「バチェロレッテ・ジャパン」の感想。

「バチェロレッテ・ジャパン」の感想。

 

バチェラーという「海外発祥、1人のハイスペック男性を多人数の女性が奪い合う恋愛リアリティ番組」の男女逆転版。つまり、多くの男性が1人の女性を奪い合います。
バチェラーのシーズン3までを経て、今作はそのシリーズの第一弾にあたります。

ネタバレを含むので感想は続きから。
バチェラーシリーズとの比較もあるので、そちらのネタバレも多少は入ります。

 

 

○番組形式

基本的にはバチェラーの前シーズンと変わらず、スタジオトークを挟んでの約65分構成。ただ、MCが今田耕司・藤森慎吾・指原莉乃からナインティナインとSHELLYに変わりました。この変更はシリーズを区別する意味なのでしょうが、バチェラーシリーズに比べるとイマイチなキャスティングでした。キャラクター性というよりは恋愛に対する洞察や言葉選びといった点で単純に能力的な見劣りを感じたことが理由です。
確かに女性に比べると男性の方がイジりやすい(?)ので、思ったことをパッと喋れてしまう岡村隆史は良さそうにも見えますが、着眼が浅かったり話の本筋とは関係ない部分ばかり気にするところでイマイチでした(逆にそういう性質なので座談会で男性陣をイジるのはバラエティ的に面白かった)。相方の矢部浩之も基本的には聞き手に回っていましたが、下手に喋るとボロを出すばかりで、参加者がスタジオに集まる座談会のときの「なぜ福田さんは曇った空を見ても美しいと言えるのか」に対して「それは女性だからや」っていう返しを見てすごく残念な気持ちになりました。
バチェラーシリーズを見ていた際には「確かに結婚経験のあるメンバーがいないな…」と思っていましたが、トークでそれが活きた感じはありませんでしたね。

 

○バチェロレッテの印象

事前の紹介映像を見た率直な感想は「スポーツトラベラーってなに?」でした。インタビューはポジティブで芯がある印象で素敵に見えたのですが、彼女がこれまでの人生をどう過ごし何を成してきたのかがあまり見えませんでした。踏まえてスポーツトラベラーという肩書きを考えると、実家の裕福さに起因するセレブ性を持つだけの女性を想像してしまい、それだったら残念だなと不安に思っていました。
実際に番組を観てからは「自分の世界観が強すぎる」ことをすごく感じました。それは彼女の魅力の一つと言えるのですが、それがネガティブに映る場面もありました。最も驚いたことは感受性が普通の人より遥かに豊かであることです。そして、そうやって感じたこと思ったことを自分の言葉で表現できる、この点はとても素敵だと思いました。
一方で、自分の感情や言葉を大事にするあまり、自分本位というかわがままに感じる場面もありました。もちろんこの物語の主役は彼女で、同じ価値観を共有できる相手を短い時間で探さなくてはならないためにそうしていると言えばそれまでですが、自分の理想とする考えが正義であると疑わず他人にもそれを押し付けているように見えました。
エンディングを除けば番組的には初代として適任のキャラクターだったと思います。1回目ということで視聴者(おそらく大半は女性)が憧れを持つような人材を採用したくて、常にポジティブで臆せず自分の考えを主張できる福田さんは「自分に持っていない要素を持つ憧れの人物像」として、日本人の多くの傾向に当てはまっていたでしょう。

 

○男性陣の印象

事前の紹介映像の感想は「魅力的な人あまりいないな…」でした。構図が逆玉の輿のようにあるからなのか、自分の芯を強く持っている人の数が少なく感じました。個人的な好みの話だと、カッコいいと思う男性の要素が「爽やか・クール・ストイック」なので、黄さんが一番印象が良かったです。
実際始まってみると性根が曲がっている人自体は少なく、基本的にはいい人が多かったです。それは最初のカクテルパーティでも表れていて、ファーストインプレッションローズが渡されたときに皆が拍手を送ったのが印象的でした。なんやかんやしょうもない(褒め言葉)争いはありつつも、お別れのときは一緒に競争を生き抜いてきた戦友として労うような場面があったり、杉田さんのようにそれで大きく成長したり、そういう男性陣の関係性の発展というのがこの番組の一番の見どころだと感じました。
視聴の前後で印象が一番大きく変わったのは當間ローズでした。最初にあの紹介映像を見せられるとどうしても自己陶酔が激しい印象を抱いてしまいますが、バチェロレッテに対してだけでなく男性陣や彼の家族も含めて他人を想う気持ちに溢れたすごく魅力的な男性でした。初対面のアプローチでバチェロレッテに嫌な思いをさせたかもしれないとすぐに謝れる謙虚さ、藤井さん・北原さんら落選したメンバーとのお別れで真っ先に駆け寄る包容力、それでいて最後に選ばれるのは自分だと思える自信、素敵でした。

 

