WCS2017ルール構築〜アローラグッドスタッフ+キュウコンカビゴン〜


○カプ・コケコ おくびょう エレキメイカ
146-×-105-147-95-200 H.4 C.252 S.252
10まんボルトマジカルシャインボルトチェンジ、まもる@デンキZ


ガブリアス いじっぱり さめはだ
185-179-116-×-127-150 H.12 A.100 B.4 D.172 S.220
ドラゴンクロー、じしん、どくづき、いわなだれこだわりスカーフ


ウインディ いじっぱり いかく
173-165-101-100-112-140 H.60 A.156 B.4 D.92 S.196
フレアドライブワイルドボルトしんそく、バークアウト@とつげきチョッキ


テッカグヤ しんちょう ビーストブースト
199-125-125-114-158-92 H.212 A.28 B.4 D.180 S.84
ヘビーボンバー、かえんほうしゃやどりぎのタネ、まもる@たべのこし


キュウコン おくびょう ゆきふらし
149-×-95-133-120-177 H.4 C.252 S.252
ふぶき、フリーズドライ、どくどく、まもる@きあいのタスキ


カビゴン ゆうかん くいしんぼう
254-144-112-×-148-31 H.148 A.4 B.212 D.140
おんがえし、10まんばりき、のろい、リサイクル@フィラのみ


ウインディの特攻のみ非理想値


2月のINCで37-6のR1858で15位。
3/4開催の第9回つくオフで予選4-1でベスト8。
3/18のバトルロードグロリア2017LCでスイスドロー予選6-1で1位通過後、本戦出場権利獲得。
3/19のバトルロードグロリア2017本戦で予選2-3で17位。



【構築概要】
アローラダブルにおいて高性能な「カプ・コケコ、ガブリアスウインディテッカグヤ」の組み合わせを採用したスタンダード構築。この4匹では天候やトリックルームを絡めた構築の対策が手薄なので、天候要員のキュウコンと素早さが遅くトリックルーム下で動けるカビゴンで補完をしています。
明確な勝ち筋はありませんが、基本的には「Z技を持たせたカプ・コケコを軸に攻撃的な並びを形成」「高耐久のカビゴンテッカグヤで建て直しを図れるようにする」「温存したカプ・コケコやガブリアスで一掃、もしくは高耐久のポケモンで詰める」という方針で立ち回ります。
今回の構築は、2月のアリーナオフで優勝したおやつさんの構築を参考にしています。


【構築経緯】
2月初旬ごろ、鈍いカビゴンを相手にしてみて対処が難しく感じたことから自分でも使ってみようと思ったことがきっかけです。
カビゴンを使う上で、素早さの遅さから不確定要素による事故を招きやすいことを懸念していたので、サポート寄りのポケモンを揃えてカビゴンを守っていく方針ではなく、攻撃性能の高いポケモンを揃えて立ち回りの隙を突いて鈍いを積んでいく方針をとりたいと考えていました。


そんな中、2月中旬のアリーナオフで、おやつさんとゆういちさんが共にカビゴンを採用した構築で決勝戦まで駒を進めており、その試合を見て魅力的に感じる部分が多々あったので、その対戦での情報を基に自分なりに構築を考えることにしました。


具体的に魅力に感じた点は以下の通りです。


構築の順番としては以下のように解釈しました。
1.個人的にテーマとした鈍いカビゴン
2.カビゴンが苦手なテッカグヤカミツルギに強いカプ・コケコ
3.カプ・コケコとカビゴンを威嚇で守って動かしやすくするウインディ
4.ガブリアス対策と天候対策にキュウコン
5.カプ・テテフ対策とガブリアスへの耐性確保を考えてテッカグヤ
6.カプ・コケコ対策としてガブリアス


「カプ・コケコ、ガブリアスウインディテッカグヤ」の組み合わせ自体は以前から好んで使っていました。残りの2枠で「対天候」「対トリパ」を確保する形で構築をすることが多く、キュウコンカビゴンを加えた形も自然だと感じたので、おやつさんの構築と同じ6匹での採用となりました。


