WCS2017ルール構築〜GACTポリゴン2ギガイアス〜

○カプ・コケコ おくびょう エレキメイカ
146-×-106-138-104-200 H.4 B.4 C.180 D.68 S.252
10まんボルトボルトチェンジ、エレキボール、マジカルシャイン@こだわりメガネ


ガブリアス いじっぱり さめはだ
211-179-116-×-124-127 H.220 A.100 B.4 D.148 S.36
じしん、ほのおのキバ、つるぎのまい、まもる@ジメンZ


ウインディ しんちょう いかく
181-138-101-×-143-126 H.124 A.60 B.4 D.236 S.84
フレアドライブ、どくどく、おにび、まもる@フィラのみ


テッカグヤ れいせい ビーストブースト
199-122-134-154-136-72 H.212 A.4 B.76 C.100 D.116
ヘビーボンバー、エアスラッシュやどりぎのタネ、まもる@ソクノのみ


ギガイアス ゆうかん すなおこし
191-192-153-×-111-27 H.244 A.156 B.20 D.84
いわなだれストーンエッジ、のろい、まもる@イワZ


○ポリゴン2 おだやか ダウンロード
191-×-126-134-134-83 H.244 B.124 C.68 D.52 S.20
れいとうビームシャドーボールトリックルームじこさいせいしんかのきせき


WCS2017世界大会で使用候補だった構築。
同じ6匹の試作構築を7/23の第10回ぽちゃオフで使用。予選5-1でベスト4。
(マッチ戦形式のルールで、通算の戦績は12-4)。



【構築概要】
拘り眼鏡カプ・コケコを軸にしたスイッチトリパ。ボルトチェンジで対面を上手くコントロールしながら相手を削り、最後に10万ボルトやマジカルシャインでトドメを刺していくのが理想的な動きになります。また、ポリゴン2ギガイアスを採用することでトリックルームの圧力も相手に与えられるようにしています。
世界大会に向けて考えていた構築であり、そこでの対戦形式であるマッチ戦(2本先取で1勝)を意識しました。


【構築経緯】
マッチ戦で対戦するにあたって、トリックルームという技が重要だと考えました。
ポケモン対戦における基本は「先制して攻撃すること」であり、それをするために天候や積み技などのギミックが組み込まれることは多いです。トリックルームはそれらとは全く逆の方向に作用する素早さ操作技であるため、採用するだけで相手の自由な選出を抑制するなど対応範囲をある程度広げることができます。また、トリックルームの弱点である挑発・吠えるなどに関してもマッチ戦であれば誰が技を所持しているか確認ができるため、立ち回りを変えて戦うことを選べます。ただし、素早さの遅いポケモンに寄せすぎると「先制して攻撃すること」がトリックルームに依存してしまうため、速いポケモンと遅いポケモンをバランス良く採用したスイッチトリパを目指すことにしました。


ということで、最初に選んだのがカプ・コケコとポリゴン2の2匹です。
カプ・コケコはこのルールでも屈指の素早さを持つポケモンで、先発でボルトチェンジを利用した盤面作りや後発から相手を一掃する動きはスイッチトリパと相性が良いです。タイプ一致で弱点を突かれない限りは一撃死することも多くなく、1試合落としても良いマッチ戦であれば相手の拘りスカーフを変に警戒し過ぎずに扱うことができそうです。
ポリゴン2は単純に弱点が少なく耐久の高いトリックルーム要員としての採用。カプ・コケコが苦手とする拘りスカーフガブリアスに強めなところが評価できます。先述の通り、挑発に弱い部分はマッチ戦なので立ち回りを変えることで柔軟に戦っていけます。


3匹目にはウインディを採用。カプ・コケコやポリゴン2による盤面作りを安定して行うために威嚇は重宝する特性であり、威嚇要員の中でもカプ・コケコに弱点を突かれず、Z技以外で即死しにくいところが強いです。
4匹目にはトリックルーム下でのアタッカーとしてギガイアスを選択。トリックルーム要員のポリゴン2は耐久に優れるも火力は並程度であるため、範囲攻撃で攻められるポケモンを使いたいと考えていました。ギガイアスを採用することで天候パーティに対してもある程度対抗できるようになります。
ここまでの4匹では「カプ・テテフウツロイドの対処が厳しい」「構築に電気・地面技が一貫している」「ウインディに上から圧力を掛けられるポケモンが欲しい」などの理由からガブリアステッカグヤを選択しました。


