WCS2010準拠ルール 構築叩き台10選

以前、「WCS2009ルールの構築叩き台10選」記事を書きましたが、その際にWCS2010バージョンもやりたいと思っていたので。
WCS2010ルールは7年経った今でも人気のルールで、7/16の大正義オフのサブイベントで開催されたり、世界大会の場でも交流に使えるかと思います。


〜構築〜
【No.1 ルンパッパカイオーガ
【No.2 トゲキッスカイオーガ
【No.3 ドーブルディアルガ1】
【No.4 ドーブルディアルガ2】
【No.5 クレセリアグラードン
【No.6 ゴウカザルパルキア
【No.7 ユキノオーミュウツー
【No.8 ホウオウルンパッパ】
【No.9 アグノムギラティナ
【No.10 カイオーガグラードン



【No.1 ルンパッパカイオーガ

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ルンパッパ 草結び 宿り木の種 猫騙 守る 食べ残し
カイオーガ しおふき ハイドロポンプ 冷凍ビーム 拘りスカーフ
ギラティナO シャドーダイブ ドラゴンクロー 影打ち 守る 白金玉
メタグロス コメットパンチ アームハンマー 大爆発 守る ラムの実

【説明】
カイオーガの雨降らしの恩恵を最大限に活かした、このルールでまず最初に意識しておく必要がある組み合わせ。すいすいが発動したルンパッパの高速猫騙しで相手の動きを封じながら範囲攻撃のしおふきで攻めていく単純明快な戦術が基本となる。基本的なスペックは高いものの、多くのパーティには天候変化要員が採用されていることから、一方的に立ち回れる試合は少なく構築も立ち回りもシビアになる。
【解説】
猫騙し+しおふきで作ったアドバンテージを活かして勝つことを考えるので、後発には耐久・耐性に優れるギラティナメタグロスを置いて立て直しを図れるように。
カイオーガは至って普通の拘りスカーフ。ミラーを意識した雷の他、ルンパッパに水技を搭載していないことからHPが削れても打てるハイドロポンプを搭載。冷凍ビームはレックウザを意識して採用。他の技は濁流・吹雪・絶対零度辺りだろうか。
ルンパッパは役割から草結びと猫騙しを採用。特にディアルガパルキアを相手にする必要があったため、粘り強く戦える宿り木の種+食べ残しを選んだ。この技構成のルンパッパは最もメジャーではあるが、能動的に雨を降らせる組み合わせの中で採用する方が扱いやすいと感じる。
後発の1匹目はメタグロスユキノオーバンギラスに繰り出しすいこと、ルンパッパカイオーガではダメージを与えづらいディアルガアームハンマーで強襲できること、大爆発を使ってカイオーガを死に出しする立ち回りができること、など相性は良い。持ち物のラムの実は吹雪への後出しやドーブルを終盤まで温存された場合の対策として採用。
最後の1匹として、今回はオリジンギラティナを選択。カイオーガが苦手とする電気・草技を受けることができる点で相性が良い。アナザーフォルムと比べて、ルンパッパの処理速度が早いことが特徴的で、クレセリアグラードンに耐性をつけることができる。
最後の1匹はディアルガ・ホウオウ・ルギアなども候補に挙がるが、いずれにしても扱いの難しい構築になるであろう。


【No.2 トゲキッスカイオーガ

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
カイオーガ しおふき 濁流 吹雪 拘り眼鏡
トゲキッス エアスラッシュ 神速 電磁波 この指止まれ オボンの実
パルキア 竜の波動 ハイドロポンプ 電磁波 守る ハバンの実
バンギラス 岩雪崩 噛み砕く けたぐり 守る ヨプの実

