ジャパンカップ2014使用パーティ〜ヌメルゴンクチート純正トリパ〜

5/2〜5/5にかけて開催されていたPGLジャパンカップ2014に参加しました。


結果から言うと・・・
1日目 18-2 1698
2日目 12-8 1703
3日目 11-9 1705
4日目 12-8 1762
で合計53-27、レートは1762で順位は113位でした。


〜パーティ〜
ハリテヤマゴチルゼルクチートモロバレルシャンデラヌメルゴン



ハリテヤマ ゆうかん こんじょう
219-188-109-×-85-49 A.244 B.228 D.36
インファイト、からげんき、はたきおとす、ねこだまし@どくどくだま


ゴチルゼル なまいき かげふみ
175-×-145-115-148-63 H.236 B.236 D.36
サイコキネシス、あまえる、トリックルーム、ねむる@カゴのみ


クチート ゆうかん いかく
157-150-105-×-76-49 H.252 A.252 D.4
(157-172-145-×116-49)
じゃれつく、アイアンヘッド、ふいうち、いわなだれクチートナイト


モロバレル のんき さいせいりょく
220-×-128-105-107-31 H.244 B.212 D.52
エナジーボール、キノコのほうし、いかりのこな、まもる@バコウのみ


シャンデラ れいせい もらいび
147-×-137-210-110-76 H.92 B.212 C.204
ねっぷう、シャドーボールトリックルーム、まもる@きあいのタスキ


ヌメルゴン ひかえめ そうしょく
195-108-91-177-171-103 H.236 B.4 C.244 D.4 S.20
りゅうのはどうだいもんじ10まんボルト、フェイント@たつじんのおび


まずはこの構築を使おうとした経緯から。
カロスダブルは1月から4月までの間に5回オフ会に参加しました。5月に公式大会があるということなので、それまでに気になるメガシンカポケモンの使用感を確かめようという意図を持って対戦オフ会ではその中でも主軸になりやすいものからパーティを組んで対戦をしてみました。その結果、どれも予選を抜ける程度の結果しか出せない出来でした。それらを煮詰めればより良いものになった可能性はあるのですが、使ってみて煮詰めたいと思うほど強いと感じたポケモンがいませんでした。結局、個人的に評価ができたのはメガバンギラス、メガギャラドストリックルーム状態でのメガクチートメガガルーラ、の4匹のみでしたが大会直前にどれも構築を煮詰めきれていませんでした。
そんな中、眠さんが大会で使う構築について相談に来てくださり、その構築内容は初手からトリックルームを使って(この手のパーティを以降は純正トリパと呼ぶことにします)メガクチートを暴れさせるというものでした。XYの全国ダブルでどうなのかは吟味しきれていませんが、カロスダブルにおける純正トリパに関しては「トリックルーム役の安定感が低いので技を使うのが難しい」「難しい中をかいくぐってトリックルームを決めても5ターンで勝負を決めるのが難しい」「ガルーラ、ファイアローギルガルド、など採用率が高くなりそうなポケモンが純正トリパに対抗する手段を自然に持てている」という点からかなり評価は低く見積もっていたのですが「トリックルーム状態でのメガクチートの性能自体は高く評価している」「やることは単純なので選出は間違えにくい」という点は嬉しいです。特に選出を間違えにくいという要素はかなり大事で、慣れもしていない構築のまま大会に出ると短い制限時間の中どこかしらで正しい選出ができなくなってしまい、それが数試合ならば運や巡り合わせなどで負けずに済むかもしれませんが、対戦数が多くなる今回のような大会ではそういう要素を減らしてミスを未然に防ぐことは重要となっています。
環境的に逆風な構築を使うとなると立ち回りをかなり頑張る必要がありますが手元に構築がほとんどない私にとっては使う理由にはなると思ったので、相談に乗りながらそのまま一緒に使うことにしました。


