「トリプルバトルってどうすればいいの?」と記事を書いてほしいとリクエストをいただいたので、そのなにか。
とにかく最初は実際に対戦をしてそのルールの雰囲気を掴んでみるのが良いです。
今の時代は身近にトリプルバトルをやっている人がいなくても、wi-fi環境さえあればランダムマッチで対戦をすることもできますし、ランダムマッチはフレンド対戦と違って酷い負け方をしても申し訳ない思いや恥ずかしい思いをすることもありません。
それでも、なんとなくハードルが高いと感じて取り掛かる一歩目を踏み出せないことはあると思うので、ダブルバトルと比較をしながらそのハードルの高さを測ってみようと思います。
まずトリプルバトルの基本的なルールを確認します。
- 6匹で見せ合いをする
- 6匹を選出する
- 同時に場に出すポケモンは3匹
- 相手を全員倒したら勝ち
以上です。ポケモン対戦の本質はどのルールでも「倒される前に倒す」で変わりませんね。
その中でダブルバトルと異なる部分は次の3つでしょうか。
- 選出の数が6匹
6匹で組んだパーティ全員を試合に出します。ダブルバトルであれば6匹でパーティを組んでも「ガルーラニンフィア出したい、素早さ操作で追い風サンダー出したい、モロバレルが厳しいからヒードラン出したいけどガルーラがきつくてランドロスも出したい、うーん・・・」と選出するポケモンとしないポケモンを選ぶことに頭を悩ませることになりますが、トリプルバトルであれば全員選出できます。なので、選出段階でやることは最初に繰り出す3匹を決めることだけ。ここは非常に楽ですね。
- 3匹のポケモンを同時に場に出す
ダブルバトルですら「行動の組み合わせが自分の2匹×相手の2匹に技の選択対象もあって複雑・・・」と頭を悩ませるところに、トリプルバトルとなると相手の行動の組み合わせは3×3以上に増えるのでより複雑なことになります。おそらくトリプルバトルに興味があるけど難しそうで手をつけられないと言われるのはこの部分ではないかと思います。
少なくとも私はBWで初めてトリプルバトルが導入されたときに同じことを感じました。それをどのように解決したかですが、「トリプルバトルはダブルバトルが2つくっついているもの」と割り切る考えをしたことです。この考え方は@さんが述べていたのですが、確かに盤面だけ切り取って見てみると中央のポケモンが両方に参加しているダブルバトルが2つ展開されていると捉えることができます。
負担が大きい中央にどんなポケモンを置くべきかという疑問があったり普通のダブルバトルよりは複雑ですが、ダブルバトルの経験があるならその考え方を少し応用させるだけでもまずは十分に戦えそうです。
- ムーブコマンド
そもそもムーブとは両端に位置するポケモンが自分の行動選択として技の代わりに選び中央のポケモンと位置を入れ替えるというトリプル特有のコマンドです。なんとなく難しそうなので、「ダブルバトルが2つくっついているもの」と割り切ってやっているうちはあまり考えなくていいのではないかと思います。
ムーブ自体は非常に有効なコマンドなので、寧ろこれが自然と頭に入ってくるようになれば「トリプルに慣れてきたな」と思えるのではないでしょうか(?)。
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こんな風にダブルバトルと比較して、「全員出すので選出は楽」「立ち回りはダブルバトルの応用」と考えるとハードルはそれほど高く感じないのではないでしょうか。
なんとなく共感できそうでも対戦に取り組めないのは「対戦するパーティがないから」であることが多いと思うのですが、ダブルバトルに似ているルールなのでまずはダブルバトルの6匹を流用するだけでも十分で、他者の強い構築を真似してみたりするのはトリプルの雰囲気を味わってみて興味を持てたら・・・の段階でいいと思います。
因みに、「トリプルと言えばカポエラー」みたいなイメージはあるかもしれませんが、カポエラーの役割の大部分を占める威嚇・猫騙し・ワイドガードはランドロス・メガガルーラ・ギルガルドで分担してあげれば良いと考えると、今のダブルバトルでよくあるパーティはトリプルバトルで戦いやすくなる要素を自然と取り込めているので、カポエラーを持っていなくてもダブルの流用で結構戦いやすそうです。
また、参考までに。
私がBWでトリプルを始めた頃はイッシュダブルが盛んで全国ダブル用のパーティを持ち合わせていなかったので、それより4年近く前のWCS2007で日本一を手にしたモルフさんのパーティをトリプル用に拡張しようという意図でいきなり構築からスタートしました。
この構築は「中央にどんなポケモンを置くべきか」という課題が「トリル補助で早く倒れてくれた方がいいドーブル」と「両側から自己暗示するために腹太鼓カビゴンを真ん中に置く」という点で考えるまでもなく戦術に自然と織り込まれていて、行動の流れも決まっていたのでダブルバトルの延長としてあまり悩まずに戦えた記憶があります。
(参考記事:初めてのトリプル!モルフパ拡張)
残りは簡単な仕様・ダブルと比較した傾向や各ポケモンの評価を書きます。
始める前にチラッと見る分には良いかもしれない程度の内容に収めたつもりです。
○抑えておきたい基本的な仕様
- 選出は1匹目から順に左端・中央・右端と選出される(味方の1匹目の正面に来るのは相手の3匹目)
