「ニューダンガンロンパv3 みんなのコロシアイ新学期」の感想。
ダンガンロンパを初めてプレイしたのは昨年9月のことで、Reloadで1,2をプレイして「希望の学園と絶望の高校生」のアニメを視聴、その後は絶対絶望少女をプレイして、年末年始で「The End of 希望ヶ峰学園」を視聴・・・と準備をした上で新作を迎えることができました。
逆転裁判シリーズのときもそうでしたが、過去のゲームをオススメされてプレイ後に新作が出て遊べるということに、とても恵まれていると思いました。
○プレイしたゲームタイトル
タイトル | ハード | 初回プレイ日 | クリア日 |
---|---|---|---|
ニューダンガンロンパ みんなのコロシアイ新学期 | PSVita | 1/13 | 1/19 |
○ゲームのあらすじ
- 今回の舞台は才囚学園、超高校級のスペックを持つ16人が外界と閉ざされた学園に閉じ込められる
- 学園の外に出るためにはコロシアイをする必要があり、生き残った1人だけが学園の外に出ることができる
- コロシアイが発生した場合は学級裁判を開き、誰がクロ(犯人)か議論をして投票によりクロを決定する
- 正しいクロを指摘できた場合はクロが処刑、誤った場合はクロ以外の全員が処刑される
- 主人公はコロシアイを望んでおらず、みんなを救うために学級裁判と向き合っていく
○全体的な感想(ネタバレなし)
- 面白かった、ラストをどう受け止めていいのかよく分からない・・・。
- 過去2作品と比較して推理難易度が低い章が目立った気がして少々退屈した
- 偽証、パニック議論、議論スクラム、などの推理アクションの新システムは結構良かったと思う
- アニメは観てなくても問題なさそうだが観ておくに越したことはない
冗長になる感想は続きから。もちろんネタバレを含みます。
一応、アニメの感想も書きました。
○PROLOGUE 「蘇る超高校級」
- 今回は初の女主人公、声優が神田沙也加というので少し楽しみ
- ロッカーから「うわぁぁ」と出てきた最原への第一印象「この声優さん下手・・・?」
- なお、私でも知ってる林原めぐみでした、男キャラの声が合ってないのでは
- 操作性が悪い気がする・・・方向転換と移動が同時にできないけど、そんな仕様だった…?
- モノクマいるのにモノクマーズ必要・・・?、おかげで会話が冗長になりがち
- 突然の横スクロールゲーム、全滅するまでループで続くと予想していました(すぐ死んだので関係ない)
- 全員の自己紹介が終わった後に、恒例の(?)生き残り予想やりました
- 生き残り予想は赤松・最原・天海・春川・王馬・夜長
- 印象に残ったキャラクターは赤松・天海・春川(印象に残ったから生き残り祈願ではない)
○第1章「僕と私の学級裁判」
- シリーズ1で既出のネタをやるとは思えないけど、最原がやたら赤松を信用してるのあやしい
- シリーズ2の狛枝のような雰囲気を醸し出していた天海が最初にあっさり死んだのが意外
- 爽やかな感じの見た目でちょっと声が低いギャップ感が好きでした(?)
- 凶器が砲丸という時点で、撲殺ではなく本棚の上から落下させるのが自然な展開
- というわけで、最原が見張り部屋から抜けた際にその仕掛けを作ったのかと思っていた
- そしたら予想外、、怪しい人物を選ぶ場面で「えっ、もう選択肢ない…まさか」と製作サイドからしたら期待通りのリアクション((
- 言われてみれば倉庫で砲丸を調べないと最原が戻ってこなかったり、本棚をやたら整理していたり、教室を飛び出す際も「手に持っていたものを放り投げ」と表現が変だったり…道中の描写に違和感は覚えていた
- 理論武装が難しい、プレステ慣れしてないせいで○△□×の配置が頭に入ってない。。
- 2章が終わるまでどのタイミングでボタンを押すゲームかよく分かってなかった()
- シリーズで初めてスキルを使用しました(今まで消費だと思っていて使いどころが分からず使ったことなかった)
○第2章 「限りなく地獄に近い天国」
- 章が進むと新しい場所に行けるのは定番ですが、この学園開拓できるところがなさそう…と思っていたら、まさかの壁が崩れる展開、「開く」ではなく「崩れる」のか
- 春川が研究教室を死守しているので、東条と夜長辺りに絡みに行く非日常編
- 事件に関しては、星の研究教室からプール経由で体育館に向かうトリックが分かりやすかったから犯人も絞りやすかった
