5/20~26に開催されたサイマルさん主催の「ゲッコウガ1on1大会」に参加しました。
ルールはお互いにゲッコウガ1匹のみを選出するシングルバトル。ポケムーバーで連れてきた過去作のポケモンも使用できます。
12人で総当たりを行って、結果は7-4で同率2位でした。まずまずの戦績に見えますが、実際の対戦において同速で試合が決することが非常に多く、そういう試合をせざるを得ない型しか発掘できなかった意味ではもどかしい気持ちがあります。
~パーティ~
ゲッコウガ
○ゲッコウガ へんげんじざい
148-140-94-×-91-191 H.4 A.196 B.52 D.4 S.252
ダストシュート、かげうち、あなをほる、まもる@ドクZ
【構築概要】
素早さを最速にしてZダストシュートの一撃で相手を倒すことを狙う型。
変幻自在を利用したZ技の選択肢が広いことから1発耐えて反撃を狙う型の考案が難しく、同速を割り切って先にZ技を叩き込んで相手を倒す型を選択。最速Z型以外に勝てるようにするのは当然のことながら、最速Z型でミラーした場合にも1回だけ同速に勝てば済むようにすることを意識しました。
この型で対戦して傾向を掴んでから再考する予定でしたが、結局11試合のうち10試合をこの型で戦いました(戦績は7-3)。
【構築経緯】
種族 | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | タイプ | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ゲッコウガ | 72 | 95 | 67 | 103 | 71 | 122 | みず/あく | げきりゅう/へんげんじざい |
これが使用できるポケモンの情報です。
弱点は草・電気・格闘・虫・フェアリーの5種類で、そのうちゲッコウガが使用できる攻撃技はめざめるパワーを除くと草結び・けたぐり・蜻蛉帰りの3種類。ただ、これらの技は元の威力が低いため、Z技を含めて強化アイテムを絡めないと基本的には無振りゲッコウガすら倒すことができません。最大打点となるのはギガインパクト及び破壊光線で、これであれば無振りゲッコウガは倒せる可能性があります。
次に特徴的なのは特性の変幻自在です。上記の通り耐性を整理しましたが、相手が選んだ技によってタイプが変わるため、想定通りにダメージを与えられない状況が起こり得るでしょう。また、どの技もタイプ一致で打つことができるのでZ技の候補が非常に多くなります。
これらを踏まえた上で戦略を考えます。タイマンを考える上では「先制して倒す」「耐えて反撃の一打で勝つ」が基本になります。
まず「先制して倒す」ですが、先制する手段は「拘りスカーフ」「先制の爪」「同速勝ち」の3種類になります。このうち先制の爪は火力を強化できないため相手を1発では倒しづらく、強化アイテム+同速勝ちの劣化か耐えてからの反撃の考え方になるため候補からはずします。
次に「耐えてから反撃の一打で勝つ」ですが、素直に弱点を突くタイプのZ技を打たれた場合は半減実か気合いの襷を用いないと耐えることができません。それ以外の場合は守るや影打ちやど優先度の高い技を使って攻撃をやり過ごすことになります。
これらの要素を満たすことを基準にしたのですが、変幻自在+Z技で出せる火力が高いことから想定しなくてはいけない範囲が広いため、全てに対応するのは難しいです。そのため、環境に多いであろう型を見極めてそれに強い型を採用することが最も勝率を高めるために重要なことだと思いました。そして、今回はパーティ変更が可能であることも踏まえて、最初の何戦かで対戦相手の傾向を見て残りの試合で最も勝てそうな型を考案することにしました。
そのためにまず「最初の数戦で様子見をしつつある程度勝てそうな型」を考える必要があるのですが、最速でZ技を叩き込んで先に相手を倒す型が良いと考えました。ただの不毛な早打ち対決になる可能性も高いですが、そもそも相手のゲッコウガに最速が多いかどうかも蓋を開けてみないと分かりません。様子見の数戦の勝率が5割に落ち着いたとしても残りを全勝できれば十分に優勝を狙えると考えて、最速Z型のミラー以外を有利に戦える型を最速Z型を考えることにしました。