>ハリテヤマ
トリックルームをサポートするポケモンであり、トリックルーム直後に攻撃役として機能するポケモン。特性の根性が優秀で毒々玉を持たせることによってトリックルーム直後には火力を増強した状態で攻撃に参加できるようになっていて、自ら状態異常になることでモロバレルのキノコの胞子の対策もできます。
技構成はトリックルームをサポートするための猫騙し、タイプ一致で威力も命中も高いメイン攻撃技のインファイトインファイトで攻撃できないフェアリーや飛行タイプをはじめモロバレルを攻撃するための技で特性や持ち物と相まって威力が高い空元気、ゴーストタイプへの打点として叩き落とすを最後に採用しました。他にはフェイント・ワイドガード・岩雪崩などが欲しく、あると便利なのは間違いないですが、ハリテヤマ自身が火力が高いためなるべく有効な攻撃をできる回数を増やすためには上記で採用した攻撃技はどれも必須なものなのでフェイントやワイドガードの優先度は落ちます。
努力値配分は攻撃役として削る能力を少しでも高めるべく最大付近に設定。後々耐久調整を行った際に数値が足りなかったため無振りガブリアスへのインファイトのダメージが変わらないラインまで落としています。次に物理耐久を上げるべく防御に配分。ハリテヤマは防御や特防の実数値が低いので努力値を振って能力を1ずつ上げていくならば防御を1上げる方が耐久の限界的な上昇率は高くなります。最低限欲しかったのは初手で猫騙しを打ち合った後にハリテヤマが行動できるようにするためのA194メガガルーラの親子愛捨て身タックル耐え。これより少し防御を上げるとA112マリルリのランク+6力持ちアクアジェットを耐えるようになるのでそこまで配分。腹太鼓を持っているマリルリは素早さが高めに設定されているためトリックルーム状態から先手の空元気で倒せるようになっており、この耐久調整をすることで初手で腹太鼓を使われて先制技のアクアジェットを打たれてもケアできるようになります。残りを特防に配分したときにC178ボーマンダの流星群+毒々のダメージ2回分耐えというラインがあり、気合いの襷サザンドラなどを想定した場合には有用な配分になりそうなので一応そちらも意識しておいた方が良さそうだということで、対マリルリの耐久調整を最高乱数以外耐えとして対ボーマンダの耐久調整は上2つの乱数以外で耐えるように設定しました。素早さは相手のトリックルームパーティのメガクチートに同速勝負ができるように最遅としています。
使った感想してはそこそこ耐久が高い上に火力まで文句なく高く攻撃範囲にも困らずモロバレルも苦にしないという点で本当に優秀でした。よくよく思い返してみれば、私がめったにこの手のパーティを使うことがないだけで2010年以降のルールでトリックルームのサポートと直後のアタッカーとしての役割を持たせるポケモンとしては何一つ困ったことがなく、カロスダブルにおいても純粋に強さを評価できるポケモンでした。


>ゴチルゼル
トリックルーム要員の安定感と攻撃性能においては最も評価の高いポケモン。以前使用した際にも触れたのですが、トリックルーム要員がメガシンカポケモンの高い火力の攻撃を耐えるように努力値配分を行うと火力を引き上げることができずトリックルームを決めたにも関わらず攻め込むのが遅れてしまいます。その点でゴチルゼルは特性の影踏みで交代によるトリックルーム凌ぎを防いでいて一種の攻撃性能として機能するので自身に火力がなくても大きくは問題になりにくそうです。もう1匹採用することになったトリックルーム要員のシャンデラが眠り技に対する耐性がなかったのでゴチルゼルの持ち物はカゴの実としました。
採用した技としてはまずトリックルームは確定。また最低でも一つは攻撃技を持たせておきたかったのでタイプ一致でダメージを稼ぎやすくモロバレルに対してダメージのとりやすいサイコキネシスを採用。初手で出てきやすいガルーラなどに対して打つことで火力のない置物として放置できるようにするために甘えるを採用。持ち物をカゴの実としていたので場持ち性能が良くなるように最後の技には眠るを持たせました。
努力値配分としてはドーブルガルーラに対してハリテヤマゴチルゼルで出してトリックルームを決められるようにA177メガガルーラの親子愛の猫騙し+恩返しをほぼ耐えるように物理耐久に配分。残りを特殊耐久に配分にしており目安としてはC156ニョロトノの拘り眼鏡雨ハイドロポンプ耐えとしています。これはニョロトノキングドラと並べられた場合に火力増強アイテムを所持していることが多そうなキングドラ猫騙しを打つので隣のニョロトノの攻撃を耐えればトリックルームは決まるだろうと踏んだからです。素早さは特別速くする理由はなくメガクチートマリルリなどにトリックルーム状態で先手で甘えるを打つために最遅としました。
ただし、実際のところは採用して良かった点はあまりありませんでした。ドーブル絡みで選出をした際はドーブル猫騙しを打ってメガガルーラゴチルゼルに恩返しを打つパターンがあったり親子愛で急所に当てられて耐久調整が崩れたりなどとうまくトリックルームを使うことができませんでした。また、以前ゴチルゼルメガクチートで運用したときはトリックルームが切れている状態で相手の交代を封じながら素早さの高いポケモンで相手の処理を行う立ち回りもできたので影踏みを有効に使えていましたが、どうしてもトリックルーム下で動かなくてはいけないので不自由しました。そういうわけで、選出率は1割くらいとかなり低かったのですが、眠るを所持していたおかげで時間切れ勝利に持ち込むことができた点だけは評価しても良いでしょうか。
また、甘えるを持たせていましたが、どちらかと言えば欲しい技は挑発でした。甘えるがあれば物理ポケモン相手を1匹放置できるようになるのでシングルバトルのように1vs1で殴り合う形を作れるかと思いましたが、実際はモロバレルの怒りの粉やギルガルドのキングシールドで苦戦することが多く、挑発を適当に打って身代わり守るやトリックルーム返しなどを封じておけるようにするだけでも攻め速度を早くしたい純正トリパとマッチしているように思いました。ここだけは構築で唯一失敗したと思う点です。
もし同じような構築を使うならば初手モロバレルに強めになる防塵ランクルスを採用しても良いかもしれません。ランクルスは一応ゴチルゼルと同じくらいの耐久を確保することができて影踏みがないことで交代によるトリックルームの時間稼ぎを許してしまいますが、安定感のある回復技として自己再生を使えるので2回目のトリックルームは狙いやすくなっているようにも思えます。とは言うものの、実際には技スペースが圧迫していてギルガルドキリキザンに同時に高い打点を持てないところがまた難点となるでしょうか。