- 1章も2章も殺害方法が鍵だけど、どちらも運が良くないと成功しないトリックなのがちょっと。。
- 東条は「依頼人の依頼のため仕方なく」でクロになると予想していたが、思っていたよりも早かった
- 国民のためとはいえ、自ら命を落として依頼を遂行できない方が問題なのでは
- 裁判終了後に「東条さんの代わりに私が…」みたいなキャラが多い、結構色濃いキャラから脱落していくので、終盤に地味キャラばかりになりそうで少し心配
- 発掘イマンジネーションが難しすぎて10回近くリセット・・・と思っていたら全消しするゲームではないらしい、説明をちゃんと読もう()
○第3章 「転校生 オブ ザ デッド」
- 2章を終えた時点で「そのキャラの研究教室が開放されるまで脱落しないのでは」と思った
- 春川魔姫の名前を見て「ハルマキだ」と私も思っていたので、バカ百田と発想が一緒でなんか悲しい(
- これまでのシリーズ通りのパターンなら2人死ぬ章、まさかの時間差で死んだ。。
- 「先の事件のクロだけおしおき」ルール、プレイヤー的にはもう同一犯と言われたようなものでは…。
- 議論スクラムの内容が「話し合うべきかどうか」なのがよく分からなかった、「夜長の事件で切り口がないから、同一犯と仮定して茶柱の事件を…」みたいな論調なら納得できた
- 夜長と真宮寺が脱落したけれど、死者が本当に蘇るのか呼び出せるのか…彼らがどれくらい真面目にそう言っていたのかよく分からないまま
- そういえば、このシリーズには「絶望」って言葉が全然出てこないなと思いました
○4章 「気だるき異世界を生かせ生きるだけ」
- 2章で心配していたけれど、生き残りキャラが結構薄いキャラばかり…。
- 動機があっても人を殺さないようなキャラが多かったので、次の事件は不幸な事故系と予想していた
- 特に、最原の研究教室にある毒薬が見つかったのもその予想の後押し
- ゲーマーなので(?)バーチャル世界に入った瞬間右と左が繋がってることは疑っていてトリックは分かりやすかった
- でも、誰がクロかまでは考えてなかった、そもそも候補4人しかいないのにね・・・。
- 裁判中は盛り上がりに欠けるブレインドライブが多くて退屈、王馬の嘘に感情を露わにすることしかできないモブキャラたちの反応も退屈
- 百田があまり好きじゃない、、いい人なんだけど感情的すぎないか
- キャラとしては春川が好きだったけど、その百田に影響されていくのが複雑な心境(?)
- というか、モノクマーズ全滅したんだけど、本当に何のために存在してたんだ・・・?
○5章 「愛も青春もない旅立ち」
- これまでのシリーズのからするとそろそろ核心へと迫り始める章
- いきなり王馬が首謀者を騙り才囚学園も外の世界もネタばらし、嘘だろうけどね
- 才囚学園もシェルターみたいなものだと思ってたけど、人類が滅亡した100年後の地球で「死んだ方が楽」と言われても実感が全くわかない。。
- ようやく春川との仲良し度MAXに、スキルが資金調達って遅すぎる((
- 気になるキャラが序盤で春川以外いなくなったから他の会話進める気にならなかった。。
- 3章を経て前へ進もうとする夢野が結構いいと思ったけど、仲良くなるには時既に遅し
- 事件現場、プレスに潰される惨劇はシリーズ1の霧切のおしおきと同じはずなのに、あまり心が傷まなかった(潰されるまでの過程がなかったから…?)
- 百田の制服が飛び出てる→実は死んだのは王馬→と見せかけて両方死んだ、と予想していた
- とりあえず、これまでの章に比べると推理の予想が簡単につかなくて裁判中は楽しかった
- エグイサルのイントネーション「エグい猿」みたいな言い方だと違和感ある
- 裁判に現れたエグイサルが百田か王馬なのか分からないけど、百田には王馬の真似ができなさそうって思ってた(
- 王馬の狙いが分かったとき、百田が春川をクロにしないためにその誘いに乗ったとき、事件が一つに繋がったときはその完成度にちょっと感動した
○6章「さよなら ダンガンロンパ」
- 唐突に、なぜこの章タイトル・・・?
- 2Fの教室側に瓦礫が積んであったのを見て、赤松にまだ裏があるようなことは感じた、研究教室関係なかったけど((
- 赤松の死を乗り越えた最原、夜長茶柱の死を乗り越えた夢野、百田の死を乗り越えた春川、白銀・・・?
