2011冬ドラマ「最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜」の感想

ドラマ「最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜」を見終えて。
残念ながら録画し損ねてしまったので、第5話だけ見逃しております。



10話の構成で延長回もなし・・・最近のドラマは最終回をやたら15分延長にしてみたりするものですが、個人的にはあまり好きではないんですよね。
連続ドラマは撮影期間と放送期間が被っているものがほとんどで、実際に放映されたときの視聴者のリアクションによって放送するテレビ局がどれくらいそのドラマに力を入れるのかが変わってきます。なので、そういう生の反応の影響を受けながら作品が出来上がるのが連続ドラマであり魅力の一部でもあるのかもしれませんが、作品全体の流れや形を重視して見るのなら初回や最終回が時間を拡大しているのは枠内で収めきれないという点からあまり美しくは思えませんよね。
そういう意味では、特に延長などもなかったというのはあまり製作側がドラマによる効果を期待できなかったからで、一言で言ってしまえば不評だったということでしょうか。


小さい頃に葬儀屋の息子であることで良い思いをできず葬儀屋が嫌いだった主人公が父の死をきっかけに自分を見つめ直して葬儀屋を継ぎ、葬儀を行うごとに亡くなった方の死に際を想像しながら残された人に納得される葬儀をすることで死に向き合う話。その中で、兄弟それぞれがばらばらだったのが結束していく人間を描くドラマでした。1話で1回の葬儀を行っていたので、1話見逃しても連続ドラマのように展開が分からないということはほとんどなく非常に見やすいドラマだったような気がします。特に演技が見ていられないという人もいませんでしたし。
おくりびと」の二番煎じという話をよく聞くと前にも書きましたが、「おくりびと」は観たことがないというのも前にも書きました。観たことのある人であれば同じことをやっているだけという印象を持ちながら感想を抱くことになりますが、私はそうでない側にいるので純粋(?)な評価ですかね。
人間がコロっと変わってしまう展開に「それはドラマだからでしょ」と言いたくなることもよくあると思いますが、死というテーマを持ってすれば劇中の人間が急に人が変わってしまっても説得力は備わりますかね。死というテーマを掲げた作品はそのテーマを持って視聴者の心を動かさなければいけないという一種の義務感が製作側にあるのではないかなと思いました。


序盤からずっと井原家の庭に遊びに来ていた岩田さんが坂巻の死んだ祖父と同一人物でつまり岩田さんは成仏されていない霊だと分かって、終盤は彼を成仏させるために彼が生前に追っていた事件に関わることと井原家の長男の病気と2本の大きなテーマがありました。
しかし、岩田さんの事件の謎を解き明かすのに少々時間がかかり過ぎたような気がします。坂巻の先輩刑事の長峰があっさりと殺されてしまう展開は良かった(人が死んだから良し悪しという観点で語るべきではないのですが)ですかね。ただ、ここから謎を解明するのは刑事ドラマのようで序盤とはドラマとしてのテーマ性が変わってしまったように思えます。
また、この記事の上で「10話構成拡大なし」と述べていますが、拡大などがある予定で組んでいたのか尺が足りなかったような気がします。長男が余命を迎えてそれを皆で見送る・・・この展開を岩田さん関連の話の中に同時に突っ込もうとした結果か富士山まで行っても兄はすぐに命を引き取ってしまいすぐに葬儀を挙げることになっていましたね。


最後は坂巻が事件を解決して真人を通じて岩田さんの想いを伝えて成仏されていき、兄弟それぞれも前に進むことができたという描写を経て・・・三男の回は見逃してしまったので岡本玲が誰なのか全く分かりませんでしたが((


「最高の人生の終り方」というタイトルで、葬儀屋はそれぞれ見送られた人の人生を終わらせるものだろうからタイトルにどういう意図があるのか気になっていましたが、見送られる人が終わる側ですからその人がメインで主人公はエンディングプランナーであるという普通に考えれば分かることでしたね。岩田さんが「逝ってきます」という感じの言葉を言うまで気付けませんでした((


そういうわけで、話自体は見やすく面白みを持っているのですが。。。
ドラマに対する第一印象と共に書いた「“愛”という言葉を多用したがる」「主題歌のミスマッチ」だけはやはりどうしても気になってしまいますね。
日本の伝統文化である葬儀をテーマにしたドラマの主題歌になぜテキサスのテイストが入るのか・・・逆に耳に残るという意味では戦略だったのかもしれませんが。
EDが流れている間に山下智久の語りがあって終わりますが、ここで“愛”という言葉を多用しすぎる。話すと長くなりそうなので、ここでは触れませんが「愛は尊いものではない」って神条紫杏が言ってたじゃないですか!((


そういえば、ラブコメディーとはなんだったのでしょうか。
「ラブ」=「愛」と置き換えれば、「愛を多用」したことでラブ要素が入ってると言えるのかもしれませんが。その辺を深く考えずに観れるならそこそこ楽しめるのではないでしょうか。