>クチート
トリックルーム状態でのメインアタッカー。一貫性のとりやすいフェアリータイプの技をはじめ攻撃範囲に優れて圧倒的な火力を誇ることから威嚇を一度くらい掛けられてもまだ十分に火力を出すことができるほどで半減などで受けられても交代先に大きく負担を掛けられるので交代によるトリックルームの凌ぎを許しません。また、鋼・フェアリーという耐性が優秀なのでメガシンカ前の低い耐久種族値でも交代で繰り出す場面は多く、その際に特性の威嚇が発動して味方を守るのに役立つ点も嬉しいです。持ち物は当然メガシンカをするためのクチートナイト。
トリックルーム下で場に出した際に攻撃できない相手がいて有効に使えるターンが少なくなることがないように技はすべて攻撃技で埋めて埋めました。まずは一貫性のとりやすいフェアリータイプの技であるじゃれつく、また特性のおかげで火力が十分に出るようになっている範囲攻撃の岩雪崩、命中率の安定を考えてアイアンヘッド、最後には先制技の不意打ちを持たせました。強いていえば炎の牙も欲しかったですが、モロバレルに対してはタイプ一致のアイアンヘッドで同程度のダメージを稼ぐことができますし、特性が厚い脂肪であるメガフシギバナは炎の牙で攻撃できません。ギルガルドは不意打ちでそこそこ削れるようにはなっているので、本当に困るのは対ナットレイだけでしょうか。それでもアイアンヘッドがないとじゃれつくを打たなくてはいけない回数が増えて、どこかで技をはずすことになりがちです。メガクチートが技をはずすとトリックルームのターンを有効に使えていないだけでなく、倒せたはずの相手に味方が倒されるという状況を招いてしまうので極力それはあってはならず、命中率が高いアイアンヘッドを重宝することになります。メガクチートの攻撃と言えばじゃれつくが印象的なのでそれを半減できる鋼や炎タイプ以外は交代で出しづらくなっておりアイアンヘッドが通りやすいことは多いです。不意打ちに関しては、トリックルームが切れた後に大きくダメージを稼ぐ手段であったりギルガルドに対する打点にもなっていますが、優先度の高いブレイブバードが脅威となるファイアローに対してトリックルーム状態ではメガクチートの不意打ちが先に使えるので隣への縛りを解除できる点が最も重要であり絶対に必要な技です。当然守るも欲しいのですが先に書いたような理由で攻撃技を十分に搭載することを優先しています。
努力値配分は特に捻っておらずHPと攻撃にすべて振り切りました。攻撃に振り切った理由としてはこのメガクチートの役割が狙ったポケモンを的確に倒すものではなく目の前にいる相手にとりあえず荒く殴りかかるからです。相手がじゃれつくやアイアンヘッドなどを交代で半減で受けた場合には次の不意打ちや岩雪崩の攻撃圏内に入っていて受け回しによるトリックルームの凌ぎが成り立っていないというような状況をなるべく作れるようにしたいです。因みに、以前ゴチルゼルメガクチートで運用したときはトリックルームをしていない並びでゴチルゼルを出すこともあり、相手を見ながらトリックルームをするかしないか合わせていたのでメガクチートは狙った相手を倒す火力で十分だったことや有利対面を作るために交代で出すことが多くなることから耐久に振っていました。また、攻撃を最大まで上げているとH207B170メガバンギラスに対してじゃれつくが最低乱数以外で1発となる点も見逃せず、攻撃の値は落とせないことが分かります。効果抜群になる技のダメージは偶数となるのでHPが157となっているのはダメージの乱数的には嬉しいことです。残りはメガクチートがA146ファイアローフレアドライブを耐えるかC194サーナイトの拘り眼鏡ムーンフォースを耐えるかでどちらも乱数が1つ変わる程度の違いしか見つけられなかったので実数値が低めな特防に振ることにしました。メガクチート前提で計算をしましたが、交代で出す機会も多かったのでクチート状態でのダメージを考えて残りを振った方が良かったでしょう。素早さはハリテヤマと同じ値にはなってしまいますが最遅としました。並べたときにどちらの攻撃が先に出るか分からずに立ち回りを正確に組み込めないことも起こりうると思いますが、それよりも相手のトリックルームパーティの最遅ハリテヤマメガクチートに同速勝負で負けてしまうことの方が勝敗に影響を分けそうだったのでそちらを優先しました。
良かった点としてはアイアンヘッドを採用したことに尽きると思います。技の中で最も使用率が高かったのは命中が100であるアイアンヘッドであり、立ち回りもなるべくじゃれつくを使わなくてはいけない回数を減らすことを念頭に置いていたおかげで命中率が100でないじゃれつくが当たっていれば可能性があったという試合は1試合程度だった(岩雪崩を当てていればという試合はいくつかありましたが…)と思います。良くない点としては相手の守るに対して合わせられる行動がないこととメガクチートに守るを採用できていないことです。相手の守るに対してアドバンテージを取れる技がないので自然と採用されやすい技である守るによってトリックルームのターンを簡単に凌がれてしまいます(それでもメガクチートの攻撃は一発が重たく交代先にもかなり大きい負担を掛けられるので交代による凌ぎはある程度解決できているのでまだいい方です)。また、守るを切ったことでトリックルームが切れた後に守る+トリックルームor隣を倒してもらって死に出しというような立て直しをする立ち回りパターンを作ることができなくなっています。しかし、それらの良くない点を考慮した上で攻撃技4つという構成にしたのは正解だったと思っています。


