○ゼルネアス ひかえめ フェアリオーラ
214-×-141-176-119-135 H.108 B.204 C.68 D.4 S.124
ムーンフォース、マジカルシャイン、ジオコントロール、まもる@パワフルハーブ
○レックウザ せっかち エアロック
181-198-99-174-111-161 H.4 A.220 C.28 D.4 S.252
(181-228-108-204-121-183)
ガリョウテンセイ、だいちのちから、おいかぜ、まもる@きあいのタスキ
○FCランドロス いじっぱり いかく
185-184-111-×-109-143 H.164 A.20 B.4 D.68 S.252
じしん、がんせきふうじ、つるぎのまい、まもる@ジメンZ
○カプ・レヒレ ずぶとい ミストメイカー
176-×-171-117-158-109 H.244 B.164 C.12 D.60 S.28
しおみず、こごえるかぜ、しぜんのいかり、ひかりのかべ@オボンのみ
○ガオガエン なまいき いかく
201-135-112-80-156-58 H.244 B.12 D.252
フレアドライブ、バークアウト、とんぼがえり、ねこだまし@とつげきチョッキ
○モロバレル なまいき さいせいりょく
220-×-112-105-123-31 H.244 B.172 D.92
エナジーボール、キノコのほうし、いかりのこな、まもる@レッドカード
6/8の全国大会「ジャパンチャンピオンシップス2019」でつくもさんが使用してスイスドロー予選3-4で予選落ち。
6/22のウルトラシリーズ対戦会チーム戦でワイルドが使用して予選4-3で予選落ち。
【構築概要】
伝説ポケモンにゼルネアスとレックウザを採用した構築。
共に強力な攻撃性能を持っているので、取り巻きはその伝説ポケモンを活かすためにサポート寄りのポケモンを中心に採用。また、ゼルネアスが苦手な鋼タイプや毒タイプに強いランドロスを補完エースとして採用して、その場合はレックウザの追い風を活用していきます。
【構築経緯】
ゼルネアスとレックウザの伝説ポケモンの組み合わせから構築をスタート。ゼルネアスを攻撃の主軸に置きつつ、その障害を取り除く役割をレックウザに担わせます。
ジオコントロールによる圧倒的な制圧力が強力なゼルネアスですが、必ずしも序盤から展開できるわけではなく、能力ランクの上昇がない場合に苦手な相手を自身で打破することは得意ではありません。そのため、その障害を取り除くためのポケモンが必要になります。ただ、例えばゼルネアスが苦手な鋼タイプを倒すために炎タイプや地面タイプのポケモンを採用しても、それらのポケモンの多くは伝説ポケモンの火力によっていなされてしまうため、伝説ポケモンともある程度の打ち合いができるような汎用性の高いポケモンと組み合わせて使いたいという要望があります。
そこで選んだのがメガレックウザです。広い技範囲を活かしてゼルネアスの苦手なポケモンに削りを入れることができて、役割対象外のポケモンにも一貫性の高いガリョウテンセイで強い圧力を掛けることができるなど攻撃面での性能が非常に高いです。加えて耐性が優秀なので交代で繰り出せる場面もあり、特性によってグラードンやカイオーガからの味方へのダメージを抑えられる点もプラスと言えます。
ということで、伝説ポケモンを2匹決めました。どちらも攻撃的なポケモンであるため有利状況を維持したり不利状況を立て直すために取り巻きはサポート寄りのポケモンを採用します。
まずはガオガエン。「特性の威嚇」「猫騙し」「鋼に強い炎打点」の3点でゼルネアスとの相性に優れており、その強さはあらためて言うまでもないでしょう。次にカプレヒレ。伝説枠2匹が攻撃的ということは更に素早さの高いポケモンとの打ち合いが不利ですが、凍える風によってそれを対策することを狙います。そして、モロバレル。カイオーガを絡めたトリパへの耐性やカプレヒレで抵抗しづらいメガゲンガーを意識しての採用です。
