2012春ドラマ感想

2012年春ドラマの感想。
この期は観ている作品の数が多かったので、1つの記事にすべてまとめて書いてしまおうと思います。というか、以前よりポケモン中心な内容のブログになったような印象があるので、今後はこうしていこうかなと思います((


視聴した作品はこちら↓↓
鍵のかかった部屋
未来日記-ANOTHER:WORLD-
ハンチョウ〜警視庁安積班〜」
「放課後はミステリーと共に」
Wの悲劇
三毛猫ホームズの推理



>「鍵のかかった部屋
警察が自殺と判断するような密室事件を弁護士と“鍵オタク”の主人公で調査して事件を解き明かしていく物語。主人公は警備会社の社員なので刑事や探偵ではないことから劇中で扱われる事件は密室事件に限定されるという今までにあまりないタイプのミステリー。
第一印象のところにも書きましたが、やはりフィクションミステリーの事件のトリックというのは、実現可能性が低い方がおそらくいいのでしょうね。個人的に期待していたのがよくあるような鍵がかかった密室のトリックを破るもので、「つまり、密室状態にあった」という実質的密室だと鍵師の経験がフルで生きるわけではなさそうなので、思ったより興味が湧かなかったというところはありました。そして、第一印象を書く時点で設定についておさらいしようとwikiを見てしまったら主人公の榎本の正体が盗み人であるということも分かってしまったので期待度に比べると面白かったという印象はちょっと劣ってしまいます。
榎本が泥棒であるという設定を分かっていたから思ったのですが、最後の最後でしかり触れていなかったのでそんな設定を作ろうがなんでも良かったのではないかという気がしています。実は泥棒だったと言うのならば、もっとそれらしく榎本の私生活や人間性に踏み込んでおくべきだったと思います。まあ、そこで踏み込んでしまうと「実は榎本って泥棒なんじゃないか…?」と視聴者は想像できてその通りにはなってしまいますが、最後に「実は泥棒でした」で終わっても「あ、そうだったんですか」くらいにしかならない気がします((


>「未来日記-ANOTHER:WORLD-
未来日記という未来の出来事を予知するアプリ(?)の入った特殊なスマートフォンを渡されて負けた人は存在が消失するというサバイバルゲームに巻き込まれた未来日記所有者7人を巡る物語。
ラストまでは比較的面白かったかなと思います。「戦わなければ、生き残れない」風でキャラクターの心情を描きながらサバイバルゲームを行って、終盤でそれまで分からなかった謎を順に解明していく・・・ここまでですかね。現実世界を救うためにデウスを止めようとしたところから趣旨が変わってしまったような気がしています。また、最終回を見終えてから分からないことが結構思い浮かんだので、設定に対する理解が足りないのかもしれませんが曖昧なまま乗り切ってしまったのかなということであまり良い後味ではありませんでした。
原作の漫画やアニメを知っている人からすれば設定の不足や勝手な変更で面白みを失っている部分が大きかったのかもしれませんが、それを知らない私にとってはこういう非現実的な設定は映画ではよくあってもドラマではあまりなかったのでそういう変わったジャンルのドラマを観ることができたというのは良かったと思います。
実写でやる意味を問われているかとも思いますが、そもそも漫画原作をアニメ化したりするリメイク系も通すメディアが変わることで表現方法も変わるのだから別作品として捉えるべきであって、タイトルにも込められている(その真意とは違いますが)ようにANOTHERであるのが当然だと思います。
なので、逆にドラマとして実写化しようとした決断は勇気ある良い選択だったのではないかと思っています。もっとも、原作を知らないから言えることでもありますが((


>「ハンチョウ〜警視庁安積班〜」
人情派刑事ドラマ「ハンチョウ」シリーズの5期目。主人公は1〜4期までは神南署の強行犯係の係長でしたが、今回で警視庁へと異動になり登場人物なども一新されて、実質的には新たなシリーズを迎えるということになっていました。
特捜一課が設置された理由を解明しつつ新しい部下との理解を深めていくところの両方を描くとなると二期分の放送が必要なんじゃないかと思っていましたが、意外とそうではなく綺麗にまとまっていたと思います。ただ、過去の事件を引きずっていて理解を深めるのが最も困難そうであった小澤征悦の役から「ハンチョウ」と呼ばれる日が来るまでは早すぎるというか、それまでの上司は何をやっていたんだろうという気はしますよね((
今までの「ハンチョウ」と言うと、ハンチョウが情を持って犯人の過ちを説くのが印象的でしたが、4期目ではそれが綺麗事ばかりだとして捉えられていたためか今期のハンチョウはあまり説得をしていた印象はありませんね。やっぱり、そういう流れをちゃんと汲んでいるのでしょうか。
終盤で特捜一課を創設したのはある一つの事件を解決するためで見事にそれを解決したので、特捜一課が解散する形で終わりを迎えました。となると、ハンチョウの新たな配属先で新シリーズを始めることができるので、また次のシリーズにも期待をしておきたいと思います。