>モロバレル
トリックルームのサポート役。トリックルームのサポート役が猫騙しを使えるポケモンだけであると挑発持ちのポケモンを2匹並べられただけでトリックルームが決まらなくなってしまいます。それにする対策として対象に飛ぶ行動を引き寄せるこの指止まれや怒りの粉のような技を使うサポートポケモンも用意したいです。XYになって怒りの粉は草タイプの攻撃を引き寄せられなくなってしまいましたが、この指止まれを覚えるポケモンの中で汎用性を保ったまま採用できそうなポケモンがいなかったので仕方なくモロバレルを採用することにしました。モロバレルは怒りの粉を覚えるポケモンの中ではそこそこ耐久が高い方でありキノコの胞子で眠りにすることによって相手の守るや交代によるトリックルームの時間稼ぎに圧力を掛けることができます。持ち物に関してですが、パーティ6匹の中で飛行技を半減できるのはクチートしかいないにも関わらず弱点となるポケモンモロバレルを含め2匹いて、トリックルーム下にも関わらず特性の疾風の翼で強力な先制攻撃を仕掛けてくるファイアローに対して行動できるポケモンが少ないのはまずいのでバコウの実を持たせることにしました。
技はまず採用理由である怒りの粉、トリックルーム状態で攻撃に加勢できなくても有利な状況を作れるようにキノコの胞子、怒りの粉をうまく使うために初手の猫騙しをやり過ごす守る、攻撃技としてエナジーボールを採用しました。攻撃技に草技を採用した理由としてはメガクチートハリテヤマより素早さが遅く攻撃技の地震で一貫性のとられやすいドサイドンカバルドンに対する攻撃手段として有効に使えると思ったからです。ヘドロ爆弾はメガユキノオーや相手のモロバレルなどに打点を持てる点は優秀ですが、地面タイプにダメージを与えれないところで草技に軍配が上がりました。ギガドレインの回復量も侮れませんが、威力の高いエナジーボールにすることによってガブリアスの身代わりを確定で破壊できるようになったりマリルリを2発で突破できる可能性が高くなるなどのメリットがあります。
努力値配分としてはどのパーティでも使いやすそうな汎用的な配分をそのまま使いました。モロバレルは怒りの粉で攻撃を受けてもらうことが役割となるのでなるべく一撃死しにくいように耐久にすべて配分しています。物理耐久はA133ファイアローの命の珠ブレイブバード耐え、特殊耐久はC202メガユキノオーの75%吹雪+霰ダメージ耐えとしています。一応、C162ボーマンダの拘り眼鏡大文字までなら耐えることは確認しています。バコウの実を持たせたのになぜこの配分を使うことになったかと言うと、バコウの実の仮想敵であるファイアローからすればモロバレルの弱点は飛行技だけでなく炎技でも突けるようになっているため、バコウの実を持たせてもフレアドライブを打たれる可能性があり、物理耐久に特化しても拘り鉢巻きフレアドライブを耐えられないものの相手のファイアローの持ち物が拘り鉢巻きだと分かれば次のターン以降はブレイブバードに怯えることなく動かせるので、持ち物が拘り鉢巻かどうかを判別できる耐久が欲しかったからです。持ち物を判別するためにはA146ファイアローのプレートフレアドライブ耐えができれば良いことになり、これはA133ファイアローの命の珠ブレイブバード耐えとほぼ同じ水準であるため、この配分で採用する理由ができました。もっとも、この状態ではA146プレートフレアドライブは最高乱数以外耐えなので、HPの値を1だけ防御に回して確定耐えにした方が良かったでしょう。
特性を胞子にしてファイアローやガルーラを麻痺してしまうとトリックルーム下で先手をとられて行動されてしまう恐れがあるので、そこで戦略が狂うことのないように特性は再生力としました。
良かった点としてはまずバコウの実を持たせたことです。モロバレルゴツゴツメットを持たせる型が非常に多く見受けられましたが、これは刺さる場面では非常に強力な持ち物でありながらも実際にモロバレルが最低限の役割をこなしつつプラスαの仕事をするための持ち物だと言えます。モロバレルはまず最低限の役割をこなすために選出していきたいので、これだけ飛行技が一貫しているパーティなのだから選出を渋らないようにするためには絶対にバコウの実が必要でありファイアローを見ても飛行が抜群でないポケモンとしてしっかり選出ができたのは良かったと思います。また、もう1点良かったところとしては攻撃技をエナジーボールにしたところです。実際に活きた場面はニョロトノに対してエナジーボールを2発当てたことによってヌメルゴンのフェイント圏内に入った程度ですが、ドサイドンを相手にした場合に特性がハードロックだったとしても命の珠の反動ダメージが入ればドサイドンが倒れる程度のところまでは削れるので乱数次第では倒せたかもしれません。
悪かった点としては結局モロバレルに頼らざるをえなかったことです。他に適任が見つからなかったのが大きいですが、防塵ゴーグルや相手の草タイプに対して何一つ対抗手段がないこと、ファイアローから挑発を受けてしまうと後ろにも攻撃が一貫しやすい(クチートは飛行半減ですがモロバレルから炎が一貫しているので安易に交代できない)のがイマイチでした。


