見せ合いあり64構築〜ボーマンダドリュウズ〜


バンギラス おくびょう すなおこし
177-×-134-142-121-124 H.12 B.28 C.212 D.4 S.252
あくのはどうれいとうビームだいもんじ、がんせきふうじ@こだわりスカーフ


ドリュウズ ようき かたやぶり
185-187-81-×-85-154 A.252 B.4 S.252
じしん、アイアンヘッドいわなだれつるぎのまい@いのちのたま


ボーマンダ ようき いかく
173-184-101-×-101-167 H.20 A.228 B.4 D.4 S.252
(173-194-151-×-111-189)
おんがえし、りゅうのまい、みがわり、はねやすめ@ボーマンダナイト


○Wロトム ひかえめ ふゆう
157-×-133-166-128-107 H.252 B.44 C.204 D.4 S.4
10まんボルトハイドロポンプ、おにび、トリック@こだわりメガネ


ファイアロー ようき はやてのつばさ
154-133-91-×-89-195 H.4 A.252 S.252
フレアドライブブレイブバードつるぎのまい、おいかぜ@するどいくちばし


モロバレル のんき さいせいりょく
221-×-132-105-103-31 H.252 B.236 D.20
ギガドレインクリアスモッグ、キノコのほうし、こうごうせい@ゴツゴツメット




シーズン14のローテレートで使用。
33-16でレートは1701になりました(これで暫定4位だった模様・・・)。


メガボーマンダ+ドリュウズの並びを主軸にしたスタンダードな構築。
「古来よりローテは壁戦術(+積み技)が最強」という教えがあり、1月のローテオフではクレッフィボーマンダの壁積みを軸とした構築を使い、幸いにも優勝することができました。思考していることを実際に体現できたのは良いことですが、一つの考え方に執着してしまうのは今後のためにも良くないので、壁というジャンルから離れた思考をしておきたいという思いがありました。



今回、参考にしたのはハンゾーさんとぴろさんの構築です。
元々「最も評価の高いメガシンカボーマンダ」「ボーマンダと並べて最も相性の良い地面タイプはドリュウズ」という考えを持っていたので、その並びを軸にしている構築には興味があり、「ボーマンダドリュウズロトム+ファイアロー」という組み合わせのパワーの高さを感じたので、自分なりに咀嚼して使ってみることにしました。
参考元の構築はバンギラスドリュウズボーマンダ・Wロトムファイアローの5匹が共通であり、6匹目のポケモンとしてはボーマンダを使う際に鬼門になりやすいトリパ対策になるポケモンを採用したいです。
ハンゾーさんはクレセリア、ぴろさんはクレッフィを採用していました。クレセリアトリックルームを覚えることができますが、トリックルームから能動的に攻める手段もなく(バンギラスに渡す拘り眼鏡はなかった)、自身の単体性能が低い割にはトリパ対策が「トリックルームを返す」後手の行動となる点が気になります。クレッフィは身代わり鉄壁などでトリックルームの時間稼ぎをすることができますが、相手に干渉する手段が弱い割にはドリュウズと弱点が被るのでボーマンダドリュウズとの並びを形成しづらく鋼タイプの処理が重たい点が気になりました。
これらの2匹は「相手にとって脅威になりにくい点」が懸念点であったため、この2匹にはない妨害の観点に着目して6匹目にはモロバレルを採用することにしました。


>バンギラス<持ち物:拘りスカーフ>
ガブリアスに弱い駒を増やしたくないので拘りスカーフ一択。選出した際は味方の攻撃圏内に入るように雑に扱うことになるので、砂ダメージと合わせて蓄積を入れやすい点でも噛み合っています。<技構成:悪の波動、大文字、冷凍ビーム、岩石封じ>
主軸のドリュウズボーマンダが物理攻撃主体のポケモンだったので鬼火の一貫を切れるよう特殊技をメインに採用。ガブリアスを倒す冷凍ビームの他はタイプ一致で半減されにくい悪の波動、鋼タイプへの打点として炎技はナットレイを一撃にできる可能性のある大文字、最後の技はほとんど打たないと思いましたが、リザードン対策の岩技として岩石封じを採用しました。狙った相手に当たらなくても素早さを落とせるのであれば最低限仕事ができたと見なせそうです。<実数値:177-×-134-142-120-124 H.12 B.28 C.212 D.4 S.252>
素早さを最速にして冷凍ビームでH183D106ガブリアスを1発にする火力を確保。残りを少し耐久に配分してA177メガガルーラ地震を高乱数耐え。A182ガブリアス地震も上2つの乱数以外で耐えるので一応拘りスカーフに対しても動けると言えます。


