「水のジュエルを持たせるカイオーガは少なくともしおふき以外の水技が一つはないと弱い」という持論があるので、それについて説明してみたいと思います。
カイオーガなのだから何を持たせても強いのは間違いないのですが((
まず、水技がしおふきしかないカイオーガの一般的な技構成は「しおふき、かみなり、氷技、まもる」でしょうか。この技構成のカイオーガに水のジュエルを持たせるのはあまり強くないと思います。
カイオーガというとしおふきの圧倒的な火力にばかり目がいきがちですが、カイオーガのもう一つ大きな特徴としては耐性が優秀なポケモンであるということがあります。タイプ一致で弱点を突かれることが少なく特殊耐久は高い、それでいて繰り出したら天候を変えることである程度相手の天候対策ができる、この性質を見る限り交代で積極的に繰り出していきたいポケモンです。この指止まれのような完全なサポートをつけない場合は火力を強化して相手の殲滅を狙うことを主目的としたカイオーガでもそのような型の方が立ち回りに選択肢が増えて扱いやすいと個人的には思います。
この使い方の具体例を少し書いてみます。
たとえばクレセリア+グラードンという並びに対して耐久振り拘り眼鏡のカイオーガを後出し。グラードンの命の珠手助け75%地震までは耐えるようになっているので、交代で繰り出すことができます。ここで天候を雨状態に変えることができればクレセリアにもグラードンにも大ダメージを与えることができます。
また、ミュウツー+ユキノオーという並びに対して先発メタグロスを拘りスカーフ持ちのカイオーガに交代。ユキノオーはわざわざ草結びを打つにはリスクが高くミュウツーの攻撃もカイオーガにダメージが通りやすい技は飛んでこないので、身代わりにさえ気を付ければ天候を雨で奪ってからのしおふきで縛り返すことができます。
拘りアイテムで性能を引き上げているためこのような扱い方を積極的にできていますが、このように使う時点でそもそもしおふき以外に濁流やハイドロポンプといった水技を持っていた方が良いということが伺えます。
先に述べた水技がしおふきしかないカイオーガは火力がHP管理が必要なしおふきのみに依存しているため、なかなか交代で繰り出すことができません。オボンの実を持たせた型なら実質的な耐久を引き上げているので少しは交代でも繰り出しやすくなります。また、命の珠を持たせた型なら雷や氷技の火力を引き上げることができるので交代では出しづらいながらもしおふきが打てなくても火力を出せるという点でまだギリギリ及第点を与えられます。しかし、水のジュエルには交代での繰り出しやすさもなく、しおふきが打てなかったときの単体性能もかなり低くなってしまいます。
また、それだけ扱いに制約がかかる割には、死に出しなどで万全の状態で繰り出してもジュエルの発動が一度きりでしかないのがもったいないです。たとえばメタグロス+パルキアという並びでメタグロス守る+パルキア行動とされると、メタグロスに当てる前に水のジュエルを消費してしまい、次のしおふきではメタグロスすら倒すことができなくなっています。同じように手負いの相手に対してジュエルを消費させられてしまったりするのもせっかくの持ち物がもったいなく思えます。
ここまで考えると水のジュエルしおふきはそこまで強くないということが分かりました。では、水のジュエルはどのようなときに持たせるのがよいか考えてみましょう。
半ば強引な誘導であるかのように答えは出ていますが、濁流・波乗りやハイドロポンプを強化したいときに持たせるのが良いと思います(熱湯は火力的に水のジュエル向きではないと思うので略)。そもそもカイオーガを使う上でなるべく交代で繰り出せる型にしたいと私は思っているので、水のジュエルを持たせる場合にもそのような型として扱いたいです。その際に、しおふきだけでは水のジュエルがもったいないというのが一番の理由であったため、単純にしおふき以外の水技も覚えさせる構成に持たせるとよいでしょう。
しおふきの最大威力が150なのに対して濁流の威力は95です。これはつまり、水のジュエルで強化した濁流はおおよそ最大威力のしおふきと同程度の火力だということです。HPを削られてしまってもHPが万全状態のしおふきと同程度の火力を出せるカイオーガと考えるとジュエル濁流は強く感じるのではないでしょうか。また、ハイドロポンプに関しても命中が不安且つ1匹にしか当たらないというところでしおふきに比べると劣る部分は大きいものの、狙った相手に拘り眼鏡火力のしおふきをぶつけることができます。
結局のところ、カイオーガは水技が強いからしおふき以外の水技も積極的に採用したいですし、そうなれば水のジュエルも活きやすいというところでしょうか。
水のジュエルを持たせて強化したいのはしおふき以外の水技であり、技スペースに余裕があってしおふきを持たせて万全の体勢で繰り出せたのなら一度きりだけ拘り眼鏡のしおふきが打てるくらいの感覚に思っておくのがよいのではないでしょうか。しおふきが強い場面ができたらラッキーだと思いつつ、仮にうまくジュエルしおふきを逃れられたとしても雨さえ奪っていれば濁流やハイドロポンプで十分に強い性能を発揮できるので気にならないでしょう。
長々と書いてきたので要点だけまとめると・・・
「そもそもカイオーガはしおふき以外でもとにかく水技が強い」
「カイオーガの大きな特徴として、交代で繰り出せる耐性・耐久が強い」
「しおふき一本の構成では、この2つの強さを発揮しにくい」
「強さを発揮しにくい型な上にしおふきしか強化できない水ジュエルは活きにくい」
「カイオーガの水ジュエルはしおふき以外の技を強化するアイテム」
「カイオーガが万全なら水のジュエルしおふきも強い、くらいのおまけ感覚」
・・・こんなところでしょうか。
5世代で水のジュエルという持ち物が登場してから、水のジュエルを持たせたカイオーガはクリスマスカップのときにだけ使ったことがありました。そのときの構成は「ハイドロポンプ、波乗り、冷凍ビーム、守る」「ハイドロポンプ、濁流、電磁波、守る」となっていたので、やはりしおふき以外の水技を強化することを第一の目的として水のジュエルを持たせて使っていましたね。