>シャンデラ
トリックルーム要員。ゴチルゼルは耐久に特化したもののそれでも命の珠ギルガルドの攻撃を耐えるのは不安が残るため、それらのような攻撃を耐えるためには気合いの襷を持ったトリックルーム要員が必要でした。ゴーストタイプなので猫騙しを受けないことが優秀で気合いの襷との相性は良く、その中でも高い特攻を持つこととハリテヤマクチートという攻撃役とは違って特殊攻撃を主体としているので威嚇によって攻め速度が極端に削がれることがありません。
技はトリックルーム要員なのでトリックルーム、タイプ一致で一貫性がとりやすく削る技として最適なシャドーボールモロバレルメガクチートといったポケモンへの打点となる炎技としては範囲攻撃で適度な削りに便利な熱風、初手で猫騙しを凌いだり不意打ちを避ける手段として使ったりとあれば便利な守る、の4つです。他に候補があるとすればオーバーヒート・めざめるパワー氷・鬼火辺りでしょうか。オーバーヒートはギルガルドを一撃で倒せるものの身代わりを使うギルガルドも多いので性格はすりぬけにしておかなくてはならず、特性は貰い火を優先したいことから採用はしていません。それよりもギルガルドに交代されたときにうまく受けられると特攻が下がったシャンデラが場に残ってしまうのもよくありません。めざめるパワー氷はこのパーティに出てきやすいガブリアスへ4倍で弱点を突くことができますが、ハリテヤマクチートヌメルゴンの全員がガブリアスを一撃で処理できる可能性のある技を所持しているため他の技を差し置いてまで採用するほどではありません。鬼火は不意打ちをうまくかわしつつ相手の弱体化を図る技ですが、トリックルーム状態で攻めきるパーティであるため鬼火を打たされているのはターンを有効に活用できていないようにも思えます。
努力値配分の方針としては耐久を気合いの襷に頼っているため削り役として機能するようになるべく特攻を高めつつ耐久調整は2発以上かかるものを意識したいと思います。特攻を最大付近まで上げることを意識した後で2発以上かかる攻撃で耐えたいものとして、まずすぐに思いつくのはメガガルーラの不意打ちです。これを耐えるようにしておかないとトリックルームをうまく決めたとしても先制技で縛られていてすぐに攻撃に転じることができません。そのため、HPではなく防御に大きく配分して物理耐久を引き上げられるようにします。ところが実際には物理耐久が少し足りないので特別な理由なく最大付近まで上げることにしていた特攻を少し下げることにします。H167D115メガゲンガーシャドーボールで1発にできるラインは特攻最大値とそこまで大きく変わらないためそこまで特攻を下げて、残りでA194メガガルーラの親子愛不意打ちを耐える確率が最も高くなるように配分した結果、上3つの乱数以外では耐えられるようになりました。A177メガガルーラの親子愛不意打ちは確定で耐えることができます。
特性はXYで新しくすりぬけが加わりましたが貰い火としました。トリックルームを貼っていない状態では相手のメガリザードンYが非常に辛いパーティであり、メガリザードンYの攻撃を無効化できず気合いの襷が削られてしまうのは非常にまずいです。すりぬけは身代わりを無視して攻撃を加えることができるので、身代わりの所持率が高く処理の難しいギルガルドに対して強いようにも思えますがオーバーヒートを採用するスペースもなく、身代わりを貼ってHPを消耗いているギルガルドシャドーボールで確定で倒すことはできません。また、すりぬけは身代わりを貫通して攻撃できるとは言うものの逆を言えば身代わりを壊すことができません。たとえば、身代わりを使ったガブリアスに対してすりぬけでシャドーボールを当てたとしても倒しきることはできず、シャンデラが倒れてしまい後続を繰り出したときにはガブリアスの身代わりが残ったままなので本体に攻撃を通せずに困る場面が出てきます。今回のシャンデラトリックルーム要員として採用しながら後発から攻撃役を繰り出すまでの削り要員として活躍してもらいたいので身代わりを壊すことができないすりぬけはむしろ欠点であると思ったことも貰い火で採用した理由になっています。
良かったところはまず努力値配分を防御に寄せてメガガルーラの不意打ちを耐えるようにしたことです。このおかげでトリックルームを決めた後も不意打ちに臆せず攻めることができる場面は非常に多かったです。悪かったところとしてはシャンデラに頼った結果、眠り粉やキノコの胞子に対する耐性がないことでしょうか。パンプジンオーロットと違って草タイプではないので、初手からモロバレルフシギバナを繰り出されて眠らされるパターンをケアしなくてはいけない点で非常に辛くなってしまっています。それでも攻める速度を考えればシャンデラ以外に適任は見つからなかったので仕方がないでしょうか。