○バチェロレッテの選択

男性陣への印象でも書いた通りで、残り3人になるまではとても順当な感じがありました。そこからは「ローズを落として、最後は黄さんかはたまた誰も選ばない…のか・・・?」と予想していましたが、本当に誰も選ばずに終わりましたね。。
彼女の人生は誰のものでもない彼女のものなので、自分がその場で最適だと思う選択をしたことは決して悪いことではないと思います。ただ、この選択は「集まった男性の中から最後の1人を選ぶ」恋愛バラエティとしての番組コンセプトをぶち壊しているので、その選択をするにしてもそこにもっと配慮できなかったのかという気持ちでとても残念です。
例えば、想像力を働かせて、バチェロレッテのオファーを受けた段階で最後の1人を選べない可能性があることは考えられなかったのでしょうか。彼女はショーの主役ですが、番組は彼女の私物ではなく、主役としての責任を全うする自信がないなら最初からオファーを断る選択肢もあったと思います。そのときの気持ちはそのときになってみないと分からない、これも気持ちは分かります。ただ、ルール無視という形で責務を放棄するなら相応にそれを謝るべきではないでしょうか。
しかし、福田さんはスタジオトークでも「あなたにはあなたの考えがあるかもしれないが、これが私の考えで決めるのは私」の姿勢を徹頭徹尾崩しませんでした。その不誠実さに向き合おうとしたのが萩原さんやマラカイで、その稚拙さも受け入れようとしたのがローズや北原さんだった印象ですが、いずれにせよただのわがままにしか見えませんでした。シリーズの中で他人の気持ちを思いやろうとする側面を見てきたからこそ、なんでそれができなかったのか残念です。
わがままと言えば、福田さんの主張はずっと「私の判断」で、そこに「私たち」は登場しませんでした。結婚は2人でするものなのに、最後に残った2人の考えに歩み寄ろうとはしなかったのも自分本位だと思います。最後のローズセレモニーついても、2人を集めてどちらも選ばない自分の選択を伝えるのではなく、個々にお別れを告げる形だったので誠実でないと思いました(彼らは互いに会うまで「自分ではなくもう一人が選ばれた」と思ったままになってしまうため)。

 

○全体的な感想

バチェラーシリーズを見ていたときは「彼がどういう選択をするか」を楽しみに観ていましたが、今回は男性陣のヒューマンドラマが一番の見どころで、そこに面白みを感じるとは全く予想していなかったので、意外な楽しみを発見できたのは良かったです。
しかし、バチェロレッテの振る舞いが不誠実だと思う点でモヤッとした不快感が残るのも事実です。私の福田さんに対する印象は「ボキャブラリーのある友永さん」と言っても過言ではないです(わがままで強さをはき違えてそうなところ、友永さんは最後謝ってますけど)。ただの視聴者からはその立場の重さや事情は何も理解できませんが、せめてこの企画に覚悟を持って参加した男性陣にはもう少し誠実に向き合ってほしいと思ってしまいました。
ある意味リアルな選択ではあったものの「誰も選ばなくてもいい」という前例ができてしまうとリアリティショーとしては次回以降も続けていくのは難しそうですね。初代には女性が憧れる女性像を置きながら、少し親密感を持ちやすいタイプやぶりっ子タイプのバチェロレッテが登場する・・・なんて展開になったら面白そうだと個人的には思っていました。2代目に求められるハードルはとても高くなりそうですね。あとMCのナインティナインは変更してほしいです(

 