【個別解説】


★カプ・コケコ
<持ち物:デンキZ>
最大打点を出す持ち物。カプ・コケコは火力と素早さが優秀ながら相手を倒しきるには火力が足りず反撃で致命傷を受けてしまいがちですが、Z技なら並の相手を一撃で倒すことができるようになります。
また、炎技のスペースを割くことなくカミツルギを上から一撃で倒せる点でも重宝します。
<技構成:10万ボルト、マジカルシャインボルトチェンジ、守る>
メインウエポンの10万ボルト、ガブリアスへの打点となるマジカルシャイン、大事に扱うための守るは必須。最後の技はカプ・コケコの技の中でも強力だと思っているボルトチェンジを採用。
耐久が高いカビゴンテッカグヤを後続に置くことが多いのでボルトチェンジは打ちやすく、交代際に削りを入れることでカビゴンテッカグヤの足りない火力を補うことができます。
<実数値:146-×-105-147-95-200 H.4 C.252 S.252>
CS振り切り。A255カミツルギリーフブレードを最高乱数以外耐え。
ガブリアスウインディが特防を伸ばす配分なので残りはHPに4振り。相手のカプ・コケコの対処が厳しいので五分で戦える最速は切れませんでした。
特防の低いカプ・コケコですが、どの組み合わせで選出してもダウンロードで攻撃が上がるようになります。


ガブリアス
<持ち物:拘りスカーフ>
特に対カプ・コケコを想定した採用なので、交代から縛り返すことができる拘りスカーフ。
<技構成:ドラゴンクロー、地震、毒突き、岩雪崩>
カプ・コケコを一撃にできる地震地震が打てないときにカプ・コケコを削れる技として毒突き、ガブリアスミラーで使用するドラゴンクロー、何かと便利な範囲攻撃の岩雪崩。
ダブルチョップがあれば気合の襷フェローチェまで倒すことができますが、ドラゴンクローをガブリアスに打つ機会はそこそこあるので、命中や鮫肌ダメージを考えると代用はできません。そもそも次点はカミツルギテッカグヤに刺さる炎の牙です。
<実数値:185-179-116-×-127-150 H.12 A.100 B.4 D.172 S.220>
C182カプ・テテフムーンフォースをはじめ無振りガブリアスをn発で倒す特殊攻撃をn発耐え。A200ガブリアスのドラゴンクロー最高乱数以外耐え。75%地震でH145B105カプ・コケコ1発、最速フェローチェ抜き。
耐久に配分した意図は大きく2つあって、1つ目はカプ・コケコへの繰り出しを安定させるために75%マジカルシャインを2発耐えることです。もう1つは自分のカプ・コケコと選出した際にダウンロードで特攻が上がらないことを意識しています。
ミラーで先制されますがドラゴンクローより強力なドラゴン技以外では即死しないので致命的にはなっていません。耐久に配分する方が行動回数を稼げるので、結果的に与えられるダメージを増やせると考えています。


ウインディ
<持ち物:突撃チョッキ>
威嚇と合わせて自身の耐久を高めるための持ち物。デンキZでしか火力が出せないカプ・コケコと並べることを考えると火力と素早さは欲しく、とはいえテッカグヤカビゴンでの詰めを見据えると即死するような耐久では困るので、全てを両立できる持ち物が他にありませんでした。
<技構成:フレアドライブワイルドボルト、神速、バークアウト>
特殊主体だと攻撃範囲が狭まってしまうことやテッカグヤへの役割遂行を考えて物理技をメインに採用。タイプ一致技のフレアドライブ、先制技の神速、重めな水タイプの処理を早めるためのワイルドボルト。最後の技にバークアウトを持たせることで威嚇をもらっても腐りにくく、威嚇と合わせてカビゴンテッカグヤによる詰めを狙いやすくなります。
神速はHP6割程度の味方カビゴンに打って木の実を発動させる機会も多く、木の実を発動させずにZ技でカビゴンを処理しようとする相手の目論みを崩すことができる点でも便利でした。
<実数値:173-165-101-100-112-140 H.60 A.156 B.4 D.92 S.196>
最速カプ・ブルル抜き。C161カプ・コケコのフィールド込みZ10万ボルト耐え、C161カプ・レヒレの75%濁流2発耐え。残り攻撃。
自らエレキフィールドを展開する以上は最低限この耐久が必要だと思いました。攻撃に明確な指標はありませんが、なるべく高い値に設定したいです(一応、カプ・コケコのZ10万ボルト+威嚇込み神速で無振りカプ・コケコを倒す程度)。また、カプ・コケコと選出した際にダウンロードで特攻が上がらないことを意識しています。