>ヌメルゴン
おそらく構築の中でやや異彩を放っているであろうポケモントリックルームパーティで苦戦するであろうモロバレルギルガルドに強いポケモンを増やしたいところで特性の草食でキノコの胞子を受けずに高い特殊耐久でギルガルドと張り合えるヌメルゴンに着目しました。このパーティに選出されやすく汎用性も高めなガブリアスに対してもメガクチートでじゃれつくを打つ以外の処理パターンを作ることができる点が良くて、フェイントを覚えることでメガクチートの弱点であったトリックルーム中の守るに対して有効な行動がとれないという点を幾分カバーすることができるようになります。持ち物は絶妙な耐久を削らないようにしながら竜の波動でガブリアスを一撃で倒す火力を確保するために達人の帯としました。大文字や10万ボルトも仮想敵の弱点を突くための技なので有効に働きそうです。
技構成は先ほど挙げていたフェイント、ガブリアスを倒せる竜の波動、モロバレルギルガルドに対する打点となる大文字、マリルリファイアローに対する打点となる10万ボルトという構成になっています。
努力値配分は攻撃役としてまず特攻に大きく配分して残りは物理耐久を中心に耐久を上げるためにHPを上げることにします。達人の帯を持たせているおかげで10万ボルトでHPマリルリのHPを3/4以上削れる確率が高くなっていたり大文字でHP振りギルガルドがオボンの実を持っていたとしても2発で倒せるようになっていたので、やはり特攻の値は最大からほとんど落とすことができません。また、トリックルームが切れた状態で戦うことも多くなりそうなので、素早さに性格補正をかけていないマリルリ以外には先手をとられないように素早さに少し上げておきます。残りの努力値をHPを中心に配分したところでA146ファイアローの拘り鉢巻きブレイブバードを耐えるようになっていましたが、微調整をすれば威嚇の入ったマリルリのA112力持ちじゃれつくを耐えるようになるので特攻を1削ってその攻撃を最高乱数以外で耐えるように微調整を行いました。副産物としてC194サザンドラの流星群を最高乱数以外で耐えるようになっています。
良かったところとしてはまずフェイントを採用したことです。この技で相手を仕留めたこともありその相手が守るを使っていたことやそれが先制技の優先度で出ることで縛り関係が変わることがありました。2連守るを使ってくる相手にもフェイント+攻撃で確実に仕留める立ち回りをすることができたり相手の不意打ちをかわす手段としても有効に活用できました。また、キノコの胞子や眠り粉に交代で出せるポケモンを採用したことも非常に大きく、トリックルームを使ったシャンデラの交代先として扱うことも多かったです。
悪かったところとしては大文字を打つ場面がどうしても多くなってしまうことです。この構築においてヌメルゴンは攻撃役でありながら他のポケモンに比べると補完的な立ち位置にいるため特定の相手を狙って倒すことが多くなります。その対象は先に挙げた通りにモロバレルギルガルドであるためそれらに抜群を突ける大文字の使用回数はタイプ一致の竜の波動よりも多くなります。大文字の命中率は85と不安を残す値なので試合数を重ねるうちに大文字をはずしたことでモロバレルギルガルドを処理しきれないということが非常に多かったです。ギルガルドを倒す場面の多くは削れているところを攻撃するかブレード状態になるのを狙って一撃で倒すかになるので命中率が安定している火炎放射でも良さそうな気はしますが、食べ残し回復を挟まれてしまった場合にギルガルドを2発で処理することができなくなりますし、「このポケモンは大文字のダメージで倒すからこれ以上蓄積は与えなくていい」という前提で立ち回って隣を動かしやすくしていた場面は多々あったはずなので火炎放射にするのが正解だったとは一概に言えないでしょう。
また、これは良い点でも悪い点でもありましたが、対戦相手から見たときのヌメルゴンへの先入観を考慮することができていなかったように思えます。今回のヌメルゴンには達人の帯を持たせた上で攻撃範囲を優先した技構成にしましたが、ヌメルゴンと言えば突撃チョッキや拘り眼鏡を持っているイメージを抱いている方も多いでしょうか。突撃チョッキや拘り眼鏡は持ち物の性質上守るを使えないことが多いことからヌメルゴンが守るを持っていないと強気に攻める立ち回りをとってくる方が多かったように思えます。逆に、突撃チョッキを持っている場合は優先的に処理をしないと特殊ポケモンだけで詰まされると判断したのかヌメルゴンを優先的に倒しにくる立ち回りをとる方もそこそこいました。その先入観のおかげで助かった試合もあれば困った試合もあったのですが、立ち回る際にもう少しこの部分を考慮できていればと思いました。