○その他小ネタ

・開幕SHELLYが声ガラガラでモチベーションダウン(
・体調管理気を付けても起こり得ることですが、制作側はよくこれでGoサイン出したなと
・レッドカーペット、バチェラー同様にあの手この手がある
・北原さんのロールケーキ、手づかみは自分だったらなんかいやだ(
・五島さんの殺陣、武士だからアレだけどスマートさがちょっと足りないよね
・牧野さんが自分のジャケット着せるやつ、妙な恩着せがましさを感じる(
・バチェラーシリーズより少ない人数で始めてるのに、1話でいきなり5人も落とすんですね
・瀬戸口さんの日傘、何もないときはいいけどサバイバルのときは非効率だからやめてほしいよね
・下山さんのヒトデ、岡村がイジりたがるけど、そんなにおもしろいか・・・?
・ワークアウトで現れたケビンを弟と言い切る福田さん(全く血のつながりはない)
・なのに、「彼に恋愛感情はありません」という言葉が出てくる意味が分からなかった
・藤井さんの1on1「かわいい、キレイ、スタイルがいい」はちょっと……。
・でも「自分が作った空間をみんなが楽しんでくれているのが好き」と言う彼はなりたい自分を実現できていることの現れで「それは仕事の話でしょ?」と切り捨てた福田さん。。
・1on1でローズをもらえなかった藤井さんに真っ先に抱きよるローズ、カッコいい
・台湾デート、杉田さんとのデート終わりに現れた北原さんの「萌子さん!杉ちゃん!」は人柄が出ていて良かった
・北原さんの親子丼の件、自分の人生で鉄板ネタになってそう(半分失礼)
・ストールンローズ誰が使うかの議論、マラカイの正論パンチがつよい
・榿澤さん、福田さんへの思いよりは自分がまだ何も成していないことへの気持ちが強い気がしてて、結果も実らなかったけど泥臭くも真っすぐな姿勢はカッコよかった
・他人の感想で「部屋着のまま行くから」みたいなものをそこそこ見ましたが、そういう見た目の問題ではないと思います。。
・5人になって日本帰ってきてからの男性陣の最初のやり取り、好き
・2on1デート、編集的には3人で乗馬した直後に1人選ばなきゃいけないみたいになってますけど、さすがにそれぞれと対話する時間設けてたよね・・・?
・その時間もなく福田さんに判断を迫っているのだとしたらそれは酷、でも対話する時間あったなら次の日の仕切り直しいらなくないですか・・・?
・編集の問題かもしれませんが、見事に好きを伝えた人だけ残り、一気に3人に
・ローズ母、もう20年近くは日本に住んでいると思うけど日本語学ぼうと思わないのかしら
・ローズ母の言う「(家族を引き裂くようなことはしないでほしいと伝えた後の)萌子さんが自分の家族の話を持ち出してきて真意が伝わっていない気がした」は結構福田さんの本質を表していた気がする
・お互い言語自表現上は「自分の家族が大切」に変わりないが、どう大切の仕方は家族によって異なりますよね、そこを聞かずに自分の家族の話が出てきたのは個人的には少し違和感だった
・杉田さんの「家に木を植えよう」という発想、素敵
・スタジオトークで「植えた木どうするの」みたいになってましたけど、出会えた奇跡に対する思いを託したものだと思ってたので、恋が実るかどうかに関わらず大切な存在だと思うのだけどな。。
・恋に敗れた男性陣が集まるスタジオトーク
・もはやただのヒナ壇バラエティで岡村隆史が一番生き生きしていた瞬間でだった
・ほぼフォーカスされずに1回目で落選した写真家の谷口さん、メンバー紹介されるときの一言(一言ではない)が気持ち悪かった(直球
・ローズが福田さんに「もう一度フってほしい」と言った気持ち、わかる
・けどバチェロレッテの贈った言葉はローズが欲しい言葉ではなくて、それでローズが次に進めるのか気になってしまう
・最後のローズセレモニー前、福田さんの家族は母親だけ登場、しかも実家ではない
・以前のトークでも母親の話だけで、彼女の理想の家庭が福田家なら父親みたいな人を夫にしたいと思うのが自然なので、エピソードが出てこないのが気になっていた
・黄さんとの1on1デート、温泉とベッド・・・これが「最初から男として見ている」ってこと?

・元カレの話を杉田さんにする福田さん、めちゃくちゃ引きずってるし美化されたそれを越えるものしか許容てきないのはハードルが高そう
・最後のローズセレモニー、黄さんを前に福田さんが話し始めて「あっ、どっちも選ばないやつだ」と悟る・・・。
・森の中に消えていく黄さんがシュールすぎる((
・最後にどちらも選ばなかった福田さんを迎えてのスタジオトーク
・予告で萩原さんや藤井さんが福田さんに批判的な意見を述べてたが、蓋を開けるとそれは本人が登場する前で、これは悪意のある編集だと思った
・不倫とヒトデでイジられキャラになっていた下山さんだが、「萌子さんが結婚を考えるポイントは何か」とかなり的を得た質問をしていたのが好印象
・萩原さん批判的なことを言うのは向き合おうとした証でもあり、その上で泣いてくれる、中身は薄いかもしれない(失礼)けど確実にいい人
ナインティナインから福田さんへの質問が稚拙過ぎて気まずい
・杉田さんのもう一度告白を終えて「すっきりしましたか?」って聞く矢部さんは今までとその場でいったい何を見ていたの・・・?
・ローズのときもそうでしたが、福田さんは向けられた好意を断る割には「私のせい」とか「もっと一緒にいたいけど」とか微妙に繋ぎ止めようとするのがタチ悪い
・好意には応えられないけど嫌われたくもない、保身の姿勢を感じてしまう
・そもそも男として見れるかどうかって何が決め手になるのだろう
・福田さんが自分の感情を他人に表現するとき、「~したい」ではなく「~なんだと思う」という言葉遣いをするのが気になる(ローズに対して「恋人への愛には変わらなかったんだと思う」など)
・自分で自分を見つめ直す中で客観的に見たからこその表現かもしれないが、他者からしたらそれは分からないので自分の感情に責任を持っていないように映る
・もう少し歪んだ視点だと「感情がそうあるのだからそれは変えられなくて仕方がない」というニュアンスの押しつけにも思えた