【説明】
トゲキッスのこの指止まれを使ってカイオーガのしおふきを安全に通す戦い方をする組み合わせ。4世代のこの指止まれは猫騙しよりも優先度が高いので、HP満タンを保った状態でしおふきが打ちやすい。
後発として予想される組み合わせの一つはギラティナメタグロス、この組み合わせはカイオーガの弱点である天候変化や大爆発に耐性をつけられるようになる。今回はもう一つの有名な組み合わせであるパルキアバンギラスを後発に置くタイプを紹介。
【解説】
この指止まれで1匹の行動を犠牲にしているので、そこで受けるダメージを上回るような火力を出す必要があり、カイオーガの持ち物は拘り眼鏡や命の珠など火力を増強するものがほとんど。しおふきの火力にばかり目が行くが、弱点の少ないタイプと特殊耐久も優れており、水タイプの耐性を活かして不一致技でダメージを与えていく動きも強力(特にそれを象徴するのが素吹雪で、運が良ければ不利な状況をひっくり返せる必殺技と言える)。
トゲキッスはこの指止まれを使えるポケモンの中で最も耐久が高く、カイオーガが苦手なギラティナやルンパッパから大きなダメージを受けづらい点で相性が良い。電磁波があるとカイオーガを温存して終盤に使う動きができるようになり、ユキノオーヌケニンに打点を持つためのエアスラッシュとの相性も良い。カイオーガが守るを所持する場合は追い風も視野に入るだろうか。最後の技はゴウカザルなど気合の襷で耐えたポケモンを刈り取れる神速を採用しているが、トリパ対策に素早さを遅くしてアンコールを持たせたり、クレセリアを一撃で倒すために手助けを持たせるのも選択肢になる。
後発のパルキアバンギラスの組み合わせは他の構築でも採用されることが多い組み合わせで、どちらも半減の実を持つことで一撃死することがほとんどない。タイマンでの打ち合いに優れる。カイオーガの弱点を補うのであればギラティナメタグロスの方が優れているが、パルキアバンギラスの組み合わせの方が個々のパワーが高いため、カイオーガへの依存度が大きくない。
ダークホール対策が皆無なため、トゲキッスバンギラスがラムカゴを持つパターンも考えられる。トゲキッスのオボンの実は単純に発動機会が多いこと、ゴウカザルインファイト+パルキアの雷を耐えること、などから重宝する。


【No.3 ドーブルディアルガ1(トリックルーム)】

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ドーブル 猫騙 怒りの前歯 ダークホール この指止まれ 気合いの襷
ディアルガ 竜の波動 火炎放射 岩雪崩 トリックルーム ラムの実
ユキノオー 吹雪 草結び 宿り木の種 守る オボンの実
カイオーガ しおふき 吹雪 守る 黒い鉄球

【説明】
ドーブル+トリックルームの最もメジャーな組み合わせ。トリックルーム役は耐久と耐性に優れて攻撃能力も高いディアルガが多い。後発にはトリックルーム下での制圧能力の高さを考えてカイオーガが採用される。最後の1匹はユキノオーカビゴンパラセクトなど、一般枠もトリックルーム下での制圧力を重視して採用される。
【解説】
トリックルームのサポート役は猫騙しとこの指止まれを両立できるドーブルが適任。ダークホールもあるので放置されづらく、挑発を受けてもがむしゃらなどで切り返すことができる。今回挙げている怒りの前歯はディアルガの火炎放射と合わせてメタグロスを倒せる初見殺し技(東京大会の決勝戦でミーサさんが使用して勝利している)。また、トリックルームに関わらずメタグロスを一撃で倒す手段としては、手助け+大文字もある(手助けはバレットパンチよりも優先度が高いので気合いの襷発動後にも使用できる)。
ディアルガダークホールや吹雪による事故を防ぐためにラムの実が最もメジャー。トリックルームからすぐ攻撃に転じられるので、広く範囲を取るために攻撃技を複数持たせる構成になる。岩雪崩はカイオーガのしおふきでしか倒せないホウオウを意識。また、ラムの実と相性が良いことから眠るを搭載して2回目のトリックルームを狙う型も存在する。
カイオーガの持ち物は黒い鉄球であることがほとんど。素早さを最遅にしてもユキノオーメタグロスといったポケモンに先制されてしまうため、その対策であり、持ち物なしでも十分に火力のあるカイオーガだから成立する。しおふき・雷・守るはほぼ必須だが、最後の技は構築によって分かれることが多い。今回はユキノオーを採用していることから、攻め手を切り替えられる吹雪を採用。
ユキノオーカイオーガの水技が通りづらいときのアタッカー。吹雪の一貫性の高さやドラゴンタイプへの打点になることはもちろんだが、カイオーガ自身がHPが削れた際に吹雪をメインウエポンに切り替えることができるのがポイント。宿り木の種はハピナスクレセリアを意識しているが、絶対零度を採用するのも悪くはない。
特殊に寄り過ぎていることから物理主体のカビゴンを採用する形も同様に多くみられる(因みに、先述のパラセクトだが怒りの粉は4世代には存在しない)。稀にだが、矯正ギプスを持つ見切りドーブルも存在しており、トリックルームの阻止を諦めて初手でドーブルを処理しようとする立ち回りに対しては刺さる。