- 首謀者の部屋、女子トイレに繋がっているのを見て1章で白銀がトイレに行ってたことを思い出す
- そういう感じで首謀者は彼女だったわけですが、赤松の事件までひっくり返るとは思わなかった
- ダンガンロンパ1,2がフィクションの世界で行われたフィクションと言われて「・・・?」
- 最初はどう飲み込めばいいかがよく分からなかったので、とにかくただただ笑ってました((
- 才囚学園は作られたフィクション→白銀はフィクションキャラのコスプレしかできない→白銀は赤松のコスプレができない→ここにいる僕たちはフィクションじゃない、という展開かと思っていたら全然違った
- 言われてみれば最原の言う通りで、絶望を与えられてなお希望で乗り越えようとするからこそダンガンロンパシリーズは視聴者に期待されるのである
- 超高校級のスペックは基本的にフィクションのはずだけど、白銀の完コピスペックだけは本物なのか。。
- それか彼女もまた首謀者という設定を与えられただけの存在か
- 希望で絶望を全て打ち砕くパニック議論がこのゲームで最難関の推理アクションだったと思う(
- 投票タイムで投票する人物を選ぶ演出を不思議に思っていましたが、この章で「投票を棄権する」ために作られたんだと納得
- 素直に放棄してしまったけど、投票する展開を見てみてもよかったかもしれない
○全体的な感想
まずはゲームシステムとキャラクターについて。これは概ね良かったと思います。
先述の通り、移動の操作性が悪くなった気がしますが、それ以外は特に変わらず。推理アクションについては、新アクションが結構良かったです。一番良かったのは偽証。シリーズ2で加わった同意と合わせて、ノンストップ議論でどの発言をどのように論破するかの幅が広がりました。続いて、パニック議論と議論スクラム。これらは難易度は高くないものの、皆が勝手に主張したり意見が対立する様子は実際の議論さながら(?)で展開にリアリティが増したと思います(BGMも良かった)。逆に、あまり好きじゃなかったのはブレインドライブです。自明の問題が多かったり、ドライブという割には疾走感がなく退屈に思うことが多かったです。
キャラクターも結構良かったと思います。シリーズ2で保健委員・飼育委員が並んでしまった辺りネタ切れ感を疑っていましたが、今回は被りもあまりなく特徴的なキャラクターが多かった印象です。ただ、先述の通り濃いキャラクターから次々脱落していくので、中盤に少し退屈してしまったのは否めません。
次に推理に関して。難易度は過去シリーズと同じくらいだったかもしれませんが、解き明かした真実にあまり捻りがなかったです。
これまでの傾向だと、「クロがどのようにアリバイを確保するか」に焦点を置くことが多かったですが、今回は「クロがどのように殺害したか」が鍵となっていることが多かった印象です。アリバイトリックは生き残っている全員がクロ候補になるのに対して、殺害トリックはそれを用意できる人間が限られてしまうため候補が絞りやすくなります。そして、いざ解き明かすとあからさまな人物がそのままクロという驚きのない展開がいくつか見られたので、結構退屈でした。それでも1章の赤松クロ展開や5章の被害者も生存者も不明という展開は面白かっただけに抑揚としては悪くなかったのでしょうか。
さて、最終章について。この終わり方の良し悪しを思う前に「なぜ終わらせたかったのか」という疑問が大きく残りました。
「超高校級の希望、超高校級の未来、と来て次はどこへ向かうのか」と言われてみると、これ以上続けても大きなテーマが残っているとは思えません。とはいえ、コンテンツ側が自ら閉じない限りは想像の余地を残すことができます。しかし、アニメ「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」でゲームでは明かされなかった真実を描ききり、本作でプレイヤーの手でダンガンロンパ終了の結末を選ばせるなど、その想像の余地を完全に埋めに来ていると感じました。
これだけ計画的な手順で終わらせようとするのは「製作サイドがこれ以上作品を作りたくない」という思いを持っていることくらいしか考えつきませんでした。
衝撃的なポイントは大きく2つあると思っています。まず1つ目は、「過去シリーズのダンガンロンパはフィクション世界の中に存在するフィクション作品である」ということ。もう1つは「それが53回も続いて遂にはリアルフィクションとして行われるようになったのは、ダンガンロンパを楽しむユーザ(フィクション世界の視聴者だけでなくリアルでプレイする私たちも含むニュアンス)がいるからであり、それをユーザによって終わらせるエンディング」であること。