まず拘りスカーフ型は一定数存在すると予想していたので、それに負けないように初手は守るを選択することにしました。拘りスカーフ型で予想される技は「破壊光線・ギガインパクト・ダストシュート・蜻蛉帰り・岩雪崩」(相手を1発で倒すまたはタイプを変化させて反撃を耐えながら2発で倒す)辺りですが、拘りスカーフ型でない場合はこれらの技を選択するメリットがあまりありません。そのため、初手でこれらの技を使うポケモンは拘りスカーフと判断して良いと判断したので、守るで型の判別が可能と考えました。
次に何タイプのZ技を使うかを考えますが、Z技の媒体とする技の候補としてはダストシュートとハイドロカノンになりました。火力が高い技の候補としては破壊光線(ギガインパクト)もありますが、ノーマルZの場合は影打ちでかわされてしまう可能性があります。先述の通りこちらの初手は守るですが、その際にZ技で貫通ダメージを受けてしまいます。上手く影打ちなどを合わせられてこちらのZ技が無効化されてしまうと、媒体元の技で相手を倒しきる必要があり、Z技型は過剰な火力を耐久に按分する可能性も十分に考えられたので、ダメージが0になる可能性があるZ技は不採用にしました。2つの中からダストシュートを選択したのは「初手クサZで相手が草タイプになった場合に水技では倒せない」「特殊技は突撃チョッキで耐えられる可能性がある」「毒守る型を自分で考えていたがそれに対してドクZで毒タイプになる動きは強い」というのが理由になります。
ということで、2敗するまでを目安にこの型で対戦したところ、5-1という戦績で折り返してしまいました。とはいえ、その内訳は同速に勝ったことによるものがほとんどでした。そのため、型の再選定は行おうと考えていたのですが、途中経過を見渡してみると私の残りの対戦相手の多くが最速Z型を使っていた方々に戦績が良くないように見えたので、このまま最速Z型を使う方が良さそうだと判断して結局残り試合も同じ型を使い続けました。
【個別解説】
★ゲッコウガ
<持ち物:ドクZ>
先述の通り、先制して相手を一撃で倒すことを目指すためZ技。
その中で無効・半減になりにくいことを重視してドクZを選択。
<技構成:ダストシュート、穴を掘る、影打ち、守る>
Z技の媒体となるダストシュート、拘りスカーフ型を見極めるための守る、拘りスカーフを見極めた後に破壊光線のPPを切らすための影打ち、ダストシュートや岩雪崩など毒技を半減する相手への打点となる穴を掘る。初手守るから入る関係で身代わりにはかなり弱いのですが、運が良ければ「同速勝ち穴を掘る+同速負け穴を掘る」で安全に身代わりを破壊できる可能性を残せます。
因みに、穴を掘るは6世代限定の技マシンになるため、ポケムーバーを利用できないルールでは使用できません。
<実数値:148-140-94-×-91-191 H.4 A.196 B.52 D.4 S.252>
素早さ最速。穴を掘るでH148-B88ゲッコウガ1発(14/16)。A147ゲッコウガの辻斬り耐え(15/16)、A161ゲッコウガのダストシュート+毒ダメージ1回耐え(10/16)。C170ゲッコウガの草結び耐え(15/16)。
Zダストシュートを守るや影打ちでかわされても次のダストシュートや影打ちで少し耐久に振ったゲッコウガ程度なら倒すことができるので、同速勝負になったとしても1回同速を制すれば勝てる型になります。
【構築総評】
「一度同速を制すれば勝てる」を目指しただけあってか同速運にも恵まれましたが、ただ上振れただけの戦績なので満足はできません。
「何の対策を諦めるか」の判断が下手なことをあらためて痛感しました。カクトウZの存在を頭から切り離すことができず「最速+初手守る」「特殊耐久振り+初手影打ち」のいずれかから型を考えようとしていたことが思考を狭めていたようです(カクトウZは初手守るに対して強い行動なので一定数存在してもおかしくないと考えていた)。実際、カクトウZは11人中1人しかおらず優勝者はカクトウZを諦めたHDベース物理Z型だったようなので、優勝するべくしての優勝だと思いました。
