猛牛杯使用パーティ~対面ケンタロス+持久ミルタンク~

1月中旬に開催された醤油さん主催の猛牛杯に参加しました。


ルールは「ケンタロスミルタンクバッフロンのみ使用可能なシングル33(過去作個体も使用可能・ダイマックスは禁止)」です。
結果としては3-0で優勝しました。少ない試合数ではあったものの、想定していた通りに試合を運べることが多く、しっかり全部勝つことができた点は良かったです。


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ケンタロス わんぱく いかく
157-148-156-×-91-133 H.52 A.220 B.212 D.4 S.20
インファイト、じならし、どくどく、みがわり@じゃくてんほけん


ミルタンク ずぶとい あついしぼう
191-×-172-×-90-132 H.164 B.252 S.92
ボディプレス、まるくなる、タマゴうみ、ねむる@ゴツゴツメット


バッフロン いじっぱり ぼうおん
177-178-116-×-124-92 H.52 A.252 B.4 D.68 S.132
のしかかり、つるぎのまい、コットンガード、みがわり@たべのこし


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【基礎考察】

種族 タイプ 性別 H A B C D S 特性
ケンタロス ノーマル オス 75 100 95 40 70 110 いかく/いかりのツボ/ちからずく
ミルタンク ノーマル メス 95 80 105 40 70 100 あついしぼう/きもったま/そうしょく
バッフロン ノーマル オス/メス 95 110 95 40 95 55 すてみ/そうしょく/ぼうおん

ケンタロス
…素早さが高いため他の2匹に干渉しやすい。耐久を伸ばす積み技が鈍いなので特徴である素早さを捨ててしまうのがもったいないが、拘り鉢巻きインファイトや先制身代わりからの起死回生、奮い立てる+力ずく+特殊技などで火力を出せる。また、起点回避技として強力な角ドリルを習得できるが、その場合は特性を力ずくにする必要があるので地均しなどを活用できない。
ミルタンク
…安定した回復手段となるミルク飲みを使えるのが強みで、中途半端な火力に対しては丸くなるや鈍いを積むことで受けを成立させられる。ボディプレスを習得するので、受けながら同時に火力も確保できる上に威嚇や甘えるの起点にならない点が優秀。また、唯一気合玉・エコーボイス・電磁波を習得できるので、奮い立てるから攻め込む使い方ができたり電磁波で起点を作る役割を担ったりと型が豊富。ボディプレスか特殊技を主軸にすることが多いので、特性はケンタロスの威嚇を無効化できる肝っ玉よりも力ずくケンタロスに耐性をつけられる厚い脂肪の方が良いことが多い(ケンタロスの特殊技には騒ぐがあるがバッフロンの防音で無効化されることからタイプ不一致技を選びがち、次に威力が高く命中も高めなのが大文字なのでそれに耐性をつけることで、威力が落ちる10万ボルトか命中が不安な雷へと選択肢を狭めることができる)。
バッフロン
種族値のバランスが攻守にわたって優れる上に、剣の舞・コットンガード・度忘れと積み技が豊富で起点回避に挑発まで習得できる。しかし、素早さに振り切ってもケンタロスミルタンクには先制できないのが大きな特徴で、目の前の相手を倒した直後に何かしらの干渉をされやすい。また、奮い立てるを覚えないため特殊方面から攻めることができない点で型を広くとることができない。特性は捨て身を使わない限りは防音にしてケンタロスの騒ぐやミルタンクのエコーボイスに耐性をつける方が良さそう。


【構築経緯】
大まかに「耐久を上げる積み技を使うポケモンを軸にする」ことを意識しました。
インファイトやボディプレスなどで安定してダメージを稼げる以上、受け回しで相手の攻撃を凌ぐ戦い方はできません。そのため戦い方は「純粋な対面の殴り合い」「積み技で差をつける」の2種類に絞られますが、どのポケモンも先制技や素早さを上げる積み技がないので、体力を十分に残せていないと後続のポケモンに上から倒されてしまうことから、純粋な殴り合いに帰結してしまいます。そのため、体力を十分残した状態で対面の相手を突破することを意識して、耐久を上げる積み技を組み込むことにしました。
また、今回のルールは7世代以前で捕まえたポケモンを参加可能にするためノーマルルールでの対戦であり、ルール要綱を見ると「制限時間20分、1ターンの選択時間60秒、持ち時間なし」となっていることから相手に倒されなければ制限時間切れ勝利も十分に狙えます。そういった点からも耐久を上げる動きが強いと考えました。