>「放課後はミステリーと共に」
広島東洋カープの大ファンであり学園の探偵部部長である少女が変人物理教師と共に遭遇する事件を解決していく物語。思えば、この年齢設定だと広島カープの優勝を生まれてからまだ経験していないですよね((
2話完結の構成で4話までに1話と3話の事件編を見逃すという状態でしたが、それほど面白くないと感じていたので一番流して観ていました。なので話にはそこまで詳しくありません。
主演の川口春奈には以前からなんとなくポテンシャルを感じてはいましたが、どうもこの作品の主人公とは合わないのではないかと思いました。俳優女優はキャラクターのイメージにマッチしないから起用しないではなく、その演じ手がマッチングさせる演技をしたり逆にイメージに囚われず新しい風合いを生み出していくべきだとは思っていますが、川口春奈がその段階ではないのかどうか。とにかく、魅力があまり出なかった印象を抱きました。
最近のミステリーというのは主人公にオリジナルの決めポーズがやはり必要なのでしょうか。謎が解けたときのセリフなどは決まっているかと思いますが、大の広島カープファンであることから「入った〜!」と言うのは独特すぎる上に、演じる側も実際に野球をやったことはなさそうであることから中途半端すぎる出来だったと思います。珍しい設定というのは目を引きやすいですが、共感を得にくいとよろしくないという例を見たような気がします。
「謎解きはディナーの後で」のドラマを観ていないのでどういう話を書く人なのかを理解していませんでしたが、この作品のトリックは考え方の方向性が非常に面白かったと思います。「謎解きはディナーの後で」の大ヒットに比べてこの作品がどういう位置付けにあるのかも知りませんが、小説で読めば面白さが十分に感じられるのかもしれませんね。



>「Wの悲劇
全く同じ容姿を持ちながら、金と権力を持っているものの財閥に縛られて生きている少女と貧乏な生活の中で金と権力に飢えている少女、2人が殺人事件を通して出会い、お互いに入れ替わって生きる物語。
細かいことは知らなかったので、これくらいに思って視聴していました。入れ替わった中でそれぞれ求めていたものと出会い最後にはアリバイトリックが暴かれるのかと思っていましたが、事件にはもっと色々と裏がありました。
まず、そもそも倉沢さつきは真犯人ではありませんでした。「金のためならなんでもする」と言って殺人容疑を掛けられても強い否定を行ってはいなかったので本当に殺人を犯してそれを庇ってもらっているのかと思っていました。
次に、和辻家当主の殺人事件。摩子になりきるさつきが母を庇おうとするも、和辻家は摩子を庇おうと物取りの犯行と偽装しようとして、さつきの思惑通りにならないので偽装工作の証拠を残したのかと思っていましたが、証拠を残したのはさつきではなかったようで。
そういう裏があったと知ったから言えることですが、EDのテロップで名前が出てくる順番や演出を見ていると比較的重要なキャラである設定だというのが伺えますよね。裏があることを想定していなかったので、EDの演出に不自然な感じはしていましたが納得ができます。
実は事件には大きな裏があったという設定は非常に面白かったと思いますが、脚本側が視聴者を置いてけぼりにして一人で盛り上がっていたというイメージが強いです。視聴者の想像を適度に裏切るような展開を作るのが良い作品だと思っていますが、その裏切り方が過度というか勝手に「実はこの事件はこれだけ複雑でした」というのを後から示されていって「あっ、そうだったんだ」となり「では、ミステリーの真骨頂である『犯人は誰でしょう?』」と言われたときには「それはもうこの人でしょう」と予想ができてしまい、結局視聴者の想像通りの展開ということになってしまいます。まあ、私が伏線を見逃していただけかもしれませんが((
今、思えば摩子の父が自分の計画通りに摩子に自首させようとしたのであれば、摩子に「母を呼んできてくれ」と頼み殺人現場に遭遇させたのは父だったのかもしれません。裏があると分かってからはこういう伏線が仕込まれていたのかと理解できる点が面白かったかもしれませんね。あと和辻家の人間は双子のうちの一人は死んだと思っていたみたいですが、摩子はどうやってさつきに辿り着いたのかは明かされていなかったような気がします。


>「三毛猫ホームズの推理
死体・血を見ると気絶する、女性恐怖症、などと刑事に向いてないダメダメな主人公が「一家に一刑事」という家訓にしている兄と妹に支えられながら事件を解決していくミステリー。
ミステリーのジャンルにあたるのでしょうが、第一印象で書いたように私はコメディのジャンルだと捉えていました。マツコデラックスの何が面白いかは分かりませんでしたが、大倉忠義が演じる石津と大政絢が演じる妹の掛け合いを中心に楽しんで見ていました。だから、犯人が必ず女性ゲストだったりトリックがイマイチだったりしても私にとってはあまり重要じゃありませんでした。
中盤以降はダメダメだった主人公が刑事としての自覚を得るなど主人公の成長を中心に描き、終盤は祖父の代から片山家にいたと思われるホームズの謎(?)を描いていました。そうなると、コメディの要素が少なくなるから面白くないですよね((
もう一つあまり良くなかったところを挙げるのならば、2週に渡る回が多かったということ。ミステリーはだいたいが1話完結なので事件が10個くらいあるわけですが、記憶の限りでも一つの事件が2週に渡った回が4回はある(加藤あい吉瀬美智子岡本玲、ラスト2話)ので事件の数は少なく、これをミステリーと呼ぶには少し物足りないところがあるのではないかと思います。
因みに、この番組の放送期間中に思い出した「キミ、犯人じゃないよね?」はレンタルして再度見てみましたがやはり面白かったので、コメディとして観たい人にはオススメです。


消化しきれないので視聴しないとしていた「リーガルハイ」と「もう一度、君にプロポーズ」ですが、ちらっと見た感じだけで言えば今回視聴していたドラマより面白そうだなと思います。機会があれば、そちらの方も見てはいきたいですね。