2019年秋冬ドラマの感想

2019年秋冬ドラマの感想。

秋ドラマの記事は書いていたのですが、放出していなかったので合わせました。

 

<秋ドラマ> 

「まだ結婚できない男

<冬ドラマ>

「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う」

「ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~」

ゆるキャン△」 

 

 

○「まだ結婚できない男

【主演】
阿部寛、吉田羊

【あらすじ】
建築家の桑野は仕事の評価も良く年収もあり、その上に高身長でルックスも悪くはない。こう聞くと女性からの評判も良さそうだが、性格がとても偏屈なこともあって女性との縁はあまりなく、本人も「結婚は不良債権」と持論を述べながら優雅に独身生活を満喫していた。
そんな結婚できない男が一人の女性と少しずつ心を開いていける良い関係を築いて終わった前作から13年、独身生活を続けるまだ結婚できない男と新たな出会いを描いた物語。

【感想】
2006年に放送された「結婚できない男」の続編。当時リアルタイムで観ていて面白かったので、今回のドラマが始まる前におさらいとして見直したほど楽しみにしていました。
が、残念ながら全く面白くなかったです。前作の評価が高かったからこその落差もありますが、2話まで観た時点で「これは期待できない」と思わされて最後まで惰性で観続けただけになります。
今作を見ていて足りないと感じたのは「人間関係を少しずつ縮めていく描写」です。この作品の世界では桑野の偏屈さこそ目立ちますが、他の人物にも少し刺はあって、それでちぐはぐする部分をコメディとして消化しつつキャラクターが関係性を受け入れていく…そういう過程があったからこそ桑野に気をかけたり話題にして盛り上がる展開ができたのであり、少なくとも前作が面白かった要因はそこにあったと思っています。
それが今作ではほとんどなく、桑野を取り巻く女性陣がいつのまにか仲良くなっていたり、桑野のお一人様行動に対しても笑い物にされるようなものが目立ち思いやりを感じることができませんでした。それこそ「こういう突飛な桑野さん見てるのが面白いんでしょ?」という脚本の思いが見えてしまったように感じます。
挙げ句の果てには予告テロップとして四角関係と書きながら「それは恋愛感情じゃない?」という台詞をつけて、さも関係が成り立っていたかのように見せる描写の雑さもあって最終回は何も盛り上がることなく終わりました。脚本家が変わったわけではないだけにどうしてこういう続編になってしまったのかが残念で仕方ありません。
深川麻衣や事務所メンバー3人も物語に影響を与えることが少なくて配役の意味を感じられず、視聴者に媚を売るように前作キャストの存在をチラつかせておいたのに結局誰も出ない、貴重な継続キャストだった英治の結婚について彼がどういう10数年を送ってきたかの掘り下げもない・・・など気になったところはたくさんありました。

 

○「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う」

【主演】
清野菜名横浜流星

【あらすじ】
世の中には警察やマスコミが公表しないグレーな事件が多数存在している。そんな事件の真相をミスパンダと名乗る謎の女と彼女の飼育員がエンタメショーのごとく暴いていく物語。

【感想】
横浜流星が主演ということで、ひとまず視聴してみようというのがきっかけ。一度観始めると面白さに関わらず最後まで観ることが多いのですが、他に興味のあるドラマがほとんどなかったのも視聴の後押しになりました。クレジットは清野菜名が先に来てますが、W主演でもどちらかと言うと横浜流星がメインのように感じました。
率直な感想は「物語としては特に面白くなかった」です。2話から観始めたのですが、扱われるグレーな事件が大学の不正入試やスポーツのコーチの癒着などフィクション作品としては小粒で、アクションシーンも相手が小物であるゆえ映えないのでインパクトに欠けると感じました。
ミスパンダや飼育員の素面として「死んだ双子と記憶を入れ替えた」「父親がグレーな事件に巻き込まれて死んだ」という過去があったので終盤には少し期待していたのですが、黒幕がサイコパス的な要素を持っていたことに全てを押し付けたかのような真相でイマイチでした。また、全てが終わった後に主人公が催眠で自分の記憶を操作して忘却するエンディングなのですが、復讐の虚無を知った彼がどう乗り越えていくかという課題を忘却で解決するのは酷いです。
さて、物語としては面白くなかったのですが、横浜流星のプロモーションドラマとして考えると良かったです。心理学を学ぶ知的で落ち着いた雰囲気の大学生で、純朴なヒロインから憧れと恋心を抱かれて優しく接する一方で、ミスパンダの飼育員という裏の顔を持ちそこでは本人が得意とするアクションシーンを演じる・・・という具合で「私たちが思う理想の男子・横浜流星!」をテーマにしたドラマだと感じました(タイトルの凝った感じや洋楽EDにもそれを想うところがありました)。

 

○「ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~」

【主演】
山本美月トリンドル玲奈

【あらすじ】
阿久津麗子は最近彼氏に浮気されてフラれてしまったため、新しい恋人を探して会社の昼休憩の時間に合コンを行うことにする。その同伴として同僚の天野ゆいかを連れていくのだが、謎解きが好きな彼女は男性よりも男性たちが話す日常の奇妙な出来事に対して興味を持つ。合コンの最中、男性から情報を引き出してランチタイムの間に奇妙な出来事の謎解きを行っていく物語。

【感想】
あらすじが少し奇抜だったのでどんな感じなのか気になって視聴しました。タイトルの何も考えずに全て詰め込みました感が逆にインパクトあったというのもあります。
率直な感想は「面白くない」でした。途中で観るのをやめましょうと思ったのですが、中盤辺りから合コン相手となる男性ゲストを中心に仮面ライダー出演俳優が多数出るようになったので、なんとなく最後まで観てしまいました。
面白くないと感じたのは物語のメインとなる推理部分にあるでしょうか。扱う事件が相手の身の回りで起こったことであること、その相手から情報を聞き出すだけなので推測の域を過ぎないこと、その過程で単調な説明が長く続くこと、から緊迫感もなく解決してもスッキリとする感じがありませんでした。
行く先々で事件に出くわすような物語の方が面白そうですが、メニューの1品1品に写真入りで紹介するようにランチ部分の両立も目指していたので、中途半端になった感じでしょうか(原作がどうなのかは調べていない)。

 

○「ゆるキャン△

【主演】
福原遥

【あらすじ】
1人キャンプを趣味とする志摩リンはキャンプ場で遭難寸前だった各務原なでしこを助ける。なでしこはそれ以来高校の野クル(野外活動サークル)に入部するなどキャンプにハマっていく。キャンプを楽しむ女子高生二人を中心にした日常を描きつつ、違った2人を通してキャンプの魅力を伝える物語。

【感想】
アニメを観ていたのでドラマ版も観てみようと思ったのがきっかけ。
実写版ドラマにあまり期待をしていないのですが、その意味では。その意味は結構面白かったです。ロケ地・演出・役者の演技などから「原作の世界観を再現しよう」という心意気みたいなものが伝わってきた気がします。
アニメで魅力に感じていた部分が「志摩リンによる孤独のグルメ・女子高生キャンプ版(キャンプ飯も含む)」みたいなものだと思っていたので、低めの声でナレーションを入れながらキャンプを楽しむ志摩リンが再現されていて良かったです。キャンプの自然はアニメの方が美化して描きやすいのに対して、ご飯シーンは実写の方が臨場感が出るのでそのように感じやすかった部分もあると思います。
気になった部分を挙げるとすれば、なでしこのオーバーリアクションと野クルメンバーのツインテール。ちょくちょく挟まれるギャグも含めてどうしても実写だと少し浮いてしまう感じはありました(決して無理してる感じではなかった)。