそうな印象を受けます。特に、エーフィは素早さの高いポケモンなので先手で攻撃を半減できる壁を用意することでエーフィ自身が長生きしやすくもなっています。また、唯一トリックルームを使えるポケモンであるという点も大事です。
シグナルビームが比較的一貫していることもあり積極的に攻めていく型もありだとは思いますが、壁エーフィが好まれてそれを防ぐ手段がない以上、相手に壁を貼られてしまったときに拘り火力に牽制されながら相手の積みにも気を配らなければならず、それを防ぐためにはこちらも壁を貼らざるを得ない印象があります。壁エーフィ構築に壁エーフィで対抗するというのはミラーマッチの解決策としては適切ではなさそうですが、例えるならばキングドラを最速にしておくことで相手のキングドラに一方的に不利になるという点を五分まで抑えているようなもので、こうせざるを得ないというのがただいまの見解です。



ブラッキー(95-65-110-60-130-65)
イーブイの進化系の中で最も優れた耐久の持ち主。弱点が格闘・虫だけなので一致技で抜群を取れるポケモンがこのルールには存在せず、安定感はトップクラスになるのかと思います。
さて、その安定感を活かしてどのような活躍をさせるかをしっかりと決めておかないといけません。壁を貼って鈍いを積んで全抜き・・・というパターンがすぐに思い浮かびますが、あまりのんびりしていると嘘泣きなどからあっさり崩されてしまう可能性は十分にあるので気を付けたいところです。また、ローテーションバトルではその性質上交代を選択しづらい局面が多いので、相手の特攻を下げるバークアウトは時に光の壁よりも有効に働くのではないかと思います。
回復技は眠るか願い事か月の光になると思いますが、全抜きを目指すのならば状態異常を回復できる眠るが欲しいです。癒しの鈴で眠りからすぐに目を覚ますこともできるのでカゴの実やラムの実が必須にはならず隙を見せにくいのもポイントです。月の光が安定しているようにも思えますが、雨乞い構築に対して回復量が1/4となってしまっては受けが間に合わなくなるので難しいところでしょう。


リーフィア(65-110-130-60-65-95)
イーブイの進化系の中でもあまり特徴的なものが目立たないポケモンでしたが、今回はイーブイ系統のポケモンしかいないということでチャンスがかなりあります。このルールでは素早さ操作技がエーフィのトリックルームシャワーズグレイシアの凍える風・サンダースの電磁波などとかなり限られているおかげで夢特性葉緑素を持つリーフィアはかなり活用しやすい部類だと思います。
物理耐久を上げる手段を鈍いに頼ることが多い一方で、リーフィアは剣の舞を使用することができるので相手に受けられる速度よりも早く火力を確保することができます。一言でまとめてしまえば、リーフィアで剣の舞をして別のポケモンで日本晴れをすると攻撃と素早さが2段階上がったリーフィアができあがりとっておきやシザークロスなどで一気に相手を突破することができるので分かりやすい強ポケモンとなっています。
採用されるであろう攻撃技ですが、とっておきがリーフブレードより火力が高く半減されることもないので「とっておき、剣の舞@命の珠」などという構成でも良さそうですが、リーフブレードがないと同じスピードで積める溶けるシャワーズを突破することができません。しかし、「リーフブレード、シザークロス、おんがえし、剣の舞@命の珠」という構成でも恩返しをグレイシアに耐えられて返り討ちに遭う可能性もあります。
また、どのポケモンにもある程度有利がついてはいましたが、逆に言えばリーフィア自身のミラーマッチが圧倒的に面倒ということになります。ただでさえ構築に入ってくるポケモンが4匹以上は被るミラーマッチになっている中で相手の構成がどのようになっているかは普段よりも読み取りづらくなっているのでミラーに対する回答の用意は更に難しいでしょう。


○グレイシア(65-60-110-130-95-65)
イーブイの進化系の中で最も優れた特攻の持ち主。氷タイプは氷技にしか耐性がなく攻撃の一貫性を上げてしまいやすいグレイシアをわざわざ採用する理由はそれほどないようにも思えますが、グレイシアは耐久の種族値が高めで且つ耐性がない分弱点を突かれることも多くないというのが特徴だと思います。
たとえばリーフィアのストッパーとしてブースターが挙げられていることをよく見かけますが、ブースターはリーフィアリーフブレードとシザークロスを半減できるというだけで先手を取られる以上は恩返しやとっておきを使われたら逆に倒されてしまいますし、根性を発動させていたとしてもニトロチャージではリーフィアを一撃で倒すことはできません。しかし、グレイシアであれば物理耐久を活かしてリーフィアの攻撃を耐えるようにすることができますしリーフィアを一撃で倒すことができるので積む隙すら与えません。
鈍いを積むブラッキーに対しても拘り眼鏡の冷凍ビームで半分削ることができますし、光の壁で攻撃を抑え込もうとしてくる相手に対しても氷の息吹で急所を突くことで光の壁を貫通して攻撃を通すことができます。凍える風という攻撃技もあり相手の素早さを下げることでミラーマッチなどを有利に戦えるようなサポートができます。
展開の早いサンダースやシャワーズに対しても一発耐える状況ならミラーコートによる反撃という手がないわけでもなく、扱いは非常に難しいものの命中70%で打ってくる吹雪や霰を使ってくる型なども含めてトップレベルの地雷要素を持っているポケモンだと言えるでしょう。
特性に関してですが、霰状態でグレイシアを動かすターンが多くないと有効に発動しないアイスボディに比べてアグレイシアを動かしたターンに発動すれば大きなアドバンテージとなる雪隠れの方が機能しやすいような気がします。もっとも、自ら霰を使わない限りは大きく影響することなどないのですが((


・・・ここまでにも何度か書きましたが、使えるポケモンが8匹から6匹のパーティを組む以上、どの対戦相手とも必ず4匹以上のポケモンが被っていることになります。普段であれば選出は相手との違いから有利になりそうなポケモンを考えて行うものですが、毎回がミラーマッチとなってしまっては選出を判断する基準が明確にはなりません。したがって、構築を組む際はどの2匹が必要なさそうかを考えて6匹を選ぶよりも、まず4匹の固定できそうな選出方法を考えて残り2匹は相手に見せているだけという表現が当てはまってもいいような構築にしておきたいです。相手の構築のパターンは8匹のうちのどの2匹を省いたかという56パターンしかないため、それをじっくりと考える時間さえあれば判断基準はしっかり作れそうですね。
また、気合の襷をどのポケモンに持たせるかは非常に重要となりそうです。


現段階でキャラクターに評価をつけるのならば・・・
「サンダース≧リーフィアシャワーズ≧ブースター≧エーフィ≧ブラッキー≧グレイシア≧イーブイ
といった具合でしょうか。ただし、明日まで待たなくとも数時間後にはこの見解が変わっている可能性も十分にあります((


毎回がミラーマッチとなるとあまり良いゲームだとは思えない方もいるようですが、逆に使えるポケモンが限定的な中で勝率の高い構築を組むとなると同じ6匹でも違う技構成や配分にしていることが勝てるかどうかに大きく差をつけそうで、それほど理不尽な要素もなく比較的バランスは良いゲームだと感じています。
特に、ローテーションバトルが難しいから取り組めないという理由などから縁がない方も多いようなので、8匹と縮小されて考えることが限られてくる環境でローテーションバトルを経験するしてみるのも悪くはないでしょうと思います。