どのポケモンも耐久を引き上げる積み技を習得しますが、ミルタンクを軸にすることにしました。ミルタンクはミルク飲みという安定した回復手段を持つことが大きく、ボディプレスを習得できるため丸くなるで耐久を上げるだけでなく火力も確保できる点が魅力的です。
ただし、ミルタンクケンタロスより素早さが遅く、拘り鉢巻きインファイトなどを考えると初手からいきなり丸くなるを積むことができません。そのため、こちらは初手にケンタロスを置くことにしました。ケンタロスの特性は威嚇なので1ターン目から強襲してくるポケモンの火力を削いで後続のミルタンクに繋ぎやすくなります。また、相手が初手から積み技を使ってこちらより先に展開してくるケースに対しても、高い素早さを活かして先制して毒々を入れることで、こちらの展開が遅れても五分以上を保って戦うことができそうです。
バッフロンに関してですが、素早さが遅いことから起点作りの役割はこなしにくく、どうしても積み技要員になってしまいます。ミルタンクが角ドリルケンタロスに対してそれほど強くないため、こちらは身代わりを採用してある程度ケンタロスに対抗できる積み技要員として採用することにしました。


先発ケンタロス+後発ミルタンクバッフロンの形が決まりましたが、簡単にケンタロスを倒されてしまうと残数差をつけられて制限時間に持ち込まれる可能性が高いです。そのため、「先発のケンタロスで相手のポケモンを1匹で倒して、ミルタンクに繋いで耐久する」という戦い方を目指しました。


【個別解説】
ケンタロス
<持ち物:弱点保険>
ケンタロスや起点作りの役割を持つミルタンクを倒せるようにするため、火力を上げる手段となる弱点保険。
身代わりを見せることで攻撃技を誘いやすくもなるので発動機会は少なくないです。
<技構成:インファイト、地均し、毒々、身代わり>
相手ケンタロスを後続で相手しやすくするための地均し、ミルタンクの電磁波を回避するための身代わり、初手からの耐久戦術を咎めるための毒々。最後の1枠はケンタロスミルタンクを処理して数的有利を取るためにインファイトを採用しました。ケンタロスがミラーでタイマンに勝つと相手の後続が遅いポケモンなので毒々を入れてから退場する動きができたり、起点作りのミルタンクだった場合にもそれを倒してしまうことで、構築として起点回避に繋がります。
起点回避技としては角ドリルが非常に強力なのですが、これにはバーチャルコンソールを利用する必要があり特性が力ずくで固定になってしまい、地均しのような追加効果のある技を使えなくなってしまうことでミラーで不利になりやすいことから不採用としました。攻撃技は起死回生も候補ではありましたが、他にまともな攻撃技がなく身代わりを破壊できずに困る場面が存在すると思ったので不採用にしました。
<実数値:157-148-156-×-91-133 H.52 A.220 B.212 D.4 S.20>
身代わりが4回打てるようにHPを4n+1~3に調整。B172ミルタンクのボディプレス2発耐え(250/256)。毒々ダメージ2回+ランク+2インファイトでH202-B172ミルタンク1発(10/16)。残り素早さ。
初手のタイマンを強くするために防御を中心に配分。素早さに振らないとはいえ同じような考え方のケンタロスと戦う際は速い方が有利なのでミルタンクが先制できるかを判断できそうならラインで振りました。


ミルタンク
<持ち物:ゴツゴツメット>
積み合ったミルタンクのミラーで優位に立てる持ち物を持たせたいと思ったのでボディプレスを打たれた際にダメージを与えられるゴツゴツメットを採用。
身代わりを絡めて起死回生やがむしゃらを使うケンタロスを最低限相打ちにできたり、気合溜めバッフロンに与える試行回数を少なくできるなど汎用性は高いです。
<技構成:ボディプレス、まるくなる、ミルク飲み、眠る>
攻防を引き上げる積み技である丸くなる、防御ランクの恩恵を受けて攻撃できるボディプレス、回復手段となるミルク飲み。最後の1枠は毒々でミルタンクの突破を目論む相手を対策するための眠るを採用しました。技はこれで完結していると思ったので、あまり迷いませんでした。
強いて言えば、丸くなる+奮い立てるで気合玉を振り回す運用でミラーを制することも考えていましたが、ミルタンクの耐久ミラーで毒々は無視できないと思ったので不採用。
<実数値:191-×-172-×-90-132 H.164 B.252 S.92>
防御最大。A152ケンタロスインファイト2発耐え(255/256)。残り素早さ。
ミルタンクのミラーで相手に先手ミルク飲みを打たせれば後から攻撃を入れられるのでTODで有利になることから、素早さ個体値を26~28にして最速バッフロン抜きと無振りミルタンク抜かれを両立できる個体にすることも検討していましたが、素早さに振っていないケンタロスに先制できたら楽な場面があると思ったので、素早さに多めに配分しました。