ということで、ここからは実際に対戦をしてみた感想などを。


1日目は好調な滑り出しをしたのですが、2,3日目は1日目と比べると運は良くない方でした。運が良くないと取り返すために無理した立ち回りをしなくてはいけなかったり、逆に無理した立ち回りを強いられて命中率に左右されるような場面が多くなってしまいますが、レートが上がって高いレートの人と当たりやすくなった結果そういう場面が増えてしまったのが要因です。しかし、この程度のことならどんなパーティを使っても起こりうることであり、何が良くなかったのかと言えば勝つためにやることは明確なもののそれをするための立ち回りが安定したパーティではなかったことでしょう。
先に純正トリパが逆風である理由に書いた通り、ガルーラ・ファイアローギルガルドモロバレルなど使用率の高いポケモンは自然と純正トリパに何かしらの対抗手段を持っていることが多いです。それでいて実際にそれらを使っている対戦相手の立ち回りがすべて同じかと言えばそうではなく、一つ立ち回りでうまくいったのが別の相手には通用しないことも多いです。そのため、シビアな読みを強いられる場面が非常に多くなり、これが少し前に書いた無理した立ち回りとなっているように思えます。
これが顕著に表れているのは2〜4日目における勝率はほとんど変わらないものの4日目だけ極端にレートが上がっていることで、実際に2,3日目はレートが自分より低い相手に無理した立ち回りやシビアな読みを強いられて負けてしまうことが多くなっていました。
また、運が良くないと感じてはいましたが今回の構築は運が良いと感じる場面に遭遇しにくいと思います。先ほど書いたような使用率が高くトリパに対して自然と対抗手段を持っているポケモンは「恩返し、ブレイブバードシャドーボール、キノコの胞子…」とすべて命中率が安定している技を中心としているのでこちらが不確定要素を引く場面は少なく、こちらが攻撃をする際にもトリックルーム5ターンを見据えて蓄積がどれくらい必要かを計算しているので削り役が攻撃を急所に当ててもトドメ役が結局一撃で薙ぎ払ってしまうため急所や追加効果という恩恵を受ける場面は少ないです。そのせいで、この構築を使っている際は運が良い場面にはあまり遭遇しないという点で、不利な不確定要素運ばかりが目立ち運が良くないように感じやすいと思います。
因みに、ゴチルゼルをほとんど選出しておらずシャンデラばかり選出していましたが、トリックルームを選んだにも関わらず不確定要素でシャンデラトリックルームを決められなかった試合は3回しかありませんでした。こう聞くとかなり少ないようにも思えますが、実際には初手でそのような技を使われること自体が5回くらいしかありませんでした。