【No.4 ドーブルディアルガ2(拘り眼鏡)】

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ドーブル 猫騙 絶対零度 ダークホール キノコの胞子 拘りスカーフ
ディアルガ 流星群 竜の波動 大文字 波動弾 拘り眼鏡
ユキノオー 吹雪 草結び 宿り木の種 守る 食べ残し
パルキア 竜の波動 ハイドロポンプ 守る ハバンの実

【説明】
拘りスカーフを持たせたドーブルの先制ダークホールで相手を眠らせて、拘り眼鏡ディアルガの一貫性の高いドラゴン技で攻めていく攻撃的な組み合わせ。先に紹介した通り、この2匹はトリックルームを使う組み合わせとしても優秀であり、2パターンを安定して同時に対処するのが難しいところが強力である。拘りスカーフドーブルの弱点は拘りスカーフカイオーガであることから、後発にはユキノオーパルキアを採用してカイオーガをしっかり受け止められるようにしている。
【解説】
ドーブルと言えば耐久が低く脆いイメージがあるが、ちゃんと努力値を振り分ければグラードンの75%地震ディアルガの竜の波動程度の攻撃を耐えることができる。そのため、ラムの実やカゴの実を持って眠り対策をするポケモンにはドーブルを一撃で倒せる攻撃力が求められているが、隣にいる拘り眼鏡ディアルガの攻撃まで耐える必要があるため対策が難しくなっている。ダークホール以外の技は比較的自由。
ディアルガは耐性が優秀で、苦手な格闘ポケモンはラムの実を持つことが少ないため拘りスカーフドーブルとの相性が良い。拘り眼鏡流星群は非常に強力で、このルールの耐久調整の目安であるカイオーガの雨75%しおふき耐えポケモンを一撃で葬ることができる。連打できる竜の波動とラム持ちメタグロスを一撃にする大文字はほぼ必須だが、最後の技は範囲攻撃の吹雪なども候補になる。波動弾はやや重めなカビゴンバンギラスを意識。
この構築においてドーブルはかなり大事に扱う必要があるため、初手でカイオーガと対面した場合は交代することになる。そのためカイオーガに安定して繰り出せるポケモンとしてユキノオーを採用している。この枠にはドクロッグが採用されることもあり、確かにカイオーガの水技を無効化することはできるが、隣にいる拘り眼鏡ディアルガが激しく消耗してしまう。ユキノオーの場合は天候を変えることでディアルガの消耗を抑えることができる点が魅力的である。また、天候を奪うことでドーブルがルンパッパに先制できるようになったり、グラードンに対しても圧力を掛けられる点が強い。この構築で東京大会を準優勝した@さんのユキノオーは防御に厚く振ることでトリックルームに対しても戦えるような工夫がされていた。
最後の1匹は攻守に優れたパルキア。そのスペックの高さを活かして構築の手が届きにくいところに無理をさせることになる。ハイドロポンプはホウオウを対策する目的で、天候を変えられるユキノオーを採用する理由はここにもある。因みに、ここまで登場したパルキアのドラゴン技が亜空切断ではなく竜の波動である理由だが、個人的に竜の波動が好みであることが大きい(特性プレッシャーが多いこのルールにおいては、PPが多いことが重要だと考えている)。


【No.5 クレセリアグラードン

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
クレセリア サイコキネシス 電磁波 威張る 眠る カゴの実
グラードン 地震 岩雪崩 身代わり 守る ラムの実
パルキア 竜の波動 ハイドロポンプ 守る ハバンの実
バンギラス 岩雪崩 噛み砕く けたぐり 守る ヨプの実