1点目については、私はショックを受けませんでした。少なくとも私はリアルとフィクションを区別した上でゲームをプレイしていて、フィクションをいかにリアリティあるものに感じられるかでゲームを楽しんでいると思っています。そういう意味では、ダンガンロンパ1,2はちゃんとフィクションだと区別した上でリアリティを感じさせられていたので、フィクションの中にもう1枚そのフィルターが増えたとしても、過去シリーズの世界の覗き方が変わることは特になかったです。
そして、2点目。6章の感想にも書きましたが、プレイ中はぶっ飛んだ展開にただただ笑うしかなかったです(一応楽しんでる表現のつもりです)。プレイヤーを含めデスゲーム展開を望むユーザへの皮肉めいた説教、更にはどんな問題も「それはダンガンロンパだからだよ」の一言で解決させる暴力……ダンガンロンパのキャラクターたちが戦ってきた理不尽な絶望感をあらためて感じさせられます。その演出に嫌気が差す感じは全くなく、フィクションと区別した上でそういう部分を楽しんでいたので、寧ろよくできていると感心しました。というか、普段モノクマ劇場を楽しんで見ている(?)のに、その矛先がプレイヤー自身に向けられた瞬間に嫌悪感を示すのは、なにか少し違う気がします。
ただ、ゲームやプレイヤーを否定したままの結末でシリーズが終了することに関しては、「本当にそれでいいのか」と思う節があります。ドラマ・アニメ・映画・小説、今まで触れてきた作品の中でこのような結末を迎えた作品はなかっただけに、コンテンツが終わった後のことも考えると、この終わり方が良かったのかどうか考えさせられてしまう辺りではすっきりして終われた感じはしませんでした。
○アニメ「ダンガンロンパ3 The end of 希望ヶ峰学園」の感想
- ダンガンロンパv3が発売する1〜2週間前に視聴しました
- DVD+録画で観たので、視聴順は未来1,2→絶望1,2→未来3,4・・・という順序
- 未来編、いきなり15人以上の新しいキャラクターが登場して名前も肩書も覚えられない・・・。
- キャラクターを把握しきれてない+基本的に別行動、なので生き残りゲームなのに誰が生きてるか把握しづらい
- いつのまにか戦闘アニメになっていた、ロンパとは・・・。
- NG行動という設定自体は面白かった、苗木でもバトル展開で宗方と渡り合える
- 霧切の殺害未遂は正直微妙、ゲーム外で霧切を殺すわけにはいかないし、「実は生きてた」設定には温さを感じた
- 絶望編、人類史上最大最悪の絶望的事件が起きるまでの経緯
- 伏線回収のためだけと思ったトワイライトシンドロームが一応日向に影響を与えていたみたい
- クラスが仲良く一つにまとまる、何か都合の良さというか薄っぺらさを感じる
- なぜ江ノ島一人で事件を引き起こせたのか疑問だったので、絶望ビデオには一応納得、でも都合が良すぎる
- 七海のおしおきゲームがかなりえぐかった・・・ゲーム本編でも結構えぐかったし。。
- 希望編、未来編と絶望編が繋がったけど、御手洗という新キャラに全て丸投げ・・・。
- シリーズ2のキャラクターがちゃんと全員目覚めてるし、覚醒した日向の存在感が強すぎる
- 未来編を経た苗木はいったい何をやっていたんだろう・・・(
希望ヶ峰学園での事件の全貌は「人類史上最大最悪の絶望的事件」という凶悪な象徴として君臨していたので、その詳細を明らかにする必要はないと思っていました(寧ろ伏せられたままの方が好感が持てた)。なので、それを明らかにするアニメにはあまり期待を持っておらず、実際に洗脳ビデオやそれを作った御手洗(今作が初登場)に全てが丸投げされる都合の良い形になってしまった印象です。
v3発売前に視聴したので「才囚学園でのニューダンガンロンパ編をスタートさせるために、不透明な部分を明瞭にするためのアニメだったのかな」と解釈して納得していたのですが、v3と合わせて「シリーズを完全に終わらせるためのアニメ」と解釈するようになりました。解釈は変わりましたが、それで感想が変わることは特にありませんでした。
※2017.7.9追記
今週発売されたファミ通に小高和剛のインタビューが載ってました。
元々、三部作で終了させるつもりだったようですね。また、面白いものを創りたいと思っているのがひしひしと伝わってきました。世の中には「完成度はともかくビジネスになるから」という理由で、物語を蛇足的に続けたり方向性を変えていく作品が多々ありますが、ダンガンロンパはそういうものにはしないみたいですね。
プレイする側からすると「これ以上の何かをまだ創ってくれるんじゃないか」と期待をしてしまいますが、製作側からすると100%出し切れて納得のいく終了だということに気付いて、今作で終了させるようなシナリオを引いたことに関して、とても納得がいきました。