最後の1匹ですが、ここまで相手のゼルネアスに明確に強いポケモンがいなくて困っていたのですが、海外の大会結果を参考にそれが可能なウツロイドを採用しました。ウツロイドは数いるゼルネアス対策の中でも素早さが高いことが重要で、素早さが遅いとゼルネアス対策を対策してくるポケモンの攻撃も併せて耐えるようにしなくてはなりませんが、素早さが高ければジオコントロールを積んだゼルネアスの攻撃を耐えるだけで良くて、更にグラードンに対しても周りで削っておけば自身で縛ることで関係性を逆転させることができます。
ということで、しばらくウツロイドを採用した形で対戦していました。
【ゼルネレックwithウツロイド】
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ゼルネアス | ムーンフォース | マジカルシャイン | ジオコントロール | 守る | パワフルハーブ | |
レックウザ | ガリョウテンセイ | 神速 | オーバーヒート | 大地の力 | 突撃チョッキ | |
カプレヒレ | しおみず | 凍える風 | 自然の怒り | 光の壁 | ミストシード | |
ガオガエン | フレアドライブ | バークアウト | 蜻蛉帰り | 猫騙し | フィラの実 | |
ウツロイド | パワージェム | ヘドロ爆弾 | クリアスモッグ | 守る | イワZ | |
モロバレル | 草結び | キノコの胞子 | 怒りの粉 | 守る | メンタルハーブ |
ウツロイドの使用感はそれほど悪くなかったですが、イワZによる奇襲を含め対戦相手がウツロイドを意識した対策をあまり練れていないことによる勝ち試合が多いと感じたので、どこかで今よりも使いづらくなるだろうと感じました(それに合わせてクリアスモッグの代わりに身代わりを採用したりもしてみた)。
また、レックウザが鋼タイプに打点を持っているものの、トリックルーム展開に持ち込まれると守るがないことも響いてスムーズな対処ができない点が気になりました。そして、大地の力を搭載したレックウザが増えてウツロイドがいよいよ扱いづらくなったので、これらの課題を解決できるように最後の1匹を検討し直すことにしました。
ということで採用されたのがランドロスです。まず単純に鋼タイプを削れるポケモンを増やすこと、威嚇を2匹で活用することでトリックルームを凌ぎやすくすることを意識。ただ、ランドロスは攻撃と威嚇以外では味方に貢献できる技があまりないので選出したときに腐ってしまう場面が少なくないと思いました。なので、それを補うためにランドロスに剣の舞・レックウザに追い風を持たせることで、ランドロスを攻撃役として扱いやすくできるようにしました。
ただ、本来ウツロイドが持っていたゼルネアス対策にはならないため、モロバレルにレッドカードを持たせて対策とすることにしました。ウツロイドほど明確な対策にはなりませんが、元々対ゼルネアスはバークアウトや光の壁を交えながらこちらもゼルネアスを展開する形でも立ち回り次第では戦えるとは思っていたので、よりゼルネアス対策の対策に注力する方向を取りました。
【個別解説】
★ゼルネアス
<持ち物:パワフルハーブ>
ジオコントロールを有効に扱うため一択。
<技構成:ムーンフォース、マジカルシャイン、ジオコントロール、守る>
強い単体攻撃のムーンフォース、強い範囲攻撃のマジカルシャイン、採用理由でもあるジオコントロール、大事に扱うための守る。
ジオコントロール型の最も基本的な技構成です。自己暗示を繋ぐようなギミックがあったりするわけではないので、特に身代わりなども採用しませんでした。
<実数値:214-×-141-176-119-135 H.108 B.204 C.68 D.4 S.124>
A255メガレックウザの拘り鉢巻きガリョウテンセイ耐え(15/16)、A255グラードンの75%断崖の剣2発耐え(255/256)。C147カプコケコのフィールドZ10万ボルト耐え(15/16)。素早さはランク+1で最速カプコケコ抜き+1。 残り特攻で+2ムーンフォースでH205-D122ゼルネアスを1発にできる程度。