【説明】
素早さが中途半端なグラードンクレセリアの素早さ操作でサポートする組み合わせ。クレセリアが浮遊なのでグラードン地震を打ちやすく、グラードンで天候を奪うことでクレセリアもHP管理に余裕が持てる。クレセリアの素早さ操作技は、電磁波・凍える風・トリックルームが存在するが、ここでは電磁波を撒く型を紹介。トリックルームを使う場合はユキノオーやホウオウが採用されていることが多い。
【解説】
クレセリアの素早さ操作技は電磁波。グラードン地震を打ちやすい環境を作るためにもクレセリアが場に残ることは重要で、電磁波を撒く間に削られたHPを眠るで回復できるようにしている。攻撃技がサイコキネシスなのはゴウカザルを意識(バンギラスの砂ダメージと合わせて倒す)。威張るはグラードンの火力補助だけでなく、場に残っても腐らないようにするために必要な技でもある。
グラードンの持ち物はドーブルディアルガの組み合わせに強くするためにラムの実。足りない火力をクレセリアの威張るで補うことができる。拘り眼鏡を持つディアルガに強くするためには性格を慎重にするか素早さに振るかのどちらかだが、慎重では火力が物足りず、素早さ振りをした場合は威張るコンボのためにクレセリアをより素早くしたいので努力値配分が難しいところ。
パルキアカイオーガを受けるために採用。補完で採用するのに便利なポケモンなのであまり語ることがない。
バンギラスユキノオーに繰り出しやすいポケモンとして採用。高い特殊耐久でドラゴンタイプとも打ち合うことができる。攻撃面でもクレセリアグラードンでダメージを与えづらいルギア・ギラティナに強く出ることができたり、クレセリアの電磁波と岩雪崩の相性が良いところも魅力的。
個人的に電磁波型が好みなのは、グラードンにラムの実を持たせてドーブルディアルガに強くできることが大きい(カイオーガ同様、トリックルームを使う型には黒い鉄球を持たせたいので、ドーブルディアルガに安定しなくなる)。


【No.6 ゴウカザルパルキア

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ゴウカザル インファイト オーバーヒート マッハパンチ 猫騙 気合いの襷
パルキア 流星群 竜の波動 吹雪 拘り眼鏡
ギラティナ 竜の波動 鬼火 瞑想 眠る カゴの実
メタグロス コメットパンチ バレットパンチ アームハンマー 守る イバンの実

【説明】
猫騙し+高速ドラゴンというテンプレの中でもドラゴン技を受けられるメタグロスに強いゴウカザルと伝説ドラゴンの中で最速であるパルキアの組み合わせ。パルキアカイオーガに耐性があり、猫騙しで相手の展開を妨害できることから、初手から不利な対面になることが少ない。後発の組み合わせも自由度が高いが、今回はギラティナメタグロスを選択。
【解説】
ゴウカザル猫騙し使いの中でも強力なポケモンで、隣に置くドラゴンが苦手なメタグロスに打点を持てること、パルキアに先制できること、ドラゴンが等倍のディアルガに打点を持てること、が優秀。ドーブルを対策するためにマッハパンチを持たせているが、守るやアンコールも選択肢に入る。
パルキアは今回は拘り眼鏡を選択。単純に猫騙し+高火力という並びは相手に隙を見せづらいことが大きい。素直にハバンの実を持って安定感を持って戦う型も多い。
後発1匹目はギラティナ。ルンパッパカイオーガの組み合わせに対して、ゴウカザルの交代先として使いたいことが大きな理由として挙げられる。パルキアに拘り眼鏡を持たせて相手ドラゴンの処理速度を早めていることから、ギラティナは対ドラゴン以外に強い瞑想眠る型で採用。ゴウカザルパルキアに守るがなくトリックルーム時のグラードンの対処が難しいため、鬼火を採用している。
後発2匹目はメタグロスパルキアがドラゴン技を受ける交代先として重宝する。ラティオスが苦手なのでコメットパンチとバレットパンチを採用。ギラティナとの並びでしか大爆発を使えないので不採用として、ディアルガへの打点となるアームハンマーを採用している。
対応範囲の広い組み合わせだが、ミラーが不毛である。それに対して意地っ張りゴウカザル+最遅パルキアトリックルームを使う組み合わせも存在して、後発にはカビゴンカイオーガを配置することが多い。


