第6回夜空杯 使用パーティ〜KP1位狙いの雨パーティ〜

4/28開催の第6回夜空杯に参加して来ました。


ルールはレベル50制限のシングル66。参加は昨年11月の第2回以来です。
予選は参加者32人による制限時間内での総当たりで予選抜けは4人。予選抜けの条件として優先される順番は「勝ち数→試合数→直接対決→オポネント」だったので試合数をこなせばチャンスがあるのではないかと思いましたが、私の成績は6-5で7勝以上した方が既に5人以上いたので予選抜けはならず。因みに、6-5が4人並んでいたので32人中の順位で言えば6〜9位のどれかのようです。


〜パーティ〜
ニョロトノキングドラナットレイエアームドガブリアスゴチルゼル



ニョロトノ おくびょう あめふらし
166-×-96-141-121-134 H.4 B.4 C.252 D.4 S.252
ハイドロポンプ、ねっとう、れいとうビーム、どくどく@こだわりスカーフ


キングドラ いじっぱり すいすい
151-160-116-×-116-137 H.4 A.244 B.4 D.4 S.252
たきのぼりげきりんりゅうのまい、ねむる@ラムのみ


ナットレイ しんちょう てつのトゲ
181-122-162-×-165-41 H.252 A.60 B.84 D.108 S.4
パワーウィップ、はたきおとす、やどりぎのタネ、まもる@たべのこし


エアームド ずぶとい がんじょう
172-×-176-×-115-98 H.252 D.196 S.60
ステルスロック、まきびし、ふきとばし、はねやすめ@きれいなぬけがら


ガブリアス ようき さめはだ
183-182-116-×-105-169 A.252 B.4 S.252
げきりん、ドラゴンクロー、じしん、ねごと@こだわりハチマキ


ゴチルゼル おだやか かげふみ
175-×-115-136-143-98 H.236 C.168 S.108
サイコキネシス10まんボルト、めざめるパワー(炎)、トリック@こだわりメガネ


相変わらずシングル66という特異のルールの試合展開が分からないままでしたが夜空杯は3回目の開催からルールを変更していて、決勝トーナメントに進むための予選はブロック分けせず総当たりで勝ち数が多い順で勝ち数で並んだ場合には消化試合数が多い方を優先するようになりました。
これは私にとっても非常に大きいことです。まず、対戦数を稼いで66の経験を積むことができること。次に、負け越していても試合数さえこなすことができれば予選を抜けることができること。そして、そのように予選を抜けるためには1試合の消化が早いパーティを用意した方が良く、私が展開速度の早いパーティを考えたことがなかったということです。
後ろから順番に追っていきます。私の場合は、パーティをどのように組むかが分からないと「○○が受けられない→交代によってクッションを置けるポケモンを用意」という風にパーティが受け重視になりがちで、序盤は受けのサイクルを回せるものの終盤になってくると蓄積ダメージも重なってサイクルが崩壊して結局負けてしまうということが多かったです。序盤に受けが回っていることから一瞬善戦しているようにも見えますが、相手の構築に対して受けサイクルを用意するかに関わらず、攻めきれずに受けられなくなって負けてしまえば同じ1敗に変わりはありません。
そういうわけで、もっと重心を攻撃寄りにおいたパーティが求められていましたが、予選を抜けるためにはそのようなパーティを使うべきだという環境がルール改変によって整えられました。そのように予選抜けを目指して対戦数をこなすことになりますが仮に予選落ちしてしまっても、あまりイメージができなかった攻撃寄りパーティでの66の経験を積んでおくことは今後に繋がる可能性が高いということで、私によってはプラスになるような要素ばかりが詰まっています。


ということで、攻撃寄りのパーティを組みたく最初は全く違うパーティを考えていたのですが、どうにもまとまらず。結局、色々と割り切ってほぼ適当に6匹抜き出してきたのが今回のパーティです。
夜空杯には過去2回参加していて、そのどちらもKPがトップだったのでKPトップを狙えるようなメンバーをかき集めてきただけなのですが、一応コンセプトとしては成り立ちそうだったので、その6匹で参加することにしました。
とりあえず、「天候変化要員を採用する場合はタイマンが強い型で採用する」「持ち物や特性などを利用して高速化できるポケモンを採用する、そのポケモンは高速化できていない状態でもある程度の汎用性がある」「余裕があれば天候変化要員とは別に手動天候を仕込みたい」というのが目安で前2つをそれなりにかなえることはできました。