自分の立ち回りに関して言えば、毎回シビアな読みを強いられてしまったのが良くないとは言ったものの、立ち回りを完璧に行ってもこれは絶対に勝てなかったという試合は振り返る限りは3試合しかないため、この構築を使う際の「立ち回りを頑張れば…」を実現できていれば十分に代表を狙えるような戦績になったと思います。つまり、相手を考慮した上で相手の行動を的確に読む能力が足りなかったということで精進が必要なのですが、もっと単純な凡ミスをいくつもやらかしているので、それに関して注意しなくてはなりません。
具体的に挙げてみると…
・制限時間内に技を選択できなかった(2回)
・迷うことなく意気揚々と選出を決めた結果、タッチミスでメガクチートを選出できていなかった
・相手の猫騙し持ちが初手に出てくることを想定した結果、実際に猫騙し持ちが出てこなかったのに出てきたものと勘違いして行動した
・見せ合い画面で対戦相手のガブリアスサザンドラと見間違えてしまい、トリックルームを貼らずに勝てると判断した結果、ガブリアスが出てきてそのまま完封されてしまった
という立ち回り以前の初歩的なミスを起こしているので注意力が足りていないとも言えます。1戦における集中力が足りないようにも見えますが、ポケモンに限らずこのようなケアレスミスを多発することにおいては自信があると表現してもいいくらいなので、どのように対策すべきは長年解決できていません。


そして、構築について。
勝つためにはトリックルームを貼って攻撃をするというのは明確になっているので選出段階でほとんど迷わない点は非常に良かったです。しかし、それで立ち回りを無理しなければいけない場面に多く遭遇しているというのは要するに取れる選択肢の幅が少ないということなので、構築としてはあまり良いものではないのかもしれません。XY発売直後に純正トリパを考えたときに「トリックルーム5ターンで決着がつかないから二度目のトリックルームを視野に入れて構築した方が良さそう」と思っていましたが、今回のルールでもそれは同じでだいたいはトリックルームが切れてなおメガクチートヌメルゴンが耐性のおかげで行動できたという場面は多かったです。そういう意味では素早さが遅すぎないヌメルゴンを採用したのは良かったと言えるでしょう。基本選出にトリックルームを使えるポケモンを2匹入れるのが理想でありながらなかなかそれはできず、できていたとしてもメガクチートが守るを持っていないので守る+トリックルームという建て直しを図れなかったりもします。
とはいえ、ゴチルゼルに挑発ではなく甘えるを入れていたこと以外は純正トリパとしてはそれなりに納得のいくものを作り上げた(私は眠さんが相談時に見せてくださった技構成や努力値配分を一つ一つ吟味して確認していっただけですが…)とは思えます。立ち回りを頑張りきれば負け試合を3つに抑えられたかもしれませんが、現実的に難しいことを考えると環境的に逆風な純正トリパの限界点はこの辺りにあるのではないかという風に感じています。


加えて、大会に臨む姿勢について。
一昨年は大会に出場できず、去年もwi-fi環境が安定していなかったのでちょこっと参加しただけで、レート上位を狙って対戦する経験は今回が初めてでした。今年はwi-fi環境を整備して大会中はエラーなく快適に戦うことができて、まずその経験ができたことは非常に良かったことに思えます。よく「対戦オフ会とレーティングは別物」という話を聞き、なんとなくそのようには感じるものの具体的に何が違うのかを明確に説明することができません。普段、レーティングをやっておらず対戦オフ会に向けて準備をすることが多いので、どういう立ち回りをするべきなのかなど違いが本当にあるのならそれを学んでおく必要があるように思えました。とはいえ、今回上位に食い込む戦績を残した方の中には対戦オフ会で見掛ける方も多数いるのでそこには違いはないかもしれませんし、構築の理想としては「環境や対戦相手によって強さが揺らぐようではいけない」とも思えるので当然そこはしっかり守りつつになります。
運は良くないようには感じていましたが、対戦すること自体が苦しいとは一度も思いませんでした。そんなこともあってか、ようやくWCS大会を経験できたということにどこかで少し満足をしてしまっている自分がいることに2日目を終わったところで気付いてしまいました。オフ会で優勝した際に「優勝したいのならば優勝するという野心を持つことは大切」というのを経験則的に感じているので、本当に勝ちを狙いにいくのであれば、そういう慢心や甘えというものは持ってはいけませんよね。
対戦オフ会に参加する際にも何度も課題に挙げている「期日までに納得できるパーティをしっかり用意する」というのもクリアできていませんでしたし、そういった管理能力も含めてこれが今の自分の実力だと受け止めて今後精進する必要がありそうです。


最後に。
この記事を書けるのも大会で80試合やりきれたのもその中でいい経験ができたのも、眠さんが私に構築相談を持ち掛けてくださったことが発端であり、その構築を使うことができたから辿り着いたレートの数字でもあるため、非常に感謝しております。
ふがいない結果で申し訳ないですが、本当にありがとうございました。