【No.7 ユキノオーミュウツー

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ユキノオー 吹雪 草結び 氷の礫 守る 気合いの襷
ミュウツー 吹雪 大文字 守る 命の珠
ドクロッグ けたぐり 不意打ち 猫騙 守る 黒いヘドロ
カイオーガ しおふき 濁流 冷凍ビーム 拘りスカーフ

【説明】
素早さが遅いユキノオーで天候を霰状態にして、ミュウツーと並べて範囲攻撃の吹雪を中心に攻める組み合わせ。伝説枠で氷技を半減できるのはカイオーガのみなので、吹雪の一貫性はかなり高い。後発に拘りスカーフのカイオーガを置くことで、吹雪で削り切れなかった相手を一掃できるようになる。最後の1匹はユキノオーが苦手なバンギラスに強いこと、ミュウツーカイオーガがトリパに弱いこと、からメタグロスが採用されるケースが多いが、個人的にはドクロッグを採用する形が好み。
【解説】
ユキノオーカバルドン以外の天候変化要員より素早さが遅いので、相手が素早さを下げる持ち物を持っていない限りは、初手で天候を霰状態にできる。初手でユキノオーにとって不利な対面になっても動けるようにしていないと、耐久の低いミュウツーカイオーガへの負担が大きくなってしまうため、持ち物は気合の襷。氷の礫の枠は必須ではないものの、他で採用する価値がありそうなのは寝言くらいか。
ミュウツーは吹雪が使えるポケモンの中で最も特攻・素早さが高いポケモン。後発カイオーガの攻撃圏内まで削ることが役割となるため、パルキアに先制してダメージを入れられるところが特に大きな採用理由となる。サブウエポンも豊富なので、氷技に耐性のあるメタグロスカイオーガを意識してサブウエポンには雷や大文字を持つことが多い。性格を控えめにして火力を高める方針も悪くないが、マニューラアグノムが厳しくなる。また、稀に自爆する型も存在する。
カイオーガは拘りスカーフ。水技を受けられる草・ドラゴンに先発の吹雪が刺さるため、削り切ったところに繰り出していきたい。グラードンに薄い構築なので、性格を控えめにして必要な火力を確保した後、残りを耐久に回すことで後出しがしやすくなる。
最後の枠にはメタグロスが採用されることが多いが、それでは対カイオーガに不安が残る。特に、カイオーガ対策のユキノオーを先発で繰り出しているので、カイオーガに天候を奪われた場合にカイオーガを受けるのが困難になってしまうところが気がかりである。それを解消できるのがドクロッグユキノオーが苦手なバンギラスに交代で繰り出すこともできて、猫騙しでトリックルームのターンを稼げることから、メタグロスに持たせたい役割をおおよそ網羅できている。耐久に厚く配分して黒いヘドロ・乾燥肌を合わせれば場持ち性能はかなり高い。
ミュウツーは「相手に1発で倒される可能性があるが、相手を1発で倒せない」ポケモンなので、できれば素早さの高いポケモンと並べて反撃を受けることを避けたい。そういう意味でユキノオーミュウツーの組み合わせはあまり好みではないが、ミュウツーの使い方としてこれより強い組み合わせはまだ研究ができていない。


【No.8 ホウオウルンパッパ】

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ホウオウ 聖なる炎 ブレイブバード 身代わり 守る 食べ残し
ルンパッパ 草結び 宿り木の種 猫騙 守る ラムの実
パルキア 竜の波動 大地の力 トリックルーム 守る ハバンの実
バンギラス 岩雪崩 噛み砕く けたぐり 守る ヨプの実