バッフロン
<持ち物:食べ残し>
身代わりを活用すると回復技を持たせられないので、永続的な回復手段となる食べ残し。
相手を崩していくことを考えるとピントレンズなども面白そうでしたが、今回の戦い方と合ってなかったので不採用にしました。
<技構成:のしかかり、剣の舞、コットンガード、身代わり>
期待していることは耐久積みからの相手の突破なので、まずはコットンガードを採用。また、相手を突破する手段として剣の舞。先述の通り角ドリルケンタロスに対する耐性を確保するために身代わりを採用。攻撃技は1つになるので、タイプ一致で威力命中追加効果と安定したのしかかりを採用しました。
食べ残し+身代わりだと回復が遅いようにも思えますが、相手に威嚇や毒々が入った状態から積み始める流れを想定していたので間に合うと判断しました。ただ、攻撃技はインファイトが正解だったと終わってから思いました。コットンガードで防御を一気に上げられるのでインファイトの能力下降がそれほど気になりません(特殊技についても防音+身代わりなので比較的強い)。インファイトを採用すると火力が格段に上がるため、攻撃に回していた努力値を耐久に回すことでTOD裁定のHPや身代わりの耐久を引き上げるなどより強い使い方ができたと思います。
<実数値:177-178-116-×-124-92 H.52 A.252 B.4 D.68 S.132>
C101ミルタンクの拘り眼鏡気合玉+身代わり耐え。防御ランク+3でB172ミルタンクのボディプレスを身代わりが耐える(15/16)。ランク+2のしかかりでH151-B115ケンタロス1発(14/16)。残り素早さでランク-2最速ケンタロス+2。
バッフロンミラーとケンタロスの地均しから繋ぐことを意識して素早さ振り。のしかかりの威力が低いことから攻撃に全振りして残りを耐久に割り振りました。ただ、先述の通りインファイトを採用して「202-144-130-×-116-92 H.252 A.4 B.116 D.4 S.132」のような配分にする方が良かったと思います。


【戦い方】
※すべてこちらの先発はケンタロス
A.相手の先発がケンタロス
・こちらの選択は地均し
・相手も地均しだった場合はもう一度地均し、少なくともこれでケンタロスを倒されてもバッフロンで先制できる状態になる
インファイトを打たれた場合は弱点保険が発動するので、ケンタロスインファイトで倒せるようになり後続にもインファイトを叩き込める
・身代わりから入られると非常に辛いが、素早さ関係も分からない状態で打ってこないと思ったので捨て択
B.相手の先発がミルタンク
・こちらの選択は身代わり、電磁波や甘えるを遮る目的
・気合玉以外は何を打たれても2ターン目は毒々に切り替える、ボディプレスを打たれた場合は弱点保険が発動するので身代わりを挟んでから毒ダメージと合わせて突破する
・相手の死に出しケンタロスケンタロスを突破された場合はミルタンクを出す、倒された技がインファイトだった場合は拘り鉢巻きをケアしてボディプレスで倒し、そうでない場合は起点にする
・初手から鈍いを積まれるケースはヨプでない限り拘り鉢巻きに対応できていないので少ないと判断した(希望的観測)
C.相手の先発がバッフロン
・こちらの選択は毒々
・攻撃された場合はダメージから強化アイテムかどうかを判断して、ミルタンクで起点にする
・コットンガードを積まれた場合はバッフロンに交代、バッフロンを出す場合は身代わりを使ってからコットンガードを積む
・剣の舞で差をつけるか毒々での瀕死を待てば積みながら対面に勝利できる