>ニョロトノ
天候変化特性を持つポケモン。しかし、最近の結果を見ているとゴチルゼルダグトリオを利用して天候変化要員を倒してから天候を掌握するという手法をとるパーティの数が多く、もはやジリジリと天候合戦を続けるのは難しくなりました。
ニョロトノを場に繰り出しても火力を甘く見立てて交代で立て直してくる相手が多い気がしたので、特攻を引き伸ばして拘り眼鏡を持たせて相手の交代先に負担をかけていく使い方をしたかったのですが、拘り眼鏡はゴチルゼルに渡してしまいました。そこで、拘りスカーフを持たせて採用することにしました。ドリュウズに対して切り返しで出せる点が強く、雨が降っていれば適度に火力が出るので相手の素早いポケモンのストッパーにすることもできます。
技構成としてすぐに確定するのはメイン攻撃技になるハイドロポンプとドラゴンポケモンを討伐できる冷凍ビームの2つ。このままの構成だとナットレイブルンゲルを交代で繰り出されるのが安定してしまうため交代読みで打てる技も持っておきたいです。候補は毒々・催眠術・熱湯辺りになります。ここでは汎用性が高めの毒々と火傷を狙いつつハイドロポンプよりも安定感には長ける熱湯を採用しました。催眠術は眠らせられるポケモンの数に制限のあるルールであることも向かい風です。他にはアンコールや滅びの唄も欲しいと言えば欲しいのですが、今回のパーティにうまくハマっているわけでもなさそうなので今回は見送りました。
努力値配分は、まずサンダースを抜けるように素早さは最速。ハイドロポンプでスターミーを2発で倒せるように特攻にほぼ振り切りました。特防には4振ってC162サンダースの10万ボルトを上2つの乱数を除いて耐えるように配分して、HPと防御にも配分することでA200ハッサムに拘り鉢巻蜻蛉帰りを打たれてもステルスロックのダメージ込みで耐えられるようになるくらいの意味しかないのですが、特攻141と142にそう大きく変化は見られなかったのでこのようになりました。


>キングドラ
ニョロトノの特性雨降らしを利用して特性のすいすいを発動させることができる高速のポケモン。このルールで使用できるポケモンの中では比較的種族値は高めな方で天候を雨状態にすることができなくても受けにくいドラゴンタイプの攻撃を軸に相手を切り崩していくことができます。
攻撃面で物理と特殊のどちらを選ぶかが一つのポイントになりますが、今回は物理型を選びました。特殊型として採用するためには拘り眼鏡を持たせないと火力が足りないと感じることが多く、今回は拘り眼鏡をゴチルゼルに譲っていることもあり物理型にせざるをえなかったという面もあります。特殊型のキングドラの対策として用いられやすいのは特殊耐久が高めの水タイプであり、物理型のキングドラの対策として用いられやすいのは物理耐久が高めの鋼タイプがメインになりそうなので相手が特殊型だと予想しているところに刺さる可能性はあります。またパーティにもう1匹いるドラゴンタイプのガブリアスキングドラと同じく物理攻撃をメインとしているので、同じ相手で対策されてしまうようにも思えますが、ドラゴンタイプの攻撃を受け切るのは困難であるためガブリアスで相手のドラゴン対策ポケモンを削ってキングドラを動かしやすくするかその逆の手法をとることができるのではないでしょうか。今回はゴチルゼルを採用していることもあり相手のドラゴン対策ポケモンを倒してしまえばガブリアスキングドラで一気に潰しきることもできそうです。
物理型として採用することにしたので、まず攻撃技には逆鱗を採用。また、強力な積み技である竜の舞を採用して、逆鱗で突破できる相手を増やすだけでなく天候に依存せずに素早さを上げる手段を持っておくことで相手の素早いポケモンへの対策にもなることができます。逆鱗は自由に打ちづらい技なので安定感のある攻撃技も欲しいので雨で火力も上がる滝登りを採用。最後の1枠が難しく、候補としては相手の素早いドラゴンポケモンを止めるための流星群、状態異常をシャットアウトできる身代わり、などが挙げられますが今回は眠るを採用しました。キングドラの耐久は中途半端なので身代わりは採用する気にならず。流星群を採用する場合は竜の牙を持たせたいのですが、どちらかと言えばラムの実の方が持たせたい持ち物だったので採用はせず。キングドラに対して受けを成立させながら小さいダメージで削ってくる相手に対して強く出れる眠るが相手を起点にしやすく使いやすいだろうと思いました。
努力値の配分は、物理耐久に特化したオボンの実ブルンゲルエアームドへのダメージを考えると攻撃は150台後半は欲しく、素早さも天候に依存せずにキノガッサには先制できるようにしておきたいのでほぼ努力値を使い切ってしまいます。なのでここでは攻撃と素早さに振り切り、残りの4はステルスロックが撒かれていない状態でナイトヘッドなどを3発耐えるようにHPに振っておきました・・・のつもりが昔育成した個体を使いまわしたので適当に按分されていました((
持ち物は眠るを活用するためにカゴの実かラムの実を持たせたいところですが、眠るを使う場面はキングドラを受けることができるものの即座に有効打を与えられないポケモンの前で使う技だと思うと積極的に使っていく技ではないためカゴの実だと腐りやすくなってしまいます。その点、ラムの実は火傷や麻痺など高速アタッカーとして機能停止になる状態異常に保険をかけることができますし、逆鱗を打っていった際にも混乱を回復することができて発動機会は多くなると思ったので、ラムの実を持たせることにしました。


