「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の感想。

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の感想。


2017/12/9に公開。ずっと観に行く機会を掴めないままでしたが「手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する」ので上映最終日の2/9にギリギリで観てきました。


ざっくり感想を述べると「DVDが発売されたら購入しようと思うほどには良かった」です(因みに、DVD版の発売は5/9だそうです)。
ネタバレを含む感想は続きから。



○世界観
舞台はエグゼイド・ビルドそれぞれの世界。ビルドの戦兎には万丈、エグゼイドの永夢にはパラド、とそれぞれ相棒のようなキャラクターがいるわけですが、それぞれの相棒キャラはパラレルワールドを移動する装置によって互いにいる世界が入れ替わる形となってしまいます。そして、2つの並行世界を融合させようとする敵の目的を阻止するために協力して戦うという分かりやすいストーリーになっています。
エグゼイドは1年間通してきた作品なだけあってチームワークの良さを感じました。放映開始直後はOP映像の妙なドヤ顔だったり滑舌だったり気になる部分があったものの、こうやって演者の成長を見届けるのも楽しみの一つですね(欲目)。
ビルドについては最初から演者の対応力が高いように感じています。特に平成二期を象徴するコメディ路線については、飄々ととぼける戦兎とバカ真面目にツッコミを入れる万丈の関係が早々と出来上がっていたように思っていて、冬映画で気になる「映画撮影までに演者が馴染みきれていない」部分は全く感じませんでした。
因みに、並行世界がぶつかるイメージとして2つの地球がぶつかる構図が用いられていました。これは本来なら「そんな構図でいいのか!」とツッコミを入れたくなるような演出なのですが、平成9ライダーのパラレルワールドを旅した10作品目ディケイドを思い出させるような演出になっており、ビルドが19作品目であることから20作品目にそういう期待を感じさせてくれるようで印象的でした。


レジェンドライダー
この作品には過去の平成二期ライダー4人が全てオリジナルキャストで登場します、一番の見どころはなんと言ってもここでしょう。
まず最初に登場したのはゴーストこと天王寺タケル。ゴーストについては「面白くなかった理由」という記事をわざわざ書いたほど評価の低い作品でしたが、出しゃばらず終始謙虚なキャラクターとしてタケルが描かれていたのは好印象(?)でした。また、御成もオリジナルキャストで登場しましたが、神を自称する壇黎斗に住職として接するなど健在でした(ゴーストで唯一キャラが立っていたと言っても過言ではなかったので)。
そして、フォーゼのキャラクターであるジェイクと大杉先生の登場。フォーゼの如月弦太郎を演じる福士蒼汰がいまや超有名人ということもあって、そんな彼が出演してくれるというだけで注目でしたが、周りのキャラクターを出して期待を持たせてから終盤で満を持して「キター!」という流れも良かったです。
次に登場するのはオーズの火野映司。地割れで落下しそうになる万丈を救うために「手を差し伸べる」という本編テーマとリンクした登場シーン。他のレジェンドとは少し異質でメダルがないと変身できない関係からアンクを復活させる必要があり、設定自体には少し無理があったものの、本編の映像を交えた回想シーンとともに復活(再会)から別れまで長く丁寧に作られていたため、納得感を持って観ることができました。
最後に登場したのはガイムの葛葉紘太。他のオリジナルキャストもなく少ない出番となってしまったのはちょっと仕方がないかなという部分はありつつも、演じる佐野岳本人のアクションでオリジナルキャスト感を楽しめたと思います(強いて言えば、1回バック転してくれるととても良かった)。
・・・とこのように、それぞれ本物の個性を活かした演出がとても良かったです。また、アンクとの再会やフォーゼの時系列などがそうですが、個性を活かすだけでなく、本編との乖離が生まれないように設定をちゃんと意識をしているところも良かったです。オリジナルキャストに歓喜する視聴者層のほとんどは大人であり、大人だけにどうしても細かい部分を気にしてしまいますが、「レジェンド」として敬意を込めていることを強く感じられました。


○主人公としてのビルド
レジェンドが大事に描かれていると書きましたが、物語の主人公はあくまでビルドとエグゼイド。先述したようにレジェンドに対しては敬意を払いつつも、しっかり彼らにメインスポットを当てるような作りになっていました。
パラドと万丈のいる世界が入れ替わった状態で戦兎・永夢と協力して戦う中で、戦兎と永夢の姿に自分の相棒に似た何かを感じるというストーリー。パラドが戦兎に、永夢に似た何かを感じることで、戦兎もレジェンド達と同じような想いを持って肩を並べるヒーローとして映ります。また、万丈が永夢に、戦兎に似た何かを感じることで、永夢のレジェンドとしての姿を描きつつ、戦う理由に悩んでいた万丈がレジェンドたちとの出会いによってその意味を見つける…という成長物語にもなっています。


○全体を通して
ここまで書いてきた通り「オリジナルキャスト登場」「そのレジェンドに対する敬意」「でもメインはあくまでビルド」という点でとても評価の高い映画となりました。
今までのライダー共演映画はどうしてもお祭りで勢揃いしているような感覚だったのであまり好みでなかったのですが、本気を出せば(?)すごい映画ができることが分かりましたし、視聴してきた私たちだけでなく作り手にも思い入れがあることが伝わり温かい気持ちになりました。
現在放映中のビルドが平成19作品目ということで、次が20作品目で平成最後(?)のライダーになるわけですが、近年のシリーズ本編やこの映画を観ていると期待して待っていられるような気がします。


・・・エグゼイド本編しかり、やっぱり仮面ライダーゴーストを放映して「このままではまずい…!」という危機感があったんですかね((