Wi-Fi大会「Let's Goピカチュウ・Let's Goイーブイ」でもそれが下手で勝ち切れない部分があっただけに、こういうルールを色々と取り組んでみて取捨選択の能力を上げるべきかもしれません。
【感謝】
サイマルさん:主催、行動力がえらい
参加者の方々:対戦中はただの早打ちで面白くないこともありました()が、そもそも企画がないと考察を楽しむこともできませんし参加者がいないと対戦も発生しません
【おまけ:その他考察した型】
○ゲッコウガ いじっぱり へんげんじざい
179-150-89-×-97-146 H.252 A.172 B.12 D.44 S.28
いわなだれ、ダストシュート@こだわりスカーフ
・岩雪崩でH148-B88ゲッコウガ1発(255/256)
・A161ゲッコウガのギガインパクト耐え
・C155ゲッコウガのZ破壊光線+水手裏剣2回耐え(251/256)
・A155ゲッコウガの水手裏剣5回耐え(全て最高乱数以外)
・ミラー意識の素早さ振り
<ひとこと>
拘りスカーフ岩雪崩で相手を2発で倒す型。スカーフで先制できたとしてもギガインパクト(破壊光線)でないと一撃で仕留められないが、影打ちでゴーストタイプになられると負けてしまう。そのためスカーフ型は耐久に配分しながら相手を2発で倒すことを狙うのが基本になる。
岩雪崩は先制して岩タイプになることでノーマルZやドクZといった高威力で相手を倒すことを狙うZ技を半減で受けることができて、それ以外の場合も怯みで2回分の行動を稼いで勝ちを狙える可能性があるのが良いところでしょうか。
とはいえ技固定になるのが拘りスカーフの弱点で、守るで様子見をされた後に対処されたり、岩タイプになると水手裏剣で倒されやすくなってしまうのが難しく感じました。
○ゲッコウガ しんちょう へんげんじざい
177-115-87-×-134-146 H.236 D.244 S.28
あなをほる、かげうち、どくどく、まもる@バンジのみ
・C155ゲッコウガのZハイドロカノン+ハイドロカノン耐え(249/256)
・C155ゲッコウガのZ草結び+草結び耐え
・ミラー意識の素早さ振り
<ひとこと>
影打ちで様子見をしてから毒々+守るの定数ダメージで勝つことを狙う型。耐久に振り切っても物理特殊両方のZ技を耐えることが難しいので、影打ちによる耐性で物理技をいなしながら特殊技を耐えることを狙います。
なので初手は影打ち。そこから「毒→守る→穴を掘る→穴を掘る→守る」と動けば影打ちと合わせてHPをほぼほぼ削りきれるので、初手含めて3ターン攻撃を耐えればよいことになります。仮想敵としてZハイドロカノンを想定した回復量を実現するために半分回復を持たせましたが、実際は耐久調整を行う関係で絶妙に木の実が発動しない可能性もあるのが難しいところです。
余談ですが、穴を掘るは時間稼ぎ以外にもスカーフダストシュート対策としての意味合いがあります。
○ゲッコウガ おくびょう へんげんじざい
165-103-88-131-97-191 H.140 B.4 C.68 D.44 S.252
あくのはどう、はかいこうせん、かげうち、まもる@ノーマルZ
・影打ち+悪の波動でH148-B88-D92ゲッコウガ高乱数1発(最低145ダメージ)
・C155ゲッコウガのハイドロカノン耐え
・C155ゲッコウガの悪の波動耐え(12/16)
<ひとこと>
クサZを考慮しなければ初手は影打ちが安定だと考えていたので、影打ちから入って相手を倒すことを目指す型。相手の初手がノーマルZだった場合は一方的にアドバンテージが取れます(余談ですが、クサZは水悪のゲッコウガを一撃で倒しつつゴーストタイプに対して半減されない唯一のZ技)。
影打ちで気合の襷をケアできるなど良いところもあるのですが、Z破壊光線でDSゲッコウガを倒し切れなかったリ実現したい数値をなかなか満たせず後述のチョッキ型の方がまだ安定することに気付きました(1試合だけ使って負け)。
○ゲッコウガ ひかえめ げきりゅう
148-147-87-170-91-141 A.252 C.252
ハイドロカノン、なみのり、くさむすび、でんこうせっか@きあいのタスキ
・素早さ個体値29
<ひとこと>