>ナットレイ
ニョロトノが苦手な電気・草に加えて水タイプのポケモンを崩すことも不可能ではありません。そして、雨状態を利用して苦手な炎技の火力を抑えることができるためピンポイントに仕込まれた炎技を耐えてしぶとく戦うことができるようにもなります。
パワーウィップと宿り木の種は確定。残り2つの枠ですが、相手の拘りアイテムや炎技の奇襲に対して一度様子を見ることができて宿り木の種などの回復とも相性が良い守るはぜひ欲しい技です。最後の1つは必須級の技が思い浮かばず、叩き落とすを入れることにしました。相手のナットレイとミラーになったときにも相手が眠るを持っていなければ有利に戦うことができますし、ナットレイに対して繰り出されるポケモンのアイテムを落とすことで受けなどの負担を軽くすることができます。一番の狙いはエアームドを誘って叩き落とすで綺麗な抜け殻を落としてゴチルゼルで処理してからドラゴン2枚で打ち抜くというものだったのですが、あまりうまく決まった試合はありませんでした。
定数ダメージで少しずつアドバンテージを稼いでいくポケモンで雨ミラーの対策ポケモンでもあるため、まずはC161キングドラの拘り眼鏡雨ハイドロポンプを2発耐えるように特殊耐久に配分。物理耐久はA177ヘラクロスインファイトを耐えるように配分して、残りを攻撃に振りキングドラパワーウィップ2発で倒せるようにしました。
持ち物は食べ残し。有利な相手に対してはダメージを少なく抑えることができますが、基本的に先手を取ることができないポケモンでもあるので回復手段が宿り木の種しかないのは心許なく、ナットレイの性能を発揮するためにはマッチしたアイテムだと思っています。


>エアームド
過去2回参加した夜空杯でも採用してきたポケモンです。場に繰り出したときに相手に高火力ポケモンを繰り出されやすく起点にされやすいイメージがありますが、特性の頑丈と吹き飛ばしを考えると本来は寧ろ起点にならないポケモンです。おそらく私の使い方が悪かった問題でエアームドが相手にダメージを与える手段は吹き飛ばしによるステルスロックなどのダメージがほとんどであり最後まで温存しておいても勝てるポケモンではありません。なので、エアームドは撒いたら仕事が終わりくらいの感覚で使用することにします。
というわけで、まずステルスロックと吹き飛ばしは必須。羽休めがあると頑丈を復活させることで相手に高火力のポケモンの交代を許しても吹き飛ばしで流すという役割を持てるので羽休めも欲しいです。最後の1枠をドリル嘴にするか撒き菱にするかが難しいですが、相手のナットレイが辛いので少しずつ負荷を増やしていけるように撒き菱を採用することにしました。
努力値の配分はC162ボーマンダの大文字+ステルスロックを耐えるように特殊耐久を上げて、残りを素早さに振って少しでも行動回数を増やせるように意識しておきました。より正確には第2回夜空杯で使った個体の流用です((
持ち物は綺麗な抜け殻にしてゴチルゼルジバコイルと対面してしまっても逃げられるようにしておきます。しかし、実際には捕まる前にエアームドを切ることが非常に多かったので別のアイテムを持たせた方が良かったような気がします。