>ドリュウズ<持ち物:命の珠>
電気耐性を見て地面タイプを採用していますが、電気タイプの多くは地面を無効化できるポケモンであるため地面技を打たなくても問題ない場合以外は打ち分け能力が求められます。ということで、打ち分け可能でギルガルドニンフィアを一撃にできるくらいに火力を高められる命の珠。<技構成:地震アイアンヘッド、岩雪崩、剣の舞>
型破りから一貫して打ちやすい地震、ピクシーやニンフィアなどフェアリーを一撃で葬れるアイアンヘッドボルトロスへの打点となる岩雪崩、の3つは必須。最後の技は壁構築に対抗できるように剣の舞を搭載しました。<実数値:185-187-81-×-85-154 A.252 B.4 S.252>
弱点を突かれる攻撃はだいたい耐えられないことと命の珠を持たせていることから攻撃素早さに振り切り。最低限必要な火力を確保できているので、性格補正のないFCボルトロスサザンドラに先手がとれる最速。地震でH167B170ギルガルド1発(13/16)、アイアンヘッドでH202B112ニンフィアまで1発(14/16)、岩雪崩でH155B90ボルトロスを1発(15/16)、です。


>ボーマンダ<持ち物:ボーマンダナイト>
メガシンカするために必須。<技構成:恩返し、竜の舞、身代わり、羽休め>
スカイスキンの適用されるメインのノーマル技は恩返しを採用。恩返しでも十分な火力を確保できていることと高い耐久と素早さから相手の駒に圧力を掛けられるボーマンダを大事にして並びを崩さずに戦うことから、反動ダメージで反撃圏内に入ってしまう捨て身タックルはこの構築では扱いづらいです。残りの技としてはまずボーマンダミラーや対壁構築を意識して積み技の竜の舞を採用。また、状態異常対策にもなる身代わりを採用。ボーマンダドリュウズの相性補完はきれいですが、特にドリュウズは相手との選択が噛み合わないと即死する可能性も高いので様子見として使えるのが便利です。最後の技は羽休めを選択。身代わりと合わせて様子見できる回数を増やせる点が良く、先手で使えば飛行弱点が消えるので電気タイプ相手に選べたり不意打ちの攻撃圏内から逃れることもできます。ゲンガー・ガブリアス・カイリキーを相手にしたときに安全にメガシンカできる守るも優先度が高いですが今回は羽休めをとって不採用。守るは「勝てる相手に勝てる確率を上げられる」のに対して羽休めは「勝てる相手の数を増やせる」ように思えたことが理由になります。<実数値:173-194-151-×-111-189 H.20 A.228 B.4 D.4 S.252>
ライコウに先手をとりたいこととミラーを意識して素早さを最速に設定。努力値を少しだけ耐久に配分して、A182ガブリアスの命の珠ドラゴンクロー耐え、C177ボルトロスのめざめるパワー氷を最高乱数以外耐え(15/16)、残り攻撃。ランク+1の恩返しでH181B121ガルーラを1発にできる程度の火力は確保できています。欲を言えば、拘り鉢巻ドラゴンクローまでしっかり耐えたいのですが・・・。


>Wロトム<持ち物:拘り眼鏡>
一撃死しづらい耐性をいかしてボーマンダの攻撃圏内に入れる動きをするため火力を増強する拘り眼鏡。特に、ニンフィアメガクチートへの連携ダメージを考慮しています。<技構成:10万ボルト、ハイドロポンプ、鬼火、トリック>
タイプ一致の10万ボルトとハイドロポンプが確定。絡め手としてトリックを採用して、トリックを使った後に弱い駒にならないように鬼火を採用。他に欲しくなる技も特にはなかった気がします(強いて言えば水技を打たなきゃいけないときに命中不安で困らないようにめざめるパワー水ですが、絶望的な火力の低さで打つ場面は限定的なので、数値の低いロトム個体値を下げてしまう方が問題に思います)。<実数値:157-×-133-166-128-107 H.252 B.44 C.204 D.4 S.4>
ハイドロポンプでH155D100ボルトロス最低乱数以外1発。A172メガクチートのじゃれつく耐え。オフで使った個体を使い回していますが、壁がなくフェアリーもいないこの構築ではA182ガブリアスの拘り鉢巻逆鱗までしっかり耐えるように物理耐久をもう少し高めるべきでしょうか。


>ファイアロー<持ち物:鋭い嘴>
終盤に繰り出して相手を一掃するために火力を上げるアイテムを持たせたいので飛行技の火力を上げる鋭い嘴。ボルトロスギルガルド相手に炎技を打ちたい場面があったり他の攻撃的な駒を追い風から動かす場合があるので、打ち分けのできない拘り鉢巻は持たせませんでした。<技構成:フレアドライブブレイブバード、剣の舞、追い風>
主力のブレイブバード、鋼タイプに打つフレアドライブファイアローが刺さってないときに勝ち筋に貢献できる追い風、相手の悠長な手を許さない剣の舞。ローテーションバトルの拘り鉢巻でないファイアローの鉄板構成だと思います。<実数値:154-133-91-×-89-195 H.4 A.252 S.252>
攻撃と素早さに振り切り。相手のファイアローや最速ボルトロスを意識して素早さは最速。