【個別解説】

★カプ・コケコ
<持ち物:拘り眼鏡>
カプ・コケコの単体性能を最大限高められる持ち物。終盤に一掃する動きを考えるとできる限り射程を広げるのが強いと感じたことが理由です。
デンキZも強力ですがマジカルシャインの火力が低い点が気になります。打ち分けできる命の珠に関しては定数ダメージで絶妙な耐久を削ってしまうのが結構大きく、明確な指標こそないものの性格を控えめにしないと押し込みが足りない印象もあります。
<技構成:10万ボルト、ボルトチェンジ、エレキボール、マジカルシャイン>
メインウエポンとなる10万ボルトとマジカルシャイン。序盤に大きくダメージを与えながら対面をコントロールできるボルトチェンジ。最後の技はカビゴンギガイアスに瞬発力のある打点を持つためにエレキボールを採用。
放電も強力な技ではありますが、ガブリアスと並んでる場面でしか安全に打てないため不採用。めざめるパワー地面はウインディの手助けを合わせるとHP振りウツロイドまで一撃にできる可能性がありますが、性格を控えめにする必要があります。
<実数値:146-×-106-138-104-200 H.4 B.4 C.180 D.68 S.252>
素早さ最速。C161カプ・レヒレの拘り眼鏡ムーンフォース耐え(14/16)、A256カミツルギリーフブレード耐え。
当初は耐久振りや控えめ個体も試しましたが、Bo3形式であればカプ・コケコを上から一撃で倒してくるポケモンを判別できるので耐久振りによる行動保障よりもスイーパーとして火力を重視した方が良いと感じました。また、カプ・コケコに先制できるポケモンがいない構築なので最悪同速勝負を仕掛けるために最速にすることが重要と考えました。


ガブリアス
<持ち物:ジメンZ>
地面技を打つ際に味方を巻き込まずに打つことができるジメンZ。並べて地震を打ちやすいポケモンテッカグヤしかいないので重宝します。
巻き込む関係で拘りスカーフでは扱いづらく、ジメンZ以外の持ち物では速いポケモンに不利な上に遅いポケモンも味方を巻き込む制約を抱えつつ相手を倒し切れないという不便さが目立つので、選択肢が他にありませんでした。
<技構成:地震、炎の牙、剣の舞、守る>
ジメンZを使うための地震、立ち回りの幅を広げるための守る、威嚇でガブリアスを誤魔化す動きに強くなる剣の舞、攻撃技が地震だけで立ち回れる自信がなかったのでサブウエポンとして炎の牙を選択。炎の牙自体もピンポイントな技ですが、同じくピンポイントになりがちなドラゴンクローや毒突きに比べると無効の相手がいなかったことが採用理由となります。
当初は身代わりも試しましたが、威嚇が入ったりジメンZを使った後に場に残ってしまうのが強く思えず、剣の舞を両立する勇気はありませんでした。剣の舞があるおかげで、ジメンZで倒さなくてはいけない相手にいきなりZ技を使わずに且つ相手に隙を見せないで済む動きができるようになるので、この技なしにはジメンZで採用できないように感じています。
<実数値:211-179-116-×-124-127 H.220 A.100 B.4 D.148 S.36>
75%地震でH145B105カプ・コケコ1発、C147カプ・コケコの手助け拘り眼鏡75%マジカルシャイン耐え(15/16)、A215カミツルギのZリーフブレード耐え(13/16)、残り素早さ。
カプ・テテフなどに隙を見せないため陽気ASで使用しましたが、やはり耐久に振っていないガブリアスが上手く扱えなかったので耐久振りに変更。ジメンZは「耐える調整はできるものの少し体力が削れた途端に耐えられなくなる」ところが強いため、火力は削りたくなかったので思い切って素早さを切ることにしました。
素早さが高い方が強いのは間違いないですが、ウインディカプ・テテフも素早さが高くない型も存在しているため、マッチ戦ではそれを見極めながら戦えば良いと考えました。耐久を厚くしたことで、C179ウツロイドの命の珠めざめるパワー氷なども耐えられるので、それはそれで立ち回りの幅を広げられます。


ウインディ
<持ち物:フィラの実>
ウインディの場持ち能力を上げるための持ち物。
フレアドライブの反動ダメージでHPが削れるのは耐久振りと相性が悪くも思えますが、HPが7割削れたときなど反動ダメージで自ら木の実を発動させることができるのは強力です。
<技構成:フレアドライブ、毒々、鬼火、守る>
カプ・コケコを2発で倒す程度には火力が出るフレアドライブをメインウエポンに、過労死を防ぐために大事に扱うための守る。ポリゴン2やウインディを崩すための毒々、毒々を打ちたい相手から決定打をもらいにくいところは相性が良いです。
最後の技は、ミストフィールドを展開するカプ・レヒレに対して最低限の抗いとなるバークアウト、もしくはZ技や拘りアイテムとの相性が良く自身の火力不足を補うための手助け、なども候補です。世界大会直前には弱点保険のメタグロスが増えたように感じたので鬼火を採用するのが良さそうだと感じました。
<実数値:181-138-101-108-143-126 H.124 A.60 B.4 D.236 S.84>
A182ガブリアスの75%地震耐え(15/16)、C147カプ・コケコのZ10万ボルト耐え、フレアドライブでH135B71ライチュウ1発(14/16)、最速テッカグヤ抜き。
威嚇のために交代で繰り出しやすくするために特殊耐久に厚く配分。素早さは最速ジバコイルを抜いておきたかったので配分、ここまで振れば素早さが遅めのカプ・テテフの判断がしやすくなります。