テッカグヤ
<持ち物:食べ残し>
宿り木テッカグヤの性能を高く引き上げる持ち物。オッカやソクノも便利ではありますが、比較的仁王立ちエンドが狙いやすい試合で選出することが多いので、タイプ一致技をまともに直撃する機会を避ける持ち物より有利な相手に崩されないための持ち物を選びました。
<技構成:ヘビーボンバー、火炎放射、宿り木の種、守る>
耐久耐性と合わせて詰め性能が強力な宿り木の種と守るを採用。残る2つはミラーでの打点となりカミツルギを一撃にできる火炎放射、最後はメインウエポンのヘビーボンバー。
火炎放射は火傷の追加効果があるので鈍いカビゴンに対しても分の良い勝負ができそうです。メインウエポンをラスターカノンにすれば性格の関係から火炎放射の火力も上げられますが、ウツロイドカプ・テテフへのダメージが大きく違うことからヘビーボンバーを選択しました。
<実数値:199-125-125-114-158-92 H.212 A.28 B.4 D.180 S.84>
ヘビーボンバーでH175B96カプ・テテフ1発、C200命の珠カプ・テテフのフィールドサイコキネシス+10万ボルトを食べ残し込み耐え、C200命の珠カプ・テテフのフィールド10万ボルト最高乱数以外耐え(C200カプ・テテフのZ10万ボルト耐え)、残り素早さ。
カプ・テテフを強く意識して配分。少し素早さに振ったベトベトンテッカグヤミラーを考えて素早さもある程度は欲しかったので、性格の下降補正は特攻にかけることにしました。
特殊耐久が高くないテッカグヤで詰める自信があまりなかったことから慎重でスタートして、感触が悪くなかったことから継続して使いましたが、ガブリアスが重ための構築なので処理速度を上げる攻撃振りも魅力的です。


キュウコン
<持ち物:気合の襷>
低い耐久でも行動保障を得るための持ち物。特に、天候パーティ相手には気合の襷を盾に天候を奪う立ち回りがしやすくなります。
<技構成:吹雪、フリーズドライ、毒々、守る>
メインウエポンの吹雪、ワイドガードを含む並びでもガブリアスを処理できる単体の氷技として水タイプへの打点となるフリーズドライ、大事に扱うための守る、は必須。最後の技は高耐久を崩す毒々。構築のどこかに採用しておきたい技でしたが、ここしかスペースがありませんでした。鋼タイプに打点を持てない氷タイプに毒々を持たせることには抵抗があるかもしれませんが、このルールにおける鋼タイプはテッカグヤカミツルギが主流で氷技が等倍で通るため、あまり気になりませんでした。
キュウコンに採用されることの多いオーロラベールですが、あると便利なものの使用頻度が高くなく毒々を優先したことから不採用。キュウコンが壁技を使う間に倒されてしまう可能性は十分にあり、せっかくダメージを抑えても試合トータルでのダメージレースに負けることが考えられるため、よほどコンセプトがない限りは積極的に使用できる技ではないと思っています。
<実数値:149-×-95-133-120-177 H.4 C.252 S.252>
CS振り切り。耐久は気合の襷に任せます。
素早さの高いポケモンの集中攻撃を耐えるような配分も考えたいですが、耐久に厚く振ったガブリアスフリーズドライで中乱数1発なので、今のところは耐久への配分はしていません。