>モロバレル<持ち物:ゴツゴツメット>
メガクチートをはじめとして接触攻撃を受けるだけで削りができるようにゴツゴツメット。<技構成:ギガドレインクリアスモッグ、キノコの胞子、光合成>
妨害技としてキノコの胞子、積みを解除できるクリアスモッグトリックルームで刺さっているモロバレルの場持ちを良くできる光合成、水タイプに弱点のつけるギガドレイン、の4つ。モロバレルが攻撃するときはダメージを稼ぎたい・身代わりを破壊したい場面なので草技はエナジーボールにすべきでした。<実数値:221-×-132-105-103-31 H.252 B.236 D.20>
A182ガブリアスの+2逆鱗耐え、C194サザンドラの拘り眼鏡火炎放射耐え(14/16)。メガクチート対策を意識して物理耐久にほぼ振り切りました。


○雑感
これはこれで強かったのですが、「逆鱗ガブリアスきつすぎ・・・」「やはり壁構築が至高」という2つが感想として大きく残りました。
勝率は7割を目標にしましたが、使ってみるとなかなか安定して勝てなかったので、レートの数字がキリの良いところで撤退。49戦を10戦ごとに分けると「7-3,8-2,5-5,6-4,7-2」となっており中盤の戦績が奮わず。ただ、中盤の負けの半分は特定のプレイヤーとの度重なる再戦での連敗なので、それらの構築以外にはそこそこ勝てていたともとれるでしょうか。


構築にフェアリータイプがいないので相手のガブリアスは気兼ねなくドラゴン技を打つことができ、拘り鉢巻逆鱗に弱い(ボーマンダ即死、ドリュウズロトムは耐えられるがガブリアスを一撃にできないので誰かを切るしかない)点がかなり気になりました。とはいえ「(自分が)ガブリアスがいるからフェアリーを選出する」「(相手が)フェアリーがいるからガブリアスを選出しない」とはならないので、構築にフェアリータイプを採用しただけでは解決とはなりません。


その点を考えるとガブリアスを一撃で倒せてドリュウズの特性を砂かきに見せられるバンギラスを選出するのが良いと最初は思っていましたが、バンギラスの単体性能がそこまで高くないせいで結局足を引っ張ることの方が多いように感じて、途中からほとんど選出しなくなりました。ドリュウズの特性偽装的な意味を除くと、採用理由が少し曖昧な部分があるので見直すべき枠なのかもしれません。
ドリュウズはまあまあ強かったです。ギルガルドに睨みを利かせるために地面タイプを含んだ並びを作りたかったので相性的には良かったでしょうか。ただ、ドリュウズは耐性こそ優秀なものの耐久数値で見ると低い部類に入るので、慎重に動かさなくてはいけない場面も多く、ギルガルドの風船を疑い疑心暗鬼になって攻め込みを躊躇することが多くなりがちなのは良くないでしょうか。
ボーマンダは最も評価しているメガシンカなだけあって強かったです。ドリュウズを慎重に動かさなくてはいけない関係で身代わりが便利な技として機能していました。自分の立ち回りがボーマンダを大事に扱おうとする傾向があったので、締めをファイアローに任せてボーマンダをもう少し積極的に動かすと良かったかもしれません。ただ、ギルガルドのキングシールドに対してはボーマンダも慎重に動かさなくてはいけないので、かなり戦いにくかったです。
ロトムも同様に強かったのですが、ハイドロポンプを打たざるを得ない場面が多すぎたのがよろしくなかったです。多くの場合は攻撃を耐えてからハイドロポンプを打つ立ち回りなのではずれがかなり痛いです。壁構築で同じ型を使った際は「ロトムが基本選出ではない」「壁技を盾に何度か動けるからはずれても取り返せる」という部分で割り切りをしていたので、この構築では自ら安定感を放棄している感じが気になります。
ファイアローは4匹目に置くポケモンとして機能しました。特に、対ガルーラにおいて「グロウパンチを打たれてもこちらは全員ガルーラを半分削れるからファイアローの攻撃圏内に入る」点が優秀。また、相手の悠長な行動に合わせて剣の舞を使うことで優劣が一気に逆転する場面も多かったです。終盤の締めを期待した使い方しかできなかったので、ファイアローが刺さっていないときに追い風要員として選出する柔軟な使い方ができればより幅は広がるように思いました。
6匹目に採用したモロバレルですが、これで良かったのかは不明です。メガクチートを相手にしても選出しなかったり、シザリガーハガネールを見て選出すると最速襷やロックカットだったりしたので刺さらないこともありました。とはいえ、クチート入りの大半がトリル展開を諦めた選出をしてくれることが多かったので、見せ合いの段階で恩恵があったのかもしれません。


相性補完を意識した並びを作ってリスクとリターンから予測される行動確率で読み合いをして勝利を目指す・・・のも勝てているうちは楽しいのですが、やはり安定して勝つのは難しいです。今回の場合はボーマンダドリュウズの相性補完が優れるものの、ドリュウズの耐久の心許なさからどこかで思い切った行動をとらないと厳しいことが多かったです。
その点やはり壁構築の安定感は優れていると感心してしまいました。展開的にはどうしても後手に回ってしまうものの、耐久を引き上げているためこちらの並びがすぐに崩れず、こちらも積み技を展開すれば壁に対抗する積みにも対抗できます。壁構築にも急所という弱点がありますが、何を考えているか分からない相手との読み合いで綱渡りをして落っこちるよりもよっぽど割り切りやすいと感じてしまいました。