【説明】
バンギラス以外の頻出一般枠に強いホウオウを採用した構築。ホウオウが苦手なカイオーガに対してルンパッパで睨みを利かせつつ、猫騙し+身代わりでテンポをとる戦術が基本となる。後発は安定感のあるパルキアバンギラスの組み合わせ。ルンパッパがカイオーガを一撃で倒すことができないため、ホウオウの交代先として水技を受けられるポケモンが欲しいことからパルキア。ルンパッパの交代先としてドラゴン技や吹雪を受けるポケモンが欲しいのでバンギラスを採用した形。
大火力が飛び交うGSルールの中でも珍しいバランスパーティとなっている。
【解説】
メタグロスユキノオー・ルンパッパなど頻出の一般ポケモンに強いことがホウオウの大きな特徴。カイオーガには強くないものの、特殊耐久が高いのでドラゴンタイプとも打ち合うことができる。有利対面で身代わりを使う動きが強く、プレッシャーも相まって食べ残しとの相性は良い。
ルンパッパはホウオウが苦手なカイオーガを対策するポケモン。すいすいが発動していない状態だと貧弱だが、猫騙しでホウオウをサポートできるところが強力。ドーブルカイオーガ対策を厚くするためにラムの実を持たせることが多い。
後発のパルキアにはトリックルームを採用。素早さ操作技も先制技もない構築でパルキアより素早いポケモンが1匹もいない点が気になり、不毛な同速を避けつつ構築全体でパルキアに強くすることができる。サブウエポンは対メタグロスバンギラスを考えて大地の力。
最後のバンギラスはテンプレの構成だが、単純にバンギラスの性能が凶悪なので、パルキアトリックルームを利用して積極的に暴れる展開を作れるのは大きい。
ほとんどの構築に大きく不利をとらないところがポイントだが、こちらから一気に崩す動きができないため全体的に後手に回る展開になりがちである。


【No.9 アグノムギラティナ

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
アグノム サイコキネシス 大爆発 挑発 見切り 気合いの襷
ギラティナ シャドーダイブ ドラゴンクロー ストーンエッジ 神秘の守り 拘りスカーフ
メタグロス アームハンマー バレットパンチ 大爆発 守る オボンの実
ディアルガ 竜の波動 大地の力 守る 命の珠

【説明】
ギラティナシャドーダイブで相手の守るを打ち破り大爆発を通していく戦術を基本とした構築。4世代の大爆発は相手の防御を半分の値にしてダメージ計算を行う強力な技であり、シャドーダイブと合わせることで大爆発の弱点である守るを対策することができる。ギラティナ自身がゴーストタイプで大爆発が効かないからこそ成り立つ戦術である。
【解説】
ギラティナの持ち物は拘りスカーフ。シャドーダイブ+大爆発という動きを通す上で、相手に動かれる前に動いた方が強いのは明らかである。ギラティナの火力ではドーブルを一撃で倒すことができないため、神秘の守りを持たせてダークホールを防ぐ。ストーンエッジはホウオウ対策。
初手で繰り出す大爆発役にはアグノムを選択。大爆発使いとしてはマルマインに次いで素早さが高く、特にギラティナが苦手なパルキアに先制できるのは大きい。サイコキネシスは気合いの襷を削る技として採用している。挑発はトリックルームを防ぐために採用しているが、自ら相手の守るを封じて大爆発に繋げる動きも可能になる。吹雪+霰ダメージを耐えるために性格はせっかちが推奨。
後発に置いたメタグロスギラティナとの縦の相性が良い。大爆発を半減するディアルガバンギラスに繰り出しやすいところが優れており、こちらもシャドーダイブ+大爆発というコンボが使える。持ち物をオボンの実にしたのは対ディアルガの打ち合い性能を上げるため。大爆発を耐えたポケモンを処理するバレットパンチと対ディアルガアームハンマーが必須であるため、コメットパンチを不採用とした。
2匹目の伝説枠として選んだのはディアルガカイオーガに耐性のあるポケモンを採用したいのでパルキアも候補ではあるが、アグノムメタグロスが相手のギラティナに干渉できないため、ギラティナへの強さを重視してディアルガを選んだ。シャドーダイブ+大爆発で頭数を減らした後の締め役として使うため、タイマン性能を上げるために命の珠を持たせた。ディアルガバンギラスにダメージが入りやすい大地の力を採用しているが、対ヌケニンという意味では火炎放射を選ぶべきかもしれない。
メタグロスを先発に置く形もあり、その際は拘り眼鏡を持つディアルガカイオーガを見据えて気合いの襷を持ったり、メタグロスがスカーフを持ってギラティナが瞑想する組み合わせも存在する。しかし、先発でメタグロスを失うと終盤に相手のバンギラスユキノオーが重たくなりがちなので、個人的には上手く扱えるイメージがない。