ジオコントロールを使える試合を増やすために、物理耐久を重視して配分。特攻も素早さも最低限程度の値だけ確保している状態です。
★レックウザ
<持ち物:気合いの襷>
火力と素早さに努力値を振りながら行動保証をつけるために気合いの襷。
神速を採用するなら縛り範囲が広がる命の珠も魅力ですが、今回は追い風を優先したので不採用。
<技構成:ガリョウテンセイ、大地の力、追い風、守る>
タイプ一致メイン技でメガシンカのためにも必須なガリョウテンセイ、ツンデツンデをはじめとした鋼タイプへの打点となる大地の力、先述の通りランドロスを攻撃役として活かしやすくもできる追い風、トリックルームや猫騙しを凌ぐのに便利な守る。
突撃チョッキで使っているときに神速や噛み砕くやオーバーヒートも試しましたが、大地の力が最も優先度が高く、他に必要になった技が2つあったということでどれも不採用になりました。
<実数値:181-228-108-204-121-183 H.4 A.220 C.28 D.188 S.252>
素早さ最速。H146-D96カプコケコ及びH168-D168ツンデツンデを大地の力で1発。残り攻撃でH175-B176カプレヒレ(A255レックウザの拘り鉢巻きガリョウテンセイ耐え)2発。
物理耐久に厚いポケモンの調整ラインが拘り鉢巻きレックウザを仮想敵にしていることが多いので、カプレヒレの自然の怒りと合わせて倒せるように攻撃に振りたいと思ったので、耐久を気合いの襷に任せてASベースの配分にしました。
★FCランドロス
<持ち物:ジメンZ>
範囲攻撃で火力が落ちたり味方を巻き込む関係で使いにくい地震のデメリットを補えるジメンZ。
<技構成:地震、岩石封じ、剣の舞、守る>
メインウエポンの地震、大事に扱うための守る、威嚇によって腐ることを避けるための剣の舞。残る技は一応味方の素早さ補助という意味で岩石封じを採用しました。
守るを持たないポケモンが2匹いるので地震は使いづらい部分もありますが、特殊型で採用しても役割対象にダメージを与える以外の仕事を持たせづらかったので、このようになりました。ランドロスまで出さなきゃいけない試合ではジオコントロールを狙いにくいはずなので、ゼルネアスを雑に扱ってランドロスを通すことも考えます。
<実数値:185-184-111-×-109-143 H.164 A.20 B.4 D.68 S.252>
素早さ振り切り。255レックウザのガリョウテンセイ耐え。C190ゼルネアスの75%ランク+2マジカルシャイン耐え。Z地震でH207-B181グラードン1発(15/16)。
副産物としてC206ミュウツーのフィールド拘り眼鏡サイコブレイクやC226ネクロズマのウルトラネクロZを光の壁込みで耐えるようになってます(このタイプはスカーフカプテテフでマジックルームを使ってくることからゼルネアスを通しづらく素早さ操作が選出に組み込まれていないことが多いのでレックウザ+ランドロスで対処したい)。
★カプ・レヒレ
<持ち物:オボンの実>
集中攻撃で倒される場面をなるべく減らすためにオボンの実。主にクロバットの怒りの前歯やカプレヒレの自然の怒りを意識しています。
半分回復木の実は発動しない場合も多く、うまく交代を重ねて発動させるような動きも取らないので採用しませんでした。
<技構成:潮水、凍える風、自然の怒り、光の壁>
採用理由の1つである凍える風、場に居座っても腐りにくい自然の怒り、グラードンやツンデツンデなどに大きなダメージが見込める潮水。潮水だとゲンシグラードンは一撃で倒せませんが、グラードンは耐久に努力値を振ることも多く熱湯でも倒せない場合がほとんどだと思ったので、自然の怒りとの相性を買いました(チョッキでないガオガエンやツンデツンデを倒せる)。
最後の1枠は守るを持たせて初手からカプレヒレを集中して処理を目論んでくる相手に耐性をつけることも考えましたが、ガオガエンと繰り出せばそういう状況は減らせます。仮に猫騙しを両守るなどで凌がれても2ターン目以降の集中も耐えられるように光の壁を採用しました。