- 基本的に両端に位置するポケモンは、それぞれの対角に位置する相手を技の対象として選ぶことができない
- 波動系の技(悪の波動・癒しの波動など)や飛行タイプの技は、位置に関わらず全ての味方・相手を技の対象とできる
- 複数相手に効果を及ぼす技や特性(ハイパーボイス・影踏み・威嚇など)は、そのポケモンの正面に位置する相手と両隣の相手に効果を及ぼす(中央で打つハイパーボイスは相手3匹に当たるが端で打つとその正面と相手の中央にいる2匹に当たる)
- 場全体に効果を及ぼす技や特性(追い風・雨降らし・光の壁など)は、位置に関わらず味方・相手はその効果を受ける
- お互いに対角に位置するポケモンだけが残った場合はターン開始前に両者とも中央に移動される(リセットムーブ)
- 選出が6匹と交代先が多いので受け回しがしやすい
- 6匹全員選出となるのでメガストーンを持たせたポケモンを2匹以上採用しても、試合中は1匹しかメガシンカできない
- 場に同時に3匹のポケモンを出せるので、難解なコンボギミックを取り入れやすい
- 場に同時に3匹のポケモンを出せるので、サポート専門や火力だけ優れるような尖ったポケモンでも取り巻きでカバーがしやすく戦術幅は広く採用圏内のポケモンも多い
- 1ターンに動けるポケモンが3匹いるため、追い風や範囲攻撃など複数のポケモンに干渉できる技が好まれる
- 単体にしか干渉できない相手は対応範囲が広くても試合の中で過労死する可能性が高い
- 3vs3なので不確定要素の絡まる場面は多くなりがちだが、選出は6匹なので立ち回りで取り返せる幅がかなり広い
○ダブルバトルでつよいポケモンのトリプルバトルでの評価(独断・偏見)
◆ダブル同様に強い
- メガガルーラ:戦術の展開を作る・阻む猫騙しを覚えるポケモンで一番強い、単体にしか干渉できないが好きな1匹と相打ちに持ち込めると考えれば強い
- メガリザードンY:ひでり+熱風の範囲攻撃と単体技で頭数を減らす性能と攻撃面で双方において優れる数少ないポケモン
- メガサーナイト:範囲攻撃のハイパーボイスによる削り性能が強力、ニンフィアより素早さが高くトリックルームや封印を覚えることが特徴
- ニンフィア:範囲攻撃のハイパーボイスによる削り性能が強力、ガルーラ同様受け回しには向かない
- FCランドロス:威嚇と耐性と蜻蛉帰りが受け回しにかなり便利、ドーブルやテラキオン対策の拘りスカーフや突撃チョッキがメジャー
- サンダー:味方全体に影響のある追い風を覚えるポケモンの中で安定感が高い、終盤には羽休めで勝ち筋にもなれる
- ヒードラン:優秀な耐性と着実な削り能力に優れる、打点を持てない並びに対して端に出して身代わりを展開する動きがつよい
- クレセリア:トリックルームを覚えるポケモンの中で最も安定感が高い
- モロバレル:耐性と特性から受け回しに便利で相手の受け回しサイクルに眠り技で負荷を掛けることができて、怒りの粉で味方を守れる
- ギルガルド:耐性から受け回しに便利で相手の受け回しを一貫する技で崩しやすい、弱点に範囲攻撃が多いがワイドガードが強力
- サザンドラ:対角まで届半減で受けづらいタイプ一致の悪の波動が強力、流星群で頭数を減らす能力も高く選出数が多いルールだと能力下降も隙になりにくい
- ファイアロー:特性と飛行技の仕様による縛り性能の高さが強力、一応ファストガード追い風横取りなどで展開作りにも参加はできる
◆ダブルに比べるとやや落ちる
- メガボーマンダ:威嚇と高い素早さからのハイパーボイスによる削りは強い、特殊型が想定されやすいのが気になる?
- メガクチート:威嚇と高い火力は優秀だがタイプ一致技は単体攻撃な点が気になる、耐性は優秀だがメガシンカ前は受け回しに向かない
- スイクン:電気の弱いルールなので場持ちは非常に良い、火力を発揮できないところが一番のネック
- ボルトロス:高い素早さからの削り能力と悪戯心は強いが、基本的に1ターンに1匹にしか干渉できないので展開が遅くなりやすい
- マリルリ:耐性や腹太鼓は強力だが、1ターンに1匹しか干渉できないとやはり過労死しやすい
◆ダブルに比べてより強さが目立つ
- メガカメックス:猫騙しを覚えるポケモンの中でスペック高め、範囲攻撃・対角攻撃も備わっているが全部を満足に両立できるほどの数値はない
- メガバクーダ:高めの火力の範囲攻撃を持ちトリックルーム下で強い、ダブルに比べると出せるポケモンの数が多く攻撃体勢を整えやすい
- カポエラー:威嚇・猫騙し・ワイドガードなど1匹に積み込める便利ポケモン、個人的には負担大きすぎて好きではない
- ドーブル:中央でのダークホールは3匹に当たるので強い、拘りスカーフで一度交代する際にも味方が2匹動けるので隙を生みにくい
- トゲキッス:この指止まれで味方を守ることができる、追い風で味方の素早さのサポートができる点と6割怯みのエアスラッシュがどこにでも届くのが強い
- テラキオン:袋叩きの回数が6回、袋叩きの並びにサポートをもう1匹置けるなど対策必須なくらいにコンボが強力
- Wロトム:範囲攻撃に強めの耐性を持つ、光の壁や横取りなどの補助技も強力
- ハリテヤマ:猫騙しを覚えるポケモンの中でスペック高め、ワイドガード・フェイントもありギルガルドに手が出る格闘タイプ
・・・要するに、ダブルバトルで強いポケモンはだいたいトリプルでも強いです。
内容は以上になります。