テッカグヤ
<持ち物:ソクノの実>
カプ・コケコを上から縛るポケモンがいないため行動保障をつけるためにソクノの実。
宿り木の種による展開を考えると食べ残しが最適ですが、鋼タイプとしての役割を遂行することを重視しています。
<技構成:ヘビーボンバー、エアスラッシュ、宿り木の種、守る>
ウツロイドカプ・テテフの処理速度を上げるヘビーボンバー、テッカグヤで詰めるルートで使う宿り木の種と守る。最後の枠は対マッシブーンオニシズクモを考えてエアスラッシュを採用しました。
火炎放射は「鈍いカビゴン」「テッカグヤミラー」「カミツルギ」に使う技ですが、「ウインディに鬼火を採用してカビゴンへのマークを厚くした」「食べ残しを持っていないのでミラーは元々不利」であることから不採用にできると感じました。エアスラッシュはよくいるカミツルギを7割くらい削る火力になります。
<実数値:199-122-134-154-136-72 H.212 A.4 B.76 C.100 D.116>
エアスラッシュでH175D153オニシズクモを2発(255/256)、A207フェローチェのZ飛び膝蹴り耐え、C200カプ・テテフの拘り眼鏡サイコキネシス2発耐え。ヘビーボンバーでH146B57フェローチェ1発。
エアスラッシュの火力のため特攻に努力値を大きく割きました。ヘビーボンバーの火力を落としたくないので性格の下降補正は素早さ。


ギガイアス
<持ち物:イワZ>
トリックルーム下での制圧力を考えてイワZ。
ジメンZのガブリアスと同時選出することもありますが、ギガイアスはZ技を打たなくてもそれなりに強いので、あまり気になりません。
<技構成:岩雪崩、ストーンエッジ、鈍い、守る>
範囲攻撃の岩雪崩、ワイドガードの影響を受けずオニシズクモを一撃で倒せるストーンエッジは確定。また、カビゴンに対抗できるように鈍いを採用。最後の技は無難に守るとしました。
この6匹の組み合わせだとジバコイルの対処も厳しいので地震を採用したかったのですが、その場合はガブリアスウインディをうまく扱うことにしました。
<実数値:191-192-153-×-111-27 H.244 A.156 B.20 D.84>
A182ガブリアスのランク-1のZ地震耐え(15/16)、C182カプ・テテフのフィールド込みZサイコキネシス耐え。ランク+1のZストーンエッジでH192B153ギガイアス1発。
トリックルームがない状況でもある程度動けるようにそれなりに耐久に配分しています。


★ポリゴン2
<持ち物:進化の輝石>
耐久を底上げするための持ち物。説明不要。
<技構成:冷凍ビーム、シャドーボールトリックルーム、自己再生>
コンセプトであるトリックルーム、受け回しを強固にする自己再生、ガブリアスへの打点となる冷凍ビーム、の3つは必須。
最後の技はギガイアスと並べたときにカプ・レヒレが重たくならないよう10万ボルトか恩返しを採用したく、全体的にメタグロスが重たいと感じていたことから10万ボルトを採用しました。オニシズクモペリッパーに対する打点としても重要です。
…このように考えていたのですが、世界大会Day1環境でメタグロスやガラガラが多く感じたので、10万ボルトではなくシャドーボールを選択。トゲデマルにそこそこ入る技を採用したい思いもあったので悪くはない選択でしょうか。
<実数値:191-×-126-134-134-83 H.244 B.124 C.68 D.52 S.20>
A207フェローチェの飛び膝蹴り耐え(15/16)。C147カプ・コケコの手助けフィールド込みZ10万ボルト耐え(15/16)。残り特攻。
素早さに関してはフィールドを上書きできるポケモンがカプ・コケコしかいないので、控えめライチュウからのエレキボールの火力が最大にならないよう少しだけ振りました。


【構築総評】
既に多方面で結果を出している6匹の組み合わせですが、自分である程度納得感を持って組むことができました。
その理由としては今まで上手く扱えなかったジメンZのガブリアスをしっかり採用できたことが理由でしょうか。本来ならばカプ・テテフに隙を見せないために素早さを高めて使いたいのですが、その場合は耐久か火力を犠牲にすることになります。しかし、マッチ戦であることを活かして素早さを諦めることで耐久と火力を兼ね備えたジメンZ型としては強いガブリアスが採用できました。
また、テッカグヤについても、カプ・コケコやガブリアスと相性が良く採用している割には宿り木の種でしか負担を掛けられないところがイマイチだったので、エアスラッシュを持たせて役割対象への遂行速度を高めたことが扱いやすさを向上させたと思っています。
この6匹のミラーを何度も経験したことからも、バランスの良い組み合わせであることは間違いないのでしょうが、どうしても避雷針+カプ・レヒレが重たくなりがちであったり、腹太鼓カビゴンの処理速度が遅いことも気になったので、世界大会では別の構築を使用することになりました。