<実数値:176-×-171-117-158-109 H.236 B.164 C.12 D.60 S.28>
A255メガレックウザの拘り鉢巻きガリョウテンセイ耐え(15/16)。C207ルナアーラのルナアーラZ耐え。75%凍える風+潮水でH175D111グラードン1発ずつ。残り素早さでランク-1のカプテテフ抜き。
攻撃役として期待してないので、ほぼ全て耐久に振りました。欲を言えば特殊耐久をもう少し上げてネクロズマのウルトラネクロZを耐えるようにしたい(フィールドを壁で相殺してる状況を想定)ですが、その場合は何かしらダメージを受けていそうなのでミラーなどを意識して素早さに回しました。
★ガオガエン
<持ち物:突撃チョッキ>
特殊耐久を高める突撃チョッキ。カイオーガからレックウザ交代読みの冷凍ビームを打たれる場面での蜻蛉帰りやミュウツーやルナアーラのカクトウZに対して即死してしまうと試合が一気に不利になってしまうため、それを防ぐ目的です。
グラードンやツンデツンデへの繰り出しを考えると物理耐久も上げられる半分回復木の実がありますが、そこはランドロスと威嚇を併用することで補うことにしました。
<技構成:フレアドライブ、バークアウト、蜻蛉帰り、猫騙し>
展開作りに便利な猫騙しと蜻蛉帰りが必須。残る2つはトリックルーム展開を誤魔化すのに便利なバークアウトとソルガレオやモロバレルへの打点となるフレアドライブを採用。
ウツロイドを使っていた頃はツンデツンデを意識したけたぐりも候補でしたが、ランドロスを採用したので素直にフレアドライブを優先しました。
<実数値:201-135-112-80-156-58 H.244 B.12 D.252>
素早さ最遅。A.207ソルガレオの馬鹿力耐え。残り特殊防御。
カイオーガの雨75%根源の波動+微弱なダメージを意識してほぼ特殊耐久に振り切り。素早さは追い風や凍える風があるものの、トリックルームネクロズマより遅い方が良くて、基本的には後攻で蜻蛉帰りを出せる方が嬉しいので素直に最遅にしました。
★モロバレル
<持ち物:レッドカード>
ゼルネアス対策として選出しつつゼルネアスの攻撃だけ耐えれば済む対策手段となるレッドカード。
他に繰り出したい構築がトリパやメガゲンガー相手ですが、トリルアタッカーやメガゲンガーを交代させることもできそうなので、悪くはなさそうです。
<技構成:エナジーボール、キノコの胞子、怒りの粉、守る>
レッドカードをゼルネアス相手に発動させるために暴発を防ぐ怒りの粉と守るを採用。モロバレルの中で最も脅威であるキノコの胞子。
残りは攻撃技を採用したいのですが、カイオーガに大きくダメージを与えられる草技を採用します。ダメージが最も出るのは草結びですが、眠り対策で選出されるカプコケコやカプレヒレに対しての威力が低いので、そこで腐ることのないよう威力が一定して高いエナジーボールを採用しました。
<実数値:220-×-112-105-123-31 H.244 B.172 D.92>
A232レックウザのランク-1ガリョウテンセイ耐え。C222メガゲンガーのヘドロ爆弾2発耐え。
レッドカードは攻撃を耐えずに倒されると発動しませんが、ゼルネアスに対してはほぼ問題ないのでA201ツンデツンデのZストーンエッジとメガゲンガーの嘘泣きヘドロ爆弾を意識して調整しました。
【総評】
そこそこ戦える形にはなったものの、勝ち切るためにはもう何歩か進んだ構築を目指す必要があります。
ゼルネアスとレックウザの組み合わせは今年の全国大会では対策筆頭な構築ジャンルであるため、その中で勝ち進むには先を行くような要素があった方が良かったでしょう(別の伝説の組み合わせ含め他の構築をまとめられなかった)。また、私がオフ会で使った際も不確定要素が絡んでの負けが2つと内容自体は悪くなかったのですが、少し不運な程度で負けてしまう程度の構築でしかないことは間違いありません。
この辺りは考察量不足が否めず、ガオガエン・カプレヒレの汎用的な強さに思考停止するほど考え方が固くなっていたので、もっと幅広く考えられるように取り組んでいきたいです。