カビゴン
<持ち物:フィラの実>
特性食いしん坊とのシナジーを考えた木の実。「性格の情報が割れにくい」「相手が泥棒によって混乱する可能性がある」ことを理由にフィラの実を選択。
<技構成:恩返し、10万馬力、鈍い、リサイクル>
メインウエポンの恩返し、積み技の鈍い、回復技のリサイクル、まで確定。最後の技はウインディギガイアスやガラガラの処理が遅めの構築であることから10万馬力を採用しました。カビゴンの積み技には腹太鼓もありますが、トリパ対策の駒である点を考えてもどっしり戦える鈍いの方がマッチしています。
鈍いから全抜きする動きだけ考えると、鬼火対策の空元気や攻撃範囲の相性補完に優れる噛み砕くも候補ですが、驚異的な回復量を活かして交代先とすることも多いので、その動きを考えると積まなくても攻撃で貢献しやすい型が良いと思いました。
<実数値:254-144-112-×-148-31 H.148 A.4 B.212 D.140>
HP偶数、A178ウインディの拘り鉢巻きインファイト最高乱数以外耐え、A134オニシズクモのZアクアブレイク最高乱数以外耐え、C161カプ・コケコの命の珠10万ボルト2発耐え、ランク+1の10万馬力でH146B106カプ・コケコが1発。
トリックルームの駒として扱えるように素早さは最遅にしていますが、鈍い1回で最遅コータスを下回りつつ最遅カビゴンがミラーすることを考えると32が最適な値かもしれません。


【構築総評】
実力者がオフ会で優勝した構築をベースにしたので弱いわけはありませんでした。素早さ操作技こそありませんが、素早さの高いポケモンと耐久が高いポケモンをバランス良く揃えており、定数ダメージや積み技を絡めて戦うこともできるので、対応範囲は広かったです。
特に強かったのはデンキZを持ったカプ・コケコです。キュウコンと並べて繰り出すと「単体+範囲」且つ「高速」という理想的な攻撃の並びを作ることができる上に、キュウコンの前に地面タイプを交代で出しづらいため、貴重なZ技を無効化される機会が少なくなる点も優れていました。また、カプ・コケコを温存したい場合も、食いしん坊による回復が驚異的なカビゴンが安定した交代先となりやすく、ボルトチェンジは打ちやすかったです(その動きを支えていたのは威嚇とバークアウトを持ったウインディ)。
対戦していて厳しく感じていたのは「ギガイアス+ガブリアスorカプ・テテフ」「避雷針+水タイプ」辺りです。前者はキュウコンを選出しづらいことから上から縛る立ち回りがしづらく、特にガブリアスに関しては剣の舞を持った個体が増えてきたことから威嚇や交代での誤魔化しが通じづらくなってきました。後者についても構築を見て分かる通りで、水技に耐性を持つポケモンがおらず、攻撃の主軸のカプ・コケコが動きづらいことから厳しい戦いになります。また、瞬発的に火力を出せるポケモンが少ないため、腹太鼓を使うカビゴンも不利な戦いになることが多かったです。


【余談】
このルールのガブリアスはトップクラスに強力なポケモンですが、個人的には拘りスカーフ以外で扱うのが下手でした。
というのも、ガブリアスのメインウエポンとなる地震は味方を巻き込むことから隣には地面無効のポケモンを置きたいのですが、地面を無効とするポケモンの多くはカプ・コケコが苦手です。素早さの関係上、ガブリアスよりカプ・コケコが先に動くことから、隣のポケモンの行動が制限されてしまいます(守る+地震と動くにしても、カプ・コケコに守るを合わせられたら次のターンが苦しい)。そういった問題はジメンZで解決できますが、使えるのは一度きりで型を周知されていることもあり狙った通りに決まらないことも多いです。
また、そもそもガブリアスはカプ・コケコに弱いことも挙げられます。高速で火力も高いカプ・コケコに切り返すために電気技を無効化できるガブリアスを交代で繰り出したい場面は多いのに、倒すまでに少なくとも2回は動かれてしまいます(そもそもマジカルシャインならそのまま倒される可能性もある)
ガブリアスを採用する場合に「電気の一貫を切る」ことを目的とすることが多かったので、以上のような理由から素早さで縛り関係を逆転させられる拘りスカーフ以外の持ち物は使いづらいと感じていました。ガブリアスに拘りスカーフを持たせることで対カプ・コケコが楽になり、カプ・コケコが自身の性能を最大限発揮できるデンキZを持ったり、テッカグヤにソクノの実を持たせる必要がなかったり、と綺麗にまとめることができます。
そういったこともあって、この構築はかなり使いやすく感じていたのですが、これ以外の型に踏み切ることができなかった点では自分の力不足を感じました。