【No.10 カイオーガグラードン

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
ルンパッパ ハイドロポンプ 草結び 宿り木の種 身代わり 命の珠
カイオーガ しおふき 冷凍ビーム 守る パワーアンクル
クレセリア サイコキネシス めざめるパワー炎 トリックルーム 手助け オボンの実
グラードン 地震 岩雪崩 投げつける 守る 黒い鉄球

【説明】
最遅カイオーガで確実に天候を奪い、雨の恩恵を受けるルンパッパで邪魔な相手を排除した後にトリックルーム展開に持ち込む。トリックルーム要員としては最も安定感の高いクレセリア、もう一つの伝説枠にグラードンを採用したパワーの高い構築になっている。No.1でルンパッパカイオーガを取り上げたが、スイッチトリル展開できるこちらの構築も頭に入れておく必要がある。
【解説】
ルンパッパは命の珠を持たせることで、カイオーガのしおふきに匹敵する火力を持つことができる。通常のルンパッパカイオーガと違って、カイオーガが最遅で動きづらいことから、カイオーガをサポートする猫騙しは不採用。身代わり+宿り木の種とすることで構築で重めなギラティナに強くなれる。
カイオーガはルンパッパを動かしやすくするために最遅パワー系アイテム。クレセリアに交代してトリックルーム展開を見据えることになるが、アタッカーとしてグラードンも控えているため、場合によっては雑に扱っても問題なさそう。
グラードンも最遅の黒い鉄球持ち。これはクレセリアギラティナに対して投げつけるで強襲したいこともそうだが、やはりトリックルーム時にメタグロスなどに先制されてしまうことを防ぐための持ち物である。手助け75%地震でHP振りのメタグロスバンギラスが一撃になるため、攻撃に振り切った配分で使いたい。
クレセリアは穏やかHCを推奨。基本的には手助けを絡めて伝説ポケモンの範囲攻撃を後押ししていくことになるが、伝説2匹が共にルンパッパ・ユキノオーが苦手であるため、守りながらクレセリアで削りを入れる動きをできるようにしたいからである。耐久に不安は残るが、天候は雨を奪いつつルンパッパが相手カイオーガに睨みを利かせることができるので、クレセリアが大ダメージを受ける展開にはなりづらい。めざめるパワー炎はユキノオーヌケニンを見据えて採用している。


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【紹介しきれなかった組み合わせ】
クレセリアカイオーガ
守る+トリックルーム、手助け+スカーフしおふき、の二択が強力。後発にはディアルガカビゴンドサイドンなどを置いてトリックルーム展開に持ち込むことが多い。


ドーブルギラティナ
パワフルハーブシャドーダイブ+大爆発。ドーブル猫騙しでギラティナの追い風をサポートして、タイプ一致の大爆発を使う。ダークホール+瞑想の組み合わせもあって、そちらも強力。


ワタッコグラードン
黒い鉄球で天候を奪取してワタッコの眠り粉で相手を眠らせていく。グラードンユキノオーカイオーガに弱いので、後発にはルンパッパホウオウを置くことが多い。


○ルンパッパルギア
耐久の高いルギアで電磁波を撒いて戦う、対カイオーガを考えて隣にはルンパッパ。ルギアは火力がないため、後発にはカイオーガディアルガなどの伝説を置いて火力を補完することが多い。


レックウザメタグロス
レックウザのエアロックを活かしてメタグロスを動かしていく。大爆発と神速の相性が良い。後発にはカイオーガヌケニンを置くことが多い。


ラティオスディアルガ
高火力ドラゴン2匹で流星群をぶっ放す。特殊耐久に特化したクレセリアを一撃で葬ることができるのがポイント。後発にはメタグロスパルキアカイオーガなどが採用される。