>ガブリアス
火力・素早さ共に高く、ドラゴン+地面の優秀な攻撃範囲で相手のパーティを切り崩していくのに優れたポケモンであり、雨パーティの中で電気と岩の一貫性を止めることができます。以前、特攻に配分した命の珠ガブリアスを使用したときに流星群があまり強くなかったことと命の珠の反動ダメージによる消耗がとても痛かったことから今回は拘り鉢巻を持たせて採用することにしました。
拘り鉢巻を持たせることにしたので、まずは強力なドラゴン・地面攻撃として逆鱗と地震を採用。次に小回りの利くドラゴン技が欲しく、特に他に欲しい攻撃技もなかったのでドラゴンクローとダブルチョップを両方採用してもよかったのですが、眠り技に対する対策として寝言を持たせておきたかったのでダブルチョップを不採用にしました。ダブルチョップは身代わりを破壊しながらダメージを与えられる可能性がある点で便利に扱えることもあるのですが、1回の攻撃でグライオンの身代わりを壊せないことと下手に拘ったときに相手の持ち物がゴツゴツメットだったりすると定数ダメージが大きくなってしまい悲惨だったので命中も安定しているドラゴンクローの方が良いだろうという判断です。
努力値配分は攻撃と素早さにすべて振り切りました。数値が高いおかげで色々と便利な調整ができるのもガブリアスの強みだと思っていますが、シングル66ではステルスロックなどにより特定の耐久調整が意外と崩れやすいことや元々ガブリアスが耐えてほしい攻撃をおおよそ耐えてくれたりする数値を持っているため基本能力である攻撃性能を高めた方が良いだろうと思ったことが素直な配分にした理由です。


>ゴチルゼル
66というルールの性質上、用意できる交代先が多いので不利な局面を建て直すために交換が頻繁に用いられるますが、特性の影踏みでそれを封じることができるポケモンです。同じ特性を持つポケモンとしてはソーナンスがいますが、ソーナンスの場合は相手を潰したり起点を作ることが受動的にしかできないのに対してゴチルゼルの場合はそれを能動的に行う、要するに自らダメージを稼ぐことができるという点で性質が違います。今回は交代を封じながら有利な対面でダメージを稼ぎやすくできるように拘り眼鏡を持たせて採用します。
拘り眼鏡を持たせるので、構成は攻撃技を中心に入れていきます。まずはこのパーティで受けることができない格闘を潰すことができるようにサイコキネシスは必須。残りはパーティの障害になりやすいスターミーエアームドナットレイユキノオーを意識して10万ボルトとめざめるパワーを採用。ナットレイにはタイマンで有利に立つことができるもののこちらがニョロトノを繰り出して雨状態を作ってしまうと突破に時間がかかる可能性もあるのでせめて自由に動かれないようにと最後の技はトリックにしました。
配分の方針として、まずは性格補正をかけていないローブシンは確実に抜けるようにしたいです。また、タイマンでスターミーを処理できないとまずいのでC152雨拘り眼鏡波乗り+ステルスロック1回を耐える耐久と10万ボルトで無振りスターミーを一撃にできる火力を確保した結果がこのような数値になっています。
ゴチルゼルを使ってみた感想としては大きく2つあります。まず、1つ目はゴチルゼルの影響が大きいせいか誰が綺麗な抜け殻を持っているのか分からないということで、意外なポケモンが綺麗な抜け殻で逃げていき技を拘ったゴチルゼルが起点にされる可能性もあるかもしれません。2つ目はゴチルゼルが凶悪なことは凶悪なのですが、ゴチルゼルより速そうな相手に対しては交代で繰り出すことができないせいで狙ったポケモンを倒すには死に出しを利用しなければならず、そこから倒すことに成功してもゴチルゼルが負ったダメージも考えるとこちらの方が損失が大きいように思いました。ここは拘りスカーフで中速の削れたポケモンを確実に倒せるようにするか蜻蛉帰りやボルトチェンジを合わせてゴチルゼルに有利な対面を作りやすくするべきだと思いました。今回はパーティが天候にそこまで依存していないというのも要因の一つだったかもしれません。


立ち回りの大まかな方針としては、エアームドステルスロックなどを撒いてナットレイの叩き落とすを挟みながら鋼タイプをゴチルゼルで処理ないしは削り、そのままガブリアスキングドラの2枚物理ドラゴンを受けられなくするようにしていき、相手の天候利用に対しては拘りスカーフニョロトノでの素早い切り替えしができるようにしつつ終盤のトドメ役も買ってもらいます。


実際に今までよりも攻撃寄りの構築を使ったことによる収穫は非常に大きかったです。
あるポケモンを対策するときに、繰り出し性能を意識してタイプ相性の補完や耐久の高いポケモンを採用しがちでしたが、そのポケモンが役割を持てるのはHPが管理できている条件下のみです。シングル66というルールでは定数ダメージによって蓄積が貯まりやすいので、中盤以降はその条件を満たせることが少なくなってしまいます。
対策を考えるときは、やはり高速ポケモンで先手で潰しにいけるように対策を立てるべきです。これならばHPが僅かでも残っている限りは役割を持つことができます。
これはどのルールにおいても通用する基本的な考え方であるため、あまり知識のないルールに取り組むことになったとしても基本的な軸になる考え方は変える必要が全くないと改めて感じました。