【総評】
結果的に初手ケンタロスミルタンクバッフロン全てのパターンと対戦して勝利できた点は良かったです。バッフロンの性別を♂にしたことも結果的には活きていたようで、積み合いになる展開も見越してミルタンクゴツゴツメットや眠るを採用したことがしっかり対戦で活きたので構成としても悪くはなかったと思います。
反省点としてはTODについての考えが浅かったことでしょうか。積み合いが発生した場合は、お互いに残数とHP割合が等しい場面が十分に起こりえます。その場合は、残りポケモンのHP実数値の合計が高い方が勝利であり、今回ミルタンクバッフロンはHP実数値をあまり伸ばしていなかったので、そこをもう少し配慮すべきだったでしょうか。また、ケンタロスミルタンクに対して初手身代わりから入るため、そのまま持久戦になれば負けてしまうこともどうにかして対策を考えるべきだったかもしれません。


【対戦レポート】

○1戦目 vs モブ さん 勝ち 3-0
自分:ケンタロス ミルタンクバッフロン
相手:ミルタンク ケンタロス バッフロン
相手のバッフロンはメス。威嚇を肝っ玉で無効化される。身代わりから入ると鈍いを積まれて困る。毒々を打つとラムの実で回復されてボディプレスで身代わりを破壊されるので更に困る。もう一度毒々を入れるか迷ったものの、ミルタンクに交代してボディプレスを受ける。
ここから丸くなると鈍いを積み合いになり、ゴツゴツメットのダメージがある分相手のHP管理を狂わせてボディプレスでミルタンクを突破。死に出しケンタロスの破壊光線が怖かったものの打たれた技は10万ボルトだったので耐えてミルク飲みを挟んでから倒して、最後のバッフロンもボディプレスで一撃で倒して勝ち。
初手からの積む展開は少ないと見込んで対策を薄くしていましたが、ゴツゴツメットのおかげで上手く差をつけられました。肝っ玉+鈍いの採用はボディプレス以外の攻撃技を所有している可能性があり、ラムの実以外で毒を回復する手段がないことも予想されたので、素直にケンタロスで2回目の毒々を打ってから交代する方が良かったかもしれません。


○2戦目 vs 醤油さん 勝ち 2-2
自分:ケンタロス ミルタンクバッフロン
相手:ケンタロス バッフロンミルタンク
相手のバッフロンはメス。相手の方が威嚇が早く、初手は地均しを打ち合う。2ターン目再び地均しを選ぶものの相手のインファイトが急所に当たってケンタロスが倒されてしまう。
拘り鉢巻きでないことは分かっているので、ミルタンクを死に出しして丸くなるを使うと相手はバッフロンに交代。ボディプレスを打つと半分削れて毒々を入れられる。このままボディプレスで倒すと相手の死に出しはケンタロスだったので、丸くなるを積んでから眠るを使って毒を回復する。相手は身代わりを残してインファイトを打ってきますが、ゴツゴツメットのダメージでHPを赤ゲージまで削っていたので有利・・・かと思いきやがむしゃらを使われる。ミルタンクの素早さミラーに自信はあったので、がむしゃらを受けながらケンタロスを倒してミルタンクの前でミルク飲みで回復することもできそうですが、ケンタロスのHP割合が低いことを利用してTODで勝つ方が安全だと思ったので、ここから毎ターン1分の選択時間をフルに使い、制限時間切れで勝ち。
相手のバッフロンミルタンクの型が分からないままでしたが、2ターン目にケンタロスが急所を貰わなければ相手ケンタロスを返り討ちにして3匹残したまま制限時間に持ち込む戦いができていたでしょうか。この対戦でもゴツゴツメットと眠るで上手く差をつけられたのが活きました。


○3戦目 vs サイマル さん 勝ち 3-3
自分:ケンタロス バッフロンミルタンク
相手:バッフロンケンタロス ミルタンク
相手のバッフロンはオス。毒々を入れるとコットンガード。バッフロンに交代すると再度コットンガードを積んであっという間に防御を6段階上げられる。こちらはバッフロンで身代わりを使い、相手のバッフロンののしかかりを身代わりが耐える。毒々を回復するために相手が眠るを使って素眠りになっている間にコットンガードと剣の舞を積んだところで、相手が降参してきたので勝ち。
威嚇+身代わりで起点を作り、毒々を入れた分有利に積むという想定した動きがしっかりできました。また、相手のバッフロンの最後の技はメロメロだったので、こちらのバッフロンの性別をミルタンクと分けていたことも想定通りにハマったのが良かったです。