気合の襷で攻撃を耐えながら反撃の一打で相手を倒すことを狙う型。多くの相手は変幻自在でタイプを変えながら強い攻撃を叩き込んでくるので、それを逆手に取って激流ハイドカノンでタイプが変わったゲッコウガを仕留めます。
案としては挙がったものの、あまり上手く使えなさそうで考察をやめてしまったので、どこに努力値振るべきなのかは未検討です。
○ゲッコウガ ひかえめ へんげんじざい
179-103-91-157-96-146 H.252 B.28 C.164 D.36 S.28
ハイドロカノン、はかいこうせん、こごえるかぜ、かげうち@とつげきチョッキ
・半減影打ち+半減凍える風+ハイドロカノンでH148-B88-D123ゲッコウガ高乱数1発(最低141ダメージ)
・凍える風+破壊光線でH148-D123ゲッコウガ1発
・A161ゲッコウガの岩雪崩2発耐え(255/256)
・C155ゲッコウガのZハイドロカノン+A115ゲッコウガの影打ち耐え
・ミラー意識の素早さ振り
<ひとこと>
こちらも初手クサZを考慮せず影打ちで様子見を行う型。相手の初手は「ノーマルZ・物理Z技・守る」辺りを想定しており、影打ちでダメージを抑えた後は凍える風で素早さ関係を逆転させてハイドロカノンで試合を決めます。
ここまで書いてきた型の中で唯一初手身代わり+Z技に抵抗できる可能性がありますが、初手身代わりはあまりいないだろうと考えていたのでそこまで重要にはならず。素早さを下げた後に先制技で倒されるのを避けるために岩石封じではなく凍える風を採用しましたが、同じタイミングで素早さ操作技を打ち合うとこちらが素早さを高めにしているので氷タイプの状態で岩石封じを受けてしまう点が気になるでしょうか。
【対戦レポート】
○1戦目 vs がれきん さん 勝ち
初手お互いに守る。2ターン目に先制ドクZを決めて勝ち。
○2戦目 vs @コさん 負け
初手守ると相手はけたぐり。カクトウZ警戒で影打ちを選んでけたぐりをかわす。次のターンのドクZを影打ちで半減で受けられたものの、影打ちで倒しきれると思いきや先に電光石火を打たれてこちらの影打ちが無効化されて次の相手の影打ちで負け。
○3戦目 vs みきりん さん 勝ち
初手守ると相手はノーマルZ。次のターン先制してドクZを当てて勝ち。
○4戦目 vs サイマル さん 勝ち
初手守ると相手はノーマルZ。次のターン先制してドクZを当てて勝ち(2連続)。
○5戦目 vs ミスちゃん さん 勝ち
初手守ると相手の方が先に守る。次のターン先制してドクZを当てて勝ち。
○6戦目 vs うえす さん 勝ち
初手守ると相手は岩石封じ。穴を掘るを選ぶと相手は守る。2連守るが決まらず穴を掘るでダメージ。次のターンにドクZを決めて勝ち。
○7戦目 vs 野上 さん 負け
唯一別の型を使った試合。影打ちを打つと相手も影打ちでこちらが。守るで影打ちを防いでからゴーストタイプを狙って悪の波動を打つも電光石火でノーマルになったので倒しきれず。次のターンなかなか選択が決まらず守るを押したところでZハッピータイムを決められて同速でタイプを変えることもままならず負け。
○8戦目 vs 聖良紅牙 さん 負け
初手守ると相手は草結び。同速に負けて岩石封じを打たれてドクZは7割弱で耐えられる。破壊光線を予想して影打ちを選ぶも相手は冷凍ビームでこちら赤ゲージ。そのまま水手裏剣で倒されて負け。
3ターン目で素直に攻撃しておけば勝てましたが、ハイドロカノンだといずれにせよ負けです。
○9戦目 vs えふ さん 勝ち
初手守ると相手は身代わり。穴を掘るを選ぶと先制してカクトウZをかわす。更に同速に負けてくれたので無傷で相手の身代わりを割ることに成功する。そして、同速を制してドクZを決めて勝ち。
○10戦目 vs たぬき さん 勝ち
初手守ると相手は草結び。悪の波動を打たれるも耐えてドクZを決めて襷で耐えられる。しかし、こちらはHPにも余裕があるので影打ちで倒して勝ち。
○11戦目 vs ぐりぱぱ さん 負け
初手守ると相手は岩石封じ。穴を掘るで岩石封じをかわして弱点を突くも赤ゲージで耐えてからバンジの実で回復される。一度守ると相手は水手裏剣。ここで破壊光線を予想して影打ちを使うもピンポイントに辻斬りを打たれてしまい負け。